Home/ 新着一覧 新着一覧 尖閣諸島に公務員を常駐させ、尖閣で「聖火リレー」を迎え入れよう! 2013.09.29 ◆元寇を防いだ神風 鎌倉時代、元寇の襲来を防いだのは、二つの台風だったと言われています。 その影には、鎌倉武士が勇敢に戦い元寇に立ち向かった事実があります。 鎌倉武士の気概が神風を呼び寄せ、元寇を海の藻屑にしたのです。 ◆神風が守る尖閣諸島 実は現代の「神風」は、昨年、そして今年になって吹いています。 昨年は台風のほとんどが沖縄、尖閣諸島を通過し、中国に向かいました。中国に上陸した台風が習近平氏の事務所を水浸しにしたことも報じられています。 民主党政権下の昨年8月、残念ながら華人の魚釣島上陸を許してしまいましたが、あたかも台風に意志があるかのように、いくつもの台風が尖閣諸島を通過し、華人の接近を阻止しようとしました。 また昨年は、赤道付近で発生するはずの台風が沖縄近海で突然発生し、その影響で左翼陣営が沖縄で開催しようとしていた「オスプレイ配備反対沖縄県民集会」が延期になったこともあります。⇒http://hrp-newsfile.jp/2012/430/ 今年に入ってからは、尖閣・魚釣島に昨年上陸した香港の民間団体「保釣行動委員会」が8月中旬に抗議船を再び尖閣海域に派遣する方針を明らかにしていました。(7/8 時事「『民兵』1000人で尖閣占領を=中国弁護士が志願者募集」) しかし、8月中旬にも台風が日本海を通過し、同月20日に広東省や東北3省、湖南省などに大きな被害をもたらしていたのです。 結果的には、中国当局の許可が下りず、尖閣行きは中止されたのですが、台風は絶妙のタイミングで中国本土に向かい、上陸したのです。 9月に入ってからは、今度は中国・香港・台湾の「世界華人保釣(釣魚島防衛)連盟」の船が、尖閣を目指して26日にも中国・福建省アモイ市から出航する予定でした。(9/24 RecordChina「中国・香港・台湾合同の抗議船が出航へ」 ところが、今度も台風19号の影響で、10月7日以降に尖閣への出航を延期させると中国人幹部が発表しています。(9/25 時事「来月7日以降の出航目指す=『尖閣』抗議船、中国アモイから」) こうして《意志》があるかのように、台風が中国の尖閣上陸を阻止していますが、日本の海上保安庁の皆様も、毎日のように尖閣諸島に接近する中国の海警局の公船の侵入を防いでいます。 「神風」が鎌倉武士の気概に応えたように、尖閣諸島を必死に守ろうとする海上保安庁の方々に呼応して、台風が起こっているのです。 ◆尖閣諸島への公務員常駐を! しかし、いつまでも「神風」だけに頼っている場合ではありません。 日本の為政者が尖閣を守るために、どのような努力をしているのか、天は注目しています。 尖閣諸島の国有化から1年を迎えた9月10日、菅官房長官は記者会見で、尖閣への公務員常駐について「選択肢の1つだ」と述べています。(9/10 産経「領海に中国船8隻侵入日本『公務員常駐、選択肢の1つ』」) 10日には、4月23日と並び過去最多の中国海警局船8隻が尖閣周辺の日本領海に侵入。中国外交部は「決して許さない」と主張しており、日本の尖閣への公務員常駐を強く警戒しています。 中国の異常な警戒心は、日本の公務員常駐による尖閣諸島の実効支配を恐れていることを意味します。 つまり日本が尖閣に公務員を常駐させることは、中国に対して、「本気で尖閣を本気で守る」という日本側の強い意思表示になるのです。 ◆尖閣諸島に東京オリンピックの聖火を! ここで提案したいのは、2020年の東京オリンピック際に尖閣に常駐している公務員が、アジアから巡ってきた「聖火」を受け取ることです。 これによって、オリンピックの「聖火」が入った日本の最初の地は、尖閣諸島であったことを世界にアピールできます。 この後、尖閣から与那国、石垣、沖縄本島へ「聖火」をリレーすれば、最近では尖閣諸島ばかりでなく沖縄までも日本の領土ではないと主張している中国を黙らす最高の舞台を演出することが出来ます。 このようにして、世界が注目するオリンピックの「聖火」を日本人が常駐する尖閣諸島から沖縄を通って東京に迎え入れることを提案します。 もちろん中国は猛反発するでしょうが、「尖閣諸島は日本領であり、領土問題は存在しないため、日本から国際司法裁判所に提訴することはありませんが、もし文句があるなら、中国は国際司法裁判所に提訴すれば良いでしょう。その時は受けて立ちます。」と、オリンピックで世界が注目する場で宣言すれば良いのです。 それでも中国は反発し、国際裁判所に提訴することはないでしょう。 この時に尖閣諸島の領有を日本は堂々と主張し、世界に向けて日本はこう宣言すれば良いでしょう。 「中国が提訴しない理由は、自分たちに勝ち目がないことがわかっているからです。だから中国は国際ルールも守らず、ただ身勝手な尖閣や沖縄は自分たちのものだという主張を繰り返すことしかできないのです。」 「寸土を守れぬ国家は、全土を失う」のが歴史の法則です。 いつまでも台風に国土を守ってもらっているようでは、天もいつか呆れてしまうことでしょう。 まずは、日本政府こそが尖閣諸島を守る「士の気概」を示し、尖閣諸島の公務員常駐化を早急に実現した後、オリンピックの「聖火」を尖閣諸島で受け入れることを提案致します。(文責・政務調査会 佐々木勝浩) 真なる「積極的平和主義」の実現を! 2013.09.28 国連総会出席などのために米国とカナダを訪れていた安倍晋三首相は28日夕方、政府専用機で羽田空港に到着しました。 今回の安倍首相のアメリカ国内での講演は、2020年の東京オリンピック開催の決定や、アベノミクスによる経済成長が続いていることなどから来る自信を感じさせる内容でしたので、一部を紹介します。 ◆Japan is back 日本時間26日の未明、ニューヨーク証券取引所で行った演説では、日本経済復活の可能性から始まり、リニアの売り込みと原発の安全技術の再確認、そして規制改革と減税を断言しました。 最近の安倍首相の英語演説では、短い言葉で印象づけるフレーズがよく登場します。 この日は、日本は20年近くデフレに苦しみ、経済は低迷してきたが、「日本がもう一度儲かる国になる。Japan is back(日本は戻ってきた)ということを話すためにやってきた」と始めました。 そして、日本が本来持つポテンシャルを発揮すれば復活できること、日本に帰ったら投資を喚起するため、大胆な減税を断行すると発言しました。 ◆世界経済回復のためには3語で十分 Buy my Abenomics! 更に、講演の最後には、世界経済回復のためには「Buy my Abenomics!(アベノミクスは『買い』だ)」と言い、2020年の東京五輪招致成功で日本は7年後に向け大いなる高揚感にあり、投資は今がチャンスだ、ということを強調しました。 この演説に関して、米国では好感する反応が多く、米ブルームバーグ通信は「首相が日本が世界経済を引っ張る存在になることを約束した」と伝えたようです。(9/27読売「『安倍カラー』米で全開」) 安倍首相の語った日本経済の可能性、リニアと原発の売り込み、規制改革と減税の推進、そしてアベノミクスのアイデアの元は、全て幸福実現党が経済政策において主張し続けてきたことばかりです。 ただし、これらは消費税増税はしてはならないことが前提です。 景気の腰折れを起こさせ、経済を芯から冷え込ませる消費税の増税は決して行ってはなりません。 ◆もし右翼と呼びたいのならどうぞ 同日、講演を行ったハドソン研究所では「集団的自衛権」を巡る解釈見直しの意義を説明し、理解を求めました。 防衛費に関しては、日本の今年の防衛費の伸び率は11年ぶりのプラス0.8%。それに対し、「すぐそばの隣国」は「毎年10%以上の伸びを20年以上続けた」と言い、中国の脅威を強調しました。 米左翼新聞や中国・韓国が安倍首相を「戦争の道を目指す右翼」と批判していることの矛盾を暗に指摘し、反論。これには会場から拍手が起きたようです。 これらを踏まえ、それでも「みなさまが私を右翼の軍国主義者と呼びたいのならそう呼んでもらいたい」と発言し、日本の首相として気概をみせたように思います。 ◆「積極的平和主義」のネック ただ一方で、国連の演説においては、明言をすれば「国際公約」になってしまうということで、公明党に配慮し、表現が抑制されたものとなっていました。 特に「集団的自衛権」に関しては踏み込みませんでした。公明党が「集団的自衛権」の解釈変更に慎重姿勢を示しているためです。 首相周辺は「公明党を怒らせたら元も子もない」と語り、連立内のねじれに頭を悩ませています。(9/27 読売「国連演説は表現抑制」) ◆経済繁栄と世界の平和は表裏一体 安倍首相は、ハドソン研究所の演説の最後で「私に与えられた歴史的使命は、日本に再び活力を与えることによって、『積極的平和主義』の旗の誇らしい担い手となるよう促していくこと」と述べました。 経済的な繁栄と自国を含めた世界の平和を守ることは表裏一体です。 日本が没落したら、「やはり、資本主義、自由主義の未来は没落しかない」と、中国や北朝鮮は必ず考えるので、日本は絶対に繁栄しなければなりません。 そのネックが、消費税増税であり、連立与党の公明党です。 安倍首相にはなんとか消費税増税を思いとどまって頂くと共に、「真なる保守連立政党」を実現すべく、幸福実現党は今後とも努力精進してまいりたいと思います。(文責・HS政経塾1期生 湊侑子) 消費増税は「国家社会主義」への道 2013.09.27 ◆財務官僚の悲願である消費増税 安倍首相が消費増税の是非を決断する10月1日が近づいてきました。 新聞では「安倍総理が増税を決断」の見出しが日々続いていますが、安倍首相や菅官房長官は、消費増税を決断したことを全く認めていません。 消費増税に向けてのマスコミの「安倍包囲網」は大変なもので、結果として、多くの国民も「増税やむなし」と感じているようです。 財務省は「海外と比べて、日本の消費税率がまだ低い」ということをPRし、「増税は当たり前」と言い続けています。 しかし、実は、国税収入全体に占める消費税の割合は欧州諸国と変わりません。日本の消費税が網羅的に課税されているのに対し、欧州各国の付加価値税は、食料品や衣料品などが軽減税率や免税になっているためです。 これ以上、増税すれば、日本人の消費増税の負担感は、欧米を上回るものとなるでしょう。 ある意味、今回の消費増税は「社会保障費」という大義名分があるため、投票率の高いシニア層に対して大きな説得力を持っているようです。 しかしながら、復興増税が税務署の改修費用等に流用されていることからも明らかなように、消費増税分が社会保障費に充当されるかは全くあてになりません。 ◆国家社会主義への道としての「マイナンバー法」 5月には、国会でいわゆる「マイナンバー」法案が成立し、2016年より施行されることになりました。 「マイナンバー」制度は税金・社会保障・パスポート・運転免許等の各種番号を一元化することを目的としたものです。 この制度によって行政手続き上、便利になることは間違いありませんが、「国民総背番号制」とも言われるように、個人のお金の出入りから病歴に至るまで、国家が個人情報の全てを一元管理できるようになります。 この制度は「自由を守る」立場からすると大きな脅威であり、手放しに喜べません。 マイナンバー制度によって、膨大な個人情報が国家が管理するようになると、国家は個人のあらゆる行動を把握できるようになり、「国家社会主義」の危険度は間違いなく高まります。 ◆増税の最終着地点は「自由の喪失」 また、今回の消費増税にあわせて、低所得者にたいして「給付金」を支給するという報道がありました。 それ以外にも消費増税に併せて、既に各種の業者に対して、補助金の支給が始まっています。 これは、公明党が推進した「地域振興券」、民主党政権時代の「子供手当」を彷彿とさせる政策でありますが、これこそ官僚が望んでいる政策であり、彼らが目指している「国家が国民を養う(国民が国家に依存する)」ようになる国家社会主義政策です。 そして、消費増税の結果、不況になったとしても、官僚の論理から言うと「これこそ、自分たちの出番」ということで、新たに不況対策が必要になってくるので、官僚にとって非常に望ましい税制であるのです。 「官主主義」の最終着地点は、中国や北朝鮮と同じ「自由の喪失」だと言えます。 ◆世界のリーダー、日本の繁栄のために消費増税を中止せよ! 私たち幸福実現党は、立党以来、一貫して消費増税に反対して参りました。 そして、税収を増やす必要であるならば、増税ではなく、経済成長を目指すべきだと訴えて参りました。 「失われた20年」と言われていますが、実際にこの20年間、名目GDPは低迷しており、税収も増えていません。 もし、この20年、2%程度の成長が続いていたならば、現在は既に700兆円を超える名目GDPになっていたはずです。 そうしたら、消費増税の議論などはほとんどなかったでしょう。 今からでも遅くはありません! 幸福実現党は、消費増税を中止し、さらなる大胆な金融緩和、インフラ整備などの政策を進めることで、3%以上の成長は十分可能だと考えています。 2020年の東京五輪の開催も決定しました。日本が世界のリーダーになるためには、更なる経済成長が必要です。 そのために、国家社会主義への道を開く消費増税を認めてはなりません。 10月1日には安倍首相による「増税中止」の英断により、さらなる繁栄への道を進めることを強く求めるものです。(文責・小鮒将人) 中国人民解放軍の大規模な軍事演習「使命行動-2013A」を分析する 2013.09.26 2013年9月11日から、中国人民解放軍の「使命行動-2013A」という大規模な軍事演習が始まりました。 今回は、この演習について、中国軍の機関紙「解放軍報」から分析を試みます。 ◆演習の全体像と、中心となる軍区について 「使命行動-2013」演習は、A、B、Cの三段階に分けて実施される、大規模な演習です。 今回の「2013A」演習では、南京軍区の陸軍第31集団17,000名以上を中心として、海軍の東海艦隊と南海艦隊、そして南京軍区に属する空軍が主要な兵力として参加しています。 南京軍区は安徽省、江蘇省、上海直轄市、浙江省、江西省、福建省の6つの行政区を管轄する軍区です。 今回の演習の主役とされる陸軍第31集団は、南京軍区の中でも台湾の対岸にある福建省に司令部を置いており、その前身は金門島砲撃事件に参加した部隊としても有名な部隊です。 演習参加者は南京軍区、広州軍区の陸空軍を中心に、総計4万人以上となることが見込まれています。(9/10 解放軍報「我軍将挙行 使命行動-2013演習」、9/11 同「使命行動-2013跨区戦役演習拉開序幕」) ◆過去にも実施されている「跨区演習」 中国軍は現在、このような既存の軍区を超えた演習に力を注いでいます。 2009年には瀋陽軍区、蘭州軍区、済南軍区、広州軍区が参加する「跨越-2009」という「実兵系列演習」が実施され、2010年には北京軍区、蘭州軍区、成都軍区が参加する「使命行動-2010」という「集団軍跨区機動演習」が実施されています。 今年の「使命行動-2013」は「戦区戦役演習」とも呼ばれ、上陸演習の実施を含む、より実戦を意識した訓練が行われた可能性があります。 ◆演習の狙いと、その実態について この演習の狙いは、どこにあるのでしょうか? 演習が始まる前日の9/10付の解放軍報によれば、「多次元の立体輸送・情報火力運用・共同動作組織・軍と地方政府の連合保障など」を「重点的に研究する」と報道されています。これについて解説していきたいと思います。 (1)戦力投射能力の獲得 本演習の目的の一つには、陸路、海路、空路などのあらゆる輸送手段を動員し、内陸部の陸軍部隊を軍区を跨いで沿岸部に集中投入する体制を整えることがあったと考えられます。 戦地から遠い部隊を前線に投入する能力は、一般に「パワープロジェクション能力」と呼ばれ、中国軍は本格的構築に取り組んでいるものと考えられます。 ちなみに、9月16日付『解放軍報』の1面には、厦門航空の民間機に陸軍部隊が乗り込む写真が掲載されています。 戦時には民間航空会社も解放軍の指揮下に入り、後方支援に従事する事を端的に示していると言えます。 (2)陸海空軍の統合運用能力の獲得 さらに二点目の目的として、陸海空軍で共同作戦を行う能力の獲得が挙げられます。 戦闘において陸軍、海軍、空軍という全く性質の異なる組織を指揮し、運用できることは、現代の戦闘に欠かせない条件ですが、これを実現するには非常に高度な情報通信能力が必要となります。 この点について、『解放軍報』は「連合決策、連合作業、連合指揮を実施する、新しい連合作戦体系を構築した」と報じていることから、中国軍は三軍の統合運用能力を高めていると考えられます。 この「統合運用能力」の獲得については、我が国でも以前から議論が進められてはいるものの、議論が一向にまとまらない状態にあります。安倍首相のリーダーシップ発揮を望みます。(9/16 産経「自衛隊で内紛勃発 対中有事めぐり四分五裂」) (3)精密攻撃能力の獲得 最後に挙げられるのが、米軍のトマホークミサイルのような精密攻撃を可能とする攻撃兵器の獲得です。 中国軍がこうした兵器を獲得する事ができたのも、国を挙げて実施した宇宙開発の結果であるということを忘れてはなりません。 三軍の統合運用能力も、精密攻撃能力も、全て織り込み済みで、中国は宇宙開発を加速させているのです。(9/18 解放軍報「近千名指揮員接受大考」,9/19 同「立体突撃、多維力量握指成拳」) ◆政治家には「教養としての軍事知識」が必要 以上、3点に絞って「使命行動-2013A」演習の内容をお伝えいたしましたが、このような演習の目的を一言で言うとするならば、中国軍が「いつでも戦争ができる態勢を整える」ことにあります。 習近平主席が年初に「部隊は、招集されれば直ちに駆け付け、駆け付ければ戦争できる状態にし、戦えば必ず勝利するよう確保しろ」と発言した通り、中国は戦時体制にいつでも入れるよう、意図的に訓練を重ねているのです。 演習の成果を報告する記事が一段落すると、9/20の解放軍報一面で「領土と主権の維持に、中国は決心と自信がある」という記事が掲載されました。 記事の内容は尖閣諸島問題を中心に、近年の日中関係の悪化が日本の「右傾化」にあると非難するものでした。(9/20 解放軍報「維護領土主権、中国有決心有信心」) かつてクラウゼウィッツは「戦争は政治の延長である」と戦争の本質を喝破しました。 外交的発言の背景には軍事的な裏付けがあることが多く、この記事の発言も軍事演習の成果を背景としたものである可能性があります。 軍事力の強化と外交上の姿勢の相関関係について、今後の中国の動きを注視すべきです。(文責・HS政経塾第一期生 彦川太志) 増税するか否かを決定するには、日銀短観は不十分な経済指標 2013.09.25 2014年4月に消費税増税がされるか否かの最終段階に入りました。 10月1日の日銀短観(正式名称は、全国企業短期経済観測調査。全国1万企業を対象に3ヶ月に一度行われている)と呼ばれる経済指標を最終判断にすることを明言している安倍首相ですが、最終的にどうなるかはまだ分かりません。 ◆財務省になびく経済学者たち 首相の判断が近づくにつれ、新聞や経済雑誌などでの議論が白熱を帯びてきました。 日本のシンクタンクと呼ばれるエコノミストには『消費税増税が国を救う』(大和証券チーフエコノミスト熊谷亮丸氏)という本まで出して増税を正当化する人もいます。 熊谷氏のような論調は、銀行系や証券系のエコノミストには多く、財政再建と社会保障の財源確保から消費税増税を正当化します。 熊谷氏によれば、現在の年金の基礎部分も税方式にすることを提案しており、将来的には20%くらいまで引き上げる必要性を説いています。 財務省系の経済学者では、東京大学の井堀利宏教授が有名です。同教授の主張によれば、社会保障の財源確保のために消費税増税をしても無駄だと主張。なぜなら、右から左へお金が流れるだけで問題の解決にはならないとします。 ただ、社会保障の目的税化には反対していますが、15%への段階的引き上げが望ましいとします。 実は、消費税15%はIMF(国際通貨基金)からも出されています。現在の副専務理事の篠原尚之氏は元財務官僚だということも大いに関係があります。 そして、財務省からは何十人もIMFへ出向しているのが現状であり、IMFには財務省の強い意向が働いています。 幸いにも、ラガルド専務理事とチーフエコノミストのO・ブランシャール教授が財政再建に対して慎重な姿勢をとっているとは言え、財務省の増税推進は国際機関にまで及んでいることには留意しておくべきでしょう。 ◆景気が良くても悪くても増税 要するに、財務省の意向は簡単なのです。彼らには増税しかありません。 元財務官僚の高橋洋一嘉悦大学教授が指摘している通り、財務省は「あの手この手」で増税を正当化するのです。 「日銀短観が示した通り、景気は回復した。だから財政再建をするべきだ」と言うこともできれば、「たとえデフレ不況であっても、日本は世界最悪の債務水準だ。ギリシャのようにならないためにも、増税をしなければならない」「少子高齢化だから、消費税を増税して社会保障を充実すればお年寄りが安心してお金を使ってくれる」など、いくらでも理由はつけられるからです。 極めつけは、税収弾性値にケチをつけていることです。嘉悦大学の高橋洋一教授は、過去10年の日本の平均税収弾性値は3としています。 言い換えれば、GDPが1%上昇すれば、税収は3%上がるということです。一般会計での税収が40兆円だとすれば、1.2兆円税収が増える計算です。 もし、幸福実現党が言うように、最低でも4%の経済成長が実現すれば、税収は4.8兆円に上昇することになります。 経済成長をすれば、増税が不要だということはここからも導けます。 しかしながら、法政大学の小黒一正教授を筆頭に3という数字は高すぎ、少なくとも1程度だという意見が財務省をはじめとした政府側のエコノミストから出ています。 技術的な問題点は別にしても、税収弾性値を低くしておけば、増税をしても景気への影響力はないと言いたいわけです。 小黒教授の研究書や論文は、玄人好みの内容で説得力があるように見えますが、日本の成長を過小評価していること。財政破綻のリスクを過大評価している点に弱点があります。 つまり、彼の依拠するマクロ計量モデルの設定がそのようになっている以上、財政破綻の結末が出てきてもおかしくはないというわけです(『2020年、日本が破綻する日』ほか参照)。 ◆日銀短観では不十分首相は増税中止の決断をするべき 上述のように、日本の経済学者は、増税による景気への悪影響を過小評価し過ぎています。財政破綻や財政規律を懸念する合理性はあるにせよ、現実経済の重要な事実を見落としているのではないでしょうか。 例えば、日銀短観は、確かに景気の動向を示す指標ではありますが、増税を決定する経済指標としては不十分です。 本来ならば、鉱工業生産指数や住宅着工指数、失業率、有効求人倍率などの指標が上向かない限り本格的に景気が良くなったとは言えません。 これらの指標は左から右へ行くほど、効果が出るのに時間がかかるのです。 つまり、アベノミクスを評価するのは時期尚早であること。もう少し、景気が回復するには時間がかかるとみるべきです。 増税は成長の足かせとなり、税収減と失業率の高騰を招くことになるでしょう。 日本税制改革協議会(JTR:内山優会長)のご協力のもと、9月18日には、消費税増税に反対する14万人の納税者の声を首相に届けました。 東京をはじめとした主要都市でもデモが開催されました。今でも全国のどこかで党員が消費税増税を中止し、本格的な経済成長を目指すために活動をしています。 幸福実現党は、最後の最後まで諦めず、首相の勇断を引き出すために戦い続けます。(文責・幸福実現党静岡県本部幹事長 中野 雄太) 「集団的自衛権」はなぜ重要か?(2)日本の空が危ない! 2013.09.24 ◆「集団的自衛権」行使容認もトーンダウンか? 安倍首相は22日、集団的自衛権の行使容認に向けた憲法解釈見直しの結論について、「いつまでにではなく、議論がまとまるのを見守りたい」と述べ、年内の見直し表明にこだわらない考えを示しました。慎重論が強い公明党に配慮した形です。(9/22 産経「首相、公明配慮と中朝対応ジレンマ 集団的自衛権」) 公明党への配慮も必要なのでしょうが、9月以降も尖閣周辺で、中国による挑発行為が激化しており、日米同盟を強化し、日本の守りを固めるためにも「集団的自衛権」の行使容認は急務です。 私は、前回のHRPニュースファイル「『集団的自衛権』はなぜ重要か?(1)」で、米軍の存在は「日本防衛の一部」であり、「集団的自衛権」は、憲法9条の「わが国を防衛するための必要最小限度の範囲に入る」と解釈するのが筋だと述べました。 ◆日本の空が危ない! ここで、最近の状況を見ておきたいと思います。 昨年2012年は、22年ぶりに自衛隊機の緊急発進回数が500回を突破しました。その内、中国機への対応が約半数で、他の国を引き離しています(計567回の内、中国は306回)。 しかも、一昨年に比べて対中国は2倍に増加しました(2011年は計425回の内、中国は156回)。中国の挑発行動はますますエスカレートしているのです。 今年の4月には、監視船が尖閣周辺の領海に、8隻で押し寄せました。 これだけでも大きな脅威ですが、これと連動して、中国軍の最新鋭戦闘機が40機以上も尖閣近辺に飛来し、海空連携の示威行動を行いました。 航空自衛隊那覇基地のF15戦闘機が緊急発進(スクランブル)で対処しましたが、自衛隊のパイロットの疲弊を狙って絶え間なく押し寄せたことに、防衛省は「前代未聞の威嚇だった」と述べています。(4/27 産経) ちなみに、尖閣諸島は沖縄本島の那覇から約420キロ(魚釣島)も離れていますので、戦闘機でも発進してから30分程度かかります。往復で1時間です。ですから、尖閣上空に留まれる在空時間は、どうしても短時間となります。 私はこの事件を見て、米軍の空母がなければ、沖縄方面の防衛は難しいと実感しました。 また、中国軍の戦闘機が、米海軍の海上パトロール任務につくP3C哨戒機と空軍のC130輸送機を執拗に追尾した事件がありました。 さらに9月8日には、中国の「H-6爆撃機」2機が、沖縄本島と宮古島の間を飛行。翌9日には、中国の無人機が、尖閣諸島に接近し、いずれも航空自衛隊の戦闘機が、緊急発進しました。 ◆「集団的自衛権」を行使できなければ、日米同盟が根底から揺らぐ 米空軍は、尖閣諸島を守るために、空中警戒管制機(AWACS:エーワックス)でパトロールしてくれています。 これらの日本防衛任務についている米軍に対し、現状では、自衛隊は米軍を守ることが出来ません(例えば、米軍の輸送機を自衛隊のF15がエスコート、防御するケース)。 前回も述べましたが、米軍を見殺しにすれば、日米同盟が根底から揺らぐ危機になるかもしれないのです。 ここに面白い調査があります。昨年の12月の総選挙の後、毎日新聞が行った当選した国会議員へのアンケートは、大変興味深いものでした。 なんと国会議員の78%が集団的自衛権の容認に賛成したのです。 この結果からも、国会議員も本音では「集団的自衛権」は、極めて重要であることを、よく理解しているものと思います。 ◆尖閣や沖縄を護る日米合同訓練 わが国の防衛は、現状、日米の共同作戦を抜きには考えられません。 今年6月には、尖閣や沖縄などの離島が占領されたことを想定した、日米合同の奪還・防衛訓練が行われました。 これは日本の陸海空の3自衛隊が合同参加する初の演習として非常に注目された演習でした。(防衛省「米国における統合訓練:ドーン・ブリッツ13」) この日米合同演習は、中国からしっかり中止の要請があったことを付け加えておきます。 この演習で、日本のヘリ空母にアメリカのオスプレイが着艦するという歴史的訓練もありましたが、この訓練の重要性は「日米で共同して尖閣を護る」という強力な意思を内外に示したことです。 もはや「集団的自衛権」を前提としなければ、作戦が成り立たないのです。 例えば、日本のヘリ空母に向かっている米軍のオスプレイに、中国からミサイル攻撃を受けたらどうでしょうか? オスプレイに自衛隊の隊員が乗り込んでいる場合もありますし、沖縄の民間人の救助、避難のためにオスプレイに同乗させていることだってあり得ます。 こうした様々なケースを想定しても、「集団的自衛権」行使容認がなぜ必要なのかご理解頂けるのではないでしょうか。(文責・岐阜県本部副代表 河田成治) 消費増税3つのウソ 2013.09.23 ◆まだ消費税増税は決まっていない 昨日のHRPニュースにも記載されている通り、安部首相が消費税8%増税を決断したかの如き報道がなされては、菅官房長官が訂正する、という茶番劇が繰り返されています。 いずれにせよ、安倍首相の消費増税に関する決断は10月に入ってからです。 幸福実現党は、9月23日には千葉県本部が「消費税増税の中止を求める!国民デモ」を開催致しましたが、最後の最後まで消費増税に反対して参ります! さて、「消費増税が必要だ」という議論には、ウソが多いことが気になります。 ◆ウソ1:増税したら税収が増える 財務省をはじめとする増税論者は「消費増税したら税収が増える」という嘘を宣伝しています。 確かに、「増税したら税収は増える」とお考え方はまだまだ多いのではないでしょうか。 しかし、幸福実現党が繰り返し述べている通り、消費税を増税しても税収は増えません。 このことは、日本経済は1997年の3%から5%への消費税増税時に既に経験しています。 実際、97年度以降、消費税収は毎年度4兆円増えていますが、消費増税による景気悪化により、所得税収や法人税収が大きく減っています。 翌98年度から2012年度までの15年間で、97年の税収を僅かに超えたのは2回で、それ以外の13ヶ年は97年度より大きく税収が減っています。 「東京オリンピックが決まったので、消費増税しても大丈夫だ」という議論も危険です。 なぜなら、イギリスでも2012年にロンドンオリンピックがあったにもかかわらず、付加価値税増税のために景気は回復できなかったからです。 2011年にイギリスで付加価値税(日本の消費税に相当)を2.5%増税した後、景気悪化のためにトータルの税収が減ったのです。 本当に税収が増えて財政が健全化するのであれば良いですが、増税によって税収が減ることが明らかである以上、消費税増税には反対するしかありません。 ◆ウソ2:増税しなければ国債が暴落する 消費増税推進派はしばしば、「財政再建のための増税をしなければ国債の信用を失う」と主張しています。 しかし、財政再建をしたいのであれば、そもそも税収を減らすような増税をしてはなりません。 日本国債の信用が高いことは、何よりも市場が証明しています。 日本は世界一の債権国であり、日本国債の9割以上は日本国民が引き受けています。 また、債務から資産を除いた純債務は、日米ともにGDP比約100%と変わりません。増税派が危機を煽っているだけです。 ◆ウソ3:景気が回復している 消費税増税法案には「景気条項」があり、首相が「景気が回復していない」と判断すれば、消費増税は中止できます。 そのため、増税推進派はしばしば「景気は順調に回復している」と言っております。しかし、これもウソです。 「消費者物価指数が上昇していたら景気は回復している」と言えます。しかし、消費者物価指数の算出方法に問題があります。 日本の消費者物価指数は、物価変動の大きい生鮮食品を除いて計算しています(コアCPI)。この数値は確かに+2.6%とプラスになっています。 しかし、世界標準となっている消費者物価指数は、エネルギーも除いて計算しており、この計算方法と用いると(コアコアCPI)、なんとマイナスです。 つまり、消費税増税推進派が言っている物価上昇は、昨今の原発停止による原油高の影響が大きいのです。 さらに円安の影響も加味されます。円安による原価コストアップによって、物価が押し上げられるからです。 しかも、民間消費の増加分は、資産効果によるものと言われています。つまり、所得が増えて消費が増えているのではないのです。 景気が回復しているのであれば、物価上昇に対して所得の上昇が上回らなければウソです。 また、民間設備投資の先行指標である機械受注(船舶・電力を除く民需)は、6、7月と減少しています。 企業の設備投資がまだ回復していない以上、決して増税してはなりません。 ◆政治の都合で国民を犠牲にするな! 増税をせず、景気回復まで耐えることこそ、成長戦略に沿った最上の策です。 増税ではなく、景気回復による税収増を期待すべきです。そして、成長戦略によって、新産業を生み出すような分野に財政投資するべきです。 消費増税には、政治的な理由が大きいのではないでしょうか。 増税が延期になれば、自民党内の増税推進派が黙っておらず、安倍政権の党内基盤が弱くなると言われております。 政治的な理由で、また国民が犠牲となるのでしょうか。しかし、政治は国民のためにあるのではないのでしょうか。 安倍首相の本音は、消費税増税の延期や縮小を求めている本田悦郎教授と浜田宏一教授を内閣官房参与にしていることからも、増税ではなく、脱デフレにあると思われます。 安倍首相には、信念のある政治を見せて頂きたいと思います。そして「国益」を判断基準とした英断を望む次第です。(文責・HS政経塾 三期生 田部雄治) 安倍首相は消費増税に誘導するマスコミに負けるな! 2013.09.22 ◆首相に「消費増税決断」を迫る新聞報道 9月12日付け読売新聞朝刊一面で「消費増税 来年4月8% 首相、意向を固める」という報道がなされて以降、19日には産経新聞朝刊一面で「消費増税来春8%首相決断」、同じく日経新聞が夕刊一面で同様の報道をしました。 その後も21日に、朝日新聞(朝刊)が一面の大見出しで「消費税来春4月8%」という記事を掲載しています。 「首相の消費増税決断」の報道があったこの一週間に何があったかと言えば、安倍首相と麻生財務相との間で、法人税の実効税率を下げる話し合いが持たれたことです。 このことをもって、マスコミは「安倍首相が消費増税した」と断定しているのであり、安倍首相が「消費増税を引き上げることを決断した」という記載は一切ありません。 実際、菅官房長官は20日、「総理ご自身がもう決断したということは私はまったく聞いていない」「10月になって日銀企業短期経済観測調査(短観)等の数字をみたうえで、総理自身その対策を含めたうえで判断する」と改めて表明しています。(9/20 日経) ◆軽減税率適用と引き換えに、増税を推進するマスコミ なぜ新聞各紙は、消費増税の誘導する報道をするのでしょうか? 8月30日の読売新聞社説には「15年10月に消費税率を10%に引き上げる際は、国民負担の軽減が不可欠だ。税率を低く抑える軽減税率を導入し、コメ、みそなどの食料品や、民主主義を支える公共財である新聞を対象とし、5%の税率を維持すべきだ」とあります。 日本新聞協会も、新聞の「軽減税率」の適用を求める特設ホームページを設置するなど、新聞の軽減税率適用こそが国民の総意だという世論を盛り上げようとしています。⇒http://www.pressnet.or.jp/keigen/ コメ、みそ等の生活必需品の消費税率軽減は、生活困窮者の生活を守ることを考えると納得できますが、新聞の軽減税率導入だけは誰も絶対に納得できないでしょう。 経済評論家の三橋貴明氏は「『日本新聞協会』として財務省と『軽減税率適用と引き換えに、増税キャンペーン推進』という取引が行われた」と指摘しています。(2011/7/27 三橋貴明「マスコミの堕落」) これが事実であったとすれば、マスコミは軽減税率と引き換えに、財務省に魂を売ったと言わざるを得ません。 ◆幸福実現党の消費増税中止を求める活動 安倍首相と麻生副総理・財務相と間で消費増税の経済対策として「法人減税」の話し合いが行われていた18日午後、ちょうどその頃、幸福実現党は首相官邸前での「消費増税の中止を求める集会」を協催し、14万の署名請願を内閣府に提出しました。⇒http://info.hr-party.jp/2013/2207/ また、9月20日には、全国から集まった約70名の学生達が、六本木の公園で力強い集会を開き、官公庁が並ぶ虎ノ門・霞ヶ関に向かって「消費増税反対」のデモを行い、財務省前での抗議活動も行っています。 幸福実現党本部には、一般の方々からも「消費増税については幸福実現党が反対の活動やらなかったら、どこもやらない。是非とも幸福実現党に頑張ってもらいたい」といったご意見を沢山頂いています。 国民の皆様の消費増税反対の声を政府に伝えるべく、幸福実現党は今後とも、引き続き、消費増税反対の活動を展開して参ります。 9月23日(月・祝)には、幸福実現党千葉県本部主催の「消費税増税の中止を求める!国民デモ」を開催致します。⇒http://info.hr-party.jp/2013/2168/ さらに、9/29(日)には、幸福実現党大分県本部協催の「消費増税の撤回を求める!市民デモ」が開催されます。⇒http://info.hr-party.jp/2013/2232/ 現状、マスコミや財務省による安倍首相に対する増税包囲網が縮まり、外堀を埋められた形で、安倍首相が「消費増税の決断」をせざるを得ない厳しい状況であることは間違いありません。 しかし、まだ安倍首相の最終判断はなされていません。 安倍首相は7月3日、「今後10年、20年見ても、もしかしたら最初で最後のデフレ脱却のチャンス。このチャンスを私は逃したくない。その中において(消費増税について)慎重に判断をしていきたい」と述べています。(7/3 日経) デフレ脱却がままならない中、安倍首相は絶対に消費増税を決断してはなりません。 幸福実現党は、安倍首相の勇断を後押しすべく、最後の最後まで粘り強く消費増税反対活動を展開して参ります。(文責・政務調査会 佐々木勝浩) メガバンクはリスクをとって日本の未来を創造せよ!~祝・最終回、ドラマ「半沢直樹」から見るメガバンクの実態~ 2013.09.21 ◆ドラマ「半沢直樹」から垣間見る銀行の姿 「やられたらやり返す、倍返しだ!」 このセリフと共に驚異的なヒットを続け、瞬間視聴率40%を超えたと言われるドラマ「半沢直樹(TBS日曜21時~)」もいよいよ大詰めとなり、22日(日)で最終回を迎えます。 内容はご存知の通り、バブル期にメガバンク(三菱東京UFJ銀行がモデルだといわれる)に入社した主人公・半沢直樹が、銀行上層部の不正や金融庁の圧力と戦いながら、志ある経営者に対しては絶対に筋を通す、型破り且つ誠実な銀行家(バンカー)として描かれています。 現役のメガバンクの行員などからも「描写にリアリティーがある」と評判になっているそうです。 まさに今、安倍政権が行っている異次元の金融緩和が日本の経済成長につながるか否か、日本経済のエンジンであるべきメガバンクの活躍にかかっているのは確かです。 しかし、別の観点からドラマを見ると、バブル崩壊の原因を作ってきたにもかかわらず、変革できておらず、むしろ退化しているメガバンクの姿が垣間見えてきます。 ◆「リスクを取らない人材」を生み出す極端な減点人事 第一には、相変わらず硬直的な人事制度が、銀行内部から活力を奪っている点です。 「ミスは許されず、一度失敗すれば敗者復活はない。評価は徹底した減点主義で役員まで出世できなければ、50歳前後で会社を追い出される(メガバンク行員)」と、実際に現場の銀行員が述べている通り、評価の主な基準が「ミスをしていないかどうか」となっているのです。 そして、銀行の人事評価で敗れた多くの銀行員たちは40代後半から50歳を過ぎる時期に、取引先や子会社に機械的に出向させられていきます。 出向先では年収は7~8割程度以下にダウンし、「出向は二度と銀行員に戻ることのない片道切符…」とドラマでも言われる通り、二度と本社に戻ることは出来ません。 このような徹底した「減点主義」による人事がバブル崩壊以降も続いており、合併による他行組との派閥争いも相まって組織を官僚化させ、バンカーに本来必要なリスクを取る力や創造性、チャレンジ精神を根こそぎ絶やしてしまっていると言えます。 ◆「金のなる木」を見分けられない「目利き能力」 更に、土地担保システムに代わる担保基準の見直しも出来ておらず、富を生み出す企業にお金を循環させる「目利き能力」に進歩がない点が挙げられます。 その「目利き能力」の源泉となるものは情報収集能力でありますが、それもバブル崩壊以前と比べても著しく低下しているのが現状です。 その理由の一つは、80年代後半以降「企業の銀行離れ」が進んできたことにあります。 特に業績を上げている大企業や優良企業などからの銀行への情報開示は圧倒的に少なくなっており、以前と比べると銀行は企業に出入りする業者の一つに過ぎなくなっています。 そして二つ目の理由としては、「銀行の企業離れ」も同時に進行してきたということです。 具体的には、内部管理の仕事が劇的に増えており、行内でのデスクワークに忙殺され、対顧客にかける時間は10年前の「3分の1程度」に減っているそうです(三菱東京UFJ銀行上席調査役)。 バブル前から比べての銀行の信用失墜と同時に、顧客と銀行側の人間同士の付き合い、接触時間も劇的に減少していることが情報収集能力の低下に繋がっていると言えます。 ◆未来の日本を担う中小企業の発見~育成こそがメガバンクの使命だ! その結果、銀行にとっての最大の使命であり、資産であるはずの中小企業向け(日本企業の99%)の融資が10年間で20兆円も減少している現実があります。 土地担保に代わる担保基準の発明も出来ておらず、相変わらず極端な減点主義がまかり通っているメガバンクにとって、金額が小さく、コストが高く、リスクが大きい中小企業向け融資を積極的に行う動機がないのも、一目瞭然でありましょう。 しかしながら、デフレ脱却やアベノミクスの成否は、「銀行融資が増えるかどうか」にかかっているため、政府や日銀は、融資拡大を強く求めている現状があります。 そのための一手が、先日発表された金融庁の銀行検査見直しであり、今までの金融庁独自の基準に基づいた画一的な銀行検査から、融資先が健全かどうかの判断の大部分を銀行に委ね、検査を大幅に緩和するというものでありました。 これによって、銀行はリスクが取りやすくなり、技術力はあるのに決算上は赤字になっている中小・ベンチャー企業などに対して、将来的な成長力や潜在力を元に運転資金や設備資金を融資しやすくなったのは事実です。 そもそも、「金融庁が必要かどうか」という別の問題もありますが、国のお膳立てを最大限に活かすためにも、メガバンクは長期的視点からみた企業育成に焦点を当てた「加点主義型」人事評価制度への見直しを行い、中小企業への融資がより積極的に行われる「人事改革」が必要であると考えます。 ◆メガバンクは今こそ古き良きバンカー精神から学べ! シュンペーターは「企業家(アントレプレナー)」と「銀行家(バンカー)」による異種結合によって産業革新(イノベーション)が起こると考えました。 残念ながら、今の日本にはバンカー不在という現実は否めませんが、過去を振り返ってみれば、安田善次郎や渋沢栄一といった明治日本の産業育成を一手に担った超一流のバンカーたちがいたことを忘れてはなりません。 そして本来は人材の宝庫であるはずのメガバンクから、将来的には雲霞の如く「本物のバンカー」が出てくることは間違いありません。 メガバンクには是非とも「眠れる偉大な起業家を育てる」という本来のバンカーの使命に立ち返って頂き、チャレンジ精神をもって世界中で富の創造に貢献して頂きたいと思います。 そしてバブル崩壊による「失われた20年間」を自らの手で帳消しにし、「10倍返し」の経済成長を日本人にもたらしてくれることを期待したいと思います。(文責:HS政経塾1期生城取良太) 中国が尖閣上陸を想定した大規模な軍事演習――危機感薄い日本政府 2013.09.20 ◆中国の挑発行動が急増 尖閣諸島の国有化1年を機に、中国人民解放軍による日本への挑発行動が急増しています。 9月8日、中国軍のH6爆撃機2機が沖縄本島と宮古島の間の公海の上空を通って東シナ海から太平洋側に出ました。 同じく8日深夜から9日未明にかけて、中国海軍の2隻の護衛艦が沖縄本島と宮古島の間の公海を通過。 9日には中国軍所属の無人偵察機BZK-005が尖閣諸島北方の東シナ海上空を飛行しました。同機は、米国がアフガニスタンなどでテロ組織掃討作戦に用いた無人武装偵察機「プレデター」に匹敵する性能を持つとされています。(9/20 読売) また、中国人民解放軍は9月10日より、兵力4万人以上を動員する大規模軍事演習「使命行動-2013」を開始しました。(9/10 中国網) 今回の演習に参加したのは南京軍区、広州軍区、および空軍に所属する一部の兵力で、計4万人余りに達しています。 両軍区はいずれも東シナ海から近い距離にあり、尖閣有事を想定した内容も含まれるとみられています。(9/11 産経「『日本が最大の仮想敵』急増する中国の挑発行動」) ◆大規模な軍事演習の目的とは? 今回の演習の内容、参加兵力を分析すると、中国の真意が浮かび上がってきます。 演習の参加兵力には、南京軍区の第31集団軍や東海艦隊が入っており、さらに演習では大規模な上陸演習も行われています。 今回の演習の主力である南京軍区は対台湾作戦が主要任務であり、海軍である東海艦隊とも連携し、尖閣諸島を含む東シナ海を管轄しています。 このことから、中国人民解放軍の主な目標は、台湾上陸、そして尖閣諸島上陸を想定したものであると推測されます。 習近平国家主席は、今年1月には軍に対して「戦争の準備を行え」と命じており、2月には「部隊は『招集されれば直ちに駆け付け、駆け付ければ戦争できる状態にし、戦えば必ず勝利する』よう確保しろ」と明確に指示を出しています。(2/7 時事) 中国人民解放軍が台湾と尖閣諸島へ侵攻するとした場合、必要なものが水陸両用戦の能力、陸・海・空軍が一体となる共同作戦能力、それを下支えする兵站や通信などの後方作戦能力などであり、今回の演習は尖閣諸島上陸の実戦を想定したものであることは明らかです。 ◆「世界の警察官」を辞めたアメリカ 一方、オバマ米大統領はシリア問題に関する10日のテレビ演説で、「米国は世界の警察官ではないとの考えに同意する」と述べ、米国の歴代政権が担ってきた世界の安全保障に責任を負う役割は担わない考えを表明しました。(9/11 毎日「米大統領『世界の警察官』否定」) この発言は重大な意味を持ちます。これまでは、世界最強の軍事力を持つアメリカが「世界の警察官」を自認し、行動して来たことで、「抑止力」が働き、世界での紛争勃発を防いで来た側面があります。 シリアでの化学兵器の使用を含め、今後、様々な紛争を起こしても、アメリカが介入しないことが明確になれば、各地で紛争が勃発する可能性が高まります。 こうしたオバマ大統領の消極姿勢に対し、大川隆法総裁は、9月19日公開の「Spiritual Messages from the Guardian Spirit of President Assad―アサド大統領のスピリチュアル・メッセージ―」で、以下のように述べています。 「テロ国家ないしは独裁国家がまた悪さをし始めるので、やはり、ここ(注:シリア問題)は頑張らないといけない。警察がいなくなった暴力の街みたいに世界が変わっていくことは、やはり止めるべき。これを止められなかったら、北朝鮮や中国、イランで暴発が起きても、もはや、どこも何もすることができなくなる。」 ◆尖閣防衛を強化せよ! こうした中国の脅威の拡大とアメリカのプレゼンスの後退を受けて、日本はどうすべきでしょうか? 現在、日本は、尖閣諸島を守るための兵力を展開しているわけではありません。 尖閣諸島の直接の防衛は、海上保安庁の巡視船2隻に守られているに過ぎません。 アメリカが後退する中、日本が防衛を強化しなければ、尖閣諸島が奪われる危機を招きます。 まず、早急になすべきは、自衛隊の戦力をすみやかに南西諸島にシフトすることです。具体的には、沖縄に水陸両用部隊と護衛艦を配備し、戦闘機を増強することです。 そして、日本の防衛の最大の足かせである憲法9条を改正し、部隊行動基準(軍隊がいつ、どこで、いかなる相手に、どのような武器を使用するかを定めた基準のこと)を定めるべきです。 安倍首相が政権の座について9か月以上も経つにもかかわらず、このような尖閣諸島防衛のための具体策は実行に移されておらず、憲法改正論議も急速にトーンダウンしています。 そして、中国人民解放軍が実際に尖閣上陸の訓練を開始してもなお、具体的な動きがありません。 これは「安倍政権に日本防衛の明確な意志なし」と判断することができます。 本当の意味で尖閣諸島、そして日本を守り抜くことができるのは、国防の気概と勇気、政策を持っている幸福実現党だけであります。(政務調査会長 黒川白雲) すべてを表示する « Previous 1 … 175 176 177 178 179 … 253 Next »