Home/ 新着一覧 新着一覧 STAP論文撤回は、果たして妥当なのか? 2014.05.04 文/幸福実現党山口県本部 政務調査部長 石橋昇 過熱したSTAP報道も最近になって沈静化しつつあります。STAP論文を撤回すべきかという話もありますが、果たしてそれが妥当なのかを考えてみたいと思います。 ◆引用が、即捏造・盗作とは限らない 理系の大学で学ばれて、科学の論文等を読まれた方なら分かると思いますが、おおよそすべての論文で他者の文献や論文からの引用があります。 特に論文の序論の部分では、過去の研究事例や知見が多く引用されております。論文では、その内容が他者に引用されてこそ、価値があるものだとみなされることもあります。 引用を自分の見解や発見と偽れば捏造や盗作です。引用部分が自分の書いた文章の多くを占めない限り(私も法律家ではないので、どれだけの分量まで占めてもいいかは分かりませんが)、引用と比較しながら自分自身のオリジナルな見解や発見を述べているのであれば、正当な主張になると思われます。(もちろん、引用にあたっては著作権等の法令順守や社会ルールを守った正当な引用であることは言うまでもありません) 論文に限らず、文筆一般で引用は許されています。不正な引用はいけませんが、細かな引用の不手際をもって、その内容や結論全体を捏造と即断定することに、違和感がありました。 STAPの投稿論文には不適切な引用があったかも知れませんが、STAPの研究成果は彼女らの研究グループのオリジナルで発表したものです。小保方博士も、引用不備が発端で起こった騒動については、謝罪しております。 ◆多くの科学の理論や発見には、その検証に多く時間がかかっている いま正しいと受け入れられている科学の理論や発見の多くは、発表当初は仮説だったものが多くあります。実験で検証され、理論と現象が整合して初めて受け入れられます。 逆に、得られたデータや現象を突き詰めていくと、このような仮説を設けることによって上手に説明できるということもあります。このようにして見つかった発見や発明も数多くあります。 STAPの共著者である理化学研究所副センター長の笹井先生の記者会見では、下記のように述べています。 「この現象を存在しないと思っていたらならば、共著者に加わっていなかったかもしれない。STAPとして僕らが呼んでいる細胞は、今まで知られていない細胞であることは確か。有望であるかも知れないが、論文を撤回し検証すべきである」 ただ、投稿した論文を撤回することは、国際的にはその結論が間違いであったとみなされます。STAPの検証にはさらなる時間が必要であり、より高いレベルの検証を目指して、撤回はしないで、不適切箇所の修正や、追検証の論文や投稿を出してもいい話かとも感じました。 ◆研究者たちが静かに研究に没頭できる環境を STAPを巡る騒動について関係者の会見も済みました。騒動を収束させ、小保方博士や共同研究者の先生方に、落ち着いてしっかりと研究に没頭できる時間を戻してあげたいのです。 STAPは、生物学の常識を根底から打ち破る画期的な発見であるかもしれず、そのもたらす恩恵は計り知れません。この素晴らしい卵を育み、世界に誇る科学技術が、我が国から発信されることを強く祈念いたします。 ロシアとの関係強化に日本、北海道の未来あり 2014.05.03 文/幸福実現党・北海道本部副代表 森山よしのり ◆ウクライナ問題 現在、ウクライナ問題が勃発して以来、世界の世論とマスコミのほとんどは、「ロシア制裁」に動いています。 しかし、これをやってしまうと、世界が最悪の方向に流れていく危険が近づいていることに、世界の世論、マスコミの大半は気づいておりません。 クリミア併合などのウクライナ問題は、ロシア、EUなどの「経済的救済力競争」、つまり、経済的に厳しいウクライナをどこが救えるのかという問題ですので、これを、二十年以上も前の、東西の冷戦構造として捉えるのは、間違いです。 ここで、ロシアに、米欧から、厳しい経済制裁をかけ、そこに日本も参加することになれば、ロシアは中国と結びつかざるを得なくなります。 その中露に、イスラム諸国も入れば、新たな冷戦構造が確定してしまいます。米欧を中心とする西側先進諸国と中国・ロシア・イスラム諸国・北朝鮮(韓国)という図式です。 ◆対米追従一辺倒思考からの脱却 今、世界で覇権拡大侵略主義を掲げるのは、中国のみです。この中国が『進撃の巨人』『遅れてきた帝国主義』として、世界に悪をなすのを、押しとどめるために、外交的には、中国包囲網を構築することが急務です。 日米欧露に、インド、アジア・アフリカ諸国、オーストラリアなどが結びついて、中国封じ込めを行うことが、日本および世界の平和を実現する基本的な方向です。 であるのに、アメリカのオバマ大統領のやろうとしていることは、新たな冷戦構造に、世界を逆戻りさせ、アメリカの没落と中国の台頭を一層進めてしまうことになってしまうのです。日本は、どこも護るところがなく、中国の覇権下に入っていく流れができようとしているのです。 このままでは、日本の未来は暗澹たるものしかありませんので、もう、戦後70年続いた対米追従路線を捨て、新たな国際新秩序形成に向けて、日本独自の世界戦略を構築し、普通の主権国家としての立場を取り戻さなければなりません。 そして、国際社会における正論を、堂々と他国とディベートを展開しながら、世界各国に向けて、大きな影響力を持っていくような大国へと脱皮していくことが急務です。アジアの盟主としての日本の立場を高めていかなくてはなりません。 そのためにも、国として、自虐的歴史観を見直し、また、アメリカにも、日本に対する歴史観の誤りを糺させ、また、先の第二次世界大戦における、日本の戦いの正当性、逆にアメリカや欧州の人種差別、植民地主義をなくさせるという非常に先進的な人道主義が根底にあって、自国の防衛と、アジア諸国民の解放という正当な理念のもと、戦ったという事実を認めさせる必要があります。 (1)対米追従路線を捨て、戦後レジームからの脱却、新たな国際新秩序形成への国論の確立 (2)経済の成長 (3)防衛力の強化。 こうした施策が急務であります。そうでないと、現在、ウイグルで中国政府の抑圧に苦しんでいる方々の暴動が頻繁に起きておりますが、その姿は、明日の日本の姿であるという恐ろしい未来が待っています。 ◆日本とロシアの関係強化で新秩序形成を まずは、ロシアと平和条約など、関係を強化する方向に、日本の外交の舵を取っていくことが必要です。今の、ロシアとの関係強化は、日本にとって数多くの問題の解決、国益の増強をもたらします。 そして領土問題。ロシアは、侵略主義ではないのかという国際社会からの疑念を晴らすべく、それと反対のことをやって、この苦境を打開しようと考えています。ここで、極東シベリア開発への相応の投資と引き換えに、北方領土返還を引きだせる可能性があります。 北方領土返還を実現し、シベリア方面に対する投資、それに付随して、今の、EU並みに、日本とロシアの国境の往来を自由にして、日本の企業も自由に経済活動ができるようにしていくことです。 また本土からサハリンに橋をかけ、さらに日本へのトンネルを通じさせ、海道経由で、東京、モスクワ間をリニア新幹線で結ぶようにすれば、新たな巨大経済圏が生まれて参ります。 このロシアとの平和条約締結と、交通革命を進めれば、日本、そして、北海道の繁栄の道もまた拓けて参ります。 そして、ロシアとの関係強化は、中国との尖閣諸島・沖縄本島への侵略行為、また、韓国による竹島不法占拠の問題、北朝鮮による日本人拉致問題も解決していくことができる可能性があるのです。 中国・朝鮮半島に対して、北方方面から軍事的圧力がかかることは、日本にとって、こうした諸問題を解決していく大きな影響力を持ち来たらす可能性があります。 戦後70年続いた対米追従の一辺倒の思考では、日本の未来は見えて参りません。日本国民は、勇気を持って、世界に対して、どのように貢献をしていくのかということを、真正面から捉えなおす必要がある時期に来たのではないでしょうか。 もう、戦後を終わらせ、新しい思考でもって、国際社会の新秩序形成に向けて動きだしていく時であると考えます。 「憲法9条」は「ノーベル賞」ものか? 2014.05.02 文/幸福実現党政務調査会 佐々木勝浩 ◆憲法記念日 5月3日は、憲法記念日。今年も全国で、護憲派、改憲派がそれぞれ集会、街宣活動、デモ行進を計画しています。(弊党に於いても全国において街宣活動を計画しています。最後に5/3弊党役員の街宣予定を紹介) 憲法の最大の論点は、やはり「憲法9条」の「戦争放棄」をめぐる問題です。先日、一人の主婦が思いついたもので、「戦争の放棄を定めた『憲法9条』をノーベル平和賞に」(4/11 朝日)という報道がなされました。 しかし本当に「憲法9条」はノーベル賞をもらえるほど素晴らしいものなのでしょうか? ◆「憲法前文」と「憲法9条」 「日本国憲法」の前文――「日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであって、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した」 「第9条」――「日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。」 ◆平和憲法とはかけ離れた現実 もともと日本国憲法は、米国占領軍が一週間でつくり、日本語に翻訳したものであることは、ご存知の方の多いと思います。それでも護憲派は、日本国憲法は、戦争を放棄し、軍隊を持たないことを宣言した平和憲法だからいいじゃないかと言います。 しかしミサイルの発射、核実験で日本を脅し、日本人を拉致しながら平然としている北朝鮮、そして尖閣諸島での領海侵犯、西太平洋での海洋軍事訓練と、近年尖閣のみならず、沖縄までも自分のものだと主張し始めた中国が日本の近隣に存在しています。 日本が、このような悪意に満ちた諸国に囲まれていることを考えれば、憲法前文にあるような「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意」できるわけがありません。 さらに「憲法9条」には、「武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」とあります。 この「憲法9条」を北朝鮮や中国からみたらどうみえるか考えたことはあるでしょうか。 「憲法第9条を永久に守ってくれれば、絶対に日本から先に武力で手を出してくることはない」、このように考えているから、中国は以前に尖閣諸島で起きた自衛隊に対して戦争一歩手前の「ロック・オン」(銃を相手に向けて、いつでも攻撃できる状態)ができるのです。他国であれば宣戦布告と捉えられ攻撃されても一切文句は言えません。 もしアメリカは拉致されたら、自国民の生命を守るために、軍隊を派遣し即奪還に向かうことでしょう。それは1980年に起きたイランでの米国人質救出作戦が証明しています。 だから、アメリカには、簡単に攻撃できない、という抑止力が働くのです。抑止力があったら、北朝鮮は日本人を簡単には拉致できません。中国も「ロック・オン」したら撃たれると思えば、無謀な冒険は出来ないのです。 日本国憲法前文は言葉を変えるとこうなります。「日本の平和を自分で守る必要はなく、周辺国には日本を侵略しようとしている悪い国なんか一切存在しない。それを固く信じていれば、日本は永遠に平和でいられる。」――これが日本国憲法の前文の主張です。 自分の国を守る気概もなく、「平和主義者」がよく言う「戦争が起きたら白旗を掲げればよい」という意識を持った国民が増えることを喜ぶのはどこでしょうか。北朝鮮や中国からすれば一発の弾を撃つことなく日本を手に入れることができます。 つまり、逆説ですが「平和主義」こそが、侵略者を増長させるです。これは、国民の中で「平和主義運動」が盛んになった後にドイツに侵略されたフランスがよい例です。 ◆自立していない子供の国 最後に「第9条」の「国の交戦権は、これを認めない」 についてですが、「認めない」とは、誰が誰に対して認めないのでしょうか。日本国が自ら認めないのでしょうか?だとしたら自国民が危機にさらされたら誰が助けるのでしょうか? この「日本国憲法」は、国民の生命は自国が守るのでなく、他国の「公正と信義」に依存していれば日本は安全で、まぁ危なくなってもアメリカが守ってくれますよ――と言っているような子供の宣言です。 弊党が、「憲法9条改正」を掲げる一つの理由もここにあります。それは他国に戦争を仕掛けるためではなく、「自分の国は自分で守る自立した国家になりましょう。逆にそうした国防意識を憲法に表すことが戦争を抑止する力になるのですよ」ということです! ぜひ5月3日は、日本の憲法はこれでいいのか、考えてみましょう。本稿が考える一つのきっかけになれば幸いです。 【5月3日憲法街宣予定】 ※場所および弁士は、状況により変更になる場合があります。 10:00 渋谷ハチ公前 【弁士】加藤文康幹事長 12:00 明治神宮前 【弁士】加藤文康幹事長、及川幸久外務局長 14:00 新宿駅西口 【弁士】及川幸久外務局長 16:00 中野駅南口 【弁士】及川幸久外務局長 消費増税をあおる報道――不可解な前提に基づく財務省の試算 2014.05.01 文/HS政経塾部長 兼 政務本部部長 幸福実現党東京都第9選挙区支部長 吉井としみつ ◆財務省の「財政に関する長期推計」 次の記事を読んで、どのような印象を抱きますか? 財務大臣の諮問機関である、財政制度等審議会の分科会で財政再建に取り組まず、当面の目標である基礎的財政収支の黒字化が達成できなかった場合、2060年度の国の借金は、GDP比で約5.6倍の約1京1400兆円に膨らむとの試算が示されました(産経4/29)。 さまざまな感じ方があると思いますが、「大変な債務を日本政府は抱えているんだな」という漠然とした不安を抱かせるのではないでしょうか。不安を持たせて「政府の財政は大変だ。このままでは持たない、じゃあ消費増税は仕方がないのでは…」と誘導する、財務省のお得意のやり方です。 そこで、今回示されている「我が国の財政に関する長期推計」 http://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/proceedings/material/zaiseia260428/08.pdf 上記で示されたシミュレーションの不可解なポイントを押さえて、消費増税を煽動する報道への免疫を高めておきましょう。 (1)現状:政府が掲げる財政健全化の目標 財政の健全化を示す指標として、基礎的財政収支(プライマリー・バランス)という言葉があります。 これは、公共事業や社会保障など政策にかかる費用と、税収等の収入の差額のことです。この差額を、日本政府は2020年までに黒字化することを目指しています。 (2)高すぎる名目長期金利の想定 今回のシミュレーションの前提として、10年国債の金利が0.623%(4/30現在)であるにもかかわらず、名目長期金利は3.7%と高めに設定されています。 一方、日銀が2%インフレターゲットを掲げているのに、物価上昇率は1%と低めに設定されています。物価上昇率が低めに抑えられることで、名目経済成長率も低くなります(名目経済成長率=物価上昇率+実質経済成長率)。 財政の健全化に道筋を示す「ドーマー条件」という考え方によると、名目経済成長率に比べて名目金利が高くなれば、財政は悪化します。複利計算なので、今回のような50年程度の長期推計で計算すれば、前提条件を少し変えると大きく結果は変わります。 不自然に高い金利と不自然に低いインフレ率から考えると、嘉悦大学の高橋洋一教授も指摘するように、今回のシミュレーションで「財政危機」が演出されていることが読み取れます。(“答えありき”が疑われる財政の長期推計・「詠み人知らず」の報告書を出す財政審の実態 http://diamond.jp/articles/-/52341) 財政危機を示すために演出された統計をもとに、50年後に、国の借金1京円を超えるなど、負債額の大きさをセンセーショナルに宣伝して、不安感を煽動する報道が、今後も出てくると考えられますが、冷静に以下の3点を確認しましょう。 1)統計の前提となる金利水準は高すぎるのではないか。 2)インフレ率は妥当か。 3)実質経済成長率が低すぎるのではないか。 これらに引っかかる場合は、要注意です。さらにいえば、そもそも50年間も想定しているモデルが当てはまるのか?という疑問も持つべき視点といえます(ちなみに、EUの「Fiscal Sustainability Report2012」の試算期間は20年)。 ◆2004年のときは、100年安心だった年金プラン このような長期統計には、本当に注意が必要です。なぜなら、2004年のときには、100年安心プランと銘打って、年金改革がおこなわれました。 そのときのカラクリは何か。それは、あまりに楽観的な経済見通しです。 2009年には財政検証結果では、年金積立金の運用利回りを4.1%に設定していました(厚生労働白書H22年度版http://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/10-2/kousei-data/PDF/22011104.pdf)。 現在、約128兆円の年金積立金があり、その約55%が国内債券で運用されています。先ほども挙げたように、10年国債の利回りは0.62%程度であり4.1%の高い運用利回りを達成できるのでしょうか。 以前の記事(元気な経済あっての年金制度――消費増税は年金破たんへの道 http://hrp-newsfile.jp/2013/883/)でも指摘させていただいた通り、好調な経済でなければ、本当に安心な社会保障の実現はできないのです。 ◆詐欺まがいの議論はもうやめるべき 消費増税したいために経済成長率を低く見積もる。しかし、年金は安心と見せるために経済成長を前提とする。国民不在のアベコベ議論が続いています。これを詐欺という以外に、何と言えるでしょうか。 今後も増税をあたかも必要とさせる不安煽動記事が出てくると思われますが、想定条件に要注意です。財政再建するにも、社会保障を安心にするにも、消費増税している暇はないのです。ノーモア・タックス。答えは「いかに経済を元気にさせるか」に見出すべきです。 ―――――――― ◇お知らせ:You Tubeチャンネル「HS政経塾オピニオン」について HS政経塾生の研究をいかして、踏み込んだ視点でニュースの裏の裏を解説します。 ご覧いただければ幸いです。 HS政経塾オピニオンはこちらから →https://www.youtube.com/user/HSSeikeijukuOpinion 改めて日本の自衛力強化を目指す ~自公から自幸へ~ 2014.04.30 文/HS政経塾第二期生 幸福実現党徳島県本部副代表 小松由佳 ◆一定の支持を得たオバマ大統領のアジア歴訪 オバマ米大統領は、29日、アジア4カ国の歴訪を終え、帰国しました。日本、韓国、マレーシア、フィリピンを訪れ、中国牽制を念頭に置いたアジア重視のリバランス戦略をアピールし、各国首脳から一定の支持を得たと言えます。 日本では、米大統領として初めて、尖閣諸島が米国による日本防衛義務を定めた日米安保保障条約第5条の適用対象であることを公式に述べ、日本の集団的自衛権行使容認の検討についても、共同声明に「歓迎し、支持する」と明記しました。 韓国でも、北朝鮮の核開発を批判し、「我々は同盟国を守るためには、軍事力の行使をためらわない」と述べました。 その後、中国が昨年秋に設定した防空識別圏を通過するルートでマレーシアに向かい、現職米大統領として半世紀ぶりの同国訪問を実現し、中国を念頭に、海洋安全保障を含む包括的な協力強化で合意しました。 最後に、フィリピンでは、米軍の展開強化を柱とする新軍事協定に署名し、事実上、22年ぶりの米軍再駐留を決めました。 ◆不安なアメリカと強気の中国 しかし、不安要素も残りました。オバマ大統領は、韓国において、慰安婦問題で韓国の主張を認め、「甚だしい人権侵害だ」などと批判。TPP交渉については、日本で合意に至らず、マレーシアでも、米国が求める国営企業や政府調達の改革への反発が続いています。 また、フィリピンでは、憲法で外国軍の駐留を禁じていることから、同国の上院議員の一部が、米軍駐留は憲法違反だと反発。さらに、日本において、集団的自衛権の行使容認に弾みをつけたい安倍首相に対し、公明党が慎重姿勢を崩さず、議論が停滞しています。 こうした中で、中国では、政府高官がオバマ大統領への反発を示すと共に、政府系シンクタンクの関係者が、オバマ大統領の言動を「リップサービスにしかすぎず、米国の財政状況を考えれば、中国と本気で対決するゆとりはない」と述べるなど、余裕も見せています。 確かに、アメリカは、国内経済に困難を抱え、中国に多くの国債を握られています。10年間にわたり米連邦予算は毎年10%ずつ強制削減され、軍事関連予算も10年で1兆ドル(約100兆円)以上削られます。 2016年には、アジアにおける地上兵力の中心である在韓米陸軍を米本土に引き上げ、現在20万人弱のアメリカ海兵隊も半分近くに減らす方針です。 オバマ大統領は、28日、フィリピンでの会見で、「米軍と財政に巨大な負担をかけた10年間の戦争を経験したばかりなのに、なぜ軍事力をそんなに使いたいのか分からない」と述べてもいます。やはり、アメリカがアジア防衛を放棄する可能性は否定できず、少なくとも日本が自衛力を確立しない限り、協力は望めません。 関係筋によると、米当局者は日本側に「集団的自衛権を含めた安全保障法制の大きな絵を示してほしい」と要求しています。 ◆自衛強化の足かせとなっている公明党 こうした事情を鑑み、安倍首相は、党幹部に公明党との協議を急ぐよう指示し、29日、「(安保法制懇の)結論によって憲法解釈を変更する必要があれば、閣議決定を行い、国会で議論していきたい」と述べた上で、さらなる国際社会の理解を得るべく、欧州へ発ちました。 しかし、公明党との協議は難航しています。政府は、安保法制懇による5月中旬の報告書提出後、集団的自衛権の行使容認に関する5法案を先行改正することを決めましたが、本来、行使容認に必要な法改正や新規立法は計11法案あり、臨時国会での一括処理を目指していたにも関わらず、公明党への配慮から5法案に絞り込まざるを得ませんでした。 自民党は、これらの法改正に先立ち、夏頃に解釈変更を閣議決定することを目指していますが、公明党は議論を秋以降に先延ばしし、今秋の沖縄県知事選や来春の統一地方選で集票力を見せつけ、閣議決定をさらに先送りしようとしていると考えられます。 1964年に「平和の党」を理念に立党し、10年以上にわたって自民党と連立を組み、「中道」「安定」をアピールしてきた公明党ですが、その役割は結局、「戦後レジームの維持」に過ぎず、日本の自立にとって、いよいよ足かせとなってきた感が否めません。 ◆未来を担う新たな宗教政党が必要 これは国民共通の感覚とも言え、産経新聞社とFNNの26・27日の合同世論調査で、集団的自衛権について、「必要最小限度で使えるようにすべきだ」(64.1%)、「全面的に使えるようにすべきだ」(7.3%)とする賛成派が計7割を超えただけでなく、この問題について自民党と公明党が決裂した場合、「連立解消」を支持するとした人が59.9%に達しました。 一方、憲法改正については、公明党への配慮から安倍首相が発言を控えるようになったため、昨年4月には賛成61.3%が反対26.4%を引き離していたにも関わらず、上記の世論調査で、昨年4月以来はじめて、反対派が47.0%と、賛成派38.8%を上回ってしまいました。 幸福実現党は、日本の真の独立を回復し、平和を守るために、憲法解釈変更はもちろん、憲法改正、さらには新憲法の制定が必要と考えています。5月3日に憲法記念日を迎えるにあたっても、憲法のあるべき姿について、再び議論を喚起する必要があります。 公明党は、創価学会と実質上一体であるにも関わらず、1970年には「政教分離」を宣言してもいますが、これは欺瞞であると言わざるを得ません。そもそも、戦後の神道指令に続く現憲法の政教分離規定は、日本弱体化のための占領政策の一環でした。こうした戦後体制の弊害を、そのまま党是として掲げる政党に、日本の未来を託すことはできません。 幸福実現党は、広い国際的視野を持った宗教政党として、真なる「平和」や「中道」を守るための政策を提案しています。日本はアジア諸国に対し、リーダーとして改革のモデルを示す必要もあります。日本の未来を担える政党はどこなのか、国民の皆様に、冷静に見極めていただきたいと願うものです。 中東で見た国際政治の新たな展開 2014.04.29 文/幸福実現党山形県本部副代表 城取良太 ◆エジプトで感じた「アメリカの本格的な退潮の始まり」 4月中旬、私はドバイを拠点に、エジプト・トルコの両国を訪問し、アラブの春から3年たった中東・イスラム圏の現状を取材して参りました。 現地の人々やメディアの声、雰囲気などから、多くのことを実感することができましたが、ここでは2つに絞ってご紹介したいと思います。 まず、エジプトにおいて実感したことの一つとして、「アメリカの本格的な退潮が始まっている」ということでした。 サダト政権の下、1970年代半ばからエジプトはアメリカとの関係強化を強め、エジプト・イスラエルとの平和条約が締結された1979年からアメリカからエジプトに対して巨額の軍事支援が行われてきました。 このようにエジプトは中東随一の親米国として、長らくアメリカにとってのイスラエル安全保障の要となってきた歴史があります。 しかし、「アラブの春」が起こった際、アメリカはエジプト政変の最終局面でムバラク政権を見捨て、民主化によって誕生した反米色の強いイスラム政権を支持したことにより、アメリカはかつての親米派からの「信」も失い、その後も変転し続ける外交姿勢によって、自ら反米感情を高めてしまったといえます。 実際、カイロに長く在住するアメリカ人に取材をしたところ、「(ここ数十年で)アメリカ人にとっていまカイロが最も住みづらい時代になってきた。」と悲しそうに語ってくれました。 一方で、「いまエジプトで影響力を高めているのはロシアと中国、…ただ歴史的にも、国力的にも、国民感情としても、エジプトで最も潜在的な力を発揮できる最良の立ち位置にいるのは、日本なんじゃないか」とも語ってくれました。 ◆トルコで感じた「欧米型価値観の逆流の始まり」 もう一点は、アタチュルクによるトルコ革命以降、中東・イスラム圏で最も欧米型民主主義・世俗主義の色の強いトルコにおいて、「ある種の価値観の逆流が本格的に始まっている」と実感したことです。 その主体にあるのが、「強いトルコ」復活を目指したリーダーシップの発揮で知られるエルドアン首相であります。 その強権ぶりが世界的に一躍注目されたのが、先月の「ネット規制の強化」に関する一連の騒動です。 統一地方選の直前にエルドアン首相の汚職疑惑などがツイッターで連日投稿されたことに対し、「プライバシーの侵害や国家機密の暴露」を理由に、ツイッターのみならず、youtubeなども遮断し、「国際社会はいろいろ言うだろうが、全く気にしない」という開き直りを見せました。 それに対し、EU側からは「トルコがヨーロッパの価値観や基準を守るという姿勢に疑問を抱かせるものだ」として、3年半ぶりに再開が始まった加盟交渉への悪影響を示唆されております。 また、2013年5月末からしばらく続いた「トルコの春」と呼ばれるエルドアン首相の強権に反対する大規模デモを皮切りに、ここ1年間で同様のデモが頻発しているように、長らく欧米的価値観に慣れ親しんだ多くのトルコ国民にとって、敬虔なイスラム教徒で徐々にイスラム色を強めようとするエルドアン首相が、プーチン大統領と同様、「独裁者」のように感じられているように思います。 ◆エルドアン首相はただの「独裁者」なのか、トルコとイスラム世界の「解放者」なのか しかし一方で、そうした逆風をはねのけ、3月末に行われた統一地方選挙ではエルドアン首相が党首を務める公正発展党(AKP)が全面的な勝利を得ており、今後も長期的なエルドアン体制が見込まれております。 この原動力になっているのが、エルドアン首相の経済的手腕であります。 AKPの単独政権が成立した2002年以降、基本的にはトルコ経済は好調を維持し続けており、1人当たりGDPは2002年の約3500ドルから08年には1万ドルを超え、5年余りで3倍近くに増えております。 また、それまでEU偏重型だった外交姿勢から、中東・イスラム圏への回帰を成し遂げ、経済的には中東・イスラム市場を新規開拓し、イスラム政党として同じ価値観を持つイスラム諸国に対するプレゼンスを飛躍的に向上させております。 更に、ウクライナ危機に関して、建前上はロシアによるクリミア編入は「容認できない」と述べておりますが、エルドアン首相はロシア・プーチン大統領と個人的に良好な関係を築いており、制裁に加わるというよりも、独自外交で解決するスタンスを採っているように思います。 世論の批判に負けず、強権を振るい、トルコを強国にしようというリーダーとしての強い意志は、ロシアのプーチン大統領をほうふつさせるものがあります。 はたしてエルドアン首相がトルコ国民を不幸に陥れる「独裁者」なのか、結果的にトルコとイスラム世界の自由と繁栄を実現する「解放者」なのか、歴史が証明していくことになるでしょう。 ◆岐路に立たされる日本が採るべき外交とは 国際政治における新しい時代の幕開けを肌で実感することが出来た取材となりましたが、日本もまさにその岐路に立たされていると言えるでしょう。 国際的道義に基づいた協調主義も大事ですが、それ以上に自国の国益を最優先に考え、国民の自由と安全をしっかりと守ることこそが宰相の使命であると考えます。 日本の国益にとって最も危険性を孕んだものは、中国の覇権主義の拡大でありましょう。 もし今回のウクライナ危機で欧米側に加担した場合、待っている最悪なシナリオが「中国・ロシア・イスラム圏」という危険な繋がりだと知らなくてはなりません。 その最悪なシナリオを回避するためにも、全世界での退潮傾向にあるアメリカへの依存に危険信号が灯っている今、近隣同士で真に中国の危険性を分かち合えるロシアとの協調は日本にとって必要不可欠な選択であります。 また、中東・イスラム圏を良く理解し、同じ目線に立ちながらも、軸のぶれない「信」のある中東外交を行うことが、中国の世界戦略を食い止め、日本を世界のリーダー国家に押し上げる力になるはずです。 そして今こそ、世論や戦後培われた間違った歴史観、憲法観に迎合せず、日本を真なる自立国家とするために、憲法改正を断行できる強いリーダーシップを持った宰相が求められているのです。 日本の発展にむけた行政改革を!――消費税増税にみる国民不在の行政 2014.04.28 文/HS政経塾4期生 数森 圭吾 ◆消費税増税における国民の反応 4/1より消費税率が8%に引き上げられた。景気回復とセットであるはずの今回の増税ですが、早くもそこにはズレが発生しています。国民は本当に消費税増税について納得しているのでしょうか。 世論調査においては以下のような結果が出ています。 ・景気回復を実感しているか?(産経新聞社・FNNの3月末合同世論調査) 「実感していない」 77.4% ・消費税増税が日本経済に与える影響について(同上) 「心配している」 67.3% 「心配していない」 29.8% ・2015年の消費税率10%への引き上げに対する賛否(同上) 「反対」 66.7% ・消費税増税後に節約を行っているか(4/5 TBS世論調査) 「節約している」 58% 「あまり節約していない」 29% 「全く節約していない」 12% 「わからない」 1% この結果を見る限り、国民にとっては景気回復を感じないなかで増税が先行して行われ、結果、買い控えが発生しているのが現実です。調査結果にもあるように、このような状況での更なる税率アップは国民が望むものではありません。 ◆14年7-9月期の経済成長率が重要 OECD(経済協力開発機構)による4半期経済見通しによれば、2014年の日本の実質GDP成長率は、1-3月期4.8%、4-6月期▲2.9%となっています。1-3月期の数値が高いのは駆け込み需要によるもので、4-6月期のマイナスはその反動によるものです。 この半年間のみを見ると駆け込み需要の影響がプラスに働くと予想されていますが、この後の7-9月期の成長率が重要です。安倍首相はこの7-9月の数値によって10%への税率アップを検討するとしています。 国民は4月以降の実績成長率を注視するとともに、8%への増税決定の際のように、「増税ありき」での公共事業による意図的なGDPの数字操作が行われないよう注意しなければなりません。 ◆省益を優先する財務省 財政再建における経済成長の必要性と増税のリスクは政府も行政も認識しているはずです。にもかかわらず強硬に増税路線を取る背景には何があるのでしょうか。 最も増税を望んでいるのは財務省です。それは増税が財務省の権力拡大に繋がるからです。財務省は各省庁が使用できる予算枠を決定する権限を持っています(歳出権)。その予算の大枠は財務省が算出する「税収の見積り」によって決定されます。 この際、「経済成長率は税率に関係なく一定」という前提で計算されるため、予算段階の税収見積りは税率を上げた分だけ増加することになるのです。つまり財務省にとっては税率を上げたほうが予算額も増え、その裁量権も大きなものとなります。 財務省の根本的な行動原理にはこの「歳出権の拡大」が存在し、そのための手段として最も有効なのが税率を上げることなのです。 ◆国税庁との関係にみる財務省の権力へのこだわり ここで財務省と国税庁の関係に注目してみましょう。国税庁は国家行政組織法三条に基づいた法律で財務省の外局として規定され、本来は独立性の高い政府機関です。 しかし実態は、過去一度も財務省出身者以外が国税庁長官の座に就任したことがないことからも、国税庁に対する財務省の影響力の大きさがうかがえます。 財務省が国税庁に対する影響力を保持したがる理由の一つに、国税庁が持つ「情報」があります。税金などの「金」にからむスキャンダルを恐れる政治家に対して、それに関係する情報が集まる国税庁は財務省にとって非常に重要な情報源なのです。 このように財務省は「カネ」と「情報」を握ることで各方面に大きな影響力を発揮することができるのです。このような「省益をいかに確保するか」、「いかに権力を維持するか」ということに固執する行政は、内部の都合にばかり目を向けた国民不在の行政となってしまっていると言わざるを得ません。 ◆悪しき構造を打破する「理念」と「覚悟」をもった政治家の必要性 過去、橋本内閣、小泉内閣などにおいても行政改革は取り組まれているが、未だ抜本的な改革には至っていません。いまこそ「行政の都合」ではなく「国民の幸福」を真正面から考えることのできる理念と覚悟をもった政治家が必要です。 国民不在の政府や行政のパワーゲームに陥ることなく、真剣に「国民の幸福を実現する!」という公益性のある理念をもった政治家が多く集まり、行政改革を進めていかなければならないのです。 なぜ日本は負けたのか?――戦史に学ぶ、未来への舵取りと提言《第8回》 2014.04.27 文/岐阜県本部副代表 河田成治 ◆零戦はベンチャーだった ベンチャーとは、創造とか革新を表す言葉です。 零戦が登場したのは、昭和15年(1940年)でした。その数年前まで、日本は自力で戦闘機を作る能力がなかったのにもかかわらず、わずかな間に世界最強の戦闘機を作り上げ得たことに、世界は驚嘆しました。 零戦の最も優れていた点は、卓越した格闘戦能力と長大な航続距離を両立したことで、これは外国の戦闘機と比べれば、信じられないことでした。 たとえば、ドイツの名戦闘機メッサ-シュミット109は、ヨーロッパの空の征服者と言われる程強かったのですが、この戦闘機を設計したメッサ-シュミット博士は、「格闘戦に優れた機体と、長い航続距離の機体は、設計上矛盾する」と述べ、当時は、両立は不可能だと思われていました。 航空機後進国の日本が、わずか数年で、この矛盾する戦闘機を作り上げたのは、まさしく革新であり、創意工夫とチャレンジング精神に富んだベンチャー精神そのものの発揮であったのです。 ◆「零戦」が戦争を変えた 航続距離が飛躍的に伸びたことが、日本軍の初期の破竹の連勝につながりました。この頃から、戦争の帰趨を決めるのは「制空権」であり、空を支配した側が戦争に勝利する時代になっていたからです。 航続距離が圧倒的に長いという利点は、制空権の範囲を一気に拡大し、戦争を根本から変える力を持っていました。 ◆現代に息づくベンチャー精神 近年でも小惑星イトカワへの探査機の成功などは、まさしくベンチャー精神でしたし、STAP細胞の研究は、医療の世界を根本から変える革新となるでしょう。 このような新しいチャレンジ精神は、まさしく“零戦精神”であり、日本にベンチャー精神が息づく証拠だと思います。 しかし、日本は零戦で勝ち、零戦で負けたといっても過言ではありません。零戦の悲劇は、次世代機ができなかったことにあります。 あまりに零戦が素晴らしかったために、次世代機の開発が遅れたのです。零戦も戦争中盤からは、まったく歯が立たなくなってしまいました。 ◆天才を認めない風土? 日本には、秀才を認めても、天才は認めない風土があるのでしょうか。 例えば、イトカワで有名になった日本ロケットの父、糸川博士は、ジェットエンジンの原理を世界に先駆けて発見した方でしたが、会社側から理解されず、強引に研究を中止させられて開発を断念しています。 もし、糸川博士がジェットエンジンを成功させ、新戦闘機ができていたら、戦争はまったく違った結果になったかもしれません。 糸川博士のジェットエンジン理論は卓越していて、戦後、ドイツのジェット戦闘機の資料を見た糸川博士は、「ドイツはそれほどでもない」と語ったと、小室直樹氏は記しています。(小室直樹著「日本の敗戦」) 零戦の開発を、現代のステルス戦闘機に置き換えるなら、当時のジェットエンジンの開発は、現代にUFOを開発しようとするぐらいの奇妙奇天烈さに見えたのかもしれません。 素晴らしい発明ができる日本人ですが、しかし余りに時代を飛び越す天才的発明には理解が及ばない日本人気質もあります。 STAP細胞を今までの常識ではあり得ないとし、小保方博士の業績を抹殺しようとする雰囲気は、iPS細胞という零戦で満足し、新機種開発を怠った、過去の失敗と重なって見えます。小保方さんの天才的業績は、絶対に護らなければなりません。 同様に、反重力装置の原理が、国内○○大学から発表されたとしても、学界はベンチャー精神で謙虚に受け止めるべきでしょう。 ベンチャー精神は現代にとって、極めて重要です。人類100億に向かう今、新エネルギーの開発、食料増産技術、環境技術など、様々な革新が必要です。 幸福実現党は、未来産業、新技術の育成に力を入れていきます。(次回につづく) ウクライナ問題と日米首脳会談TPP合意見送り――日本の新・世界戦略の提言! 2014.04.26 文/幸福実現党政務調査会 佐々木勝浩 ◆ウクライナ問題の本質はなにか 4月26日、日米欧とカナダの先進7カ国(G7)は、ロシアがウクライナでの暴力自制などを求めたジュネーブ合意を順守していないとして、ロシアに追加制裁を科すことで合意しました。 こうして世界の世論とマスコミのほとんどの論調は、「ロシア制裁」の方向に進んでいます。その理由は、ロシアのウクライナのクリミア併合が「東西冷戦の復活」につながるというものです。 しかし世界やマスコミが見落としている重要な視点が二つあることを指摘しておきましょう。 一つ目は、ウクライナ問題の本質は何かというと、「東西冷戦の復活」ではなく、あくまでも「ウクライナの経済がうまくいっていない」という点にあります。ウクライナの経済は、ソ連崩壊後から、独立してもほとんど成長していないのです。 そもそもウクライナのデモのきっかけは、親ロシア派のヤヌコービッチ政権がEU加盟を見送ったことにあります。またヤヌコービッチ政権はロシアでもないEUでもない第三の選択として、中国に経済支援を求めようとしていました。 EUは、経済がうまくいっていない諸国が多く、さらに経済が低迷しているウクライナが加盟すれば、EU自体がますます苦しくなります。 見方を変えれば、経済低迷で苦しむウクライナにロシアが手を差し伸べたと見ることもできます。それがプーチンのクリミア併合です。クリミアでは、ロシア軍を歓迎しG7が指摘するような暴力行使はありませんでした。 二つ目は、ウクライナ問題に中国が沈黙しているという点を見逃してはなりません。 中国にとって、ロシアのクリミア併合を批判すれば、チベット、ウイグル、南モンゴルへ行ってきた侵略行為に対する矛先が、今度は自分の国に向けられる可能性があります。ですから中国は沈黙しているのです。 つまり、今回のウクライナ問題の対応如何では、これまでの世界秩序を覆すような力学が働く可能性を秘めています。 ◆ロシアを仲間に入れた日本の国家戦略 もし、G7がロシアへの経済制裁を行うことになればどうなるでしょう。ロシアと中国が接近し手を組む可能性が生まれます。それがさらに中国の覇権主義を勢いづかせるきっかけにもなります。 また、ロシアへの経済制裁は、今後ミサイル発射やさらなる核実験をほのめかす北朝鮮への制裁を行う場合、ロシアの協力が得られなくなるでしょう。 ウクライナ問題を日本は「冷戦の復活」と捉えるのではなく、「ウクライナの経済問題」として捉えるべきです。ウクライナは、2008年のリーマン・ショックの際にも欧米の外資がさっさと引き揚げたことで経済苦境に立たされました。 したがって今回はそれとは逆に、日本はアメリカをも説得し、ロシアと共に、ウクライナの経済救済に協力すればよいのです。 これは、ロシアを日米と共に中国包囲網の枠組みに組み込み、また北朝鮮の暴走を牽制する大きな力にすることができます。こうした国家戦略を日本はつくり上げるべきなのです。 ◆TPPを国防から考える ひるがえって今回の日米首脳会談でオバマ大統領が、「尖閣諸島も含め、日本の施政下にある領土はすべて、日米安保条約第5条の適用対象となる」と共同記者会見で発言しました。これは一定の評価ができます。 しかし一方で、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉では、安倍政権が、農産品重要5項目について関税撤廃の例外扱いを求めていることから、交渉は難航し日米合意は得られませんでした。 選挙目当てに高い関税で小規模兼業農家などを保護し続けても、今後は従事者の高齢化で日本の農業は先細りとなるばかりです。 TPP合意をするとすれば、たとえば、関税撤廃をするにしても段階的に引き下げ時間的な余裕を作り出します。そして必要な範囲で農家に補助金を出しながら、企業の農業進出を後押しして生産から加工・流通販売までを手掛ける第六次産業化を図れば、農業は輸出産業に成長します。 国防面から考えてもTPPは、中国包囲網を形成する重要なカギです。日本は、こうした大局的な立場からTPP交渉の決着を急ぐべきです。 なぜなら優柔不断なオバマ大統領が、国内事情を優先し大量の米国債を中国が保有していることなどを鑑みて、日本との関係を見限り、対中融和へと傾く可能性も否定できません。 以上、述べてきたように、日本は「ウクライナ問題」をチャンスと捉え、また「日米首脳会談」の教訓を冷静に分析して、新たな国家戦略の構築を急がねばなりません。そして中国・北朝鮮包囲網を築くための一手を早急に打つべきです。 「国家戦略特区」が、「トロイの木馬」にならないために 2014.04.25 文/福岡県本部副代表 よしとみ和枝 ◆「国家戦略特区」に6地域が決定 政府は、3月2日地域限定で、大胆に規制緩和を緩める「国家戦略特区」の第1弾に、福岡市の「創業のための雇用改革拠点特区」など6地域の指定を決めました。 福岡市以外では、東京圏を「国際ビジネス・イノベーション拠点特区」、関西圏を「医療イノベーション拠点・チャレンジ人材支援特区」、沖縄県を「国際観光拠点特区」、新潟市を「大規模農業の改革拠点特区」としました。 安倍政権は、経済が順調と言われながらも、実際は、平成25年度の貿易統計によると、貿易収支が、過去最高の13兆7488億円の赤字となっています。 さらに、消費税増税の反動など、本当に成長戦略は実現できるのかという不安があります。そこで、規制改革によって、経済の成長、雇用を創り、経済再生の起爆剤とすることを目的としています。 ◆福岡市の「創業のための雇用改革拠点特区」 福岡市は、特区に選ばれたことで、創業に関する事務手続きの迅速化、融資制度の充実、法人税減免などの様々な規制緩和などにより、10年間で50万人の雇用を創出すると計画しています。 これは、失業率3.6%、開業率4%と言われる福岡市民にとって朗報であります。しかし、両手を挙げて喜べない計画も盛り込まれています。 ・アジアの玄関口としての特徴を活かし、・外資系企業の進出を後押しする。 ・外国人の在留資格要件を緩和する。・医師法などが禁じる外国人医師や看護師による業務を認める。 ・出入国の特例措置などを追加するように国に提案する。・ビザ発給の特例措置。 ・観光クルーズ船内のカジノ営業の緩和。・・・など 「外国人に住みよい環境を提供する」ことに、重点を置かれているのです。 ◆在住中国人が増え続けている福岡の状況 現在福岡近郊の観光地は、連日中国からの観光客で一杯です。在住中国人の数も年々増え続け、大学や専門学校も中国からの留学生で一杯です。 土地やマンション、水源地の買収も市民が気づかないうちに、どんどん進んでいます。また、ホテルや会社のオーナーが中韓の資本家に変わり、日本人従業員が突然解雇され、中国人従業員に入れ変わったという話もあります。 コンビニやディスカウントショップの中国人店員も増え続けています。いつの間にか、在住中国人が増えていることに、驚きをかくせないのが、多くの市民の本音なのです。 ◆2012年に計画された「800人中国公務員研修の受け入れ」 そんな中、一昨年の2012年、福岡市の高島市長が、「中国公務員研修受け入れ」に関する覚書を中国国家外国専家局と交した事があります。 中国の公務員を年間800人、5年間に渡って研修生として受け入れ、海水の淡水化技術や埋立地の活用方法、下水処理技術などをおしみなく教えるというものでした。 ちなみに、海水の淡水化技術は、細菌兵器の製造に利用される技術であることから、国の安全保障貿易管理に係る規制リストに載っています。 そんなことも知らずに、たびたび招かれている中国側の口車に乗せられ、売国行為をしようとしていたのです。幸いにして、その頃、中国国内での日本企業打ち壊しなどの反日行動が激化したことにより、研修生受け入れは、中止となりました。 スパイ防止法のない日本で、戦後教育を受けた世代の日本人には、どこが親日で、どこが反日の国かも認識できないのです。 ◆「国家戦略特区」が「トロイの木馬」にならないために これからの日本は、移民政策を進めていかなければなりませんが、自国の国益と安全保障の面から考えても、唯物論反日国家ではなく、マレーシア、インドネシア、ネパール、カンボジア、フィリピンなどの、親日の国を中心に受け入れていくという前提を持って進めるべきです。 今回の「国家戦略特区」が、「トロイの木馬」にならないように、私達は、十分に関心を向けていかなければなりません。 すべてを表示する « Previous 1 … 154 155 156 157 158 … 253 Next »