Home/ 新着一覧 新着一覧 「塩村都議ヤジ騒動」と「日本の繁栄」 2014.07.05 文/政務調査会チーフ 小鮒将人 ◆海外へ広がる「塩村ヤジ騒動」 東京都議会で「女性蔑視」のヤジを行ったという事で、塩村都議が内外に告発を続けております。先日は、都内の「外国特派員協会」において、会見を行い、未だ名乗り出ていないと思われる議員については、告発を行う旨の発言を行っております。 私も、原因となる映像をネットで見てみたのですが、あまり明瞭な言葉ではありませんでしたが、確かに男性の声で「早く結婚すればいいんじゃないか」と言っているのは分かります。現時点では、自民党の都議の声であることが判明しています。 今後、「東京」という世界を代表する都市の議会で、「女性蔑視」にも受け取れかねない発言は、厳重に慎むべきでしょう。 [※その後、「みんな(政党)が結婚すればいい」という発言だったと、テレビ音声から判 明し、実は女性蔑視発言ではなかったと、ネットで話題になっていることを、付け加えておきます。] 一方、主としてマスコミやネットを中心として塩村議員は発信を続けております。ここまで問題にするのであれば、塩村議員は、なぜ「ヤジが出た段階」で発言を中止して、抗議しなかったのでしょうか。ヤジを受けた瞬間の映像を見る限り、全く抗議をしようとはしていませんでした。 当たり前の話ですが、東京都議会は都民の税金によって運営されています。塩村氏は、議会において堂々と議論すべきでした。それが、都議会議員としての責務ではないでしょうか。 ◆「河野談話」見直しを妨げる騒動 さて、今回の騒動について、国益を損ねる危うさを感じました。 私たち幸福実現党は、日本の誇りを取り戻す運動の一つとして「河野談話の白紙撤回」を主張しております。昨年末から始まった署名活動は、4月上旬の締め切りの段階でおよそ13万を超える署名を頂いたのみならず、その活動のうねりは全国へ広がり、政府においても「河野談話」についての調査を行いました。 その結果、正式な調査結果として「河野談話」を作成した段階で、(1)「慰安婦」と称する韓国人女性の聞き取り調査以上の証拠を確認することができなかった。(2)「河野談話」作成の段階で韓国側と文言のすり合わせを行っていた。という驚愕の事実が明らかになりました。 上記の件は、河野談話の信憑性に大きな疑問を投げかけるものであり、産経新聞の調査でも50%以上の方が、「検証を評価する」との回答があったほか、河野洋平元官房長官は国会で説明すべき、と回答した方は76%以上にも上りました。 このように、私たち幸福実現党の活動が大きなきっかけとなり、「日本の誇りを取り戻す」運動が進められている中、今回の騒動により日本の議会において「女性蔑視」がまかり通っている、というイメージがマスコミによって国の内外に発信されることになったのです。 これは、歴史観を正しいものに戻していこう、というせっかくの動きが停滞しかけることになりかねません。そうした意味で、実際にヤジを飛ばしたとされる自民党都議及び、こうした発信を海外にまで行おうとしている塩村都議の行為は、大いに国益を損ねる動きになりました。 ◆「繁栄への大戦略」 さて、来る7月8日(火)には、幸福実現党の大川隆法総裁の大講演会「繁栄への大戦略」が開催されます。 ここ数年、自民党が事実上の崩壊をしてから、様々な政党が出ては消え、そして、「合従連衡」と称して延命を図る動きが続いています。マスコミは、それぞれの動きを報道してはおりますが、国民の側からするとまったく魅力がなく、希望のない動きに終始しています。 それは、なぜでしょうか。 どの政党も日本が「繁栄」という事を目指すべきであることが言えず、さらに何が繁栄のために必要なのか、ビジョンを指し示すことができない事が大きな理由なのです。 今、必要なのは、日本が「世界のリーダーを目指す」という志を見せることです。そのためには、明確に「繁栄」という目標を掲げ、国民がそれぞれの個性を生かしながら繁栄を目指していくという事です。 その大前提として、まず、一人ひとりが「愛国心」を持つという事が必要です。そういう意味で、90年代から中国・韓国から始まった「従軍慰安婦」問題及び、「南京大虐殺」のキャンペーンは、明らかにねつ造であり、日本は明確に拒否することが大切です。 しかしながら、今回の塩村議員の「告発」を見る限り、「日本は依然として、女性蔑視の前近代的な国家であり、従軍慰安婦問題についてさらに追及しなければならない」というイメージにつながっていく事が大いに懸念されるわけです。 ◆国際社会で果たすべき役割 今、中東では、シリアとイラクにおいてイスラム過激派組織による軍事的な侵略が進められています。アメリカは、中東近海に空母を派遣して「牽制」をしているようですが、実質的な対抗措置に踏み切れないでいます。 これは、アメリカ自身に「何が正しいのか」「このまま軍事介入することがアメリカにとって良いことなのか」が分からないでいるからです。 こうした状況の中、大川隆法総裁は、明確に「何が正しいのか」を指し示すことができる「国師」であり「世界教師」です。そして私たち幸福実現党こそ、日本及び世界の繁栄への指針を明確に伝えることができる政党であります。 ぜひ、皆さま方には、大川総裁の大講演会にお越しいただき、今後の日本及び世界の繁栄に何が必要なのか、実際にお聞きになることを勧める次第です。 日本はもう敗戦国のままではいない――国民世論の力で「南京大虐殺」の嘘を打ち砕こう 2014.07.04 文/幸福実現党外務局長 及川幸久 ◆「南京大虐殺」に対する日本政府の考え 今年6月、中国政府は「南京大虐殺」と「従軍慰安婦」に関する資料をユネスコ世界記憶遺産に登録申請したことを公表しました。 同じ6月に、安倍内閣は、野党議員の南京事件に関する質問主意書に対して、答弁書を閣議決定しました。その内容とは、「旧日本軍による南京入城後、非戦闘員の殺害、略奪行為があったことは否定できない」。(6月24日朝日新聞) 日本政府は以前から南京事件の罪を認める公式見解を出しています。その内容は、外務省のホームページに掲載されています。(http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/taisen/qa/08.html) ◆なぜ中国は歴史問題にこだわるのか? ここで不思議なのは、なぜ中国は歴史問題にこだわるのか? 韓国のように慰安婦問題で日本から賠償金を取りたいのかというと、それだけではありません。中国は、日本を「戦争犯罪国家」のまま歴史に封印しておきたい、憲法9条改正を阻止し、永久に非武装国家にしておきたい。これが中国の根本戦略なのです。 そして、「日本は敗戦国である」という認識に基づいた国際秩序が、「戦後体制」「戦後レジーム」です。この戦後体制が戦後70年を目の前にして、存続するかどうかの歴史的転換点にきています。 たとえば、戦後体制の象徴である「憲法9条」は、国民の間で改正の機運が上がっています。 また、戦後体制を支えてきた“自虐史観”、「戦前の日本は軍国主義の暗黒時代であり、戦後アメリカによって初めて民主主義が実現した」という思想が堂々と学校教育で教えられてきましたが、慰安婦問題に端を発し、国民世論は「自虐史観」批判に向かっています。 その中で、「戦後体制」存続に危機感を持つ中国は、もう一つの戦後体制の柱である「南京大虐殺」を改めて再利用しようとしているのです。 ◆なぜ“30万人虐殺”なのか? 習近平主席は、今年3月ドイツ・ベルリンで講演し、「ドイツ人のジョン・ラーベの日記が南京大虐殺を書き残した」と述べて、30万人以上の虐殺を主張しました。 ところが、ジョン・ラーベは中国国民党を支援していたナチスの南京支部長であり、この日記のどこにも30万人という数字は書かれていません。杜撰な内容のスピーチでした。 ただ、虐殺というなら、4万でも10万でも十分であったはずですが、なぜ30万なのでしょうか? 南京大虐殺を世界に広めた、アイリス・チャン著作の『ザ・レイプ・オブ・南京』には、なぜか広島、長崎の名前が繰り返し出てきます。あたかもこの本は南京大虐殺の事実を証明することよりも、原爆投下の犠牲者数を上回る“大虐殺”をした日本軍の残虐さを印象づけることが目的のように見えます。 結局、広島、長崎での原爆投下の犯罪を隠すためにでっち上げたのが、“南京大虐殺“ではないでしょうか。 そして、原爆投下こそ非戦闘員の一般市民を大量殺害した戦争犯罪だと認識されてしまうと、「戦後体制」が一気に崩壊してしまいます。 ◆戦後体制とは「日本人を不幸にするシステム」 戦後体制によって実際に日本でどういうことが起きてきたでしょうか。 北朝鮮によって日本人数百人が拉致されても、日本政府は救出するどころか、長年その事実を隠してきました。その理由は、憲法9条があるからでした。 一方、最も多くの高校で採用されている高校歴史教科書には、南京事件について次のように書かれています。「南京陥落の前後、日本軍は市内外で略奪・暴行を繰り返したうえ、多数の中国人一般住民(婦女子を含む)および捕虜を殺害した」(『詳説日本史』山川出版社) 他に正しい歴史観を示した教科書も出ているのですが、大学受験では上記の自虐史観型教科書から出題されるので、現場の先生たちにはなかなか使われません。 また、国連分担金を世界で二番目に多く出している日本は、今頃、安保理の常任理事国になっていて当然ですが、そうなっていません。 中国、韓国の歴史問題による反対もありますが、日本の常任理事国入りを阻んできたのは、自国を「犯罪国家」と見る、日本人自身の自虐史観でした。 つまり、戦後体制とは、「日本人を不幸にするシステム」であり、一日も早く終わらせなければなりません。 ◆国民世論を結集して、戦後体制を終わらせる そこで、幸福実現党は、中国による南京事件資料のユネスコ記憶遺産登録に対して反対の声を集める署名活動を開始しました。 全国で30万人の反対署名を11月末までに集め、終戦70周年の来年を前に、12月内閣府に提出します。 南京大虐殺に反対する署名運動は様々な団体によって過去何度か行われましたが、30万規模のものはありません。 狙いは、ユネスコ記憶遺産阻止だけではなく、「戦後体制」自体の終焉です。本当に強いのは、結集された国民世論です。 皆様の署名運動へのご協力をお願いいたします。 ■中国による「南京大虐殺」「従軍慰安婦」のユネスコ記憶遺産への申請に抗議し、 日本政府に万全の措置を求める署名 http://info.hr-party.jp/2014/3159/ 「署名用紙」はこちらから http://info.hr-party.jp/files/2014/06/MpiuQvKg.pdf 左翼の扇動から抜け出し、「集団的自衛権」から「憲法改正」へ 2014.07.02 文/HS政経塾第二期卒塾生 曽我周作 ◆集団的自衛権行使容認の閣議決定 7月1日、集団的自衛権の行使を認めてこなかった憲法解釈を変更し、集団的自衛権の行使容認を可能とする閣議決定がなされました。我が党もこれを受けプレスリリースを出しており公式見解を発表しております。 集団的自衛権行使容認の閣議決定を受けて http://info.hr-party.jp/press-release/2014/3171/ またこの閣議決定を受けて7月2日付の主要新聞各紙は一面でこの話題を大きく報じており、社説もこの件に関するものになっております。 さて、各紙の論調ですが、集団的自衛権の行使容認決定について賛成しているのは産経・読売・日経の各紙、反対しているのは朝日・毎日・東京の各紙です。 朝日新聞の社説では安倍政権の外交・安全保障政策について批判し、「日本がまず警戒しなければならないのは、核やミサイル開発を続ける北朝鮮の脅威だ」としています。 そのうえで「朝鮮半島有事を想定した米軍との連携は必要だとしても、有事を防ぐには韓国や中国との協調が欠かせない」と、中国の軍事的脅威には十分に触れず、どちらかといえば脅威は北朝鮮であって、中国ではないという論調に終始しているように感じられます。 尖閣諸島の問題にしても「尖閣諸島周辺の緊張にしても、集団的自衛権は直接には関係しない」としており、中国が我が国の重大な脅威であるという事実には目を背けているように感じられます。 また、毎日新聞の社説では中国や北朝鮮の軍事的脅威には全く触れられていません。 東京新聞の社説でも、「安倍内閣は安保政策の見直しの背景に、中国の海洋進出や北朝鮮の核・ミサイル開発などアジア・太平洋地域の情勢変化を挙げています。 しかし、それ以上に、憲法改正を目標に掲げ、「強い日本」を目指す首相の意向が強く働いていることは否定できない」と、今回の集団的自衛権行使容認に向けた動きについて、中国や北朝鮮の軍事的脅威からくるものではなく、安倍首相の「強い日本をつくりたい」という願望からくるものであるという印象を与えています。 さらに毎日新聞の社説では第一次世界大戦について「日本は日英同盟を根拠にした英国の要請に応じて参戦した」ことを挙げた上で「この後の歴史は、一続きの流れ」であるとしています。 そして「対日石油禁輸で自暴自棄になった日本は、太平洋戦争に突入する」と、第一次世界大戦の流れから敗戦に至るまでの歴史を、強引に飛躍させた論理で関連づけたうえで、「「国の存立」が自在に解釈され、その名の下に他国の戦争への参加を正当化することは、あってはならない」としています。 「同盟の約束から参戦し、「自存自衛」を叫んで滅んだ大正、昭和の戦争の過ちを繰り返すことになる」と、今回の集団的自衛権行使容認から、日本が「滅び」に至るという印象を持たせようとしているように感じられます。 ◆左翼・リベラル勢力による情緒的な扇動 朝日・毎日・東京の各紙には「不戦叫び続ける国民守れるのか」(朝日新聞 社会面)、「自衛隊60年 岐路 戦い死ぬ リアル」(毎日新聞 社会面)、「戦争への傾斜止めよう」(東京新聞 社会面)などの言葉が躍り、今回の閣議決定が「戦争への道」という印象を与える報道に終始しています、 まさにこれは読売新聞の社説で指摘されるところの「左翼・リベラル勢力による情緒的な扇動」そのものであるといえるでしょう。 ◆憲法改正を行うべく議論を むしろ今回の閣議決定については「慎重派の公明党との妥協を急ぐあまり、「過度に、制約の多い内容になってしまった」との批判がある」(日経新聞社説)という指摘にもあるように、公明党の影響によって非常に限定的な容認にとどまっています。 むしろ心配なのは産経新聞の社説で指摘されるところの「合意に際してつけられた多くの条件、制限が過剰になって自衛隊の手足を縛り、その機能を損なうものとしてはならない」という事等、今後の法整備次第にはなりますが、本当にこれで日本の防衛は盤石のものになるのかどうか、という事であります。 もちろん、今回の決定は非常に大きな前進であり、評価されるべきことであります。安倍政権は非常に大きな決定を成し遂げたと思います。 ただ、やはり今後の中国の軍事拡張に対して十分な抑止力を働かせるため、今回の決定のみにとどまることなく、憲法改正を行うべく議論をスタートさせ、できるだけ早期に憲法を改正し、自衛隊を「防衛軍」として正式に我が国を護るための「軍」であるとすべきです。 世界やアジアの平和安定と、自由、神の下の平等や正義、民主主義の価値を護るために、我が国は平和を愛し「自ら戦争を起こさない国家」であり続けるとともに、平和を守る気概を示し、悪意を持った他国に対して「戦争を起こさせない」毅然たる強い国家となるべく前進を続けるべきだと思います。 アベノミクスは世界の模範に相応しい経済政策か? 2014.07.01 文/幸福実現党山形県本部副代表 城取良太 ◆アベノミクスを国内外に浸透させる安倍政権 安倍政権は6月下旬、改めて成長戦略と、経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)を発表し、新しいアベノミクスの全容を公表しました。 イギリスのエコノミスト誌の最新号の表紙には、武士に扮した安倍首相が矢を射ようとする姿が掲載され、明治維新になぞらえながら、日本経済を変革しようとする安倍首相の取り組みを紹介しています。(6/29日経) 安倍首相も自らフィナンシャルタイムズ電子版に寄稿し、第三の矢としての成長戦略に真剣に取り組んでいることをアピールしており、世界中でアベノミクスが注目されていることが分かります。 また、新しい成長戦略の中に「ローカル・アベノミクス」という新語を登場させ、アベノミクスの地方部への波及や人口急減問題に積極的に取り組む姿勢を強調しています。 「成長戦略の最大の柱は、なんと言っても地方の活性化。成長の主役は地方だ」という首相の言葉は、地方でも好意的に受け入れられております。 来春の統一地方選を意識した「地方持ち上げ」的な印象は否めませんが、アベノミクスを国内外広く浸透させようという安倍政権の姿勢が伝わってきます。 ◆「枝葉」の多いアベノミクス・第三の矢への評価 アベノミクスの浮沈を握る第三の矢・成長戦略の中身としては、法人税の引き下げと、雇用や農業、健康・医療など諸分野に課せられてきた規制の緩和をはじめ、人口増や女性に関する政策など、実に多くの項目が並んでいます。 目玉政策と言える法人税引き下げの重要性と、これに対する安倍首相の本気さは支持することができる一方、取り組みの施策数が多すぎて、全体像が見えづらいという見方もできます。 実際に、フィナンシャルタイムズで東京支局長を務めた経験を持つピリング氏は「日本の首相はリンゴを射抜くウィリアム・テルではなく、1000本の針を患者に打つ『新米ハリ師』のようだ」と安倍政権の「第三の矢」を表現しています。 また、イギリスのガーディアン紙では、成長戦略に盛り込まれた230以上の提案が総花的で、産業界や官僚からの抵抗もみられるとして、「矢というより遊びの投げ矢」と批判されています。 国内でも、現政権を除く過去7回の成長戦略でも似たような政策が多く並び、てんこ盛りの目標をやり遂げられず、「言いっ放し」になることが多かったという冷静な見方も根強いのが事実です。(6/30日経) 効果の薄い「枝葉の部分」をしっかりと見極め、日本経済の成長に本当に資するような「根幹の部分」への絞り込みを行い、成長戦略を実質化させるような取り組みが求められるように思います。 ◆企業への不信が見え隠れする「企業統治(コーポレートガバナンス)の強化」の推進 今回の成長戦略への疑念として、もう一つ挙げられることは、「企業統治の強化」を推進する政府の姿勢の中に、「経営者への不信感」が見え隠れするという点です。 ここで言う企業統治の強化とは、社外取締役の選任を促進し、内向きになりがちな日本型経営に社外の声を積極的に反映させ、活性化させるという意味合いを含みます。 業種などによってバラつきはあるものの、企業の業績向上に繋がる手段のうちの一つであることは確かでしょう。 しかしながら、成長戦略の項目の並び順を見てみると、本来冒頭にくるべき法人税改革などの「国を変える」を差し置いて、企業統治の強化などが列挙された「企業が変わる」が筆頭であったことに「法人税を下げても内部留保に回るなら何の意味もない」という政権側の「国より先に企業が変われ」という強いメッセージ性を感じます。 (参考:6/27日経2面、首相官邸http://www.kantei.go.jp/jp/headline/seicho_senryaku2013.html) こうした少し強制的な「企業統治への強化」の推進に対して、大手企業の経営者たちも「企業統治の強化によって日本企業の次の成長に果たしてどれだけ影響するのか」「稼ぐ力の全てが企業統治などで実現できるとはバランスを欠く」と違和感を表明しております。 ◆国の率先垂範こそが求められる もちろん社外取締役の効果的な活用や、従業員の賃上げが日本経済の活性化に作用するのは確かだと考えますが、原則としては、それぞれの企業の選択の自由に委ねられるべきであり、政府による経営の自由への介入は許されることではありません。 あくまでも、成長戦略の一丁目一番地は「国を変える」ことであり、企業に責任を転嫁してはいけません。 まず、日本政府(特に財務省)に蔓延る財政規律主義と増税志向を変え、総花的な成長戦略を改めるべきです。 いま日本経済に一番求められていることは「減税志向」と「大胆な規制緩和」であり、企業の経営環境を劇的に改善させてあげることです。 300兆円にも上る企業の内部留保を未来への投資に向けさせたいならば、まず政府が肚を括って、いち早く法人税引き下げを進め、消費税10%への増税をストップし、減税路線を貫くことです。 また、ウォールストリートジャーナルが「安倍首相の努力が足りない」と厳しく評価している雇用規制のような、企業の活力を著しく奪っている規制から批判を恐れずに大胆に緩和していくことです。 企業の経営の自由を守り、経営環境を徹底的に整えてあげることが、結局は「万人の豊かさ」に繋がっていくという哲学を持つべきなのです。 安全保障面においてアジアの範たる国へと生まれ変わろうとしており、世界からも注目されている今、 経済面においても、日本が本当の意味で「自由からの繁栄」を目指し、世界中の模範となるような経済政策を打ち出していくことが求められています。 集団的自衛権などの防衛強化は外交に直結する 2014.06.30 文/HS政経塾3期生 たなべ雄治 ◆中国の拡張主義がもたらす危機 尖閣諸島をめぐり、領海・接続海域への侵入や軍用機の異常接近など、中国の挑発はエスカレートしています。また、ベトナムやフィリピンなどは、日本以上に危機を感じていることでしょう。 中国の脅威にさらされるアジア各国にとって、頼みの綱はアメリカの軍事力です。しかし財政難と世論に引っ張られ、アメリカは世界の警察から降りようとしています。 将来を見すえるならば、アジア各国はアメリカ依存から脱却して、自分たちの力で平和を維持できるように変化・成長することが望まれます。 ◆外交による抑止 アジアの各国は、中国の侵略に協力して対処することが必要です。もしお互いに助け合うことなくバラバラのままであったら、中国に各個撃破されてしまうでしょう。 南シナ海のもめごとの原因は中国ですが、「二国間での交渉」を主張して、フィリピンが求める国際司法裁判所の仲裁にも応じようとはしません。力の差のある二国間協議に持ち込みたい中国に対抗するには、アジア諸国の協力関係が有効です。 ◆インドの重要性 アジア各国との協力関係の中でも、特にインドの重要性を強調したいと思います。以下にその理由を述べます。 インドは、中国と領土問題を抱えています。1962年には中国の奇襲を受け、敗北を喫しており、中国の拡張主義には危機感を持っています。 また、インドは民主主義国家です。中国のような全体主義を嫌い、日本やアジア、欧米の民主主義国家と共通する価値観を持ちます。 さらに、経済的な重要性もあります。軍事費はGDPに依存します。今後数十年のGDPの予測では、日本もインドも、単独では中国の経済力にかないません。しかし、日本とインドを足せば、中国と拮抗することが可能です。 加えて、日本とインドは、海上輸送路(シーレーン)の3分の2が重なっています。中東から東南アジアにかけて、航行の自由を協力して守ることは、相互利益につながります。 最後に、日本とインドには、領土問題が発生しません。安定した友好関係を築くことが可能です。 ◆インドの外交姿勢 ではインドと同盟を結べばよいかというと、そう簡単ではありません。 今年の五月には、インドで“世界最大の総選挙”が行われました。経済成長を政策の柱に掲げたナレンドラ・モディ氏率いるインド人民党が大勝し、10年ぶりの政権交代が起こりました。 経済停滞に悩むインドの有権者は、州知事時代に経済成長の実績があるモディ氏を選択したのでした。 ゆえに、モディ首相はインドの経済成長を最優先に考えるでしょう。それは、インドの対外貿易額1位である中国との敵対を避けることを意味します。 この選択は、インドにとってはごく当然のことなのです。インドは1947年の独立以来、「非同盟」を国家戦略の柱にしてきました。仮想敵を作ることをせず、徹底した全方位外交を行ってきました。 近年「非同盟」は建前化してきているとも言われていますが、中国と敵対する選択=「日印同盟」はあり得ないのが現実でしょう。 ◆一国主義では長期的に生き残れない 政治は国益を最優先に考えるのが当然です。インドの国益から考えると、経済成長のためには中国との良好な関係が重要です。 しかし、長期的に見るとどうでしょうか。 もしもインドが中国との経済協力を優先させ、日本や東南アジア諸国が中国の支配下に置かれることを黙認したとしましょう。中国は、西太平洋までの制海権を確保し、アメリカをアジアから追い払うことに成功します。 しかし、それだけでは止まりません。資源と食料が不足する中国は、次はインド洋のシーレーンを押さえに来るでしょう。 その時インドは、さらに強大になった中国に単独で対抗せねばならなくなります。これはインドにとって望ましい未来ではないはずです。 国益とは経済だけではありません。全体主義国家による危険性の排除、自由や人権といった価値の実現も含まれます。 インドの考え方を学びつつも、日本の考え方をインドの為政者や有権者に説明し、共有していくことも外交の仕事のひとつです。 現時点では、インドの対中関係に理解を示しつつも、戦略の相互理解を進め、軍事的な協力関係の準備を進めていくべきでしょう。 ◆最大のネックは日本にあり しかしながら、中国の拡張主義に対して日印が協力して対抗できるかというと、残念ながら道程は遠いと言わざるを得ません。 集団的自衛権が認められることは大きな前進です。友好関係にある国が攻撃された時に協力して反撃することは、同盟の最低条件だからです。 しかし、それでも不十分です。例えば専守防衛も同盟にとって大きな障害です。反撃しか許されないのであれば、第一撃が大量のミサイル攻撃だった場合、全滅する恐れもあります。 根本的には、憲法を改正し、世界の民主主義国家と同レベルのルールで運用される軍隊が必要です。 現状では、いかなる同盟も不可能です。アジアの平和を守るためには、憲法改正は絶対条件です。 教育の原点――国は人を以て盛(さかん)なり 2014.06.29 文/幸福実現党岐阜県本部政調会長 加納有輝彦 ◆国家有為の人材を育てた明治人の心意気 郷里の偉人今井金三郎氏とその子孫の「手記」をこの度、読む機会がございました。 今井氏は、山深い郷里(岐阜県加茂郡白川町・旧佐見村)から苦学の末、大日本帝国海軍の軍医となり、大正10年から、第二次世界大戦前まで、日本海軍の象徴として国民に最も親しまれた連合艦隊戦艦「長門」の初代軍医長に任官され、大正14年には、海軍兵学校軍医長に就任、その後要職を歴任され永く活躍されました。 今井氏がご活躍されたのは大正・昭和時代ですが、教育を受けたのは明治時代です。明治18年地元の寺小屋式小学校に入学。4年の義務教育を修了した後は、進学する資金がなく家業の農業を6年手伝いました。 その後、祖父母の支援で隣村の小学校の高等部に入学、さらに高山市の斐太中学、岐阜市の岐阜中学、金沢の第四高等学校を経て東京帝国医科大学(現東大医学部)に進学、明治39年、同大学を卒業され、海軍軍医中尉となり、昭和4年海軍軍医少将に昇進し、退役するまで23年間奉職されました。 地方の山里の農家の子供が、当時最高の教育を受けることが出来た背景には親御さま始め一族の教育への熱意がございました。 今井氏のご尊父は昭和9年にお亡くなりになられましたが、「俺はなあ、今井家へ養子に来て、大切な山林田畑の大方を売ってしまった。先祖様に申し訳ないが、しかし国のため人のためになった『将軍様医者』をつくった。許してもらえるだろうな」と言ってこの世を去られたそうです。 このように明治人には、国家有為と思われる人材には、先祖が守ってきた山林田畑を全て失ってでも教育をつけ、国のため、国民のため捧げるという覚悟があったのだと思います。 今井氏は、中学、高等学校を一着の木綿袴で着通し、学費の節約を図り、その木綿袴は今井家の家宝として永く保管されていたといいます。 親御さまを始め一族が厳しい生活の中、教育費を捻出してくれた恩に応えるべく、今井氏は刻苦勉励し、国家国民のため使命を果たされました。 ◆現代の篤志家の心意気 現在、幸福の科学グループでは、来年春の幸福の科学大学開学に向けて設立準備を進めております。また既に幸福の科学学園中学校・高等学校が関東と関西に一校ずつ開校しております。 これら開学、開校に当たっては、多くの人々が尊い寄付をされておられます。すでに運営されている中学校、高等学校には一定の寄付をした篤志家のお名前が銘板に刻まれ、子供達がその名前を日々見て勉学に励んでいます。 ご自分の子供や孫が通学していなくとも、多くの方が寄付を行っておられます。 学園の生徒たちは、常にそれらの人々への感謝を口にします。その感謝の思いは、ちょうど明治時代の今井氏と同じように、いや、今井氏の場合は、親御さん、親族が対象者でしたが、学園生の場合は、血縁関係を超えた多くの人々への恩に報いたいという感謝の心がエネルギーとなり、刻苦勉励し、多くの実績を出しています。 本来、公立の小・中・高等学校も市町村民や、県民の税金で支えられているわけですから、子供達にこのような素直な感謝の心が生まれてしかるべきだと思います。しかし、税金という形では、一人一人の納税者の期待の思いは全く子供達に届かなくなってしまいます。 ましてや、現行の高校授業料無償体制の中では、ますます納税者一人一人の思いは消されてしまい、「親が苦労して授業料を工面してくれた」という親御さんへの感謝さえも忘れ去られてしまうのではないかと危惧します。 高額納税者公示制度も2006年から廃止され、個人名、法人名、そういった個々人の努力、地域への貢献というものが全く見えなくなってしまった事は残念であります。 昨今の「公共が、社会が子供を育てる」という理屈はよしとしても、全く具体的な顔が見えない制度は、血が通うことがないと考えます。 幸福実現党は、小さな政府を目指し、減税を進め民間企業人が自由に使えるお金を増やして、寄付文化を育て、個々人の思いが例えば子供達に伝わるような制度設計を進めることも重要視しています。 ちなみに、幸福の科学学園、大学に寄付をされている篤志家は、同時に国民として納税の義務をりっぱに果たしておられる人々であることを付記しておきます。 ロボット技術によるイノベーションの実現を 2014.06.28 文/政務本部部長代理 内山 雅彰 ◆新成長戦略について 政府は、6月24日、経済財政運営の方針「骨太方針」と、新たな成長戦略にあたる「日本再興戦略改訂版」、規制改革実施計画の3つを閣議決定しました。企業の「稼ぐ力」を牽引役に、「アベノミクス」を推し進める考えです。 新成長戦略では、日本経済全体としての生産性を向上し、「稼ぐ力(収益力)」を取り戻すことを目標に掲げています。(6/24産経ニュース) そして、「稼ぐ力」向上のためにイノベーションが必要であるとしており、日本においてこのイノベーションの象徴ともいえる技術はロボット技術であるとしています。 近年の飛躍的な技術進歩とITとの融合化の進展で、医療、介護、農業、交通など様々な分野でロボットが人の働きをサポートしたり、単純作業や苛酷労働を軽減しており、ロボットは近い将来私たちの生活や産業を革命的に変える可能性を秘めています。 ◆ロボットによる新たな産業革命の実現 そのため、新成長戦略である「日本再興戦略改訂版」においては、ロボットによる新たな産業革命を実現することを掲げています。 具体的には、製造業やサービス分野の競争力強化や、中小企業、医療・介護サービス現場、農業・建設分野での働き手の確保、物流の効率化などの課題解決を迫られている日本企業に対して、ロボット技術の活用により生産性の向上を実現することです。 また企業の収益力の向上、賃金の向上を図るために、「ロボット革命実現会議」を立ち上げ、現場ニーズを踏まえた具体策を検討し、アクションプランとして「5か年計画」を策定するとしています。 そして、技術開発や規制緩和、標準化により、2020年までにロボット市場を製造分野で現在の2倍、サービスなど非製造分野で20倍に拡大。こうした取り組みを通じて、様々な分野の生産性を向上させ、例えば製造業の労働生産性について年間2%を上回る向上を目指すということです。 さらに、2020年、オリンピック・パラリンピック東京大会等に合わせたロボットオリンピック(仮称)の開催を視野に入れるなど、ロボットスーツや災害対応ロボットをはじめとした様々な分野のロボットやユニバーサルデザインなどの日本の最先端技術を世界に発信するということです。 上記のような、ロボットによる新たな産業革命が実現すれば、経済成長の大きな要因となりますので、推進すべきであると考えます。 ◆産業用ロボットの現状 一方、現状については、産業用ロボットの2011年の日本企業のシェアは50.2%となっています。日本市場は直近5年間に台数ベースで約25% 縮小したものの、2011時点では全体として世界最大市場の地位を維持(「2012年ロボット産業の市場動向」平成25年7月経済産業省産業機械課)しており、世界を席巻しています。 その中において、新たなロボットも誕生しています。平べったい頭に2つの目、二足走行はできないが、2本の腕は肩、肘、手首と3つの関節を持ち、自由自在に動かすことができます。 ――川田工業が開発したロボット「NEXTAGE(ネクステージ)」は、これまで日本で普及してきた産業用ロボットの無骨な外見とは、まったく異なる、親しみやすい人型をしています。 従来の産業用ロボットが、ハイパワーとスピードを誇り、周囲に人が近づかないことを前提としているのに対し、ネクステージは人との共存を目指しています。“設備”ではなく、“パートナー”として、人が並ぶ生産ラインに入り込めるロボットを開発したのです。 通貨処理機などを製造するグローリ―では、埼玉工場に18台を導入し、あるラインでは、4台のネクステージが並び、最後の工程を人間が担当しています。つまり、人間が担当する工程を代替できるロボットであるのです。(6/14号週刊ダイヤモンド) このようなロボットの発展により、産業革命を起こしていくことが可能となると思われます。 ◆ロボット産業の将来市場予測 また、経済産業省と独立行政法人「新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)」は、2010年に、ロボット産業の将来市場予測を発表しています。(2010/5/13 日本インタビュー新聞社) それによれば、ロボット産業の将来市場は、2025年に5.3兆円、2035年に9.7兆円まで成長すると予測されています。(2035年に向けたロボット産業の将来市場予測② 独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)) 現状と比較すると、2010年のロボット産業市場規模は約8,600億円であると推計されています(「2012年ロボット産業の市場動向」平成25年7月経済産業省産業機械課)ので、2025年に約6.2倍、2035年に約11.3倍に成長するという試算となっています。 上記の2035年の内訳としては、製造分野が2.7兆円、ロボット・テクノロジー分野が1.5兆円、農林水産分野が0.5兆円、サービス分野が5.0兆円となるとしています。この中で、サービス分野の成長は大きく、2010年の市場規模が約600億円であるため、約80倍の成長を見込んでいます。 その内容としては、介護福祉の「自立支援」「介護・介助支援」、「清掃」、「警備」、「移動支援(業務用)」、「次世代物流支援」などです。これらの分野でのロボット産業の成長は、高齢化の進む日本には必要なことであり、それにより私たちの生活自体も変わっていく可能性があります。 このようなロボット産業の成長により産業革命を起こし、日本を発展させるべきであると考えます。 「集団自衛権」を容認しないと日米同盟は持たない 2014.06.27 幸福実現党 総務会長兼出版局長 矢内筆勝 ◆正当防衛として戦える権利 集団的自衛権についてわかりやすく説明しましょう。 あるとき、Aさんと親友のBさんが、繁華街で暴力団にいちゃもんをつけられて、Aさんが暴力団にボコボコに殴られたとします。 警察が到着するまでの間、BさんはAさんと自分を守るために、正当防衛として戦えるという権利――それを集団的自衛権といいます。 ですから国際法は、すべての主権国家が持つ「自衛権」(正当防衛)のひとつとして、集団的自衛権を認めています。 しかしこれまで日本だけが憲法9条を理由に「権利はあるが、行使はできない」と、集団的自衛権を否認し続けてきました。そんなおかしな議論をしている国は、国連加盟国では日本以外にはありません。 今回の憲法解釈の見直しによって、集団的自衛権を認めることは、日本が普通の主権国家になる一歩と言えるでしょう。 ◆日本は米国に「守ってもらっているだけ」 世界の国々は自分の国を守るために同盟を重視しています。たとえばNATO(北太平洋条約機構)は集団的自衛権で結びついています。 加盟国のどこかの国が攻撃された場合、他の国が守るという約束をしているのです。通常の同盟はこの考え方で成り立っているのですが、日米同盟だけが例外でした。 アメリカは有事の際には日本を守ると約束していますが、日本はアメリカを守らなくてもよかったのです。 これを「片務性」といいますが、なぜこの不平等な同盟が許されてきたかというと、冷戦時代、アメリカはソ連と対峙するために、日本に米軍を駐留させることを重視していました。 しかし冷戦が終結したいま、日本に米軍基地を置けるというメリットだけで日本と同盟を結んでいることに、アメリカにとってどれだけの利益があるのか疑問視され始めています。いわゆる「日本の安保ただ乗り論」です。 ◆集団自衛権を容認しないと日米同盟は持たない 現在、中国は軍事力を年々増強し、日本への領海・領空侵犯などをくり返しています。 オバマ大統領は、「日本の施政下にある領土は、尖閣諸島も含めて日米安全保障条約の第5条の適用対象となる」と、日米同盟に基づいて、尖閣諸島に何かあれば米軍が動くと明言していますが、これはアメリカが「集団的自衛権を行使する」と言っているのです。 にも関わらず、当事者である日本が逆に「集団的自衛権を行使できない」と言っていたのでは、「なぜそんな国の、人も住んでいない小島を、莫大な軍事費と米兵の命をかけて中国から守る必要があるのか」と考えるのも当然でしょう。 集団的自衛権の行使容認は、日米同盟を強化し、日米を真の同盟関係にするために、どうしても必要な国家の選択です。 ◆同盟国・友好国を見殺しにする日本 このように、集団的自衛権を行使できるようにしなければ、今後、日米同盟そのものが危機に陥る可能性があります。たとえば北朝鮮がミサイルをアメリカに向けて発射した場合、日本は「集団的自衛権を行使できない」ため、撃ち落とすことができません。 そのままミサイルがアメリカに着弾した場合、「こっちは日本に何かあったら守るのに、なぜ日本はアメリカのピンチに何もしないんだ。同盟国じゃないのか」と、アメリカ世論は不満が噴出するでしょう。 さらに、日本に原油などを運ぶタンカーが通過するシーレーン(海上交通路)は、米軍の第七艦隊が常に守ってくれています。いま、中国は南シナ海で活発な石油採掘活動を行っており、ベトナムの排他的経済水域内でもお構いなしです。 発掘を止めようとしたベトナムの艦船に中国の艦船が衝突した事件もありましたが、もしも中国がシーレーンを封鎖しようとして、米軍の第七艦隊と軍事的に衝突した場合、自衛隊が動かないのは、同盟国としてはありえないことです。 もしものときに集団的自衛権を行使しなければ、アメリカは日米同盟破棄の方向に向かうでしょう。 以上、日米同盟の大切さを述べて参りました。 なお、この論考の続編として「中国の脅威から日本や世界をどのように守るか」について「Are You Happy? (アユハ)8月号」で記事を掲載いたします。 関連記事として「集団的自衛権」の基本的な知識についても、わかりやすく解説しております。 ◆是非!書店にてお求めください。 6月30日発売!「Are You Happy? (アユハ)8月号」 http://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=1191 イラク情勢から垣間見る、とても慎重なアメリカ――日本は自主防衛の強化も淡々と進めるべき 2014.06.26 HS政経塾部長 兼 政務本部部長 幸福実現党東京都第9選挙区支部長 吉井としみつ ◆山場が続く、集団的自衛権の行使容認の議論 これまで9回行われた「安全保障に関する与党協議会」を通じて、集団的自衛権行使容認に関する議論は深まるものの、公明党内の意見集約は週明けにずれこむ見通しです。 安倍政権としては、来週7月4日までの閣議決定を目指しており、与党内での議論は最終局面に入っています。閣議決定を急いでいるのは、秋の臨時国会において、集団的自衛権の行使を容認することで付随する自衛隊法・周辺事態法などの改正法案の作成をスムーズに行うためです。 改正法案の作成に向けて新しい動きも出ており、年末に改定予定の日米防衛協定の指針(ガイドライン)の骨格の中間報告を9月中旬にまとめることを検討しており、改正法案にガイドラインの中間報告を反映させて臨時国会に臨む方向のようです(6/26産経)。 7月の閣議決定、秋の臨時国会、年末の日米ガイドライン改訂と、日本の防衛における安全性を具体的に推し進める議論が進んでいます。しかし、一方で「自分の国は、自分で守る」日本の自主防衛の強化についても着々と進めることも忘れてはなりません。 ◆イラクで起きている内乱 イラクでは今、内乱が起きています。イスラム教スンニ派のアイシス(ISIS:イラク・シリアのイスラム国)という過激派組織が、6月10日イラク北部のモースルを占領し、さらにその勢力を拡大しています。 イスラム教シーア派のマリキ首相は、アイシスを鎮圧しようとしていますが、横行する汚職や排他主義的政策で、スンニ派とクルド人勢力に加えて、自身の属するグループでもあるシーア派内からも辞任要求が出ています。 マリキ首相は辞任を拒んでいますが、所属する「法治国家連合」の国民議会の議席数は過半数を大きく割り込んでおり(328議席中92議席)、で連立を組めないことから、現状の方針をそのまま貫くのであれば、辞任は避けられない状況です。 ◆アメリカのイラク情勢へのスタンス アメリカのケリー国務長官は、7月1日までにイラク新政府の立ち上げを始めるように求めていますが、イラクは新たな連立政権を築けるかどうか、依然として不透明な状況です。 オバマ大統領は、イラク政府軍の側面支援のために最大300人規模の軍事顧問団を派遣する方針を示しており、既に第1陣の130人が活動を始めていますが、これ以上の関与はしないでしょう。 アメリカ軍は2011年にイラクから完全撤退しており、2016年末にはアフガニスタンからも撤退する方針です。イラクの事態収拾のために積極的に関与することは、撤退の流れに逆行することにもなるからです。 ◆イラン、シリアとのアメリカの微妙な関係 さらに、現在アメリカは、6カ国協議の一員として、イランの核開発問題についての交渉を継続していますが、なかなか交渉の妥結点が見えない状況です。多数がシーア派のイランは、イラクのマリキ政権(シーア派)を支援していることから、イランを刺激しすぎることも得策ではありません。 アイシスは、シリアのアサド大統領(シーア派のアラウィ派)に反抗しており、アイシスを撃退するということは、まわり回ってアサド大統領のサポートにもなりかねません。 ◆アメリカは複雑な事情をいくつも抱えている イラク情勢ひとつ見ても、各国の国益が複雑に入り組んでおり、そうした状況にアメリカは今も対応しているわけです。こうした複雑な事情をアメリカは抱えていることを認識しておくことが大切です。 確かに4月24日の日米首脳会談の際に、オバマ大統領は尖閣諸島など、日本の施政下のすべての領域は、「日米安全保障条約の適用範囲内にある」と歴代大統領として初めて明言しましたし、日本の集団的自衛権の容認を支持しています。 そして、今集団的自衛権の容認の方向で、日本の政治日程は動いています。しかし、イラクの事例でも述べたように、アメリカも複雑な事情を抱えており、日本が有事の際にどこまでアメリカが動くかは、必ずしも日本の望むものではないかもしれないことは、頭の片隅にいつも置いておくべきではないでしょうか。 今、東アジア情勢も予断を許さない状況です。集団的自衛権の行使容認の議論が進みつつあるとはいえ、日本の防衛議論はまだ始まったばかりであり、ここで満足することなく「自分の国は、自分で守る」自主防衛の強化をさらに進めるべきです。 ―――――――― ◇お知らせ:You Tubeチャンネル「HS政経塾オピニオン」について HS政経塾生の研究をいかして、踏み込んだ視点でニュースの裏の裏を解説します。 HS政経塾オピニオンはこちら→ https://www.youtube.com/user/HSSeikeijukuOpinion 「南京大虐殺」の嘘を暴き、日本の誇りを取り戻す 2014.06.25 文/徳島県本部副代表 小松由佳 ◆日本政府の“精神面での問題” 日本時間25日、W杯日本代表はコロンビアに敗戦し、グループリーグ敗退が決定しました。とても残念ですが、日本中の期待を背負って戦ったチームに、拍手を送りたいと思います。 敗因は様々にあるでしょうが、ザッケローニ監督は、「もし何かを変える必要があったとしたら、戦術面ではなく、精神面を変えるべきだった」と述べました。サッカーにおいても、まず精神面の強化が求められているわけですが、これは国家にも言えることです。 24日、安全保障法制整備に関する与党協議会は、集団的自衛権の行使容認に向けた新3要件の修正案を提示しましたが、公明党への配慮から、原案に比べ厳しい要件となりました。特に、集団安全保障への自衛隊参加は、閣議決定に明記されないことが確認されました。 安倍首相も同日、「武力行使を目的として、イラク戦争や湾岸戦争での戦闘に参加するようなことは、これからも決してない」と述べました。侵略目的の武力行使は許されませんが、集団安全保障への参加を制限するのは、積極的平和主義との整合性からも疑問が残ります。 ◆「南京大虐殺」の嘘を暴く この背景にあるのは、やはり“精神面の問題”、つまり誤った歴史認識だと言えます。21日、山口市内で講演した河野洋平元官房長官は、河野談話に関する検証報告書について、「すべて正しい」、「現政権は村山談話も河野談話も継承すると認めている」などと述べました。 「従軍慰安婦」と共に問題となっている「南京大虐殺」についても、政府は、「日本軍の南京入城後、非戦闘員の殺害や略奪行為等があったことは否定できない」とし、従来の謝罪を繰り返してきました。 (参照:外務省HPhttp://www.mofa.go.jp/mofaj/area/taisen/qa/08.html) しかし、先日、幸福の科学グループの大川隆法総裁は、『天に誓って「南京大虐殺」はあったのか』を発刊し、『ザ・レイプ・オブ・南京』の著者であるアイリス・チャンの霊言により、「南京大虐殺」が虚偽であったことを明らかにしました。 (参照:ザ・リバティWeb記事http://the-liberty.com/article.php?item_id=7989) この件については、過去にも様々な識者が、嘘を暴く努力を重ねてきました。大川総裁は、霊言収録のきっかけの一つに、渡部昇一氏が夢枕に立ったことを挙げましたが、同氏も様々な点で、問題を指摘してきました。(以下、『日本史から見た日本人 昭和篇(下)』祥伝社2011年、『決定版・日本史』育鵬社2011年、『渡部昇一の昭和史』ワック2003年を参照。) ◆正当な戦闘行為をした日本軍 渡部氏によれば、首都防衛戦は一般市民を巻き添えにし、都市機能も麻痺させるため、優れた指揮官はこれを回避します。日本軍も南京包囲後、国民政府軍に対し投降を勧告しましたが、蒋介石は拒否し、市民を置き去りにして逃げた上に、南京死守を命じました。 そこで、日本軍の松井石根司令官は、全軍に対し、「日本軍が外国の首都に入城するのは史上初めてのことであるから、後世の模範となるような行動をするべし」と訓令を出し、南京を攻略しました。 他にも、「外国の外交機関に接近してはいけない」、「失火した者は厳罰に処す」、「孫文の墓や革命志士の墓に立ち入ることを禁ずる」といったことまで、厳しく指示しています。 当時、南京は国際都市で、欧米人もかなり住んでいましたし、日中の戦争に対し、国際社会の注目が集まっていたため、日本軍は、日本の威信を傷つけないよう、慎重を期していたのです。 そして、南京では、欧米人が中心となって、南京安全区国際委員会を作り、安全区を設けて非戦闘員を保護していました。 同委員会によると、南京の人口は、陥落後約1ヶ月間は20万人で、軍民合わせて、多くても25万人であったため、「30万人の大虐殺」はあり得ません。さらに、急ピッチで復興が進み、治安回復が口コミで伝わったため、1ヶ月で人口が5万人も増加しています。 また、当時の大陸には、ロイター、AP、UPなどの大通信社の記者をはじめ、多くの外国人ジャーナリストがおり、日本軍の南京入城に際しても、外国人5人を含む100人以上の記者やカメラマンが同行しましたが、誰も「南京大虐殺」について報道していません。 安全区には外国政府の外交団もいましたが、正式に日本に抗議した外国政府は無く、南京陥落の約半年後に開かれた国際連盟理事会でも、中華民国政府代表も出席していたにも関わらず、「南京大虐殺」は議題にすらのぼっていません。 その後、東京裁判の法廷において、突然、「南京大虐殺」が持ち上がりましたが、先述の委員会のメンバーで、日本軍を監視していたため、証言者として最重視されたマギー牧師も、実際に殺されるのを目撃したのは「たった一人」と答えました。 しかも、日本兵の歩哨が中国人を呼び止めたところ、中国人が逃げ出したため背後から撃ったというもので、歩哨の正当な義務と言えるものでした。 ◆南京大虐殺の“火種”を断つ つまり、「南京大虐殺」は、「ポスト東京裁判プロパガンダ」に過ぎなかったわけです。実際にあった殺傷で、「虐殺」の根拠に利用されたものとして、渡部氏は以下を挙げています。 ・中国兵による不法行為。中国兵による殺人や略奪は国際的に“定評”があり、中国の一般市民ですら恐怖感を抱いていました。南京でも同様のことが起きたことは、南京にいた米国副領事の報告書にも記されています。これが日本兵のせいにされたことが考えられます。 ・正規の戦闘における殺害。当時、南京城外には多数の敗残兵がおり、日本軍は彼らの掃討に奔走しました。これは正規の戦闘行為であり、虐殺ではありません。 ・投降した中国兵の殺害。日本軍は基本的に、投降兵を武装解除した後、釈放しました。隙を見て攻撃してきた場合、殺すことはありましたが、当時の常識から見て合法的でした。 ・便衣隊の殺害。日本軍が悩まされたのが便衣隊、つまり軍服を着ていないゲリラ兵でした。疑いがあれば殺すしかなく、市民が犠牲になりやすいため、国際常識として禁じられています。悲劇の責任は、無謀な首都防衛を命じた中国側の指導者にあったと言えます。 このように、日本軍が南京で行ったことは、正当な戦闘行為であり、国際社会から後ろ指を指されるようなことはしていません。日本政府は、こうした正しい歴史認識に基づき、日本の誇りを取り戻し、積極的平和主義を貫くべきです。 すべてを表示する « Previous 1 … 148 149 150 151 152 … 253 Next »