Home/ 新着一覧 新着一覧 大東亜戦争終戦の日を迎えて 2014.08.14 文/HS政経塾1期卒塾生 彦川太志 ◆「大義に殉じた」先人に感謝を表そう ちょうど69年前の8月15日正午、昭和天皇の玉音(肉声)を録音した一枚のレコード盤が、日本全国のラジオで一斉に放送されました。 「朕、深く世界の大勢と、帝国の現状とにかんがみ、非常の措置をもって、時局を収拾せんと欲し・・・」という出だしで始まり、大東亜戦争の終戦を全国民に諭旨した「大東亜戦争終結の詔書」、通称「玉音放送」です。 当時、全国の諸先輩方がどのようなお気持ちでこの放送を拝聴していたか、昭和60年生まれの筆者には想像するより他の手段はありませんが、「欧米植民地政策からのアジア同胞の解放」という、自衛戦争・解放戦争としての大義に命をかけておられた先人に対して、感謝と敬意を形に表す一日にしたいと考える次第です。 ◆安倍首相の靖国神社「不参拝」2つの理由 ところで一週間ほど前、安倍首相が8月15日の靖国参拝を見送る方針であるという報道がありました。11月に北京で開かれるAPECで「日中首脳会談」を実現するための配慮であると言われています。 確かに、昨年12月の靖国電撃参拝において、中韓はおろか、米・露・印・独から批判的な反応が返ってきたことを鑑みれば、外交において「安全運転」を志向したいと考えているとしても不思議ではありません。 しかし、政党政治家として無視できない最大の問題としては、「内閣支持率」と「地方選への影響」を心配しているのではないでしょうか。国内を固めなければ、外に打って出ることも難しいものです。 今回は、地方における保守回帰運動の必要性について、レポートしたいと思います。 ◆地方自治体での「保守回帰」運動推進の必要性 まず安倍政権の支持率ですが、各報道機関でばらつきがあるものの50%前後。不支持率については35.1%~41%と報道されており、支持率―不支持率の逆転が近いことが印象付けられてしまいます。 次いで地方選、特に首長選挙では自民系候補の大敗が続いていることから、現政権が地方において必ずしも安定勢力を確保し切れていない。という実態が改めて浮き彫りとなりました。 これらのことから、安倍首相は来年の統一地方選を控え、「保守色を強めることが必ずしも得策にならない」という判断を下している可能性もあります。 地方自治体において、十分に「保守回帰」が進んでいない現状が、安倍首相の靖国参拝に二の足を踏ませているのならば、誰かが「保守回帰」運動を推進しなければなりません。 ◆地方自治における革新勢力の現状とは ところで、地方自治における革新勢力の影響力について、一つの指標となるのが、「自治基本条例」の制定自治体数です。 自治基本条例とは、菅直人元首相が“師”と仰ぐ松下圭一氏による政治理論を基に構想された地方自治理論ですが、その本質は「国家の否定」であり、憲法の下における「地方自治制度の破壊」です。 同条例の制定をタテに、左翼勢力によって議会運営が混乱に陥れられるような事態が現実に報告されています。 そのような危険性を持つ「自治基本条例」を制定する地方自治体数は、全国1797の自治体のうち、その6分の1にあたる308もの自治体に上ります。 松下理論を背景に持つ条例が300以上の自治体で制定され、さらに多くの自治体で審議の俎上に上っているということ自体、地方自治体の「保守回帰」を進める必要性を示していると言えそうです。 ◆明治以来の近代化を再評価し、地方から「保守の風」を起こそう 「保守回帰」とは明治以降の近代史の再評価であり、旧軍関連の歴史の再評価であると考えます。 具体的な例として、戦前から軍港として栄えてきた神奈川県横須賀市を挙げたいと思います。 横須賀市には、記念艦三笠や日米海軍の軍港と言ったスポットのみならず、日本最初の総合工場として名高い「横須賀造船所」が造られたという歴史がありますが、「軍事色が強くなるから」という理由から、観光資源として十分な活用がなされておりません。 実際、「市長が“軍港”のイメージを払拭しようとするあまり、せっかくの観光資源、歴史的遺産を生かしきれていない」という意見が地元からも強く出ているのです。保守回帰を進め、大東亜戦争の意義を正しく評価することは、地方の活性化に間違いなく直結すると考えられるのです。 明治以来、わが国は近代化を進めた結果、「欧米植民地政策からのアジア同胞の解放」という大義を達成しました。靖国に眠る英霊の皆様は、そのような大義を成就するために一身を投げ出し、後世に大きな徳を残された方々です。 安倍首相に置かれましては、どうか表面的なリスクに迷うことなく、大義のもとに靖国参拝を成し遂げていただければと思います。 参考 NPO法人:公共政策研究所 全国の自治基本条例一覧) 自民党政策パンフ:「チョット待て!!“自治基本条例”」 日本政策研究センターHP 月刊ザ・リバティ2011年5月号:嶋田陽一氏寄稿オピニオン 終戦記念日を迎えるにあたり~日本の国防を考えよう~ 2014.08.13 文/千葉県本部 副代表 古川裕三 ◆ペマ・ギャルポ氏からの提言 先般、チベットから日本に帰化した国際政治学者のペマ・ギャルポ氏(桐蔭横浜大学大学院教授)の「これからの日本はいかにあるべきか」と題するセミナーを聴講する機会がありました。 ペマ・ギャルポ氏といえば、『最終目標は天皇の処刑 中国「日本解放工作」の恐るべき全貌』の著者として、中国が進める日本解放工作を明らかにしたことでも有名です。 本セミナーにおいてペマ氏は、日本の国連の常任理事国入りに向けて、他のアジア諸国から推薦される国家となるべく、特にインドとの関係強化に力を注ぐべきと主張されていました。 その論拠のひとつとして、先の大戦後、インドは、日本の主権が侵害されているという理由でサンフランシスコ講和会議にも出席せず、条約にも調印しませんでしたが、1951年の講和条約の調印後の翌年、インドは日本と単独で友好関係を築いたことをあげていました。 ◆インドの独立を支援した日本 周知の通り、日本の敗戦から2年後の1947年8月15日にインドはパキスタンとともに独立を果たしましたが、その原動力となったのは日本軍がインドの独立のために、決死のインパール作戦を決行し、多大な犠牲を払ったからにほかなりません。 このインパール作戦については、戦後、GHQの占領下において、自虐史観を植え込むために、惨敗だけが強調され「愚かな作戦」と言われてきました。 しかし、戦後、ロンドン大学のエリック・ホプスバウ教授が次のような言葉を残しています。 「インドの独立はガンジーやネールが率いた国民会議派が展開した非暴力の独立運動によるものではなく、日本軍とチャンドラ・ボースが率いるインド国民軍が協同してビルマを経由してインドへ進攻したインパール作戦によってもたらされたものである」 150年にわたるイギリスによるインドの植民地支配を解放したのは、日本の戦いがあったからなのです。幸福実現党はかねてより、日印同盟の必要性についても主張していますが、中国包囲網の形成のために、インドは要の国家であるといえます。 ◆中国に屈しないために また、ペマ氏は、中国についても、自国は核武装して軍拡を続けていながら日本にだけ憲法九条を守れというのは筋違いとしたうえで、「和を以て貴しとなす」聖徳太子の十七条憲法を例にしながら、日本人はもっと自国の歴史に誇りを持つべきであると激励してくださいました。 冒頭に紹介したペマ氏の著書『最終目標は天皇の処刑』のまえがきにおいても、「私は中国に侵略されたチベットの亡命難民として40年間この日本で過ごしました。それだけに、中国の悪意や謀略が手に取るようにわかります。 2005年、日本国籍を取得しましたが、第二の祖国がチベットのような悲劇に見舞われるのは何としても阻止したいという思いで一杯です。」と、執筆動機を著しています。特に本書から日本人が教訓とすべきは、侵略される前のチベットは、ちょうど今の日本と同じように「一国平和主義」で内向きだったことです。 チベットは高地にある国土のために、地政学的に侵略の危機が今まで少なかった分、帝国主義の怖さを実感できずに平和ボケに陥っていたというのです。 これは決して他人事ではありません。チベットやウイグルなど、中国に侵略された国家の悲劇を対岸の火事とすることなく、万全の備えを固めなければいけません。 日本の独立を守る国防強化の一環として、このたびの集団的自衛権の行使容認は必須でしたし、今後は、憲法9条の改正によって自衛隊を防衛軍とすることが急務なのです。 69回目の終戦記念日を迎えるにあたり、今一度、先の大東亜戦争で亡くなられた英霊たちに感謝を手向けるとともに、日本の国防にも思いを馳せるきっかけとしたいと思います。 日本人が正しく理解すべき靖国神社のこと 2014.08.12 文/幸福実現党山形県本部副代表 城取良太 ◆靖国参拝に対する嫌悪感を表す中韓 8月9~10日、ミャンマーの首都ネピドーにおいて、日本政府は中国とは2年ぶり、韓国とは11か月ぶりとなる外相会談を開催しました。 両国外相とも日本との関係改善の必要性は認めたものの、11月に北京で開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)での首脳会談の実現に対しては、「安倍首相が本気で関係改善を望んでいるのか真摯な態度が見られない限り、応じられない」といった姿勢で平行線を辿りました。 「尖閣諸島の領有権問題の存在」「従軍慰安婦問題」など、中韓それぞれにおいて安倍首相の妥協を求める論点がありますが、中韓共通して議題としてあがったのが「靖国神社への参拝」に関する見解でした。 2013年12月末、安倍首相が靖国神社への参拝を実現して以降、中国では2014年1月までに74の国と地域において、安倍首相の靖国参拝への批判を行うなど、中韓からの靖国参拝批判は常軌を逸するものとなりました。 今回、中韓によって突き付けられた「首相在任中に参拝しないこと」という条件に対して、安倍首相は「参拝するかしないかを申し上げることは差し控えたい」と明言を避けていますが、「従軍慰安婦問題」や「南京大虐殺の真実」などの歴史問題に並んで、日本人に正しく理解されていない最たるものの一つが、この靖国神社を巡る問題でありましょう。 ◆なぜ中韓は靖国参拝を恐れるのか もともと靖国神社は、戊辰戦争での朝廷方の戦死者の霊を慰めるために明治2年に創建され、今では明治維新から日清・日露戦争、大東亜戦争に至る日本のために命を捧げた人々246万6千余が祀られています。 そして、散っていった英霊たちに対し、後世の者たちが感謝を捧げる場であり、「国を靖(安)んずる」「祖国を平安にする」「平和な国家を建設する」という創建に携わられた明治天皇の「平和への願い」が込められているということをまず知るべきです。 同時に、国を背負って戦う将兵にとって、靖国神社は気概と死生観の拠り所となったのは事実です。 「死を恐れず国のために戦う」という精神が戦前の日本軍の強さに繋がったのは、目の当たりにしていた中国や韓国が身を持って知っているはずです。 「後に続くものを信ず」という精神性を彼らは理解できず、異常な恐怖を感じていたため、国を守る気概の源泉が靖国神社にあると捉え、日本に真価を発揮させないため、靖国神社を巡って異常なまでの内政干渉を行っているのが彼らの真意であります。 しかし、アメリカのアーリントン墓地やイギリスのウェストミンスター寺院など、戦没者を慰霊し、讃えるのは国際的な常識であり、国のトップを担う人間ほど、国務行為としての義務とされ、批判される筋合いは全くありません。 本来、ウェストファリア条約の精神からすれば「宗教問題は内政問題」ということが国際的な大原則ですが、世界中で唯一、日本の宰相だけが自国の英霊を祀る施設に参拝することが出来ないでいるという、極めて情けない状況だということを我々は知らなければなりません。 ◆国内に蔓延る靖国神社に対する間違った見解 ~A級戦犯合祀というウソ~ また、靖国参拝に関する海外からの内政干渉は、国内に蔓延る靖国神社に対する間違った見解が起因していることも事実です。 代表的なものが「靖国神社にはA級戦犯が合祀されているからいけない」という議論です。 しかし、日本を侵略国家と決めつけ、A級戦犯という不当な戦争犯罪人を作りだした「東京裁判」がいかに国際法に則っていなかったかは明らかです。 本来、近代国家の刑法の基本原則として、「罪刑法定主義の原則」があり、その中には何が犯罪で刑罰かは前もって知らされていなければならないという「事後法禁止の原則」があります。 一方、当時の国際社会における戦争犯罪人の定義では、(1)戦闘者の不法行為、(2)非戦闘者(ゲリラなど)の戦闘行為、(3)略奪行為、(4)スパイ行為の4つが挙げられ、A級戦犯が裁かれた「平和に対する罪」「戦争を計画・準備・実行した罪」といった類の罪は、国際法にも先進国の法律にもなかったのです。 いわば、国際法や慣習法、条約などを無視し、GHQによる恣意的な「私的裁判」によって「A級戦犯」という架空の刑罰を作りだしたと言えます。 また、当時の日本人の多くは東京裁判の不当性に気付いており、民間においては戦犯の赦免を求める4000万もの署名が集まり、また国会でも不当性を訴える決議案が「社会党」を含めた多くの議員から賛成を得、何度も可決されています。 残念ながら、敗戦国という立場と、その後強まった自虐史観教育によって、当時の日本人の意志が消し込まれているという事実を我々は知らなければなりません。 ◆英霊への供養は日本人として当然のこと かくいう筆者自身も、中学生2年生の1学期中間試験で「中国や韓国の人々に対して、日本がどれだけひどい事をしてきたのか、感想文を書きなさい」というテストを受けました。 そうした自虐史観教育の強制がどれだけ子供たちを蝕み、正しい歴史認識を取り戻すことが大変かを体感してきた一人です。 こうした人々のために、幸福実現党は「従軍慰安婦の強制連行」や「南京大虐殺」など、捏造された歴史のウソを立証し続け、正しい歴史認識が今の日本にいかに重要であるかを訴え続けます。 靖国神社の参拝に関する問題についても、内政問題であるならば尚の事、我々日本人が靖国神社に込められた真実にもっと目を向け、真摯に捉えていかなければなりません。 日本の「今」を守り、存続させてくれた英霊たちに供養の心を手向けるのは、思想・信条などを超えて、日本人として当然のことであるという認識が日本中に広がっていくことを祈ります。 【参考文献】 「渡部昇一、靖国を語る」 渡部昇一著(PHP研究所) なお幸福実現党として、8月15日は釈党首を先頭に党本部として靖国神社へ昇殿参拝致します。 また先の大戦で、その尊い命を捧げて日本の繁栄の道を切り拓いてくださった300万の英霊に対し、感謝を捧げるとともに、日本と世界の未来を創造していく誓いを捧げるため、終戦の日に下記「終戦の日 英霊への感謝と未来への誓い」を開催いたします。 ■終戦の日 英霊への感謝と未来への誓い http://info.hr-party.jp/2014/3146/ 日時:8月15日(金) 11:00~、 13:00~、15:00~ 場所:ユートピア活動推進館 (東京メトロ「溜池山王駅」下車 9番出口より徒歩3分) お問い合わせ:ユートピア活動推進館TEL 03-6277- 6937(休館日を除く10時~18時) 減税政策――自国の産業強化へ 2014.08.11 文/HS政経塾3期生 瀬戸優一 ◆国内航空会社の苦境 日本の航空会社としては国内3位であるスカイマークが、欧州の航空機メーカーであるエアバスとの間で航空機購入に関して問題となっていることが、最近多数報道されています。 エアバスの世界最大の航空機であるA380を6機購入する契約をしていたスカイマークが、業績悪化に伴い、納入の延長を申し出たところ、エアバス側から契約解除を通告されたとされる問題です。 その際、エアバス側から違約金として7億ドル(約700億円)の支払いを通告されたということですが、スカイマーク側の無期限納入延長の交渉虚しく、「6機すべての購入を断念する見通しとなった」ことが分かりました。(8/9 SankeiBiz) ◆ニュース等で指摘される問題点 確かにこの問題には、様々なニュースでも指摘されている通り、円安による燃料費高騰や相次ぎ参入した格安航空会社(LCC)との競争激化などの環境変化に対する見通しが甘かったということは、社長自身も述べていますし、専門家等も指摘しています。 契約を結んだのが2011年でしたが、翌年には日本にもLCCが参入するなど、競争環境が厳しくなってきた面もあります。逆に言えば、それを見越してのプレミアム戦略への舵切りだったと言えるのかもしれません。 LCCや大手と競争するため、プレミアムと格安の部分の両方を持っておくということだったのかもしれませんが、競争環境が厳しくなってきたときこそ、選択と集中が大切であるとも言えるのかもしれません。 ◆報道されていない問題点 しかし、こうしたニュースの中であまり触れられていないことがあります。それは今年4月に施行された消費税の増税についてです。 特にスカイマークのように格安運賃で運航している企業にとっては、消費税の増税は大きくのしかかってきていたことは想像に難くありません。燃料費高騰や競争環境の激化があったにせよ、そこに消費税増税が追い打ちをかけてしまったと言えるでしょう。 1個100円のものであれば3円程度の違いにしか感じられないかもしれません。しかしながら、航空運賃のように10000円前後、時期や路線によってはもっと高くなりますが、こうしたものの場合負担はより大きくなります。 燃料や機材、設備など様々な仕入れにも影響が出てきますし、そもそも航空機の場合には公租公課と呼ばれる種々の税金がかかってきているため、日本は特に割高になりがちです。 ◆求められる減税政策 こうした消費税増税の影響も、航空利用者の減少及び業績悪化につながった面があると言えるのではないでしょうか。 特に観光目的での航空利用の場合は、消費税増税は家計の負担及び心理的負担がかかるため消費に影響してくると言えます。もちろんそれだけではなく、物流面でも影響が生じると言えます。 人・物の移動速度の速さは、経済の成長にもつながってくるものである以上、国家としても航空の利用促進のために政策を考えていく必要があります。 しかし、消費税の増税など“重石”になるようなものを載せてしまっては飛べなくなってしまいます。飛行機を“飛ばす”ためにも、航空機に関する工業の活性化の支援などとも合わせて国家として積極的に航空産業を促進していかねばなりません。 今後消費税の増税等の影響が様々なところで出てくることが予想されますが、政府は自国の産業を強化し、国際競争力をつけさせ、その上で国家の財政を豊かにしていくためにも、来年の10%への増税は絶対に阻止し、その上で減税政策を採っていくべきであると言えます。 集団的自衛権の行使反対論に見る「日本原罪論」 2014.08.10 文/岐阜県本部政調会長 加納有輝彦 ◆左翼系マスコミの反撃 本年7月1日安倍政権が「集団的自衛権の行使」を認めた閣議決定を行いました。 この決定前後の間、平和勢力といわれる人々により官邸前デモが行われ、左翼系のマスコミは「日本が戦争に巻き込まれる、いつか来た道」と平和憲法の死守を訴えるなど、民主党政権の崩壊と共に意気消沈していた左翼系陣営が息を吹き返したかのようです。 いわば、集団的自衛権の容認を巡って、保守系マスコミと左翼系マスコミの力比べ、綱引きが行われている観があります。 とりわけ7月13日に行われた滋賀県知事選挙において与党が支援した候補者が落選した事は、十分な議論のないまま集団的自衛権を容認する閣議決定をした安倍政権の「独裁」に「ノー!」の声だ!の報道攻勢で、左翼系マスコミの巻き返しが激しくなっていると言ってもいいでしょう。 本年11月に実施される沖縄県知事選においては、この流れですと左翼系候補者に有利な風が吹くと予想されます。 ◆「絶対善」の平和と「絶対悪」の戦争 また、9日に行われた69回目の「原爆の日」平和宣言において田上長崎市長は、 安倍晋三政権が7月に閣議決定した集団的自衛権の行使容認を巡る議論に言及し「『戦争をしない』という誓い、平和の原点が揺らぐことに対する不安と懸念の声に真摯に向き合い、耳を傾けることを強く求める」 と政府に呼び掛けました。 政治家以外でも文化人の間からも平和憲法死守のメッセージが発信されています。作家なかにし礼氏は、7月10日の毎日新聞夕刊に「平和の申し子たちへ! 泣きながら抵抗を始めよう」という詩を発表し、大きな反響がありました。 氏は、記事の中で「日本がこんな国になってしまって悲しくて仕方ない。特定秘密保護法を先につくって、次は集団的自衛権。『戦争だから』と自由に発言できない時代はすぐそこです」と安倍政権を批判しています。 また、夕刊に掲載された詩は、「2014年7月1日火曜日 集団的自衛権が閣議決定された この日 日本の誇るべきたった一つの宝物 平和憲法は粉砕された つまり君たち若者もまた圧殺されたのである・・」から始まり、若者に、「しかし君に戦う理由などあるのか 国のため? 大義のため? そんなもののために 君は銃で人を狙えるのか 君は銃剣で人を刺せるのか・・若き友たちよ! 君は戦場に行ってはならない・・」 そして臆病と言われようが、卑怯者といわれようが、「泣きながら抵抗を始めよう 泣きながら抵抗をしつづけるのだ 泣くことを一生やめてはならない 平和のために!」と詩を結んでいます。 これらの批判に共通しているのは、絶対善としての「平和」と、絶対悪としての「戦争」です。中国の少数民族の弾圧等に関しては、見ざる言わざる聞かざるを通し、覇権主義に対する備えは、軍事力ではなく、外交努力で、文化交流で、経済交流でということでしょう。 総じて近隣諸国の軍事拡張はおかまいなしだが、日本だけは絶対だめということらしいのです。 ◆日本人の心に宿る「日本原罪論」 万が一の事態に備え、国民から税金をとっている国が、国民の生命、財産、安全の確保のために国際法で認められた当然の備えしかも最小限の備えすら日本にあっては、絶対に許されないという論理が自国民から生まれてくるとは一体どういうことなのでしょうか。 この疑問に関し、幸福実現党大川隆法総裁は、最新刊『「集団的自衛権」はなぜ必要なのか』の中で、集団的自衛権反対派の根っ子には、「日本原罪論」があると指摘しておられます。 「集団的自衛権」はなぜ必要なのか 大川隆法著 http://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=1213 『日本に原罪があり、日本は悪だから滅びてもしかたないのだ』という考えが裏にあるというのです。原罪とは、もともとキリスト教で、人類の祖が犯した最初の罪のことであり人間罪の子思想であります。 日教組が主導した戦後歴史教育においては、人間はサルから進化したから始まり、現代史の「日本は侵略をし、アジアの人々に多大な迷惑をかけた。」で終わります。 つまり、子供たちにとっては、「自分のルーツはサルであり、おじいちゃんは人殺しだった」という歴史教育がなされたことになり、日本人罪の子思想が植え込まれていたといえるかもしれません。 また、当HRPニュースファイル1083「戦後の自虐史観を創った米国の情報操作」(http://hrp-newsfile.jp/2014/1619/)でも指摘された通り、戦後、進駐軍による「ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム」――日本人への洗脳工作もなされました。 ◆隷従としての平和 原罪意識を持つ日本人の「平和」とは、すぐに白旗をあげてでも絶対悪の戦争を回避するマインドを持っています。すなわち「平和勢力」の言う「平和」とは「隷属」「隷従」を意味するということです。 私たちは、自由を奪う、自由を制限する国に隷属することをもって「平和」とは考えておりません。その点、自由独立を守る「自衛戦争」はあり得ると考えています。もちろん、侵略戦争は絶対悪であります。 そうした原罪を背負った日本人に、たたみかけるように米韓中による歴史認識の包囲網が敷かれつつあるのが戦後69年の現在の日本の状況です。 ゆえに、幸福実現党が現在行っている日本の誇りを取戻す運動(南京大虐殺はなかった、河野談話の撤回等)は、日本人の精神構造に深く染みついた「原罪意識」を払拭する一大精神運動でもあります。 ◆日本人精神史における宗教政党幸福実現党の使命 『「集団的自衛権」はなぜ必要なのか』あとがきにおいて、大川隆法総裁は、現在進行形で他国を侵略し、自国民の基本的人権を踏みにじっている中国に対して、反省を迫るべきであるとされ、日本人自身に対しては、売国的マスコミと、売国奴的「平和」勢力がはびこっていることに対し、神仏への信仰心を立てて浄化の闘いを開始すべしと心得るべきであると喝破されておられます。 その責務を担うことが、宗教政党幸福実現党の使命であると自覚し、日本の自由と独立を守るために戦ってまいりますことをお誓い申し上げます。 「南京大虐殺」の虚構――東京裁判の検察側の証言 2014.08.09 文/幸福実現党政務調査会 佐々木勝浩 ◆東京裁判の判決 東京裁判で指摘された日本の指導者である東條英機大将や広田弘毅首相の訴因は「共同謀議」で、「侵略戦争」を計画したという罪です。 これについては別途説明が必要ですが、日本は戦争を避けるためにアメリカに対して外交努力を行っていたことが事実であって、日本の指導者が計画的に「侵略戦争」を相談していたわけではありません。 連合国があげた日本側に対する50以上の訴因の最後の方に「戦争法規違反」がありました。東京裁判での松井大将の訴因は「昭和12年に日本軍が南京を攻略したときに不法行為を行ったと。数千人の市民を殺した」というものでした。 「戦争法規違反」とは、戦争というのは国際法では認められているわけですが、紛争解決の手段として、むやみに人を殺したり、捕虜を殺したりしてはいけないということです。 東京裁判での松井大将に対する判決は、簡単に言うと、「日本軍が南京を占領してから最初の6週間に総数20万人以上を殺害した」というものです。松井大将は、この判決で絞首刑になりました。 ◆検事側の証言 東京裁判は、終戦の翌年昭和21年から始まり、最初の1年間は、検事側がいろいろな証拠や証言を取り上げました。それが終わると今度は弁護側が1年間かけて、これに反論したのです。これが東京裁判の経緯です。 検事側の証言者の一人が南京の金陵大学の教授でアメリカの宣教師でもあるマイナー・S・ベイツです。同氏は安全区国際委員会の委員、国際赤十字の委員でもあり権威ある証言として東京裁判の判決に大きな影響をおよぼしました。 このベイツ氏は「日本軍侵入後何日もの間、私の家の近所の路で、射殺された民間人の死体がゴロゴロしておりました」と証言したのです。 つづいてベイツ氏は、金陵大学の教授であるルイス・スマイス氏と「いろいろな調査、観察の結果、我々が確かに知っている範囲内で、城内で1万2千人の男女及び子供が殺されたことを結論と致しました」(「東京裁判速記録・第36号21・7・29」)と証言しました。 「結論と致しました」という言い方は含みがある言い方で、その調査方法は以下の通りです。 「スマイス調査」の人的被害調査は、南京市内の50戸から1戸を選んで、聞き取り調査を行い、その結果を50倍して集計し、兵士の暴行による死者は2400人と推定したり、わずか12人の調査員で述べ15日で調査を行い、結果3万1千人と推定、現実とはかけ離れた数値であると言わざるを得ません。 なお「スマイス調査」は、国民党国際宣伝処の要請と資金提供で書かれたことが分かっています。「国民党国際宣伝処」とは、蒋介石が「日本軍の残虐さを世界に喧伝し、日本を貶めることを狙って南京陥落の直前から活動を始めた宣伝機関です。 その数値が正しいのか、その被害は、本当に日本軍がやったものなのか、国民党軍の敗残兵が逃げる時に起こした事件である可能性もあるわけですが、そうした検証はなされていません。 他にも中国人で「紅卍字会」の副会長である許伝音は、日本軍は手当たり次第に婦女子を強姦、市民を虐殺したことを証言しましたが、こうした証言によって日本軍が南京市民を手当たり次第に射殺し、最初の2、3日で1万2千人を殺したと主張したわけです。 ◆日本国民に植え込まれた自虐史観 この東京裁判で連日述べられるこのような恐ろしい陳述を、日本国民は身も細るような思いで聞いていました。 当時のNHKラジオは、番組「真相はこうだ」で、この非人道的な凄惨な状況を、毎夜、「こんな悪いことを日本軍はやった」と放送し、新聞もこれを繰り返し記事にしました。いわばこれが70年を経た今でも続いているわけです。 公正な検証もされないまま、一方的に「日本軍はこんな悪いことをした」と裁かれ、日本のマスコミもそのまま報道した、これが現在の日本人の「自虐史観」を形成した原因です。 では、この検事側の証言に対して日本の弁護側はどのような反証をしたのでしょうか。次回はその点に迫ります。(つづく) 参考 「南京事件 国民党極秘文書から読み解く」東中野修道著/草思社 「南京事件の総括」田中正明著/小学館文庫 「南京事件の探求」北村稔著/文藝春秋 ウイグルで死者2000人以上――真実を明らかにし、国際社会に正義を問える日本に 2014.08.08 文/HS政経塾1期卒塾生 伊藤のぞみ ◆「2000人以上のウイグル人が中国の治安部隊に殺害された」 ラマダン(断食)明けの7月28日、ウイグル自治区のカシュガルにおいて暴動が発生しました。 事件直後、中国の政府系メディア「天山網」は漢族35人、ウイグル族2人、犯行グループ59人が死亡したと報じました。 しかし、8月5日、世界ウイグル会議のラビア・カーディル議長は、「少なくとも2000人以上のウイグル人が中国の治安部隊に殺害された証拠を得ている」と米政府系メディア「ラジオ自由アジア(RFA)」の放送で発言しています。 ※参考;8月6日産経ニュース http://sankei.jp.msn.com/world/news/140806/chn14080620590011-n1.htm ラビア・カーディル議長は、3日間程度かけて中国当局は遺体を片付けた、とも述べています。 国際ウイグル人権民主財団日本全権代表のトゥール・ムハメット氏は現地からの情報として女性や子供を含めて3000人が亡くなったと訴え、8月8日東京都港区で抗議活動を行いました。 事件が発生したカシュガルのヤルカンド県には、外国メディアの立ち入りが禁止され、中国政府に不都合な情報は完全に隠されている状況です。さらに、中国政府はこの件に関して中国版ツイッター「微博」に投稿された情報を削除しています。 政府によって情報統制がされているなか、中国系メディアの発表を信じることはできません。 ◆カシュガル暴動の背景 ウイグル自治区では5年前のウルムチ暴動以降、厳戒態勢がとられています。街の至るところに監視カメラが設置され、公安と武装警察が200メートルごとに立っていたそうです。 ※The Liberty web「中国・新疆ウイグル自治区の実態に迫る – 態勢のカシュガル潜入レポート」 http://the-liberty.com/article.php?item_id=7262 多くの人がイスラム教徒ですが、女性のスカーフの着用や、ひげを伸ばすことを禁止したり、モスクでの礼拝が制限されるなど、締め付けが強まっていました。 7月8日には、スカーフを着用している女性の取り締まりをしていた警察官が、7歳の少年を含む家族5人を射殺する事件も起きています。 2013年度の米国務省の信教の自由報告書には、中国治安部隊はテロリストと特定したウイグル族を自宅で銃撃しているという人権団体の話があります。また亡命を図ろうとしたウイグル族は投獄され、拷問が加えられているそうです。 こうした中国政府の弾圧とウイグルの文化・宗教に対する無理解が、今回の暴動につながったと考えられます。 ◆日本政府は中国政府に厳重に抗議すべき 思想、信教の自由は人間にとって最も基本的な人権です。信教の自由、価値観の多様性が認められなければ、人間に許されるのは無目的に生きるだけの「家畜の自由」でしかありません。 思想、信教の自由は、人間がいかに生きるか、理想とする人生とは何か、という人間を人間たらしめるために必要な条件です。 内心の自由、信教の自由を捨て、ただ生きるために与えられた環境のなかで生きていくというのは、あまりにも人間として悲しいあり方ではないでしょうか。 現在、ヤルカンド県は中国政府の完全な統制下におかれています。もし、ラビア・カーディル議長が主張するように、わずか2日間で女性も子供も含めて2000人以上のウイグル人が犠牲になったとすれば、中東のガザ地区より遥かに問題は深刻です。 日本政府はこの問題を重要視し、ウイグル自治区で何が起こっているのか真相を究明すべきです。真実を白日のもとにさらし、正義とは何かを国際社会に問う覚悟が必要です。 「南京大虐殺」の虚構――南京攻略後の松井石根大将 2014.08.07 文/幸福実現党政務調査会 佐々木勝浩 ◆歴史問題を言い続ける中国 「南京大虐殺」の虚構――南京攻略の経過 「南京大虐殺」の虚構――南京攻略の経過 上記の「ニュースファイル」で日本がなぜ南京まで進軍して蒋介石の国民党軍と戦ったのか、その「南京戦」の経過について紹介しました。 注意すべき点は、日本軍が戦ったのは、現在の「中国共産党政府」ではなく、蒋介石が率いる「国民党軍」であったという点です。ですから現在の中国共産党政府が、「日本軍が30万人の大虐殺」を行ったということもおかしな話です。 現在の中国政府が、「日本軍は大虐殺をやった。だから謝れ」というには理由があります。それは、江沢民元国家主席の国家戦略です。 江沢民は在任中の1998年8月、在外大使ら外交当局者を一堂に集めた会議の席上でこのように述べています。 「日本に対しては歴史問題を永遠に言い続けなければならない」(江沢民著『江沢民文選』より) つまり、江沢民は、経済支援を日本から引き出す外交圧力カードとして「歴史問題」を位置付けたのです。ですからいわゆる「南京大虐殺」を中国が持ち出すようになったのは江沢民の時代からです。 さて、話を戻して今回は、その後の日本軍の行動について取り上げ、南京入城から終戦後の松井大将について取り上げたいと思います。 ◆日本軍の南京入城 昭和12年12月13日、南京が陥落した後、17日に日本軍は、中山門から松井石根大将を迎えて日本軍は入城式を行いました。 松井大将は南京城内の北西部に司令部を設け4日間、南京にとどまりましたが、12月21日、下関から船に乗って上海に戻りました。その後日本軍は、上海、南京を抑え、国民党軍のもう一つの要所であった杭州を攻め、これも簡単に攻略してしまいます。 こうして日本軍は、中支那方面軍は上海に、上海派遣軍は南京に、第10軍は杭州に司令部を置き、国民党の要所であった上海・南京。杭州をすべて抑えました。 これで日本軍は蒋介石が手を上げるだろうと判断し、仕上げとしてドイツ大使に仲介役をやってもらい日本と国民党政府との和平を進めようとしました。 ところが、結局ドイツ大使の仲介による和平工作は、年が明けた昭和13年1月2月になっても進展せず、蒋介石も降伏をしませんでした。 当時、日本軍は北京にも軍隊を送っており、また南京を攻撃するために内地からたくさんの部隊を送ったため、日本国内が手薄になっていました。 日本はソ連に対しても備える必要がありこれ以上、中国で戦線を広げることはできないという判断を昭和13年の1月にしたのです。それで、上海、南京、杭州にいる、3つの軍を復員させ部隊を減らすという方針を決めました。それで2月の下旬に松井大将も復員しました。 ◆終戦後、出てきた南京事件 この段階で軍規も厳しく指導した松井大将が南京で「虐殺事件」が起きたことなど認識もしていませんでした。松井大将が「虐殺」を知ったのは、それから8年経った昭和20年の終戦直後です。 終戦直後、アメリカの占領軍は「太平洋戦争史」というアメリカから見た戦争を発表しました。アメリカは、戦勝国である立場から日本を悪者に仕立て上げる必要があります。 それが昭和12年、日本軍が南京を攻略したとき、殺人、強盗、暴行をやったという新聞記事になったのです。それを見て松井大将が驚いたのは言うまでもありません。 松井大将は当時、日記をつけていました。松井大将はあらためて昭和12年、8年前の日記を見ましたけど、そこでそういうことは当然、全然書いてありません。当時松井大将は、虐殺事件があったという報告も受けていませんでした。 蛇足ですが、その松井大将の日記が昭和の50年代に松井大将のご自宅の天井裏から出てきたのです。 私は松井大将の秘書をされていた田中正明氏から昭和57年に、その日記の現物を手に取って見せていただいたことがあります。日記には南京の入城式の様子も書いてあったのを覚えています。 松井大将からすれば自分の当時の日記が占領軍の手に渡れば、「南京の真相」が消されてしまうと判断し天井裏に隠したのかもしれません。 さて昭和21年に東京裁判が開かれましたが、東條英機元首相などが戦争犯罪者として次々に逮捕されました。しかし、南京の大虐殺を言っていたのはアメリカと中国くらいで世界はまったく知りません。 大虐殺などもともとないのですから、世界が知らないのは当然です。ですから連合国側にも松井大将が訴えるのはどうかという意見もあったようです。 しかし結局、松井大将は最終的に逮捕されるわけです。松井大将は逮捕され東京裁判で「南京事件」が裁かれることになったわけです。 次回、東京裁判を中心に南京の真相にさらに迫って参ります。(つづく) 日本は今こそ国連常任理事国入りを目指せ! 2014.08.06 文/HS政経塾2期卒塾生 服部まさみ ◆問題だらけの国連常任理事国 8月6日、人類史上初めて原爆が投下された広島は、69回目の「原爆の日」を迎えました。 はじめに原爆により尊い命を奪われた数多くの方々の御霊に対し、謹んで哀悼の意を捧げると共に、被爆後遺症に苦しんでおられる皆様に心よりお見舞い申し上げます。 もう一つ私たちが思いを致すべきは、「この国のために命をかけて戦った英霊は今の日本を見て、何を思うのでしょうか。戦後の未来を生きてきた私たちは『立派な国になりました』と胸をはって言えるのでしょうか。」――ということです。 国際平和の維持と国際協力を目的とした組織である国連は、公平中立なものではなく、第二次世界大戦の戦勝国による「戦勝チーム」を永遠に維持する仕組みになっています。 今の常任理事国は、すべて、連合国、勝った側の国々です。戦勝国側の利害があるため、戦後69年目を迎え今も敗戦国である日本とドイツは常任理事国になれないでいます。 日本とドイツはGDP世界第3位と4位の経済大国です。又、日本はアメリカに次いで2番目に多い国連分担金を負担しています。 [分担金(米ドル)](外務省HP参照) 1.米国 6億2120万 2.日本 2億7650万 3.ドイツ 1億8220万 4.フランス 1億4270万 5.イギリス 1億3220万 6.中国 1億3140万 7.イタリア 8.カナダ 9.スペイン 10.ブラジル 日本は中国の約2倍の分担金を払っています。しかし、お金だけ負担して敗戦国扱いするのであれば、戦後69年経っても、賠償金を払い続けているのと同じことではないでしょうか。 世界で起こっている紛争の解決に常任理事国のどこかの国が反対し国連は全く機能していません。 現在もウイグル、チベットで人権弾圧を行なっている中国、世界の警察官を辞めると宣言したアメリカ、日本やドイツより経済規模が小さいイギリス、フランスの5カ国、こうした国々だけが果たして、国際平和の維持を目的とする国連の常任理事国としてふさわしいのでしょうか。 ◆国連の常任理事国入りを目指す安倍外交 現在、積極的な外交を続ける安倍首相は、各国首脳に国連の非常任理事国選挙での支援や安保理改革などの協力を要請しています。(7/29 産経) しかも、安倍首相は来年10月にある非常任理事国入りの選挙当選の先に常任理事国入りも見据えているようです。安倍首相は、カリブ共同体加盟国(14か国)との首脳会合で常任理事国拡大を含めた安保理改革への意欲を表明しています。 同じく、常任理事国を目指すドイツのメルケル首相とは今年4月の会談で安保理改革を推進する考えで一致しました。 又、今月、ブラジルのルセフ大統領とも連携して常任理事国入りを目指すことで一致しました。さらに、9月上旬のインドのモディ首相との会談でも常任理事国拡大に向けた協力を確認する予定です。 日本は4か国と連携を強化し、国際世論を味方につけていくことが今後の鍵を握ります。 ◆日本の常任理事国入りを阻む壁 安倍首相の積極的な外交が功を奏していますが、日本の常任理事国入りには、これまで以上に中国が反対運動を展開する可能性が高いと考えられています。2005年にも日本の常任理事国入りに反対して中国で大規模な反日デモが起きました。 当時のマスコミは、小泉元首相の靖国参拝が反日デモの原因だと報じましたが、その本質は、日本の常任理事国入りを辞めさせるために、南京大虐殺や従軍慰安婦などの歴史問題を持ち出して「日本人がいかに非人道的な人種であるか」を宣伝し、国際社会からの信用を失くすように工作したことにあります。 その手法は今も同じです。中国は、2020年までには、アジアの覇権を握るという国家戦略の下に動いているため、日本がアジアのリーダーとして、国際社会で発言力を得ることは何としても阻止したいのです。 また、国際平和の維持と国際協力を目的とした国連の常任理事国の条件として、基本的に、(1)防衛力、(2)核保有、(3)経済力が必要だと考えられています。 日本が世界の経済大国でありながら、常任理事国に入れない最大の理由は、軍事力の行使ができないことにあります。軍事力は、外交を行う担保であり、自分の国を自分で守ることは大国として当たり前のことです。 これができない日本は、他国からみて、「大国としての条件を満たしていない」ことになります。 安倍首相が安保理改革と常任理事国入りを本気で目指すのであれば、集団的自衛権の行使容認だけではなく、「憲法9条の改正」、そしてもう一段踏み込んだ「核保有」の検討までしっかりと視野に入れる必要があります。 ◆戦後体制を脱却し世界のリーダー国家へ 日本国内だけでなく、戦勝国中心の国連にも戦後体制が残ったままです。 国連という国際組織そのものが機能するかどうかという課題はまた別にありますが、戦後体制を脱却するためにも、ドイツ、インド、ブラジルと連携して国連改革を進めていく必要があります。 常任理事国入りは日本が大国に相応しい外交力と防衛力を持つための環境整備でもあります。 これからも幸福実現党は、この国が世界に責任をもつリーダー国家になるために自虐史観を払拭し、日本の誇りと自信を取り戻す活動を行って参ります。 脅かされる安全と資源――日本の海と島を守れ! 2014.08.05 文/兵庫本部副代表 湊 侑子 ◆押し寄せる中国・韓国と、追い出される日本 2013年12月10日に放送された朝のニュース番組、TBS「朝ズバッ!」の中で、「長崎・五島列島―中国との国境に近い島の名称を『岩』から『島』に変更する動き」特集が組まれていました。 その中で使われていたNASAが撮った夜の衛星写真を見て、唖然としました。ある一本の線を隔てて、日本側と中国側の海の様子が全く違うのです。 日本側の海が真っ暗なのとは対照的に、水産省が取締り可能な領域ぎりぎりから中国側は大変な電気の使用量です。日本の大都市・博多と変わらないかそれ以上に明るく、範囲はかなりの広範囲です。 これらの光は中国が行う虎網漁と呼ばれる漁法で使う強力な集魚灯の光で、これで集めた魚を長さ1キロほどの網で集め、一気に引き上げていきます。 この漁によって魚が乱獲されるだけでなく、日本漁船が近づくと石を投げてくるため、日本側は追いやられているというのが現状です。 同じようなことは、ズワイガニ漁に関して韓国との間でも起こっています。 日本は中韓との間で、日韓新漁業協定(1999年発効)、日中漁業協定(2000年発効)を締結し、それぞれの暫定措置水域を設定しています。 日中間の水域において2013年8月の協議では、この水域で操業できる漁船数を日本側が年間800隻に対して中国側は1万8089隻、漁獲量の上限は日本が約11万トンに対して中国側は約170万トンと設定しました。水産庁によれば、この差は過去の実績に基づくものだそうです。(2014.7.22 産経新聞 「島が危ない 第三部 五島列島」) 日本側のあまりの政治力の弱さにはあきれますが、一番被害を受けているのは地元の漁師たちです。 日中漁業協定により、両国の漁船が自由に操業できる中間水域においても、取り締まることができるのは自国の漁船だけであり、違法行為があったとしても摘発することはできません。 実際、尖閣付近など国境近くで漁をする漁船は海上保安庁に代わって、中国の漁船や公艦の見張りをしています。中国が違法漁業や領海侵犯をしたのを発見しては、海上保安庁に報告していますが、その海と大切な資源を守ることができないでいるのが日本政府なのです。 ◆島に名前を付けることの重要性 長崎県五島列島から西に60キロ離れた無人島、肥前鳥島を形成する3島(北岩・中岩・南岩)の名称をめぐっても中韓との争いがありました。 これらの島の周辺は豊かな漁場であり、周辺200海里(370㎞)のEEZ(排他的経済水域)設定、そして日本の領海の基点となっています。 ここで取ることができる高級魚や豊富な漁場資源を狙って違法操業を行うのが韓国・中国です。 これら3島は、島でありながら“岩”という名前がつけられておりややこしく、さらに両国が「これらは岩であり、EEZの起点とならない」と主張をするため、地元の要請として名称を変更するよう声が上がっていました。 「朝ズバッ!」番組内で五島市の野口市長は、「わが国のしっかりした領土であることを示し、水産資源を守りたい」と発言し、3島(北岩・中岩・南岩)の名称を北小島・中小島・南小島に変更すると、国土地理院に申請しました。 島の名称変更は、関係市町村が申請書を出せば可能であり、ようやくここにきて行政が動いた形になります。 東海大学教授 山田吉彦氏は櫻井よしこ氏との対談において、「中国が東シナ海で最も関心を持つ資源が魚である」といいます。鳥インフルエンザの流行などがあるため、安心して食べられる貴重なタンパク源が魚であるからです。 さらに中国漁船は台風からの緊急避難を理由に、五島列島の玉之浦湾をわがもののように使っており、一時は3000人もの中国人が港に押し寄せていたそうです。(月刊Voice 2013.6 『日米資源同盟で中国と対峙せよ(1)』) 中国に日本の漁港を勝手に使われるなどという事態をこのままにしておいてよいはずがありません。 政府は、8月1日、領海の範囲を定める基点となる離島の内、尖閣諸島の一部を含む名称のない158の島に名前を付け、総合海洋政策本部のHP上で発表しました。 国が島の一つ一つにきちんと目を光らせている、ということを国内外に明らかにするために、この動きを更に加速させる必要があります。 ◆神々によってつくられた島と、国境を守る人たちを護れ 日本の領土は、すべて島から成り立っています。 日本にある島は6852、そのうち421島を除いては無人島です。無人島に人を住まわせたり施設を建設し、海洋管理をしていると世界にアピールすることが重要です。 加えて、現在の島の定義には海岸線が100m以上のものしか含まれていません。100m以下のものを加えると更に島数は増えます。ただ、これらに関しては名前がついていなかったり、把握できていないことが現状です。 100m以下の島で、領有権でもめる海域に近いものは人がほとんどいかないようなところに存在します。きちんとした海図がないことも多く、存在してもシミや虫食いなどがあり作業に時間がかかるようです。国家戦略としてこの仕事を進めていかなければなりません。 古事記によれば、日本の島々は神々の共同作業によって誕生しました。韓国が主張する対馬も、神々が生んだ島として古事記に書かれているのです。神々から与えられたものを、私たちはもっと大切にしなければなりません。 さらに日本には“国境離島”と呼ばれる島がたくさん存在します。その島に住む人々、もしくは島の海域で操業する漁師たちが日本の国境を守ってくれている、このことも忘れてはなりません。 日本が彼らの生命・安全・財産をきちんと守り、正邪を判断する自信を持つためには、やはり自主防衛ができる普通の国になることが必要だと改めて感じます。 すべてを表示する « Previous 1 … 144 145 146 147 148 … 253 Next »