Home/ 新着一覧 新着一覧 日本はアジアの希望の光であり続けよ 2014.10.15 文/幸福実現党徳島県本部副代表 小松由佳 ◆民主化を支持する国際世論の必要性 香港で続く民主派デモに対し、20日の中央委員会総会を前に事態を収束させたいとの中国政府の思惑からか、一部で警察によるバリケードの撤去が始まりました。 政府は同時に、デモへの支持を表明した知識人らを14日までに50人以上拘束し、約10人の著作を発禁処分にするなど、言論統制を強めています。 中国の他地域でも民衆弾圧は続いており、ウイグル自治区で13日、7月にカシュガル地区で発生した大規模暴動について、首謀者ら12人に死刑が言い渡されています。 習近平氏は今のところ、香港における天安門事件の二の舞は避けていますが、こうした自由と民主主義を求める人々のエネルギーを解放することこそ、経済繁栄はじめ国家発展の原動力となると気づくべきでしょう。 こうした中、幸福の科学グループの大川隆法総裁は、10月9日、「国際政治を見る眼」と題した説法を行い(http://info.happy-science.jp/2014/11784/)、香港の動きについて、中国の民主化に繋がる可能性と、それをバックアップする国際世論形成の必要性を述べました。 そして、日本は、先の大戦についての誤った認識から自由になり、アジアに一定の責任を持ち、積極的に言論を発すべきであり、安倍政権の下、日本が国際正義の一端を担えるよう国体を変えようとしていることは、香港や台湾にとっても心強いことだとしました。 また、韓国では、朴政権による産経新聞前ソウル支局長の出国禁止が続いていますが、これも民主主義に反する行為として国内外から批判を受けており、慰安婦問題への固執も目に余る朴大統領に対し、大川総裁も同説法で「退場勧告したい」とまで述べています。 ◆日本がアジアを救ったとする黄文雄氏 こうした情勢を受け、徳島市内でも10月12日、台湾生まれの評論家である黄文雄氏が、「近代日本がつくった世界」と題する講演を行い、正しい歴史認識について語りました。 黄氏は、日本は古来、自然摂理や社会システムに恵まれ、強盗・疫病・内乱などの少ない「超安定社会」であり、特に明治以降、日本からソフトとしての「文明開化」とハードとしての「殖産興業」の波が広がったことが、21世紀のアジアを創ったと述べました。 戦前のアジアで日本だけが近代化に成功した理由として、黄氏は「日本だけが強盗社会でなかった」ことを強調しました。他のアジア諸国が匪賊や山賊に溢れていたのに対し、日本は「魏志倭人伝」にすら「盗みをしない国」として特記されていたといいます。 また、江戸の都が「世界一衛生状態が良い」と言われていたのに対し、日本以外のアジアは全体的に衛生状態が悪く、世界規模の伝染病には歴史上、中国発のものが多く、日本人が入ってくる前の台湾も、平均寿命が30歳程度であったことを指摘しました。 韓国併合についても、反対したのはヤンパンと呼ばれる一部の特権階級であり、一般庶民は大賛成だったとしました。 なぜなら、18世紀以降、韓国は赤字に苦しむ破綻国家であり、19世紀に入っても物々交換による原始的な経済で、貨幣も流通しておらず、日本が40年間近く財政支援を行ったことで、20世紀まで生き残れたような状態だったからだといいます。 ◆人類史にとって貴重な日本文明 また、黄氏は、日本特有の「特攻隊」の精神を評価し、それに通ずる「武士道」の重要性も指摘しました。 黄氏は、「道徳は宗教の一部に過ぎない」とした上で、日本においては、様々な宗教が共存してきたと同時に、宗教に代わるものとしての「武士道」があったとし、「日本の文化そのものが道徳を超えている」と述べました。 これに対し、中国の「儒教道徳」には、その中心的な概念である「仁」について明確に定義できないなど不十分な部分があり、「中国の人々は、内的な受け皿が無いのに外から無理やりに道徳を強制されたため、逆に良心を奪われたのではないか」と指摘しました。 そして、「場」や「結び」といった独特の価値観の上に、様々なものを忍耐して受け入れ、徐々に新しいものを創りだす「オープンシステム」として、長年に渡って続いてきた日本文明は、人類史にとって貴重であり、守らなくてはならないと、黄氏は熱く語りました。 こうしたアジアの同胞の言葉には、非常に勇気づけられるものがあります。迷走し自滅しようとしている中国や韓国をも救うべく、日本はアジアの希望の光として、正しい価値観を体現し続けなくてはならないのです。 「南京大虐殺」の虚構――「崇善堂」の埋葬記録の検証(1) 2014.10.14 文/幸福実現党政務調査会 佐々木勝浩 ◆「崇善堂」の遺体埋葬記録 前回、連合国が日本を裁いた東京裁判において検察側の証拠資料に、南京市が出した「紅卍会」(こうまんじかい)の4万3071体の遺体埋葬記録を検証しました。 今回は、「崇善堂」(すうぜんどう)が出した11万2266体の遺体埋葬記録を検証します。 「崇善堂」とは、清の時代に設立され子供の養育などをしていた慈善団体です。「紅卍会」が出してきた埋葬記録もそうですが、2つの埋葬記録は南京に日本軍が入城(1937年)してから9年後の1946年につくられたものです。 偽証罪(嘘を証言した罪)が問われない東京裁判において、9年を経て裁判のためにつくられた埋葬記録が、はたして信憑性に絶え得るものでしょうか。 「紅卍会」の埋葬記録は、戦後の東京裁判になって突然脚光をあびるようになりました。以後、日本軍による「大虐殺」を主張する論者によって「崇善堂」の11万余体の埋葬記録は「南京大虐殺」を証明するに欠かすことのできない重要な武器となったのです。 こういう筆者も1980年代当時、左派の活動家と「南京大虐殺の論議」をした際に「10万体もの埋葬記録が残っているのを知らないのか!」と一喝され、当時は論破できる資料や論拠がなく返答に困ったことがあります。 逆に言えば、この「崇善堂」の埋葬記録の論拠が崩壊すれば、いわゆる「南京大虐殺」自体も崩壊します。 ◆不自然な「崇善堂」の埋葬記録 『日中戦争史』の記録によれば、「崇善堂」は、4月9日から5月1日までの25日間で11万2266体の遺体を埋葬したことになっています。ブルトーザーもトラックもない当時、1日あたり4490体を運び埋葬したことになります。 また、どの埋葬場所にも女性と子供が平均して3パーセントずつ配分されており、あまりにも作為的です。ちなみに「紅卍会」の埋葬記録は、女子と子供はほとんど皆無です。 さらに不可解なことは、日本軍が支援して「紅卍会」が埋葬を済ませた中華門、雨華台、水西門外の区域で、埋葬した記録があることです。これが本当の記録であれば「紅卍会」がきれいに埋葬したあと同じ区域から、しかも数ケ月も経って遺体が大量に出てきたということになります。 もちろん東京裁判で弁護側は、この埋葬記録は、南京戦から9年後につくられたもので、明らかに作為的な記録であると反論しました。しかし一切検証もされず東京裁判の判決は以下のようなものです。 「日本軍が占領してから…虐殺された一般人と捕虜の総数は20万人以上であった。…これらの見積もりが誇張でないことは、埋葬隊とその団体が埋葬した15万5000に及んだ事実によって証明されている。」 こうして、南京で大虐殺があったことは、埋葬数(「紅卍会」と「崇善堂」の埋葬記録を合わせると15万余体)が決定的な決め手になったのです。 ◆現在の教科書の記述 現在の日本の歴史教科書では、いまでも下記のように教えています。 「日本軍は南京を占領しました。その過程で女性や子どもを含む中国人を大量に殺害しました。」(中学校「東京書籍」) 「約20万人ともいわれる軍人・捕虜・非戦闘員を殺害するとともに、掠奪・放火・性暴力を多数ひきおこした。」(高校「日本書籍」) このように東京裁判の判決に基づいて、戦後69年経った今でも中学校、高校で教えられているのです。 では「崇善堂」とはどのような団体だったのかを、次回はさらに詳細に検証します。これを知れば、中国や左派が主張するいわゆる「南京大虐殺」の根拠は完全に崩壊します。 クリミア危機の行動から紐解くロシアに対する適切な「視点」 2014.10.13 文/HS政経塾4期生 西邑拓真 ◆ロシアの行動原理を知る必要性 クリミア危機における、ロシアの一連の動きについて、以前、アメリカのヒラリー・クリントン前国務長官は、「ロシアの今の行動が当時のナチスの行動と似ている」として、プーチン大統領を「ヒトラーのようだ」と指摘しました。 確かに、ロシアによるクリミア編入は、ウクライナ国内のロシア系住民の保護を理由としており、ナチスがゲルマン民族の保護を理由に周辺国に介入していった動きと軌を一にしていると見えなくもありません。 一方で、クリミア編入やウクライナ東部でのロシアの動きは、ウクライナにおいて、ヤヌコービッチ政権に対する反政府デモが生じる前は確認されていたわけではないことからも、単にそれらを「侵略的行動」と必ずしも断定できないと言うこともできます。 また、バランス・オブ・パワーの観点から見て、特に、昨今の中国の軍事的拡大は、日露両国にとって大きな脅威になっているのは周知の通りです。そこで、望ましい日露関係の構築を進めていくためにも、今一度ロシアの行動原理というものを明らかにしていく必要があると思われます。 ◆「リアリズム」とは何か ミアシャイマー(2014)は、「ウクライナ危機は、国際政治では依然としてリアリズムが重要であり、それを無視すれば大きなリスクに直面することを物語っている」と指摘しています。 リアリズムにおける、国の最終目標は「自国の生き残り」です。世界は「無政府状態」の中にありますが、諸国家はこの最終目標を達するために、与えられた情報を駆使して、バランス・オブ・パワーを調整し、それを自分たちに有利な方向へ変化させていきます。これがリアリズムの立場です。 ◆地政学上のウクライナの位置づけ ところで、地政学上、ロシアにとってウクライナは、どのような位置づけにあたるのでしょうか。 1812年のナポレオンのフランスによるロシア遠征、1916年のドイツ帝国などからなる中央同盟諸国軍によるロシア帝国へのブルシーロフ攻勢、1941年のナチス・ドイツによるバルバロッサ作戦など、西欧諸国によるロシアへの攻撃の際、ウクライナは「横切る必要のある国家」として捉えられています。 これらの事柄からも、ウクライナは、ロシアにとって重要な緩衝国家に相当すると述べることができるわけです。 1990年以降、NATOは東方へ拡大し、NATO加盟の布石と位置付けられるEUも拡大を続けています。また、ウクライナに欧米の価値観を浸透させ、同国をロシアから引き離すための民主化促進に対し、欧米が資金援助している実態も指摘されています。 こうした背景の中で、2013年、ヤヌコービッチ前大統領がEUとの間で連合協定の締結を行わないことを機に、ウクライナで反政府デモが生じます。そして、同氏のロシアへの亡命を経て、ロシアはクリミア編入を行うことになったわけです。 ロシアのウクライナ情勢での一連の動きに対し、それらを「侵略的」と捉える向きもある一方、別の観点として、ロシアは、同国にとって重要な緩衝国が欧米から侵害を受けたことに対する、リアクションをとったのにすぎないという見方もできることがわかります。 それに従うと、ロシアの行動は、あくまでもリアリズムに則っている一方、欧米は「民主化」を盾にした外交行動をとる中でリアリズムを軽視し、ロシアの立場を十分に解していなかったと述べることができます(ミアシャイマー,2014 参照)。 ◆北方領土問題解決の鍵は、日露間でのwin-win関係の構築 さて、リアリズム論における「パワー」に相当するのが「軍事力」であり、それを担保するのが、人口および経済力からなる「軍事的潜在力」です。 1969年の中ソ国境紛争を機に、中露関係はこじれた状況にありましたが、現在の両国間は「戦略的パートナーシップ」として「長期的で、些細なことでは争わない二国関係」にあるとされています。石郷岡(2013)はこのような状況を、「表面上は笑顔を見せ、しっかりと握手をしながら、裏では、厳しい対立と駆け引きを繰り広げている」関係にあると表現しています。 その中で、双方にとってメリットが享受されることを念頭に、2004年に中露国境協定が結ばれました。これで、1994年の画定分と合わせると、全ての国境が画定したことになり、両国間の懸念事項となっていた国境問題が解決に到りました。 しかし、一方で、軍事的にも経済的にも拡張・拡大を続ける隣国・中国のパワーは大きな脅威として、ロシアに映っているのは間違いありません。 そのため、ロシアは、「バランシング(他国と同盟関係を結んだり、自国の防衛費を向上することによりバランスを保持する戦略)」を行い、自国のバランス・オブ・パワーを維持するために、日本との緊密な関係を築いていきたいという願望を持っていると考えられます。 日露間での懸念事項として「北方領土問題」がありますが、中露国境策定に見られたwin-win関係の構築の原則が、その解決のカギになると考えられます。そして、それがバランス・オブ・パワーの観点からの、日露間の望ましい協力関係の形成につながると期待できるわけです。 日本は、長期的視座から国益を追求していくことを前提とした上で、ロシアの持つ「ニーズ」とは何かを考え、それをロシアに対する外交戦略に落とし込み、プーチン大統領に「柔道技」として仕掛けていく必要があります。その「ニーズ」を探る視点こそ、「リアリズム」から求めることができるのではないでしょうか。 参考文献 石郷岡建著『ウラジミール・プーチン-現実主義者の対中・対日戦略』(2013年, 東洋書店) 奥山真司著『地政学-アメリカの世界戦略地図,』(2004年, 五月書房) ジョン・ミアシャイマー著『大国政治の悲劇』(2008年, 五木書房) ジョン・ミアシャイマー著『悪いのはロシアではなく欧米だ』(2014年, Foreign Affairs Report 2014 NO.9所蔵) パラオ共和国に今でも残る「大和魂」 2014.10.12 文/政務調査会チーフ 小鮒将人 ◆パラオの国旗は「日章旗」によく似ている 「パラオ共和国」は、世界地図で見ると、フィリピンのミンダナオ島から600㎞程度東に位置する小さな島々からなる国家です。首都のマルキョクは東経134度に位置し、日本でいうと姫路市付近に当たり、全く時差がありません。 現在、漁業や観光を主たる産業としており日本からも、多くの観光客が訪れていますが、パラオの国旗は、知る人ぞ知る、青地に黄色の丸の「月章旗」と言われる美しいデザインをしています。 パラオ政府からは、はっきりと説明したことはありませんが、これは明らかに、日章旗をモデルにしたものとして知られており、いかにパラオが親日であったかを示しています。 ◆パラオでも日本の統治が大成功 パラオは、元々スペイン、そしてその後ドイツの植民地となりましたが、近隣のフィリピン、インドネシア同様に、教育を与えず、インフラ整備も行わない、ひたすら搾取と略奪のひどい植民地政策が行われてきました。 欧米による植民地支配は、パラオの人達の人権を踏みにじるような扱いを続けていて、元々6万人いた人口は、6千人にまで減少したそうです。 第一次大戦後に、ドイツが敗れたために、国際連盟の決議によって日本の委託統治地域となりました。日本によるパラオ統治は、台湾や朝鮮などと同様に、日本人とほぼ同等の教育を行い、日本本土と同じようなインフラ整備を行い、人種差別もなく、パラオの人達にとっては国家の発展とは何かを明確に体験することができ、夢のような日々でありました。 ◆大東亜戦争、ペリリュー島の戦い 1941年、大東亜戦争がはじまり、パラオ諸島の一つであるペリリュー島には大きな飛行場が建設され、軍事拠点となりました。 1944年9月、米軍は、この拠点を攻略するためにまず、多くの艦船からの艦砲射撃と高性能焼夷弾の集中砲火で、島内のジャングルを焼き払いました。その後、米軍第1海兵師団17,500人、第81歩兵師団11,000人の大軍で上陸を開始しました。 当時の日本軍の守備隊はおよそ10,000人で、しかも、海上からの支援はまったく期待できない孤立した戦いになりました。上陸する米軍第1海兵師団のウィリアム・リュパータス海兵少将は、作戦開始にあたり「こんな小さい島の戦闘は2、3日で片付く」と豪語しています。 ◆米軍を徹底的に苦しめた「敵軍戦法早わかり」 ところが、米軍は中川大佐を指揮官とする日本軍の反撃にあって、上陸して後、全く動きが取れないまま、第1波の上陸部隊が退却する事になりました。 実は、日本軍参謀本部では、米軍の戦いを詳細に研究した堀栄三氏によって、「敵軍戦法早わかり」という小冊子を作成し、それに基づいて具体的な戦術を行う事を指示したのです。 その中で述べられている3つの柱を簡単に述べると 1、 海からの艦砲射撃が効果を発揮しない、島の中央部に陣地をつくる。 2、 米軍への水際攻撃を避ける。 3、 基地の防護壁は、米戦艦の主砲に耐えるコンクリート厚2.5メートルとする。 というようなもので、一言でいうと、持久戦、ゲリラ戦の勧めというものでした。 これまでの日本軍の戦いは、「バンザイ突撃」に象徴されるような一方的な突撃を行うものが中心でしたが、「敵軍戦法は早わかり」による考えは、180度の転換を求める革命的なものでした。 ペリリュー島の戦いは、この考えに基づいて行われた初めての戦いで、米軍は、史上最悪の損害を出すこととなり、精神的異常をきたす若者たちが続出し、それまでに経験したことのない危機的な事態に陥りました。この詳細は、今年の8月、NHK特集で「ペリリュー島 狂気の戦闘」のタイトルで放送されています。 この後、終戦に至るまで、海軍や、空の戦いでは米軍の独壇場になりますが、陸の戦いでは、日本軍による必死の戦いもあり、この戦法は、後に硫黄島、沖縄の戦い、さらには、ベトナム戦争などにも受け継がれ、米軍に莫大な損害を与える事になりました。 当初、2,3日で決着すると見られていたペリリュー島の戦いは、このようにして、日本軍の徹底した抵抗のために、2か月余りの時間を要することになりました。 残念ながら、中川大佐をはじめとする10,000人の守備隊は、最終的にほぼ全滅、捕虜202人、生存34人という状況となりましたが、彼らがこの戦いで発揮し、米軍を徹底的に恐れさせた「大和魂」は、今でも日本人の誇りとなっているのみならず、パラオの人達にも大きな印象を残しました。 また、米太平洋艦隊のニミッツ司令長官は、以下の詩文を残し、日本軍の戦いに大きな敬意を表したといわれています。 「諸国から訪れる旅人たちよ この島を守るために日本国人がいかに勇敢な愛国心をもって戦い そして玉砕したかを伝えられよ」 ◆国の誇りを取り戻し、親日国の期待に応えよう 戦後、パラオ諸島は米国の信託統治の地域となりました。ここで、米国はかつて欧米が行った収奪型の経営を行うとともに、徹底的な反日教育を行いました。 しかし、パラオの人達にとって、日本統治下の夢のような日々を忘れるはずもなく、しかも、徹底的に米軍を苦しめた勇敢な戦いを見て、親日の立場を決して変えることがありませんでした。 やがて、1993年の住民投票によって、実質的な米国の信託統治から独立することになりました。その時の初代大統領は、「クニオ・ナカムラ」氏と言い、その名前が示すように、父親が三重県の出身の日本人であります。 そして、冒頭にお伝えしたとおり、国旗を制定する際にも、日本の「日章旗」にデザインが非常に似ている「月章旗」を採用したと言われています。 これ以外に、パラオには多くの日本の文化が今でもしっかりと根付いており、今回、紹介した以外にも、数多くの心温まるエピソードがあります。 現在の日本を取り巻く国際情勢は、中韓などから「反日」と言われる事が当たり前に感じるようになっていますが、実際には、パラオをはじめ、親日の姿勢を明らかにしつつ、常に日本の動きを注視している多くの国家があることを私たちは忘れてはいけません。 そうした意味で、私たち幸福実現党が進めている「日本の誇りを取り戻す」活動は、国の繁栄の為に、大変重要な活動です。 ぜひ、一人もでも多くの国民の皆さんにご理解を頂きたいと思います。 ノーベル物理学賞――3氏から学ぶ「科学技術大国日本」への道 2014.10.11 文/政務調査会 佐々木勝浩 ◆三人の日本人が受賞したノーベル物理学賞 本年度のノーベル物理学賞は、青色発光ダイオード(LED)を開発した赤崎勇氏(85歳)、天野浩氏(54歳)、中村修二氏(60歳)の3氏が受賞しました。 すでに1960年代に赤色と緑色の発光ダイオードは出来ていましたが、青色発光ダイオードは、透明な結晶を得ることが難しく「20世紀中の実現は困難」と言われていました。 赤崎氏(現・名城大教授)は、青色LEDをつくる素材として世界の研究者が敬遠した「窒化ガリウム」に1970年代から注目し、そのもとで実験を担当したのが、当時大学院生の天野氏です。 赤崎氏と天野氏は試行錯誤を繰り返し、ついに1989年、窒化ガリウムの結晶化に成功、赤崎氏と天野氏の生んだ青色LEDの関連特許は、2013年までに累計56億円という収入(国立大学全体の特許収入の大半)をもたらしました。 赤崎氏の「我ひとり荒野をいく心境で研究を続けた」、天野氏の「とにかく人の生活を良くしたかった」との言葉は、まさに「研究者の魂」を表しています。 もう一人の中村氏の功績は、1993年にLEDを量産化する装置の開発に成功したことで、実用化の扉を開いたことです。(10/8読売) こうして3氏が、発明し実用化した青色LEDと既存の赤色と緑色のLEDと合わせて、光の三原色がそろったことで多彩な色が表現できるようになり、コンピューターの情報処理、伝達や交通信号、大型デスプレイ、カメラのフラッシュ、スマートフォンの画面など幅広く使用されています。 ◆世界を明るくするLED ノーベル賞の委員会が最も評価したのは、LEDは少ない消費電力で灯りを提供できるため「地球規模の省電力化」を実現する道を開いたことです。 LEDは、消費電力が少なくて済むので、発展途上国の電力源も十分に支えることができ、2020年に照明器具だけでも世界の市場規模は5兆円を超えると予想されています。(10/8読売) 一般的に白熱電球の寿命は40日程度、蛍光灯の寿命は400日程度でしたが、さらにLED電球は、4000日まで寿命を伸ばすことに成功しました。すなわちLED電球は10年以上使用できます。まさにエジソンを超えたと言ってよいでしょう。 また「発光効率」(同じ電力で得られる明るさの強弱)を比べると、LED電球は白熱電球の約6倍、蛍光灯の約1・3倍と高く、さらに技術開発が進めば、蛍光灯の2倍以上に発光効率を高めることも可能になります。 ◆科学技術立国への課題 今回のノーベル賞受賞者で日本人は22人になりましたが、うち自然科学分野が19人を占めています。これは日本の研究者の優れた技術力の証です。 しかし、科学水準の目安となる論文の発表数は、2000年前後は世界第2位でしたが、現在は中国などに抜かれ5位に低迷しています。 文科省によると2012年までの3年間の平均で日本の研究者の科学論文は、6万3928本で5・4パーセントで、20年前の7・8パーセントから下がっています。一概に言えませんが「ゆとり教育」の影響が出ているのかもしれません。 もう一つ科学論文が低迷している理由として考えられるのが、日本政府の科学技術軽視です。かつては科学技術庁がありましたが、現在は文部科学省として統合されています。文系頭の大臣が科学面まで管轄し予算まで握ってしまうのは科学技術の発展に弊害があるのではないでしょうか。 科学技術教育を重視することはもちろんのことですが、科学技術を学んだ大学院生が就職の先もなくアルバイトや契約社員に甘んじなくてはならない現状は、まさに日本政府が優秀な人材を生かしていない証です。 今回ノーベル賞を受賞した中村氏がアメリカへ移住し米国籍を取得した理由を「こちらでの研究では米国の国籍がないと軍の予算がもらえないし、軍関係の研究もできない」(10/8日経)と述べているように、まさに日本は優秀な研究者が活躍できない環境にあるのです。 一般的に科学技術には「軍事技術」と「民間技術」があります。アメリカは、軍事技術を手に入れる目的から国防総省が科学技術開発のためにプロジェクトを組み、研究者に資金を提供しています。 そこで開発された技術を民間に商用目的でおろしているのですが、これがアメリカの科学技術を支えています。GPSの技術も軍事用から商用に転化したものです。 ◆日本が科学技術立国になるためには 「民間技術」は、日本が進んでおり、経済産業省の外郭団体が基礎研究の実用化を支援するため企業に資金援助をしたりしています。今回のノーベル賞受賞で、産業技術総合研究所は、産学の連携を図り人的交流や共同研究を行う構想も発表しています。(10/11日経) 日本の企業に眠っている技術を探し出して支援するのも良いのですが、日本を科学技術大国にするためには、アメリカの国防総省を参考に、もっと積極的に国家として科学技術のプロジェクトを立ち上げる方法もあります。 そして数十ある科学技術系の独立法人と文科省の科学技術部門を統合し「科学技術省」として独立させるのです。そこに、優秀な研究者を集めて研究をしてもらいます。研究者の雇用にもなり、優秀な人材を生かすこともできます。 資金は官民ファンドを設立し、国民にも科学技術開発に投資してもらう形にすれば、税金で賄わなくても、眠った国民の資産を有効に活用できます。国民も国が関わる事業であればリスクが低く安心して投資できます。 こうして日本の優秀な研究者の技術を世界の繁栄発展に生かすことが大切です。今回のノーベル賞受賞を日本は大きな教訓としなければなりません。 地域貢献・国際貢献から考える新たな大学像 2014.10.10 文/幸福実現党秋田県本部副代表 三國佑貴 ◆国際観光文化都市の創造へ 10月4日、国内最大の文化の祭典「第29回国民文化祭あきた2014」が、皇太子殿下ご臨席のもと、秋田県立武道館で開幕しました。 皇太子殿下は「東日本大震災以降、初めて東北で開催される国民文化祭。多くの困難に立ち向かっている方々に夢と希望を与えるものとして、大きな役割を果たすことを期待しています」とお言葉を述べられました。 約1ヶ月間に渡って、秋田県内全市町村が舞台となり、美術、文芸、音楽、舞踊、伝統芸能、アートプロジェクト等、多彩な事業が展開され、日本、そして世界から、多くの観光客が訪れます。 秋田県は6年連続で、小、中学校の学力テストにおいて、全国上位を占めている教育立県です。その理由として、質の高い文化、美術、芸術を愛し、理解する心が、秋田全土に根付いていること、これが要因のひとつではないかと考えます。 ◆国際教養大学(AIU ※Akita International University)の躍進 秋田の新しい文化創造、国際化を強力に推進しているのが、開学10周年を迎えた、AIU(公立)の存在です。 2010年4月、国際基督教大学、立命館アジア太平洋大学、早稲田大学国際教養学部と、AIUがグローバル4大学交流協定を結び、2012年には上智大学が加わりました。 そして先月、文部科学省より、世界レベルの研究を行う大学を支援するための「スーパーグローバル大学」として、AIUが選定され、総額15億円の助成を受けることが決まりました。 世界に拡がる160を越える大学と提携、世界26ヶ国、全国47都道府県から学生が集まり、約9割の学生が、キャンパス内で24時間生活しています。秋田市の郊外に「世界の縮図」とも言えるような多文化共生の空間ができあがっています。 Pharrell Williams – Happy (We are from AIU) #AIUHAPPYDAYS #国際教養大学 #HAPPYDAY https://www.youtube.com/watch?v=8klvHb1N-V8 24時間365日開館している図書館は「学習意欲を喚起する本のコロッセウム」をテーマとした、半円のユニークなデザイン。多くの学生達が、寸暇を惜しんで知的格闘に励んでいる姿は、緊迫感に満ちており、決闘前のグラディエーターの姿を彷彿とさせられます。 ◆国際教養大学の知られざる地域貢献力 AIUは、県内の6市町村と国際交流に関する交流協定を結び、留学生や、大学訪問の受け入れを実施。2013年実施回数は215回、参加留学生は1100人以上にのぼります。(国際シンポジウム、県職員と合同の国民文化祭委託事業、地元小中高生たちとの交流 ※由利本荘市、留学生による着物姿秋の観光キャンペーン、等々) 学生が県内の小、中学生に英語を教え、教員が小中高の先生に英語指導をするという取り組みも始まっています。 また、卒業生による秋田発のプロバスケットボールチーム(秋田ノーザンハピネッツ)の立ち上げ、東アジア調査研究センター(AIU内)主導の、日露関係強化に向けたロシア沿岸部産業育成、海外展開に意欲のある企業に向けた「攻める秋田企業応援プロジェクト」などが進んでいます。 AIUは年間で約40億円の経済効果(消費や県内生産の誘発)をもたらしており、県内のグローバル化と産業活性化に大きな貢献を果たしています。 国際性に加えて「大和の心」を学んだ多数の海外留学生が、県内企業や、日本有数の大手企業で活躍しており、全国の大学関係者、国内メディアから注目を集めています。 ◆大学の教育改革から世界の担うリーダーの輩出を 以上のように国際教養大学のような、これまでの既存の概念にとらわれない理念を持った大学から、国際性とチャレンジ精神があふれる学生がどんどん輩出されることは、大学がある地域ばかりではなく、日本の発展を促し世界への貢献にも繋がっていきます。 東京オリンピックも2020年に開幕致しますが、これを契機にこれまでの既存の大学にはない新しい発想に基づく大学を創設し、政治や経済、芸術をはじめ、宇宙開発や海洋開発などにも国際貢献する世界のリーダーを日本から輩出していくことが求められます。 ≪参考≫ ・国際教養大学(AIU)学校案内 ・産経2014.9.27 10.5 ・月刊「事業構想」2014年9月号 ・第29回国民文化祭・あきた2014プレガイドブック ・秋田県大型観光キャンペーンガイドブック 「自主防衛の気概」が導いた、日米防衛協力のためのガイドライン改定 2014.10.09 文/HS政経塾1期卒塾生・逗子市政を考える会代表 彦川太志 ◆日米防衛協力のためのガイドライン 10月8日、日米両政府の間で改定交渉が進む、「日米防衛協力のためのガイドライン」の中間報告が発表されました。 「ガイドライン」とは、特に日本の周辺で発生する有事において、日米両政府が取りうる協力体制について、まとめられたものです。 今回の改定の特色は、今夏の集団的自衛権行使容認の閣議決定を反映し、「米軍に対して自衛隊が連携できる内容と範囲が大幅に拡大した」と報道されている点にあります。 このような防衛協力の拡大について、自主防衛に関する日本国民の意識の高まりがあった事を、用語と共に解説させて頂きます。 解説する用語は、「アセット(装備品等)の防護」と、「切れ目の無い、実行的な政府全体に渡る同盟内の調整」です。 ◆「アセット(装備品等)の防護」とは 集団的自衛権の行使容認により、自衛隊は武力攻撃を受ける米軍の軍艦や軍用機、基地を守れるようになりました。 アセット(装備品等)とは、この米軍の軍艦や軍用機、基地のことを指す言葉です。 これで日米安保条約の「片務性」が解消されることとなり、日米安保協力がより強固なものとなりました。 ◆「切れ目の無い~同盟内の調整」 これは尖閣諸島などの離島防衛を念頭に置いたものです。 わが国の防衛について、米軍と自衛隊の役割はこの「ガイドライン」で明確に分担されております。 現行の「ガイドライン」では、以下の3点について取り決めを作っています。 (1) 平素から行う協力 (2) 日本に対する武力攻撃に際しての対処行動等 (3) 日本周辺地域における事態で日本の平和と安全に重要な影響を与える場合(周辺事態)の協力 現行のガイドラインの問題は、この3点に含まれない「脅威」については何の取り決めもなされていないため、日米両政権の相性や政治的環境の変化によって、ケースバイケースの対応がありえたと言うことに尽きます。 例えば、(3)の「周辺事態」は、朝鮮半島や台湾有事を想定した「非戦闘地域」での協力を想定したものであり、尖閣諸島についての取り決めではありませんでした。 また、(2)の「武力攻撃」については、すでに戦争が起きてからの話であり、中国公船や漁民が尖閣諸島に上陸を試みるような、「戦争以前」の小競り合いは対象外でした。 何かが起きた時、日米両政府がどう対応するのか、その事前の取り決めがなかったのです。 これがいわゆる「グレーゾーン」であり、ここに目をつけたのが、中国でした。 日米関係が悪く、日本に自主防衛の意志が無い状態にあって、「ガイドライン」の取り決めがない隙間を突けば、日米安保の片務性を暴露することができます。 平たく言えば、「ガイドライン」に含まれない「グレーゾーン」を突けば日米関係を破壊できると踏んで、2010年の漁船衝突事件が起きたのです。 ◆「グレーゾーン」を埋めたのは、自主防衛の気概 漁船衝突事件では、中国船の恣意的な衝突映像を隠蔽しようとした民主党政権に対し、勇気ある海上保安官が情報をYouTubeに公開しました。 これによって、誰の目にも中国による海洋進出の脅威が明らかとなり、幸福実現党の主張する自主防衛の気運が、全国に広がり始めたのです。 このように、全国に広がった自主防衛の気運が、夏の集団的自衛権の行使容認や、今回のガイドライン改定に影響を与えたことは間違いありません。 防衛協力の「グレーゾーン」を埋めたのは、国民ひとりひとりの意識の高まりだったのです。 本ガイドラインの改定について報じる9日の五大紙は、いずれも改定の背後に中国の脅威があることを認めています。 今後は、自衛隊がひとり自国の防衛のみならず、世界の平和と安定のために、積極的な役割を果たす必要がある、と言う論調を主流とさせる努力が必要となるでしょう。 これ以上、消費税をあげてはならない 2014.10.08 文/千葉県本部 副代表 古川裕三 ◆2回目の消費税上げを目論む政府 国会では、10月7日から参議院予算委員会で質疑が始まり、安倍首相は来年10月に予定されている消費税率の10%への引き上げを見送った場合、子育て支援などの社会保障の充実に充てる予算が減ることになると〝脅し“をかけました。 ただ、客観的に現状の日本の経済環境を分析すると、とても消費税を上げられる状況にはありません。 四月から始まった消費税率8%の影響で4~6月期の実質GDPは、増税前の駆け込み需要の反動減もあって年率換算でマイナス7.1%でしたが、これに加えて今は円安による原材料費の高騰による物価上昇、さらには、原発が十分に再稼働していないがために電力料金も値上げされ、「値上げのトリプルパンチ」が企業、家計を圧迫しています。 こうした状況であるにも関わらず、政府は、賃上げを企業に要求しています。この厳しい環境下で賃上げするには、従業員を減らすしか生き残る方法はなくなります。これは政府が決めることではなく、個々の企業が決めることですから、統制経済に入っているといえます。 ◆日本はもう「輸出立国」ではない 円安であれば当然輸出産業は儲かるわけですが、昔と違い、GDPに占める輸出の割合は全体の1割程度であり、全体の6割が消費であることをみれば、日本はかつての高度成長期のような輸出で稼ぐ国家ではありません。 日本経済のカギは、国内における個人の消費をいかに活発化させるかにかかっています。 しかしながら現状は、述べてきたように輸入品の値上げ、消費増税による値上げ、電気料金の値上げ、そして給料は上がらないということで、私たちの生活実感はますます厳しいものになっています。 ◆政府主導の「補助金漬けバラマキ経済」は計画経済 先月、第二次安倍改造内閣が発足し、新たに、地方創生本部をおきましが、復興庁との整合はとれるのでしょうか。 結局は選挙対策のバラマキを行うようになるのではないかと予想されます。予算をどこがいくらどのように使うかという役所型の経済は本質的には計画経済と同義であり、一時しのぎにしかなりません。 ◆これ以上、消費税をあげてはならない 持てる者から多くとり、再分配するという政府主導の経済ではなく、民間企業の活性化と消費の活発化を促すためには、民間の活力を削いでいる阻害要因を体系的に廃棄することから始めなければなりません。 それには、まず、景気の先行きを暗くしている最大要因である消費税について、「もう上げない」と宣言して国民に安心感を与え、プラスのアナウンス効果を出すことですし、すみやかに原発を再稼働させて電力供給の安定化させること、そして、海外に逃げている工場を日本に取り戻し、「日本人の雇用を取り戻す」ことが大事です。 消費増税によるこれ以上の景気後退は食い止めなければなりません。 参考文献:『希望の経済学入門』大川隆法著 自由のために闘う香港を見殺しにしてはいけない 2014.10.07 文/兵庫県本部副代表 みなと 侑子 ◆香港のデモはまだ終わっていない 9月の終わりから始まった香港のセントラルを中心としたデモは、香港の連休であった10月1・2日を盛り上がりの頂点としながら、一週間以上経った今もまだ続いています。 昼間は学生中心、夜や週末になると社会人も集まり、座り込みと抗議を続けるのです。 デモのリーダーの1人である17歳のジョシュア・ウォン君は、2年前香港に中国共産党礼賛教育が押し付けられようとした際、一人で反対運動を始めました。 仲間の集い活動を続けた結果、最終的に10万人を動員し、共産党礼賛教育を打ち返しました。現在は中国共産党から異端分子として見られています。 今年6月彼にインタビューをした際、行動・勇気の源泉を尋ねました。彼の答えは「仲間の存在」と共に、信仰深い両親から影響を受けている信仰について語ってくれました。 「クリスチャンは聖書を読んだり、祈るだけでは十分ではありません。一人ひとりが灯となり光となって行動し、この暗闇の世の中を照らす使命があると思います。」 彼は今回のデモにおいて、公務執行妨害で40時間拘束されました。これが香港市民をさらに怒らせました。一人の若者の勇気ある行動がきっかけとなり、多くの若者の心に火を灯し、今の香港があります。 日本に留学経験があり、日本語を完璧に話す23歳の社会人女性は、「私たち日本人は香港のために何ができるだろうか?」という質問に対してこう答えました。 「世界中の方からの応援は香港人の心に届いています。でもこれは中国政府の問題です。彼らが香港の声を聞かない限りどうしようもないのです。」 ◆誰が中国共産党に、圧力をかけることができるか 世界の注目を香港に集めることで、中国共産党は天安門事件の時のように、無抵抗な市民を虐殺することはしにくくなります。しかし、香港市民が求めるのは、現行政長官の辞任と2017年行政長官の完全なる普通選挙です。 現行政長官は、辞任しないこと、公開討論の場を持つこと、選挙を見直すことを発表しましたが、辞任しないこと以外は先延ばしされています。 行政長官を操る中国共産党に圧力をかけることができるのは、アメリカをはじめとする数か国もしくは国際機関しかないでしょう。 しかし、中国は国連の常任理事国でありますし、アメリカはオバマ大統領・ケリー国務長官の声明を発表こそしましたが、不介入主義であることは周知の事実であります。 もちろん、香港民主派も努力はしています。民主派において精神的主柱であるマーティン・リー氏は、アメリカのバイデン副大統領に何度も面会し、香港の現状を伝え支持を訴え続けています。 また、イギリスのキャメロン首相にも面会を求めました。しかしイギリス政府は面会を断っただけでなく、イギリスは香港と中国のどちらにも肩入れしない中立であることを中国政府に伝えたといいます。 1997年まではイギリス領であった香港にとって、イギリスから受けた影響は大きいと推測します。その国に拒絶されたことを、香港市民はどのように感じているのでしょう。 ◆使命成就のため、闘う香港 前述の女性は「中国の一体何が優れて世界の王になっているのか。訳が分からない。」と言います。 その言葉の奥に、どうして誰も中国共産党に対して何も言えないのか、何を恐れているのか、という声が聞こえてきます。 意外ですが、香港の民主派たちは中国からの独立を求めているのではありません。彼らが求めているのは、香港における自由と民主主義の確立です。 その理由を、民主派のマーティン・リー氏は、「香港の自由と民主主義を、中国大陸にも弘めていくためだ」と語りました。まさに、“香港の自由化から生まれる、中国の香港化”こそ、香港民主派の願いであり、大きな目から見た香港の使命なのです。 その使命成就のため、後ろ盾を何一つ持たず必死に闘っている学生たちの未来はあやふやです。いつ強制排除にあうかも分からない中、学生たちは自分たちの未来を賭けて、自分たちと未来の中国大陸の人々の自由を守るために抵抗しているのです。 香港の自由が侵され、中国共産党のいいなりとなってしまうことは、中国13億人の人々の不幸でもあります。そして、アジアの自由の弾圧の本当の始まりであることを知らなければなりません。 日本政府は、香港民主派の支持を表明し、自由と民主主義を守る宣言を行うべきですが、そのような勇気ある行動は今はまだ見られません。 しかし、それに落胆するのではなく、ジョシュア・ウォン君が言うとおり、私たち一人ひとりが小さな灯となって行動する時に必ず、この暗闇を照らす光となって、世の中を変える力となることができると信じます。 日露パイプラインで、エネルギー安全保障を盤石にせよ 2014.10.06 文/HS政経塾3期生 幸福実現党新潟県本部副代表 横井 基至 ◆インド洋が中国の海に 中国のエネルギー戦略として、中東やアフリカ方面から原油や天然ガスを供給するために、インド洋のシーレーンを確保しようとする動きが活発化しています。 先月9月22日にアデン湾の海賊活動に参加している中国海軍ミサイル駆逐艦「長春」とミサイルフリゲート「常州」が、イランのバンダル・アッバース軍港に初めて寄港し、両国が友好関係ならびに両海軍の協力関係の進展を強調していることから、利益を共有している両国による対米戦略での「布石」と報じられています。(ロイター電子版 2014.9.24) さかのぼること2011年12月、インド洋上の島国セーシェルによる、中国海軍基地の誘致は現在も継続中で、中国も前向きな姿勢を示しており、実現されれば中国にとっては初の公式な海外軍事基地としてインド洋での足場が誕生することになります。 また、日本人にも海外旅行先として人気が高いモルジブについては、インド海軍が潜水艦基地をモルジブに建設しようと政府間で交渉中でしたが、先月中旬に中国が割り込むかたちで、習近平国家主席がモルジブを訪問し、モルジブ大統領と首脳会談を行い、空港や港湾等の整備や観光産業の振興などを中心とする大々的な支援を約束しました。 以上の計画が実現すれば、インド洋周辺の中国海軍拠点はなんと8個も存在することとなり、それに対しての米海軍の拠点は3か所と、中国海軍の存在感は高まる一方です。 出典:JBPRESS 中国海軍艦艇がイランに初寄港、インド洋沿岸に着々と戦略拠点を確保 米海軍もはや対処できず(北村淳) ◆エネルギー輸入のリスク分散を 中国はシーレーンを手中に収めるのみならず、イラン、パキスタン、ミャンマーから地上パイプラインによってエネルギー安全保障を強化しています。 しかし、日本には、海上輸送だけが唯一の「生命線」となっているため、インド洋、南シナ海のシーレーンを中国に抑えられてしまったら、日本は中国に対し白旗を上げざるをえないのが現状です。 アメリカ海軍に依存したシーレーン防衛から、自国のエネルギーは自ら守る精神のもと、関係各国と協力してシーレーン防衛を行うと同時に、エネルギー安全保障の転換として石油・ガスパイプラインによる分散供給が不可欠です。 ◆ 日露パイプライン建設を急げ サハリンガス田から天然ガスパイプラインを敷く計画があり、それはサハリン南端から北海道の北端まで、わずか43キロメートルの海底の工事で済み、あとは関東圏まで地上にパイプライン施設するという計画です。このパイプラインで、年間輸送量は200万立方メートル、国内天然ガス需要の17%をまかなえます。 また、ウラジオストクから新潟を経由して仙台と関東圏に天然ガスを供給する計画もあります。すでに国内の両方のパイプラインは稼働していることから、ウラジオストクから新潟にパイプラインを施設することで、船舶輸送によるLNGの輸入額高騰に悩まされることなく安く輸入することができます。 日本海側の各県には同様の計画があり、まさにパイプライン誘致合戦が繰り広げられています。 プーチン大統領は「パイプラインなどの輸送インフラを高度に発達させることにより、広大な地域に広がるロシアの特殊性を逆に競争力へ転換させ得る」とし、現在稼働している東シベリアパイプラインについても「ロシア極東のインフラが持つ可能性を飛躍的に高める」としてアジア市場の獲得という明確な戦略を掲げ、同時に極東地域に対する日本からの投資を積極的に呼び込んでいます。 ◆国としてエネルギー安全保障戦略を明確にせよ パイプラインの施設の問題点に漁業補償の問題があります。技術的な解決を追求すると同時に、国家のエネルギー事情に関わる問題ですので、国富流出阻止のためにも政府の主導が必要です。 同時に、民間企業から資金と技術を呼び込むことで、日本経済の成長戦略の一つとして目玉事業になることは間違いありません。 日本政府は早急にロシアとの関係を回復させ、信頼関係を築き、「エネルギーを政治利用しない」意思を再確認し、早急に日露パイプラインの建設を開始するべきであると考えます。 すべてを表示する « Previous 1 … 138 139 140 141 142 … 253 Next »