Home/ 新着一覧 新着一覧 マイナンバー利用拡大の危険性 2015.12.18 文/幸福実現党・三重県本部副代表 野原 典子 ◆マイナンバーとは? 10月からマイナンバーが簡易書留で通知されています。 この夏の国会では「安保法案」が審議されたとき、賛成、反対が分かれる中、国民の意識がそちらに引きつけられている間に、この「マイナンバー制」が、するするっと「通されてしまった」感があります。 そして、マイナンバーが交付された今でも、「よくわからない」という人がたくさんいらっしゃるようです。 マイナンバーは、一人一人に12桁の個人番号が記され、そのメリットは、政府広報によりますと、「行政の効率化」「国民の利便性の向上」「公平、公正な社会の実現」があげられています。 ◆マイナンバーが生まれたいきさつ マイナンバーの前には2002年に始まった「住基ネット(住民基本台帳ネットワーク)」があります。マイナンバーの番号の基になっているのがこの住基ネットです。 しかし住基ネットに対しては、「個人情報の漏洩」が懸念されて、全国で反対の声がわき起こりました。300を越える地方議会が、延期や中止、見直しを求めて衆院に意見書を提出しています。 しかし今回のマイナンバーに対しては、衆院に反対の意見書を出した地方議会は6つでした。 ◆マイナンバーは安全か? ではマイナンバーは、本当に安全なのでしょうか? 私の手元には、今年6月に日本年金機構から送られてきた「日本年金機構不正アクセス事案についてのお詫びとお願い」という書類があります。 「流出が確認されました情報は、最大でお客様の 『基礎年金番号』、『お名前』、『生年月日』、『住所』であることが現在判明しております」とあり、「抜本対策に全力かつ可及的速やかに取り組んでまいります」とのことでした。 この事件がきっかけで、サイバー攻撃に対して危機管理を徹底させる姿勢を打ち出しました。しかし今も政府系のホームページに対するサイバー攻撃は続けられ、明らかに、日本の守備能力は後手にまわっています。 マイナンバーは、住基ネット以上に個人情報が繋がっており、「芋づる式ではない」と言うものの、かなりの個人情報が危険にさらされることは推測できます。 ◆マイナンバー利用拡大の危険性 これからマイナンバーが、銀行口座や、検診結果、治療歴、買い物、嗜好などに結びつけられ、資産や行動、趣味嗜好まで「政府に把握」されてしまうことを危惧しています。 銀行で現金を引き出したり、カードで食事をすれば、いつどこで、どんなことをしたのか、推定することも可能だからです。 世界一民主的なワイマール憲法ができたとき、それがヒトラーを君臨させるとは思いもよらなかったでしょう。 ドイツでは、ナチスの歴史を経験しているため、マイナンバーのような共通番号は人を集団管理する国家権力の危険性があるため、利用制限をかけています。 マイナンバーが安保法案にかくれるように、すっと通ったことが、将来どんなことを引き起こすのか、わかりません。 ◆マイナンバー制に反対します マイナンバーは「よくわからないけれど、キモチ悪い」という女性が、私のまわりにたくさんいます。よくわからないけれど、直感的に、生理的に、イヤ、なのだそうです。 私もマイナンバーと聞くと、岐阜の長良川で、毎夏行われる「鵜飼い」を思い浮かべます。 かがり火が夜の長良川の水面を赤く照らし、その静かななかを、鵜庄さんが操る鵜が、鮎をとるために水中に潜る水音が聞こえるのです。 松尾芭蕉も句を詠んでいます。 「おもしろうて、やがてかなしき鵜飼いかな」 風情のある、風流な伝統的な鵜飼いですが、鵜にはプライバシーはありません。私たちが、その「鵜」になるとしたら、「やがてかなしき」どころではありません。 今、先に起こるかも知れない危機を避けることができるのなら、私たちは勇気を持って、いいことは進め、よくないことは止めていかなくてはいけないと思います。 それは、私たち自身の未来のためでもありますし、もっと先の未来の、私たちの子孫に対する責任ではないでしょうか。 ※なお、幸福実現党では、現在、「マイナンバー制度の廃止を含めた抜本的見直しを求める署名」活動を行っております。 ■マイナンバー制度の廃止を含めた抜本的見直しを求める署名 http://info.hr-party.jp/2015/5007/ 2016年に衆参同時選はあるのか? 2015.12.17 文/HS政経塾スタッフ 遠藤明成 ◆なぜ1月4日に国会召集? 年の暮れとなり、来年の計画を考えている方もいるかもしれません。 企業や組織で責任ある立場につかれている方は、「来年の選挙が自社の商売に、どんな影響を与えるのか」と考えることもあるのではないでしょうか。 このたび、安倍政権が1月4日に通常国会を召集する方針を固めたのは、来年の選挙を視野に入れた意志決定だと言われています。 過去の国会召集の日を見ると、2015年は1月26日、14年は24日、13年は28日、12年は24日、11年は24日です。 1月4日は1992年以降で最も早い日時だとも言われています。 国会の当初予定は150日なので、4日に召集すれば、参院選の投票日として6/26、7/3、7/10、7/17、7/24の五通りの日時を選べます。 しかし、1月5日以降に召集すると、参院選の投票日が一つの選択肢に確定されてしまうのです。(1月5日召集の場合は6月26日) ◆選挙日程のからくりを利用して、首相は政治の主導権を握る? 「えっ。どうして」と思われた方もいるかもしれませんが、そのからくりが、『エコノミスト(2015/12/15)』(P90-91)に書かれていました。 執筆者の与良正男氏(毎日新聞専門編集委員)は、公選法が定める参院選の二つの規定に注目しています。 (1)任期満了日の前、30日以内に選挙を行う、 (2)国会閉会日から23日間が「任期満了前30日以内」にかかる場合は、国会閉会日から「24日~30日」の間に選挙を行う 「参院議員の任期満了は来年7月25日で、『30日前』は6月25日となる。1月4日に召集した場合、150日間の会期を延長しなければ閉会日は6月1日」 「このため、(2)の『23日間』規定はぎりぎり適用されず、投票日は6月26日、7月3日、10日、17日、24日の5日曜日を候補にできる」 「1月5日以降に召集した場合は閉会日は6月2日以降。『23日間』規定が適用されて、例えば1月5日召集なら投票日は自動的に6月26日に確定する」 ※24日~30日後の範囲は6月26日(日)~7月2日(土)。選挙は普通、日曜日に行われるので、この場合は26日で確定。 そして、憲法では「衆院解散後、40日以内に衆院選を行うと定めている」ので、7月10日に衆参同日選をやれば、選挙活動の日数から見ても、ほどよい長さになります。 かくして、首相は選挙日程の選択肢を持ち、政治の主導権を握るというわけです。 ◆与党は、軽減税率という「羊頭」を掲げ、増税という「狗肉」を売ろうとしている 首相が来年に衆院を解散する可能性があるのは、17年4月に消費税を10%に増税した後では、選挙がやりにくいからです。 前掲の与良氏も「可能性は低い」としながらも、「17年4月の消費再増税延期もあり得るのでは」と真顔で述べる国会議員も少なくないと述べていました。 この場合、ちゃぶ台返しのように「そもそも」の前提が変わるため、軽減税率を巡る自公の合意も議論のし直しになるでしょう。 裏を返せば、公明党は「軽減税率」を固めることで、増税延期のための「衆参同日選」を阻止し、増税への道を舗装しているとも言えます。 この議論の本質は「軽減税率があれば、増税してもよいではないか」という論理だからです。 14年4月の消費税増税が景気後退を招いたことを正直に認めれば、5%に減税すべきなのは明らかなのに、与党の政治家やマスコミは、企業に複雑な事務を強いる軽減税率を持ち出しています。 本来あるべき5%への減税を無視して、今の与党は「軽減税率」という「羊頭」を掲げて、「増税」という「狗肉」を売ろうとしているのです。 ◆消費税5%、大幅な法人税減税が本道 来年の選挙の行方を考える上で、12月時点で安倍政権と自民党が支持率を取り戻していることは見逃せません。 産経・FNN合同調査では、安倍晋三内閣の支持率は47.8%(+3.6)、不支持は41.2%(+2)でした。自民の支持率は37.9%(+4)、民主党の支持率は9.4%です(産経ニュース2015.12.14)。 同じような傾向がTV朝日の世論調査(12/5-6)でも出てきています。 (http://www.tv-asahi.co.jp/hst/poll/201512/index.html) 【安倍内閣への支持・不支持】 支持する47.3%(+5.1) 支持しない33.3%(-7.7) わからない、答えない19.4%(+2.6) 政党支持率でも自民党(47.3%〔+3.1〕)と民主党(11.5%〔-4.2〕)の明暗が分かれていました。 支持率の行方次第では衆参同日選になる可能性もありますが、争点となる経済政策を、軽減税率や増税延期などの「その場しのぎ」でよしとすべきではありません。 本来、あるべき消費税5%への減税を訴える政党が必要なのです。 自公政権は18年度に法人税を29%(※まだ実質3割)に減税する方針ですが、これは細切れの減税でしかありません。法人税に関しても、企業の国際競争力の強化のために、幸福実現党が訴える2割台への大幅減税(長期的には1割台を目指す)こそが必要なのです。 環境規制の不都合な真実 2015.12.16 文/幸福実現党・山形県本部副代表 城取良太 ◆有名無実化の可能性が高い「パリ協定」 12日夜、世界196か国・地域が参加し、パリで開かれていた国連気候変動枠組み条約の第21回締約国会議(COP21)が「パリ協定」を採択しました。 「パリ協定」とは、気温上昇の原因となるCO2を中心とした温室効果ガスの削減によって、地球の気温上昇を産業革命前の2度未満、できれば1.5度までに抑えるという全体目標を掲げ、各国の応分で排出削減の責務を担うという枠組みであります。 1997年に採択された京都議定書では、先進国のみが削減義務を負ったのに対し、今回は全締約国が自主目標を元に削減を図ることとなりました。 そのため日本が誇る高効率石炭火力発電、電気自動車関連の省エネ技術の輸出に期待が高まっています。 しかし一方で、2030年までに26%削減という日本の目標に対して、「排出量をすぐに激減させる技術革新は難しい」「環境規制の強化で負担も増え、業績にはマイナスになりかねない」という懸念も産業界から少なくないのが現実です。 また、この枠組み自体に正当性があると仮定して、大きな疑問が残るのは「本当に全ての国が目標を尊守するのだろうか」という点です。 この点、目標を達成できなかった場合、罰則を科すという規定には反発が強く、実効性のある具体的な規定についてはほとんど議論されておりません。 結局、世界最大の温室効果ガス排出国の中国を中心に、年数が経つにつれてうやむやとなっていき、この枠組み自体が有名無実化していく可能性が極めて大きいと言わざるを得ません。 ◆「CO2増加=温暖化」は本当に正しいのか 更に踏み込んで述べると、COP21が掲げる気温抑制という目標と、温室効果ガスの削減という責務の間に、相関関係が本当にあるのかという点の検証が必要です。 日本のメディアにおいては、「世界全体で目標を達成しよう」というおめでたい論調が大半ですが、海外メディアにはこの枠組みに対する論調は多様性に富んでいます。 例えば、ウォール・ストリート・ジャーナルの社説では、「政治エリートの意見が一方に偏った時ほど警戒すべき」「気候変動が地球を危険に晒すという事自体を疑っている」「パリ協定の内容では世界はより困窮し、技術的な進歩も見込めない」としっかりとした価値判断を行っています。(12/14ウォール・ストリート・ジャーナル日本版) また、温暖化の研究自体が完璧には程遠く、実際に米共和党内部でも懐疑論が根強いのが実態です。 大気中のCO2増加と温暖化に相関関係がないと考える説としては、たとえばアメリカで2007年に発刊されベストセラーになった『地球温暖化は止まらない』があります。 地球は1500年周期で温暖化と寒冷化を繰り返しており、実際に温暖化自体は1850年から始まり、CO2が増え始めた1940年からの数十年は逆に寒冷化が進んだというデータがある点です。 つまり、近年の温暖化は人間が作り出した温室効果ガスのせいではなく、はるかに長いスパンで観た自然サイクルの一部である可能性があるわけです。 こうした確固たるデータから鑑みても、我々はこの温暖化という現象を、短期的な産業発展の副作用というよりも、生命体としての地球の活動といったより大きな視座から見ていく必要性があるのではないでしょうか。 ◆これ以上の環境規制は「不況による不幸」と「各国のエゴ」を増長させる これに対して、「確かに温暖化の原因はCO2増加以外にあるかもしれないが、不確実性があったとしても、将来に向けて『後悔しない政策』を選択すべきである(12/15朝日新聞)」というご指摘もあるかもしれません。 しかしながら、これ以上の環境規制がもたらすものは、残念ながら世界的不況による不幸の生産か、もしくは更なる自国勝手主義の横行といった極めて好ましくない不公平な未来です。 具体的には、こうした環境規制を健気に尊守すれば、不要な負担感によって経済成長を足止めさせられる一方、罰則が不明瞭な枠組みの中では自国の国益を最優先に考え、ルールを守らない国が続出するはずです。 おそらく日本は、この「温室効果ガスと気温上昇」という相関関係すら怪しい枠組みを、疑いもなく愚直に守ろうとするでありましょう。 まさに社会主義体制によく見られるような「正直者が馬鹿を見るような結末」が待っているように思えて仕方がありません。 ◆真の環境問題解決は日本にしかできない 本来、国際社会において中心テーマとして問題にとりあげるべきは、中国のPM2・5に代表されるような、国際社会を巻き込んで多くの環境被害、健康被害を生み出すような公害問題ではないでしょうか。 この点、戦後の高度成長期、日本は大気や土壌の汚染、水質汚濁に伴う水俣病や四日市ぜんそくといった様々な公害問題に直面し、「このままではいけない」という危機感から日本企業の血の滲むような努力で技術を改良し、自ら解決していった歴史があります。 また、12日同日に合意された日印原子力協定に象徴されますが、公害対策としてはもちろん、百歩譲って「温暖化とCO2増加に相関関係がある」と考えたとしても、世界一の安全性と技術力を誇る日本の原発というクリーンエネルギーこそが、世界の環境問題に対する万能薬になり、「将来に向けて『後悔しない解決策』」になる事は間違いないはずです。 経験的にも、技術的にも日本はどの国にも負けない環境先進国です。 国際社会においても、他の国々に遠慮、追従するのではなく、リーダーシップを取って公害問題、エネルギー問題で苦しむ新興国を実質的に導いていく資格と権利が日本にはあるのです。 参考 『大川隆法政治講演集2009第2巻』――「CO2の濃度が増える前から、温暖化は始まっていた」 『幸福維新』――「不況を促進させるCO2排出削減は大幅な見直しを/CO2による地球温暖化は「仮説」にすぎない」 『地球温暖化は止まらない』シンガー,S.F.著/エイヴァリー,D.T.著/東洋経済新報社 国際競争力を高める畜産政策の実現を! 2015.12.15 文/幸福実現党・鹿児島県本部副代表 HS政経塾 4期生 松澤 力(まつざわ・いさお) ◆法制化が打ち出された「赤字補填制度」 環太平洋パートナーシップ協定(TPP)で、牛肉については現在38.5%の関税がTPP発効時に27.5%に引き下げられ、16年目に9%になるよう段階的に下げることになっています。 仮に米国やオーストラリアなどから牛肉の輸入が急増した場合、関税を引き上げて輸入を抑えるセーフガード措置を設けて対応しますが、16年目以降に4年間発動がなければセーフガードも無くすことになっています。 このため、先月11月25日に政府がまとめたTPP関連政策大綱では、牛肉生産者の赤字を補填する新マルキン事業などの法制化を明記し、2016年の通常国会で成立を目指す方針です。 また、補填割合も現在の8割から9割に引き上げることになっています。 ◆肉用牛肥育経営安定特別対策事業 「新マルキン事業」 肉用牛の肥育経営については、肥育牛(育てた牛)を販売したときの所得が悪化した場合、肉用牛肥育経営安定特別対策事業 (新マルキン事業)への契約者が経営を続けられるように、補填金が契約者に交付されています。 現在の新マルキン事業は、肥育牛1頭あたりの四半期平均粗収益(全国平均)が四半期平均生産費(全国平均)を下回った場合、差額の8割を上限として補填金が契約者に交付されます。 交付金の財源は、生産者の積立金と国からの補助金により、地域基金を造成して交付金に当てています。新マルキン事業は1期3年間で行い、現在、肥育事業者は平成25年度~平成27年度の期間で契約しています。 この新マルキン事業は、当初、平成元年1月~平成3年9月を事業実施の期間として、畜産振興事業団の肉用牛肥育経営安定緊急対策事業(マルキン事業)が措置されたことがスタートになっています。 その後、事業実施期間の延長や事業内容の見直しが行われ、現在の事業につながっています。 ◆構造的に下がらない「牛肉生産コスト」 11月に政府がまとめたTPP関連政策大綱の中で法制化が打ち出された、牛肉生産者の赤字を補填する新マルキン事業について、キヤノングローバル戦略研究所の山下一仁研究主幹は、以下のように述べています。 「枝肉価格が下がって、本来子牛価格が下がるはずなのに、下がらない。子牛農家に利益が生じる。その高い子牛価格で肥育農家のコストが上昇すれば、枝肉価格との差を補てんする。これで肥育農家の経営は安定するが、子牛農家に再生産が可能となる保証基準価格を上回る、不当な高利潤が発生したままとなる。マルキンがあったからこそ、肥育農家は高い子牛価格を支払っているのである。(『週刊農林』第2267号(11月25日))」 つまり、新マルキン事業が継続されていくことが一つの要因となり、構造的に高い子牛価格が維持され、日本の牛肉生産コストが下がりにくくなっています。 現状の新マルキン制度のままで法制化され、継続されていくことは、和牛の国際競争力を高める方向には進んでいかないと考えます。 ◆意欲のある和牛生産者のモチベーションを高める政策へ 肉牛経営への安定化対策については様々な意見が出ています。 新マルキン事業など、現在の経営安定化対策に否定的な意見としては、日本産の牛肉であっても、アメリカなどからの輸入とうもろこしを飼料として作られた肉であれば、食料安全保障にほとんど寄与するものではないという声もあります。 牛肉を1キログラム生産するには、とうもろこしが約11キログラム必要となると言われています。 量がかさばる輸入とうもろこしを高い輸送コストを負担して日本に輸入し、飼料として家畜に投与するよりも、海外で牛肉を生産して日本に輸入する方が遥かに効率的だという考え方もあります。 一方で、肉牛経営への安定化対策を廃止して、日本の肉牛事業が無くなってしまっては、これまで世界的なブランドとして評価されてきた「和牛」が市場から姿を消してしまいます。 今後の肉牛経営安定化対策については、世界に誇る「和牛」という日本の食文化を守るために肉牛経営を守りつつ、意欲のある和牛生産者のモチベーションを高める制度が求められます。 そのため、新マルキン事業などの肉牛経営の「赤字補填対策」は、一定期間内に経営改善が行われた事業者のみに同様の支援を継続することを検討するなど、一律の支援ではなく、事業者の経営努力に応じた支援を行う制度設計が必要だと考えます。 また、畜産としての食料安全保障を図るため、飼料については国産の飼料用米の活用を拡大するなど、日本国内で再生産が可能な体制構築をしていくことも重要です。 畜産経営経済研究会の小林信一氏の試算では、飼料用米の需要について、鶏と豚はトウモロコシと全量代替が可能であり、牛についても濃厚飼料の4割は代替可能とされており、家畜全体で1,200万トンもの潜在需要があるとみられています。 飼料用米の生産量は平成27年度産で約42万トンとなっているため、さらなる増産が求められます。 今回は、主に牛肉生産の経営安定対策の在り方について書かせていただきました。日本の国際競争力を高める畜産政策の実現に向けて、今後もさらに努力して参ります。 ノーベル賞受賞者・梶田氏にみる理想の「科学者像」 2015.12.12 文/幸福実現党・政務調査会 佐々木勝浩 ◆ノーベル賞の授賞式 ノーベル賞の授賞式が日本時間の11日、スウェーデンのストックホルムで開かれ、物理学賞の梶田隆章氏と生理学・医学賞の大村智氏にメダルと賞状が贈られました。 大村氏は「言葉にならないくらい感動した」、梶田氏は「無事に終わってよかった」と満面の笑みで語る姿が報道されています。あらためておめでとうございます! ノーベル賞受賞者・大村氏にみる理想の「科学者像」 http://hrp-newsfile.jp/2015/2442/ 大村氏の研究の特徴は、『社会に実用的な研究』でした。それに対して梶田氏の研究は、『宇宙の解明』です。 ◆宇宙の解明につながる研究 梶田氏の今回のノーベル賞は、素粒子ニュートリノに質量があることを解明し、物理理論の新たな手掛かりや宇宙の誕生、星の進化に迫る糸口を与えました。 宇宙の質量の大半を占めるものは、正体のわからない暗黒物質や暗黒エネルギーですが、現在の理論で説明できる物質は約5%に過ぎません。宇宙の誕生時には物質と反物質が同量あったはずですが、反物質がどこに消えたのかは不明です。(日経10/7) その解決の糸口になるのが、今回の梶田氏が受賞したニュートリノの研究にあると言われています。 梶田氏は、ノーベル賞の知らせを受けた直後、受賞の意義について「人類の知の地平線を拡大するような研究(基礎研究)。すぐに役立つものではないが、それが認められてうれしい」と述べています。 梶田氏の研究は、言わば「神がつくられた世界の探究」という壮大なものです。 ◆「基礎研究」の重要さ 「基礎研究」とは、基本原理を解明する研究です。探究テーマは研究者の知識欲や好奇心によるもので、大村氏のように、すぐに商業的な利益を生み出すものではありません。 しかし長期的には、その基礎研究から革命的な科学技術につながるイノベーションが生まれる可能性があります。 梶田氏の研究は、もしかしたら、将来、人類が遠く宇宙を航行する原理の発見にもつながるかもしれません。 ◆基礎研究には国家的なプロジェクトが必要 梶田氏のノーベル賞は、世界最高性能を誇る素粒子観測施設「スーパーカミオカンデ」の導入があったからです。 大がかりな科学的実験や観測を実現しようとすると、国家レベルの大事業となり、地方公共団体や企業と提携してプロジェクトを組まなくてはなりません。 政府としても、このような基礎研究を支えるには、大学や国家的な組織による研究チームと莫大な投資が必要になります。国家の理解がなければ、科学の発展はありえません。 民主党政権のように、スーパーコンピュータのような「発展のための投資」を「ムダ使い」として、事業仕分けしてしまえば、科学の発展の芽を摘むことになります。 ◆研究者にも必要な「企業家精神」 観測施設「スーパーカミオカンデ」の建設に尽力したのは、東京大総長だった有馬朗人氏でした。 国や政治家に基礎研究の大切さを訴え、麻生太郎元首相に「この装置ができたらノーベル賞が2回ぐらい取れる」と説得し、数十億円の予算獲得につなげました。(産経10/9) このように科学者は、プランを説明し、これが10年後、20年後、どれほど大きな国の富、世界の富となるかをプレゼンできる能力が必要です。 ◆研究を率いる強いリーダーシップ さて梶田氏のノーベル賞受賞は、2002年の小柴昌俊氏のノーベル賞受賞から始まり、やはりノーベル賞受賞候補だった戸塚洋一氏が梶田氏へ研究をつなぎ、子弟3代の苦労が生んだ受賞でした。 梶田氏の恩師であった戸塚氏は2000年、大腸がんの手術を受けましたが、その一年後、スーパーカミオカンデのセンサーが破損する事故が発生しました。 この試練の中、「鬼軍曹」を自称する戸塚氏は落胆するチームメンバーを励まし、事故の翌日には、「一年以内に実験を再開する」と宣言。陣頭指揮をとって10ケ月で一部観測の再開を実現しました。 その後も病気の身で現場に入り、政府関係者に次の実験の必要性を訴えたのです。梶田氏は、戸塚氏のリーダーシップがなければ再開は実現しなかったと語っています。 戸塚氏は、7年前に亡くなられましたが、ご存命であれば、間違いなく梶田氏とともにノーベル賞を受賞していたことでしょう。 このように戸塚氏のような研究を実現していくためには、強いリーダーシップを持った理系人材が必要なのです。 以上、日本から優秀なノーベル賞につながるような理科系人材を輩出するには、「企業家精神」を持ち、研究を強力に導く「リーダーシップ」が欠かせません。 最後に、大村氏と梶田氏には、たくさんの共通点がありますが、素晴らしいところは、中でも自分を育ててくれた恩師への感謝、そして研究チームメンバーへの感謝を忘れていないところです。 それがあるからこそ、大村氏や梶田氏を支える人材が集まるのでしょう。お二人は、次の科学者を輩出すべく、若い研究者の育成に情熱を持たれている点も共通しています。 政治家も科学への関心を持ち、未来の発展を導く科学者を輩出するために支援していかなければなりません。 参考 『「未来産業学」とは何か』大川隆法著/幸福の科学出版 大人のための教科書にさよならを! 2015.12.11 文/幸福実現党 兵庫県本部副代表 みなと侑子 ◆三省堂の謝礼金問題 三省堂が検定申請中の教科書を教員に見せる名目で「編集会議」を開き、参加した校長らに謝礼金5万円を支払っていたことが明らかになりました。 同社は2009~2014年の間で計7回開催。新たに参入する小学校の国語、中学の国語と英語の教科書を見せていました。 参加したのは、東京や大阪をはじめとする26都府県の公立小中の校長や教頭ら53人でした。この会議では、懇親会・二次会が行われており、参加者は都内のホテルに宿泊していました。 謝礼金に加え、交通費や懇親会費・宿泊費などすべてを三省堂側が負担していたようです。 2014年の教科書検定の際、この会議に参加した小中学校の校長ら11人中5人が地元での採択に関わりました。教科書委員会が教科書を選ぶ際に助言する「調査員」になっていたのです。 文科省や業界団体の規則で、検定中の教科書の外部閲覧や過度な営業活動は禁じられています。 今後、教科書採択に関わった教員の地域で三省堂の教科書が使われているかの調査が行われます。教員の利己的な都合によって選ばれた教科書を使うのは生徒たちです。 モラルの低い教員と、利益第一主義の教科書作成会社が作り出す罪は大きいのだと知ってもらいたいと思います。 ◆育鵬社の教科書採択への嫌がらせ 一方で教科書採択の際に、偏った思想を持つ人たちによる妨害活動を経験しているのが育鵬社の教科書です。 神奈川県横浜市において、歴史・公民が育鵬社に決定した瞬間、傍聴席からは「えー」という声が上がり騒然とした雰囲気に。納得出来ない人たちが早速街宣活動をしていました。 4年前にはじめて育鵬社が採用された時は、反対派は扉を蹴飛ばしたりして暴れたり、傍聴席を求めて集まった約400人はほとんどがグループで、教職員団体などが多かったのです。 また大阪府東大阪市では、育鵬社に決定した瞬間、傍聴席から反対の声が上がり、止まらないヤジに委員長が退席を促しました。 翌月の委員会でも抗議のプラカードが複数掲げられ、警察が出動する事態となったのです。 育鵬社の教科書を選択肢に入れると妨害活動や採択を邪魔される可能性があるため選択肢から外した自治体がある可能性も高いと「Are You Happy?」は指摘しています。 参考:Are You Happy?1月号『THE REPORT』 「日本がもっと好きになる」育鵬社の教科書のシェアがアップ ! https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=1596 確かに聞いた話では、兵庫県のある市の教科書展示会ではそもそも育鵬社の教科書自体を展示していなかったそうです。 左翼勢力が強い地域であったためか、トラブルを避けるためか真相は分かりませんが、一部の考えで勝手に教科書を選別してよい訳がないのです。 ◆生徒に夢と希望を与える教科書を このような事件を聞くと、教科書は一体誰のためのものなのか?という素朴な疑問が湧いてきます。 もちろん、教科書は生徒たちのためのものです。 教科書には、今まで知らなかった世界、宇宙の秘密、あったことのない人たちの歴史など、空間や時間を超えて様々な情報が詰まっています。 これらが生徒の認識を広げ、新しい世界を教えてくれます。その延長に夢や希望を見つける生徒も出てくるでしょう。 教科書は彼らが社会に繋がっていくため、未来を創っていくための重要なツールであり原動力なのです。その教科書が大人の利益の対象になったり、偏った思想を持つ人の道具にされることは絶対に許されることではありません。 また、過去に出された自虐談話は、河野・村山談話だけではありません。 日本が、「中国・韓国に過去に重大な損害を与えたことの責任を痛感し、深く反省している」という趣旨を歴史教科書の内容に十分反映するように配慮すべしとした宮澤談話も存在しています。 この歴史認識は大きく間違っている上に、自国の教科書に自虐史観を入れた場合、国民は自信を失い、国力が衰退することはすでに歴史によって証明されています。 未来を拓くためにはどのような教科書が必要なのか、私たちは本気で考えていかなければなりません。大人に利用され続けてきた教科書には、さよならを言いたいと思います。 マイナンバーという人権問題 2015.12.10 文/幸福実現党青年局部長 兼 HS政経塾部長 幸福実現党東京都第9選挙区支部長 吉井としみつ ◆完了しつつあるマイナンバー通知カードの配達 マイナンバー通知カードの配送が完了しつつあります。日本郵便の、8日の発表によると、全体の約87%に当たる、約4960万通の通知カードの受け取りが完了しているそうです。 ちなみに、受け取られていないマイナンバー通知カードは、約725万通で、その内、不在や住所地にいないなどの理由で自治体に保管先が移った分が約469万通あるそうです。 [参照]:日本郵便HP: http://www.post.japanpost.jp/notification/productinformation/2015/1208_01.html 12月20日には郵送を完了予定としていますが、実際に住民の手に、マイナンバー通知カードが届くのには、さらに時間がかかりそうです。 ◆個人番号カードの申請・取得は義務ではない 届いたマイナンバー通知カードの下には、個人番号カード交付申請書が付いています(「個人番号」のことを「マイナンバー」と言っています)。 行政側としては、個人番号カードの申請を推奨していることもあり、「個人番号カードの申請は、しなくてはいけないんですか?」という、不安混じりの質問を多くいただきますが、これは義務ではありません。 個人番号カードがなくても、マイナンバー通知カードと身分証明書があれば、必要なことはできますので、個人番号カードを作成したくない場合は、「作らない」という選択もできます。 ◆マイナンバー制度は何が問題? 現状では、来年2016年1月からは、税金関係と雇用保険関係の処理にしかマイナンバーは利用されません。そして、社会保障の分野で使用されるのは、2017年からとなります。 では何が問題かというと、マイナンバー制度の最大の懸念点は、利用が公的分野に限られる既存の「住基カード」と異なり、金融機関など民間にも拡大する可能性があることです。 そして、情報が漏えいしたら、情報を管理する事業者への罰則規定はありますが、漏えいした情報については、どうしようもないということです。 [参照]:マイナンバーの「のぞき」政策化に歯止めを http://hrp-newsfile.jp/2015/2459/ ◆特に怖い!口座番号とマイナンバーの結びつき 任意ではあるものの、予定通り2018年に預貯金口座にマイナンバーが結び付けられると、財布の中身の使い道、さらに資産の詳細な把握ができるようになります。 財産の詳細な把握を政府がすることで、「財源が足りないので、資産に課税しよう」ということになりかねません。 「そんなこと、ありえない」と思うかもしれませんが、実際に、資産課税を政策として考えている兆候があるのです。 例えば、現在の経済財政諮問会議のメンバーとして、安倍政府の経済政策に携わっている、伊藤元重・東京大学大学院教授は、政治的ハードルは高いとしつつも次のように発言しています。 「日本では所得に比べて金融資産が増えているので、将来の財政問題を考えると、所得ではなく、資産に課税するという方法もある。」 [参照]マイナンバーで金融資産課税も俎上に: http://jp.reuters.com/article/iot-itoh-idJPKBN0NE0BQ20150423?pageNumber=1 消費税を導入して以来、税率を3%から8%に上げたものの、財政赤字は10倍に膨れ上がっていますが、いつもの「財源が足りない」という「いつもの」理由で、資産課税を導入する動きがいつ出てこないとも限りません。 ◆これも怖い!健康保険証とマイナンバーの結びつき さらに、健康保険証とマイナンバーの結びつきも議論されています。 推進側は、「特定健診の結果」や、薬の処方を把握して、医療費の削減につながるという意見がありますが、病歴などのデリケートな個人情報が漏えいするリスクについては、何も説明していません。 日本医師会も、プライバシーの観点から医療情報のマイナンバー利用には反対しています。 ◆海外の教訓を生かしていない? 既に海外では、様々な失敗事例があります。 アメリカでは、マイナンバーにあたる制度として、社会保障番号を導入していますが、なりすまし被害が多発しており、これまでの被害総額は数兆円を超えています。 使用履歴のない子供の社会保障番号は、不正利用の標的となりやすく、未成年者の社会保障番号に関連する被害は、毎年14万件あります。 例えば、11歳の時から社会保障番号が不正利用されて、13歳になってクレジットカードに多額の請求がきたというケースなど、様々な被害が出ています。さらに困ったことに、被害を受けても、証拠を示すのが難しく、なかなか裁判に持ち込むことも難しい状況のようです。 [参照]Targeting children: the young victims of identity theft http://www.wthr.com/story/16690002/targeting-children-the-young-victims-of-identity-theft その他にも、イギリスでは2008年に始まった、顔写真付きの個人番号カードをわずか2年で廃止しています。 つまり、世界の趨勢としても、マイナンバーから銀行口座やクレジットカードの作成にまで広がる方式(フラット方式)を見直す動きが広がっているにもかかわらず、その教訓を踏まえずに、失敗した方式に自ら飛び込んでいるともいえます。しかも、そのために3000億円以上の税金が使われようとしています。 ◆マイナンバーの拡大は、人権問題につながる 以上のことを踏まえると、マイナンバーの使用範囲の拡大は、国民生活を監視する「のぞき見」政策にほかならず、個人のプライバシーを侵す「人権問題」になりかねない危険な政策です。 そのため、幸福実現党は、「マイナンバー制度の廃止を含めた抜本的見直しを求める署名」を開始しました。 マイナンバー制度の廃止を含めた抜本的見直しを求める署名 http://info.hr-party.jp/2015/5007/ マイナンバー制度を、不安に思うお声を幅広くお伺いし、人間の尊厳を守る国民運動として盛り上げていければと存じます。 マイナンバーの使用範囲の拡大は、人権問題にかかわります。自由で闊達な社会を守るためにも、現行のマイナンバー制度は、抜本的に見直すべきです。 愛してるから、黙ってられない。 だから、ノー!マイナンバー。 習近平は、毛沢東が「親日」だったことを知っているか【後編】 2015.12.09 文/幸福実現党・政務調査会チーフ 小鮒将人 ◆毛沢東が持っていた「歴史認識」 今回は、書籍「毛沢東」(遠藤誉著/新潮新書)より、毛沢東の「歴史認識」が現在の中国や韓国の指導者と全く異なることを幾つかの事例を通じて、お伝えいたします。 (1) 1956年9月、元日本陸軍の遠藤三郎元陸軍中将が、北京で毛沢東と会談した際に、以下のような言葉を述べたことが書籍「廖承志と日本」に記録されています。 「日本の軍閥がわれわれ(中国に)進攻してきたことに感謝する。さもなかったらわれわれは今まだ、北京に到達していませんよ。」 (2) 1961年1月、社会党の国会議員との対談でも、以下のような言葉を語っています。(「毛沢東外交文選」より) 南郷三郎氏と会ったとき、(南郷氏が)「日本は中国を侵略しました。お詫びのしようもない」と言いました。 私(毛沢東)は「あなたたちは、そういう見方をすべきではない。日本の軍閥が中国のほとんどを占領したからこそ、中国人民を教育できたのです。さもなかったら、中国人民は覚悟を抱き団結することができなかった。」 「そうなれば私は今もまだ山の上にいて、北京で京劇を観ることなどできなかったでしょう。(中略)もし、感謝という言葉を使うなら、私はむしろ日本の軍閥にこそ感謝したのです。」 さらに、1964年、社会党の訪中時にも、ひたすら謝罪の言葉を重ねる社会党議員に対して、毛沢東は同様に、日本軍への「感謝」を表明しているのです。 ◆「南京大虐殺」について一度も触れた事がない さて、「毛沢東」(遠藤誉著/新潮新書)では、毛沢東と「南京大虐殺」についての関連についても触れています。実は、毛沢東は、一度も「大虐殺」に触れたことがないのです。 「少なくとも毛沢東は新中国が誕生した後、そして彼が生きていた間、ほぼひとことも『南京大虐殺』に関して触れたことがない。教科書でもほとんど教えたことがないし、何か人民に向けたスピーチなどで取り上げたこともない。」 「毛沢東」を尊敬し、見習っている習近平氏は、ぜひこの部分に注目していただきたい。 プロパガンダのプロでもあった毛沢東が全く触れなかったというのは、実際に起こっていなかったからです。 その説を裏付けるデータがここに掲載されていました。 中国共産党の機関紙「人民日報」に「南京大虐殺」という言葉が何回でてきたのか、実際に調査した方が香港に居たそうです。その結果、 1946年~1960年 21回 1961年~1982年 0回 1982年~2105年 835回 1946年の第1期に掲載されたのは、東京裁判のテーマになったからであろうと推測されます。 しかし1982年以降の数字は常軌を逸しており、やはり何らかの政治的な意図があったものと推測せざるを得ません。 その「南京大虐殺」を大々的に宣伝したのが江沢民です。 ◆江沢民の父は親日政権の元宣伝部長 江沢民はなぜ、これほどまでに反日の姿勢をつくろうとしたのでしょうか。 一つの説得力のある話として、彼の父親が大東亜戦争当時の汪兆銘政権で宣伝部長を行っていたということが大きいと言われています。 汪兆銘政権は毛沢東、蒋介石とは異なり、親日政権として東條英機首相が主導した大東亜会議にも中国代表として参加しました。 江沢民氏はそうした親日のレッテルが自らの政治生命を危うくするものだと感じたのかもしれません。いずれにしても、結果として、江沢民の時代から異常な反日教育が始まっているのです。 ◆習近平は、ユネスコ遺産登録を速やかに取り消すべし 毛沢東は、明確に「南京大虐殺」に触れたことは一度もありませんでした。 彼は、表向きだけでも日本軍と戦った当事者で、本来、彼こそが民族の悲劇に対して主張すべき立場にいた人間であります。 現在、「毛沢東主義」を掲げ、国家の近代化を遅らせようとしている習近平国家主席には、以上のような事実をしっかり認識し、南京大虐殺について述べたことがない毛沢東を見習って、ユネスコ世界記憶遺産の登録取り消しを速やかに行うことを勧める次第です。 参考図書:「毛沢東」遠藤誉著/新潮新書 あきらめてはいけない!日本の核燃料サイクルの実現 2015.12.08 幸福実現党神奈川県本部副代表/HS政経塾第4期生 壹岐愛子 ◆もんじゅ勧告を受け、核燃料サイクルが正念場 高速増殖炉「もんじゅ」でナトリウム漏れ事故が起きてから8日で20年となりました。 先月には原子力規制委員会から運営主体の変更を求める異例の勧告が出されており、文部科学省は今月中に検討会議を作るとしていますが、新たな運営主体を見つけることができなければ、もんじゅは廃炉を含めて抜本的な見直しを迫られることになります。 まさに今、もんじゅを中心とした日本の「核燃料サイクル事業」は正念場に立たされております。 ◆日本外交力で勝ち取った現在の日米原子力協定 「核燃料サイクル事業」とは、発電し原子炉から出た使用済み核燃料を再処理して、核燃料として再使用できるようにすることです。 これまで日本は、余剰プルトニウムをもたないということを前提に「核燃料サイクル事業」が進められてきました。しかし、再処理技術を用いて、核燃料サイクルを回すことができる権利があることは、世界では当たり前ではありません。 1988年、日本はアメリカに再三の交渉を行い、日米原子力協定で包括的な同意を勝ち取っております。 敗戦国として軍事力を封じ込められてきた日本に対して、核兵器の開発に転用される可能性が否定できない技術をアメリカが認めたことは重大な出来事でした。 ◆韓国が羨む日本の再処理技術 この日米新原子力協定は、1988年に発効し、30年の有効期間となっており、あと3年で2018年の満了にあたります。核保有国以外にこの再処理技術の許可が認められた国はこれまでありませんでした。 しかし、今年の4月、アメリカと韓国の原子力協定が42年ぶりに改定され、韓国によるウラン濃縮などを事実上禁止していたのを一部緩和し、研究開発による再処理技術を認めております。 韓国は改定に渡り4年以上アメリカに交渉をしておりました。韓国は世界5位の原発強国にもかかわらず、日本のような再処理の実用化は認められておりません。 今、日本が「核燃料サイクル事業」から撤退することは、再処理技術をもっていない国よりも優位な立場をみすみす手放すということとなります。 ◆核燃料サイクル実現が日本を守る力となる 日本では、廃炉に追い込まれる危機にある高速増殖炉ですが、急ピッチで高速増殖炉の開発を進めている国があります。ロシアと中国です。 ロシアでは2014年6月に実証炉が稼働し、初臨界に達し、2025年に商用炉化を目指しています。中国も2025年から実証炉を導入し2030年商用炉導入予定です。 こうした、自国の力を強めたい大国の原子力技術が高まる中において、「プルトニウムを再利用できる技術をもっている」という抑止力につながる技術を途絶えさせることは、安全保障の観点からみて、致命的な選択です。 「もんじゅ」をエネルギー計画から外すことは国家の根幹を揺るがすことになります。最先端科学の原子力開発はその国の科学技術レベルの象徴です。 資源が途絶える危険に瀕し、大東亜戦争に突入していった日本にとって、自国のエネルギーを自国で賄えるチャンスをもっているもんじゅを維持し、「核燃料サイクル事業」を確立していくことは国の発展と繁栄のために絶対に存続すべき道です。 習近平は、毛沢東が「親日」だったことを知っているか【前編】 2015.12.05 文/幸福実現党・政務調査会チーフ 小鮒将人 ◆書籍「毛沢東」出版の衝撃 2015年11月、遠藤誉著「毛沢東」(新潮新書)が出版されました。 著者は、1941年(昭和16年)中国吉林省長春(元満州国新京市)生まれ、国共内戦を経験し、1953年日本に帰国、現在は、東京で大学の教鞭をとっており、自らの経験を数冊の書籍にまとめています。 この書籍の中では、中華人民共和国建国の父である毛沢東について、我々日本人があまり知る事のない事実が記載されています。 一部は、著者の推測があるものの、筋を立てて確認すると、非常に説得力があり、日中双方にとって衝撃的な内容です。 今回は、その書籍で日本との関わりについて重要な部分についてお伝えいたします。 ◆明治維新へのあこがれが強かった 毛沢東は、清朝西太后の時代、1893(明治26)年、富裕な農家に生まれました。 当時、清は、欧米の帝国主義によって、その広大な領土が蚕食されつつあり、国家の危機の時代でした。 毛沢東は、幼少時から強い学問への情熱を持ち、様々な書籍を読み漁るうちに、この危機を乗り越えるためには、日本の明治維新の「富国強兵」を手本にすべし、と強く感じました。 たとえば、故郷を離れる際に父親に送った漢詩は西郷隆盛の逸話に関するものでありました。 また、宮崎滔天が湖南省に演説に来たときにも、その演説に感激、さらに日本への尊敬の念を強めたと言われています。 ◆中国共産党の立党から大東亜戦争まで さて、この書籍では、毛沢東及び中国共産党の党史が分かりやすく記載されています。 実は、ソ連(コミンテルン)は、マルクス理論に基づき、「労働者による革命」を欧州で実現しようと画策しますが失敗に終わり、その矛先を中国に集中的に絞りました。 中国共産党は1921年に立党しますが、これはコミンテルンのおぜん立てによるもので、実際のところ、ソ連の傀儡でした。 当時、清朝を倒した孫文の国民党とは天地ほどの差があり、政治勢力として対抗できる力は全くありませんでした。 そこで、ソ連(コミンテルン)は「やどかり理論」と称して「国民党との共同歩調(国共合作)」を指示しました。 孫文の考えは共産革命の理論とは正反対で、共産党は当初、全く相手にされませんでしたが、ソ連が国民党に協力することを伝えることで、最終的に合意しました。 しかし、共産党がその勢力を拡大し、力を付けてくると、国民党から分離し、独自の「国家(中華ソビエト共和国)」を建設し、国共内戦が始まります。 当時は国民党が圧倒的に有利であったために、毛沢東はただ逃げるしか方法がありませんでしたが、ここで「救い」がやってきます。日本軍との戦いが始まったのです。 「盧溝橋事件」がきっかけとなり、日中間の戦争が始まりますが、実際はコミンテルンの謀略だったという説も根強くありますが、いずれにしても、「中国」は日本との戦争がはじまり、再び「国共合作」によって、毛沢東と蒋介石は手を組むことになります。 しかし、毛沢東は原則、日本軍との戦いを厳禁します。それは、国民党と日本とを戦わせることで、国民党軍を消耗させるためであったのです。 やがて米国も対日参戦し、大東亜戦争の開始という状況になりましたが、こと中国国内に焦点を当てると、実態は「日本軍と国民党軍」との戦いでした。 共産党側は高みの見物という図式で、終戦まで共産党は、徹底して日本軍との戦いを避けました。 ◆日本陸軍の将官を北京に招く 大東亜戦争終了後、再び国共内戦が始まります。その中で、毛沢東、蒋介石双方が、日本陸軍の力を活用したいとの思惑がありました。 書籍「毛沢東」では、元支那派遣軍総司令官の岡村寧次大将を特に毛沢東が、熱烈に待ち望んでいる様子が描かれています。 岡村大将は、大東亜戦争の「大陸打通作戦」で、中国(国民党)軍を徹底的に破った名将でした。 彼は、終戦後、蒋介石の演説に感動して、記憶後「白団」を組織し、台湾の大陸奪還の助力をします。 毛沢東には、彼の力が無視しがたいほど大きなことを認め、突如数回にわたり、「旧日本陸軍の軍人」を北京に招きます。 実は、本音として招きたかったのは、岡村大将でした。しかし彼は、蒋介石に強い恩義を感じていたため、北京政府に詣でるようなことは決してしませんでした。 しかし、こうしてみる限り、毛沢東率いる「中華人民共和国」は、一貫してそのターゲットを「中華民国」に定めており、おそらく日本軍との大規模な会戦を戦ったことはほとんどなかったことが伺えます。 現在の「中華人民共和国」の習近平主席にはこうした歴史認識を持っていただきたいものです。 すべてを表示する « Previous 1 … 102 103 104 105 106 … 253 Next »