Home/ 2014年 2014年 今こそ「未来創造」のためのイノベーション促進を! 2014.08.04 文/HS政経塾四期生 西邑拓真 ◆なぜ、経済に「イノベーション」が求められるのか 安倍首相は5月、科学技術・イノベーション政策の推進を行う「総合科学技術会議」の名称を「総合科学技術・イノベーション会議」に改めました。 それにより、研究の振興と共に、新産業を生み出す政策づくりにまで守備範囲を広げ、同会議が予算配分権を持つ新たな研究事業も開始しました。このことより、安倍政権の「イノベーション立国の実現」に対する強い意気込みを感じることができます。 では、そもそもなぜ、経済に「イノベーション」が必要なのでしょうか。 日本は、バブル崩壊以降、「失われた20年」によってGDPの水準がほぼ横ばいで推移しており、中国にGDP第2位の立場を明け渡しています。日本には、国家として今一度立ち上がり、高度経済成長を実現していくための「起爆剤」が必要となっています。 経済学では、長期の経済成長の重要な決定要因は、技術進歩と労働生産性であるとされています。ドラッカーは『断絶の時代』の中で、「生産性の向上をもたらした新産業や新技術は、知識に基盤を置いていた」と述べています。 すなわち、新結合により生まれる、「未来創造の種」とも言える「知識」や「智慧」が、技術進歩そのものや、生産性の拡大を促し、長期の経済成長に、大きな影響を与えるわけです。 長期にわたる停滞の打破、経済大国としての立場の回復、さらにはGDP世界一の実現を可能にさせる要素こそ、イノベーションです。日本は、イノベーションを通じ、長期の経済成長を実現することができるわけです。 ◆イノベーションを行うプレイヤーは誰か それでは、イノベーションを行うプレイヤーとは誰でしょうか。 シュンペーターは、『経済発展の理論』において、「企業者と呼ぶものは、新結合の遂行をみずからの機能とし、その遂行に当って能動的要素となるような経済主体のことである」と述べています。 つまり、「企業家」が、新結合によるイノベーションを通じ、世の中に新しい価値を創造する主体なのです。日本がイノベーション立国化していく際には、この「企業家」が多数輩出される必要があるわけです。 ◆イノベーション促進のための国の役割とは何か イノベーション促進のための、国の役割について、二点取り上げることができます。 一つは、「国民に企業家精神を醸成させるための企業家教育を、国として積極的に推進すること」、もう一つは、「企業家がイノベーションしやすい環境を整備すること」です。ここでは、紙幅の関係により、後者のみ取り上げます。 イノベーションの一つである研究開発は、基礎研究、応用研究、開発研究の三段階に分けることができます。企業は、研究開発コストを回収しやすい応用・開発研究を重点的に行う傾向にあります。 一方、公益性が高く、応用・開発の土台となる基礎研究への投資は、民間企業のみに委ねた場合、社会的にみて過小なレベルに留まります。 したがって、国が重点的に基礎研究への投資を行う必要があるわけです。そして、国による基礎研究の充実が、民間レベルでの研究開発を促進させると考えることができます。 このように、国の積極的な基礎研究への関与を通じ、国・民間部門間の研究開発に関する「社会的分業体制」が構築されることは、イノベーション立国の推進のためには、必要不可欠と言えます。 ◆ナショナル・イノベーション・システム 現在、経済の国際化が進む中、イノベーションに関する競争が激しさを増しています。それに従い、競争を勝ち抜くために企業が負担するイノベーション費用も、増加の一途を辿っています。 そこで、近年、「企業の研究開発資源を企業内部のみに求める」とする「クローズド・イノベーション(closed innovation)」から「企業内部と外部のアイデアを有機的に結合させ、価値を創造するための体系」である「オープン・イノベーション(open innovation)」への移行の重要性が指摘されています(Chesbrough, 2004, “Open Innovation”参照)。 つまり民間企業同士、あるいは民間と政府・大学部門とのイノベーションに関する連携が望ましいというわけです。 国におけるイノベーションの産・官・学により形成される体系は、「ナショナル・イノベーション・システム(NSI; national systems of innovation)」と言われています。2月の「総合科学技術会議」の場でも、その重要性が指摘されたように、NSIの最適な構築は、日本の喫緊の課題の一つとなっています。 ◆新産業の創出と国の役割 NSIの方向性、つまり、「国がどのような方向でイノベーション立国を推進していくのか」ということについては、市場の中で自生的に選択されていく「自生的選択」と、公的部門による「制度的選択」があります(Dosi, 1982, “Technological paradigms and technological trajectories” 参照)。 後者については、公的研究機関が担う基礎研究が、NSIのベースとなることから、国が主導的に行う基礎研究が、NSIの方向性を決定づけると述べることができます(OECD, 1997, “National Innovation System”参照)。 それを踏まえ、国は、どのような方向性を持ったNSIを構築すべきなのでしょうか。 「国家経営」の観点からも、それは「日本の国益に適うもの」であり、未来における日本の経済繁栄を「創造」するものであることを前提条件とする必要があります。それを考慮すれば、日本は、宇宙産業・防衛産業・ロボット産業を推進することが望ましいと考えます。 今こそ、日本は、超経済大国の実現を可能とする、「未来創造」のためのイノベーション政策の推進を考えるときです。 戦後の自虐史観を創った米国の情報操作 2014.08.03 文/幸福実現党 政務調査会チーフ 小鮒将人 ◆「日本の復活」を心の底から恐れた欧米諸国 大東亜戦争は、最終的に日本が敗北しましたが、欧米諸国も大きな打撃を受け、日本軍の強さは、彼らにとって大きな脅威となりました。 真珠湾攻撃は、米国のルーズベルト大統領があらかじめ知っていたという説が有力ですが、日本の攻撃がすさまじく、大統領は最後まで山本五十六長官を許さなかったといわれています。 また、硫黄島の戦いでは米軍の兵力11万人の中で、死傷者が2万8千人に上り、予想以上の被害となりました。 そして、ゼロ戦などの「特攻」によって、米海軍も甚大な被害を受けました。 さらに、英国では、国の誇りでもあった最新鋭艦「プリンス・オブ・ウェールズ」が日本航空機の攻撃だけで撃沈し、チャーチル首相も「大戦の中で最も衝撃を受けた事」と著書に記載しています。 当時のインドの方々には、この事件は大きな衝撃を与え、独立するための主要な動機になったとも言われています。 このような戦争の初期、日本は欧米に対して徹底的な勝利をおさめ、アジアの植民地支配を実質的に終了させた事は、欧米にとっては、全く予想ができない事でした。 そのため、連合国側は戦後、日本が再び立ち上がることを心の底から恐れを持ち、そしてそれが現在にまで続いています。その恐れが、米国の占領下における徹底的な情報操作につながる事となりました。 現在は、重要な同盟国として東アジアの安全保障を担っている日米両国ですが、残念ながら、当時はあまり相互の理解がありませんでした。 私たちが言う「自虐史観」とは、一つには、米国やソ連、中国などが、戦後、日本の国力をそぎおとし、自国の国益の脅威とはならないことを意図して行われたものなのです。 ◆「ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム」――日本人への洗脳工作 米国で、以上のような意図のもとに進められたのが「ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム」と言われるものです。 実は終戦直後、日本人には、自虐史観の考えは全くありませんでした。1945年10月のGHQ月報では「日本人の間に、道徳的過失の感情はほとんどなかった。敗れたのは、単に産業と科学の劣性と原爆のゆえであるという信念がいきわたっていた」と記載されています。 そのために、米国の宣伝のプロたちが集まって、徹底的な議論の末に、具体的な「プログラム」を作成して、日本人の意識を自虐的に変える事を実行していったのです。 「ギルト」とは、「罪」と訳すことができるように、日本の「軍部」が国民の声を無視してアジアを侵略した、という「罪」を徹底して問うものであります。そこには、人種差別的な考えもあったのかもしれません。 さて、この「プログラム」を進めるに当たり、当時の占領軍ダイク民間情報局長が、その目的を記載したメモを見ると、より具体的に米側の考えが分かります。 1、日本人戦犯を処罰することは、倫理的に正当であり、日本の再建と世界の安全に必要であることを示す。 2、日本国民にも「軍国主義」を許した責任がある事を示す。 3、日本の経済界、教育者などにも戦争の責任がある事を示す。 4、戦犯は、「公正」かつ「開かれた」裁判を受ける。 5、日本国民に戦争犯罪及び、戦犯について議論させるように仕向ける。 ◆その具体的な内容 これらの考えに基づき、占領軍のもとで、東京裁判が行われることになり、多くの軍・政府関係者が「戦犯」として逮捕され、「裁判」を受け、「処罰」を受けました。 その他、書籍「太平洋戦争史」やラジオ番組「真相はこうだ」などを代表とする発信によって、日本の軍隊による「南京大虐殺」などのねつ造された歴史観がマスコミを中心に、広がっていきました。 さらには、新聞や書籍については、占領軍による徹底的な検閲が行われ、戦争での大義であった「アジアの解放」や「愛国心」「神道への尊崇の念」などについては、すべて削除されたほか、発行停止処分も行われました。 映画などにも検閲が行われ、「敵討ち」をテーマとした「忠臣蔵」などは上映が禁止されていたという事もありました。 それらのねつ造された事柄は、あたかも「真実」として、いかに日本軍が残虐な軍隊であり、恥ずべき事を行ってきたのかという事で、愛国心が薄れ、逆に国家に対する憎しみが増すように操作されていきました。 また、米国に対しては、一貫して「民主主義をもたらした」「男女平等を進めた」「暗い社会から明るい社会へ導いた」、というイメージを徹底的に刷り込んでいきました。 その結果、欧米の軍隊を蹴散らし、アジア諸国を植民地から解放したという日本の偉業については、完全に否定されることになりました。 そうして形つくられた、誤った歴史観が、現在に至るまで多くの日本人が持っているのです。 ◆米中の洗脳から日本人としての誇りを取り戻そう 今、幸福実現党は「日本の誇りを取り戻す」活動を行っています。その一環として「南京大虐殺」についてはねつ造であり、中国政府によるユネスコ記憶遺産申請は許してはならない事であることを訴え、署名活動を行っています。 今、必要なのは、私たち日本人が本来持っていた「愛国心」や「武士道精神」を取り戻す事です。そうした意味で、私たちの活動は、単なる団体としての利益ではなく、日本にとって大切なものであります。 もし、私たちが黙ったままでいると、戦争で生命をかけて日本のために尽くした英霊に対して顔向けができません。また、現在の国際社会の中で、日本は、誤解を受けたままになってしまい、今後の国益を大きく損ねる結果になり、繁栄の道が閉ざされたままになってしまいます。 私たちの活動にご理解をいただき、ぜひ、署名活動へのご協力をお願いする次第です。 ※中国による「南京大虐殺」「従軍慰安婦」のユネスコ記憶遺産への申請に抗議し、 日本政府に万全の措置を求める署名 http://info.hr-party.jp/2014/3159/ 日本の安全保障と集団的自衛権【後篇】 2014.08.02 文/幸福実現党 総務会長兼出版局長 矢内筆勝 ◆「双務性」による日米同盟の強化 日米同盟は日本の安全保障の要です。自衛隊は未だ国内法上は軍隊ではなく、核も敵地への攻撃力も持っていません。 また情報分野もほとんど米国頼りであり、海洋貿易立国でありながら生命線であるシーレーンも、実質上、その安全をアメリカ軍の第7艦隊に委ねるなど、残念ながら、日米同盟抜きに、独自の安全保障を維持することは困難な状態にあります。 その意味で、今回の集団的自衛権の行使容認は、その日米同盟をより強固にし、さらにアメリカをアジアにつなぎとめるという意味で、日本の安全保障上、極めて重要な意味を持っています。 その最大の理由が、今回の集団的自衛権の行使容認によって、日米同盟の脆弱性の1つであった「片務性」が解消され、「双務性」に向かうことです。 国家間の軍事同盟は一般的に、NATOがそうであるように同盟国同士の集団的自衛権によって成り立っています。しかし、現在の日米同盟は、日本に米軍を駐留させる代わりに、アメリカに日本の防衛する義務を付加するという「片務性」に基づいているのです。 それは、東西冷戦という“特殊な環境”下においては機能したものの、冷戦体制が終結するに至って、その「片務性」に対して、アメリカ国内からも、「日本に米軍基地を置けるというメリットだけで日本と同盟を結んでいることに、どれだけの利益があるのか」という「日本の安保ただ乗り」論が、萌出するに至っていました。 例えば、アメリカでも最大手の外交研究機関「外交問題評議会」が1997年にまとめた報告書は、日本の集団的自衛権禁止を「日米同盟全体に潜む危険な崩壊要因」と定義づけ、「有事の際にそうした回避が露わになれば、アメリカ国民は衝撃的に失望し、日米同盟自体が危機に瀕する」と警告し、日本に政策修正を求めました。 さらに2001年にも、ヘリテージ財団が、「日米同盟の重要性が高まったからこそ、日本と米国の有事の効率的な協力や、国連平和維持活動への参加を拒む、集団的自衛権行使の解除」を求める政策提言報告書を出しました。 同財団は、2005年にも、日米同盟強化を提言。その最大の障害が、集団的自衛権の行使禁止だと強調しています。(『日本を悪魔化する朝日新聞』古森義久WILL 2014年7月号より) 現在、日本が直面する中国との尖閣問題に関して、アメリカはオバマ大統領を始め、「日本の施政下にある領土は、尖閣諸島も含めて日米安全保障条約の第5条の適用対象となる」と、明言しています。 これは、アメリカが日米同盟に基づいて、「集団的自衛権を行使する」と言っていることに他なりません。もし、日本が従来のように集団的自衛権を行使できないまま、尖閣有事や朝鮮半島有事が勃発した場合、その「片務性」に対してアメリカ世論が沸騰し、日米同盟が崩壊する危険性すら存在していたのです。 その意味で、集団的自衛権の行使容認は、日米同盟を強化し、日米を真の同盟関係にするために、どうしても必要な国家の選択であったと言えます。 ◆憲法改正への嚆矢として さらにこの日米同盟が今、アメリカの国内問題によって大きく変化しつつあります。 2013年3月から始まった政府の歳出強制削減によって、アメリカは向こう10年間で3兆9000億ドル、日本円にして390兆円の歳出削減を迫られ、それに伴って国防予算は大きく削減されることになります。 その額は実に10年間で約5000億ドル(約50兆円)、一年間で日本の防衛予算(平成25年度4・68兆円)に匹敵する規模です。これによって、アメリカは「世界の警察」であることを放棄し、アジア太平洋地域における戦力や運用も、縮小せざるを得ない事態に追い込まれているのです。 ゆえに日本は、日米同盟のさらなる深化に向けて不断の努力を払う一方で、いつ何時、日米同盟が機能しなくなるような事態も想定し、今後、自らの力で中国や北朝鮮の軍事的脅威と対峙できる安全保障政策を構築しなければなりません。 すなわち「自分の国は自分で守る」――「自主防衛体制」の確立です。それは明治維新以降、日本が一貫して歩んできた道でもあり、独立国家としては当然の姿勢です。 そのためにどうしても避けて通れないのが憲法9条の改正です。今回の集団的自衛権の行使容認をめぐる国会での議論やマスコミ報道に見られるように、国際法で認められている自衛権の行使であっても、憲法解釈の変更の是非を巡って、日本の国論は分裂しました。 国家の根幹でもある安全保障政策をめぐる、こうした混乱と不毛な論議を避け、暴走する中国や北朝鮮の軍事的脅威から国民の生命、安全、財産を守るために、わが国は遠からず憲法9条の改正を実現する必要に迫られています。 なぜなら、現在の自衛隊は憲法上軍隊とは認められず、おのずと防衛行動に大きな制約が課せられているからです。 憲法改正に当たっては、自衛隊を国家防衛の軍事組織と位置づけ、従来のポジィティブ方式による法規定ではなく、諸外国の軍隊が採用しているネガティブ方式による規定化が望まれます。 当然のことながら、軍刑法の制定と特別裁判所設置も視野に入れるべきです。そのためには、憲法の解釈変更ではなく、憲法改正に踏み込まざるを得ません。 その意味で今回、集団的自衛権行使容認の是非をめぐって、国民的議論が喚起され、憲法改正への道筋を拓いたことは、実質的な抑止力向上と加えて、わが国の安全保障政策上、画期的な出来事であったと言えるのです。 日本の安全保障と集団的自衛権【前篇】 2014.08.01 文/幸福実現党 総務会長兼出版局長 矢内筆勝 ◆総論 本年7月、政府は臨時閣議で、憲法解釈を変更して集団的自衛権行使を限定容認することを決定しました。 集団的自衛権は、国際連盟憲章51条に基づいて、国連に加盟する全ての主権国家が保有を認められている自衛のための自然権です。 にもかかわらず、戦後、わが国は70年近くにわたって、憲法9条と日米安保条約をワンセットにして維持されてきた枠組み(いわゆる『戦後レジューム』)に基づいて、内閣法制局の「集団的自衛権の行使は認められない」との解釈を踏襲してきました。 その意味で、今回の憲法解釈の変更による集団的自衛権の行使容認は、“平和憲法”によって自らの手足を縛ってきたわが国の安全保障政策上、極めて画期的な「パラダイムシフト」(思考の変更)であると言えます。 また、北朝鮮の核ミサイル開発や軍事大国化した中国の海洋進出など、わが国の安全保障環境は激変し、日々厳しさを増しています。 そうした中での今回の決定は、日本の安全保障の要である日米同盟を強化すると共に、財政問題を抱えて内向きになりがちなアメリカをアジアにつなぎ止め、アジア・オセアニア諸国とも連携して幅広い外交・安全保障政策が可能となるという意味で、わが国の抑止力強化に大きく資すると言えるでしょう。 ◆普通の主権国家への第一歩 集団的自衛権とは、密接な関係にある国が武力攻撃を受けた時、自国に対する攻撃とみなして、その攻撃を阻止する権利のことを言う。そしてこの集団的自衛権は、「国際連合憲章」(第51条)で、個別的自衛権とともに、加盟各国が持つ「固有の権利」であると明記されています。(※1) (※1)国連憲章第51条 「この憲章のいかなる規定も、国際連合加盟国に対して武力攻撃が発生した場合には、安全保障理事会が国債の平和及び安全の維持に必要な措置をとるまでの間、個別的又は集団的自衛の固有の権利を害するものではない。この自衛権の行使にあたって加盟国がとった措置は、直ちに安全保障理事会に報告しなければならない。」 しかも、この自衛権は「正当防衛権」であり自己及び他に及び、また仏語の語原では「自然権」(au droit naturel de legitime defense)で、成文の憲法を越える存在であるとされています。 日本は、戦後主権を回復し、サンフランシスコ平和条約と日米安全保障条約を締結、さらに国連憲章を批准して晴れて独立国家として国連に加盟しています。 それゆえ、本来なら、政府による従来の「国際法上は保有しているけれども、憲法上、行使することができない」との解釈や、集団的自衛権が憲法上許されるか否か等の、今回の集団的自衛権の行使容認に反対する議論の多くが、国際法に基づく「国際社会の常識」からすれば、日本の国内にしか通用しない「非常識」な議論といえます。 現在の国際世界の秩序は、国際連合憲章に基づく、国連加盟国による「集団安全保障システム」によって維持されています。 それは、多国間条約において全加盟国がほかの加盟国に対する武力の不行使を約束し、違反した場合には、違反国を除くすべての加盟国が違反国に対して共同して鎮圧、被害国の主権を回復させるというものであり、国連安保理がその主要な責任を負っています。 個別的自衛権と集団的自衛権は、その安保理が「国際の平和及び安全の維持に必要な措置をとるまでの間」認められているものです。 このように世界は、(安保理の拒否権行使による機能不全など、さまざまな問題を抱えているとしても、)国連憲章という国際法に依拠した集団安全保障で成り立っており、日本も国連加盟国の一員である以上、当然それに依拠した行動を求められているのです。 しかしながら、日本はこれまで、憲法9条と日米同盟という枠組みに拘泥するあまり、世界基準である国際法ではなく、国内法の枠組みの中での安全保障政策を踏襲し、大きな失敗を重ね、国家の威信を損なってきました。 その一例が、1992年の湾岸戦争での国際協力をめぐる日本の対応です。当時クウェートに侵攻したイラクのフセインに対して、国連の承認のもとアメリカ主導の多国籍軍が結成され、世界30カ国が参加しました。 日本は自衛隊による人的貢献 を「海外派兵となる」と見送り、代わりに約130億ドル(約1兆7000億円)もの巨額の資金を拠出しました。 しかし、国際社会からは”too little, too late(少なすぎ、遅すぎ)”と非難され、クウェート政府が米国の主要英字紙に掲載した感謝国30カ国の中から、日本の国名が除外されるなど、わが国は屈辱的な扱いを受けました。 その意味で、今回の集団的自衛権の行使容認によって、わが国はようやく、憲法9条という国内法に縛られた枠組みから、国際法に依拠する枠組へと踏み出すことになり、安全保障政策上ようやく、「普通の主権国家」に近づいたと言えます。 中南米をめぐる日中の資源外交のゆくえ 2014.07.31 文/HS政経塾スタッフ 遠藤明成 ◆中南米訪問に力を入れる安倍首相 7月25日から中南米訪問を開始した安倍首相は、メキシコ、トリニダード・トバゴ、コロンビア、チリを訪問し、8月1日にはブラジルのルセフ大統領と会談します。 日本の首相の訪問は、メキシコ、ブラジル、チリが10年ぶり、トリニダード・トバゴとコロンビアが初となりますが、今回の訪問には、日本のエネルギー安全保障を確保すると同時に、中南米に浸透する中国の影響力に対抗する狙いがあります。 安倍首相は、25日に「メキシコの石油増産やシェールガス開発が、世界のエネルギー市場の安定にとって重要だ。日本の技術と資金が今後有効に活用されることを期待する」と述べ、「トリニダード・トバゴで天然ガス、チリでは銅、リチウムなどの開発で日本の技術支援や投資を」(産経ネット版7/30)活発化させる方針を示してきました。 ◆中南米に浸透する中国の影響力 安倍首相は、中南米にてインフラ輸出、資源・エネルギー面での連携、国連での地位向上を図るための味方づくりなどを進めていますが、すでに習近平氏は7月中旬に中南米四か国を訪問しているため、今回は、東アジアでの日中の対抗関係が地球の裏側にまで持ちこされています。 8月1日に安倍首相はブラジル入りしますが、習近平氏とルセフ大統領との首脳会談では、ブラジルの鉱山開発企業に約5千億円規模の融資、アマゾン流域で建設中のダム開発支援、ブラジルのエンブラエル社製の航空機60機の購入等が決まっています(産経ネット版 7/18)。 習氏は、「中南米30カ国以上が加盟するラテンアメリカ・カリブ諸国共同体(CELAC)の首脳会議にも出席し「2024年までに中南米との貿易総額を現在の約2倍の5千億ドル(約50兆円)以上にする」(産経ネット版 7/25)と豪語しました。 現在、長年の積み重ねもあって、中国の資源外交や貿易拡大のための世界戦略は中南米にまで浸透しています。(習氏は就任以来、二回目の中南米訪問を行なっており、前主席である胡錦濤氏も中南米を訪問している) 筆者である私も、ペルーに住む知人から「日本語を学ぶ人が減り、ビジネスで有利な中国語を学びたがる人が増えている」という話を聞いたことがありますが、今後、日本はGDP第二位奪還計画を立てるとともに、もっと国際広報に力を入れていかなければならないでしょう。 日本の首相が訪問できたのは10年ぶりであることを考えると、今後、日本にとって大切なのは、世界規模で「敵を減らし、味方を増やす」外交戦略を展開することです。 そのためには、「常に地球儀を見ながら考えていた」とも言われる毛沢東以上の戦略眼を持った大政治家が、日本から出て来なければならないでしょう。 ◆中南米最大の親日国ブラジルとのさらなる関係強化を 中国に比べると、なかなか外遊できない日本の首相は後手後手になっていますが、習氏の中南米訪問にはベネズエラやキューバなどの反米国も含まれているため、日本としては、ブラジルなどの国々に「自由主義、民主主義国の連携」を訴えることで、中国との差別化を図ることができるでしょう。 1日に安倍首相が赴くブラジルは150万人の日系移民が住む南米最大の親日国であり、日本とは歴史的にも文化的にも経済的にも深いつながりを持っています。(日本からのブラジル移民には100年以上の歴史がある) そして、2016年のリオデジャネイロ・オリンピック、2020年の東京オリンピックにおける相互の協力、ブラジル人移民の受入れ、南大西洋の深海油田開発への協力、ブラジルからの石油、鉄鉱石の輸入など、日本とブラジルの間で進めるべき取組みも数多くあるのです。 ブラジル側には、「中国の軍事的脅威は地球の裏側にある自国にまで及ばないので、確執が続く日中両国とうまく付き合い、日中両国からブラジルに有利な融資や支援などを引き出したい」という考えもあるでしょうが、日本としては自由主義、民主主義国としての価値観の共通性や日系移民を通じた交流の歴史などを強調し、単なる経済関係以上の、深い協力関係を目指していかなければなりません。 ウクライナ問題と日本の役割 2014.07.30 文/HS政経塾第2期卒塾生 幸福実現党世田谷区代表 曽我周作 ◆マレーシア航空撃墜事件 ウクライナの上空でマレーシア航空が撃墜された事件から約2週間が経過し、ウクライナ問題がさらに出口の見えないものになってまいりました。 今回の撃墜事件は、事件発生直後からロシア製の地対空ミサイルのBUKが、新ロシア派によって使用されて発生したという見方が出ています。 しかし、そもそも「新ロシア派」というものの、親ロシア派の「ドネツク人民共和国」の実態として、それを率いているのはロシアの諜報機関であるGRUの関係者であると指摘されています。 したがって、この長く続くウクライナ問題は、単なるウクライナの内政問題であるわけではありません。 現状としては事故から2週間がたちますが、事故現場の捜索活動も親ロシア派の抵抗で十分に行えていない状況であるといわれています。 事故の後からの当面の争点としては、 (1) この撃墜は誰が行ったのか (2) この撃墜は何の兵器によってなされたのか、その調達はどのようになされたのか これらの2点がまず挙げられるかと思います。 ◆親ロシア派の誤射 『エコノミスト』では「ミサイルはロシアから供給され、要員もロシアで訓練された」と主張しています。 また、このような撃墜は高度な兵器と訓練がなければできないことだといわれており、ロシア側の関与が疑われています。 そして、当初から親ロシア派の誤射であるだろうといわれています。 これら西側諸国の主張する内容が全て真実であると仮定しても、エコノミストのいうように「西側諸国が厳しい制裁をロシアに課して、プーチン大統領とその仲間を国際社会の協議の場から追放すること」が事の解決につながるのかといえば、それは大いに疑問があります。 ただし、同じく西側諸国の主張する内容が全て真実であると仮定して、ロシアのプーチン大統領も、西側諸国が主張するとおりのことが事実であることを知っている、つまり、ロシアが供与した地対空ミサイルBUKで、親ロシア派がマレーシア機を誤射したということを知っている可能性も当然あります。 クリミア編入など、ロシアの思惑が貫かれた部分も多分にあったと考えられる一連のウクライナ問題ですが、このマレーシア機撃墜はプーチン大統領にとって大誤算であった可能性もあるでしょう。 ◆日本の役割 西側諸国の主張する内容が真実であると証明された場合、プーチン大統領は更なる窮地に立たされるかもしれません。 EUに続き日本もロシアに対して追加制裁を決定しましたが、今後日本国政府としては米国追随型で制裁に進むだけなのかどうかが試されているでしょう。 この期に及んでもなお、ロシア政府側から、この秋に日ロ首脳会談が行われることに期待感を示す意見が出されるのは、もちろんロシア経済にとって対日関係が極めて重要であることも一因でありますが、やはり同時に、日本に西側諸国とロシアとの仲立ちを期待する意味合いも含まれているでしょう。 日本までもがアメリカを中心とする西側諸国の激しい「怒り」の波に乗りすぎると、追い詰められたロシアが中国と接近し、中ロが組んで日本に本格的な脅威を与えるようになる危険性があり、それは日本として最悪のものであります。 今回のマレーシア航空の撃墜事件は、プーチン大統領としてもかじ取りを一気に困難なものにした「不測の事態」であった可能性があります。 安倍首相率いる日本政府としても非常に対応の難しい問題であるかもしれません。 ロシアのプーチン大統領にとっても国際社会の責任ある国家の一つとして、この問題の解決に向けたプロセスに進めるよう、西側諸国とロシアの中で泥沼化しつつある問題の解決に向けて、我が日本国政府が国際社会の舞台で重要な調停役を見事に果たされることを切に期待するところであります。 (参考)『Economist』より Russia’s president is implicated in their crime twice over. First, it looks as if the missile was supplied by Russia, its crew was trained by Russia, and after… 官民一体でサイバー空間を守れ 2014.07.29 文/HS政経塾3期生 新潟県副代表 横井基至 ◆身近にあるサイバー空間 「サイバー空間」と聞いてこれがどこに存在するものか、ご存じでしょうか? これは情報通信技術を用いて情報がやりとりされる、インターネットその他の仮想的な空間を示すことから、パソコンやスマートフォンの中など、ごく身近に存在します。 その利用は情報通信技術の発達に伴い急速に拡大しており、近年では、海洋や宇宙と同様、国際公共財の一つと認識されるようになっている一方、サイバー空間が拡大し、様々な社会活動がこれに依存するようになりました。 電気や水道などの生活にかかせないインフラもコンピュータ制御されていることから、私たちの生活はもはやサイバー空間によって支えられているといっても過言ではありません。 ◆便利さと危険性は表裏一体 これら情報通信技術は善良な利用者による使用が想定され作られたものですが、技術的な隙をついた犯罪や迷惑行為は後を絶たず、また技術的な問題だけでなく、管理者・使用者は「人」であることから、事故または故意による情報漏えいもあとを絶ちません。 愉快犯、商業犯(クレジットカードのIDを窃盗し売買)、思想犯、愛国犯による「サイバー攻撃」や国際テロ組織やハッカー集団による「サイバーテロ」が発生しており、対策や法整備が急がれています。 サイバー攻撃等が行われた場合には、単に個々の企業や政府機関の業務が妨害されるに止まらず、影響が瞬時に広範囲に及び、社会生活全般、また国境も越えて甚大な被害が生じる可能性があります。 その手口の一つは「情報窃取・暴露(ドキシング攻撃)」と言われ、ごく数人の個人情報を盗み出し、ネット上に暴露し、あたかもその組織の保有する大量の情報が漏えいされたという錯覚を社会に広げることで、運営を妨げ信用失墜させ実質的な損害を与えることです。 近年首謀者の活動目的は、個人の意見の主張や抗議だけでなく、政府の決定に対する政策無効化や企業のトップを失墜に追い込むなど、現実世界への影響力を増しています。 ◆国として何ができるのか サイバーセキュリティーの先進国である米国では、サイバー空間に起因する脅威に関しては、それぞれの分野を所掌する連邦政府機関が適切に対処しなければならないとしています。 企業秘密の窃取を目的とするサイバー諜報については経済諜報対策の枠組みの範囲とし、国内法の整備から広報・啓蒙活動に至るまで個別具体的な対策を講じています。 サイバー空間は、基本的に自由であり、経済的競争力を維持強化させることが必要であり、プライバシーの保護の必要性の反面、戦争・犯罪・テロ・外国からの諜報活動も行われることから一辺倒な法整備では対応しきれません。 したがって、それぞれの政府機関が予防から被害復旧までの行程を、危機管理の観点から総合的に整備するということです。 2012年時点ではセキュリティ関連予算は日本と米国の間では21倍の開きがありました。関連予算のさらなる増大が求められます。 ◆意識を高めることが一番の対策 特定秘密保護法が制定されたことからも、情報を扱う者には特に厳しいモラルが求められます。 また、不穏動向に関する情報を収集・共有し、官民連携の体制作りが必要です。民間企業は政府機関に対する24時間の連絡体制と人員体制をとり、発生時のマスコミ対策やその後の復旧計画も必須となります。 一番大切なことは、全員が当事者意識を持つことです。サイバーセキュリティーは担当者だけの責任ではないのです。 情報は宝です。サイバー攻撃から国益を守るため官民一体の協力体制が必要です。 資本主義の危機と終焉、その対策 2014.07.28 文/HS政経塾第二期卒塾生 川辺賢一 ◆歴史的低金利が続く世界 今月24日、ジャネット・イエレン米国連邦準備理事会(FRB)議長は、10月を目途とした量的緩和終了後においても、即座の金利引上げを行わず、当面、金利は現在のゼロ%付近にとどめることを表明しました。 バブル崩壊後の日本に始まり、今、先進国は長期に渡る「超低金利」時代を経験しております。なぜ今、世界の中央銀行は歴史的な低金利を続けるのでしょうか。 それは企業にお金を借りてもらい、新しい投資を増やしてもらうためです。中央銀行は金利を低くすることで、資本主義のエンジンである企業の資金需要、投資需要を喚起させようとしているのです。 ところがリーマン・ショック後の世界においては、金利を限りなくゼロの下限に近づけても、企業の投資需要に火が付きません。人々が実業の未来に楽観できず、低金利であっても利潤を見込める新規投資案件を見出せないでいるからです。 このように金利と利潤は裏表の関係にあり、金利は資本主義経済の活性度を示す体温のようなものだと言えます。 そして、このようなゼロ金利に向かっていく世界を指して、幸福実現党・大川隆法総裁は「資本主義経済は終わりを迎えようとしている」と述べております。(参照:2014年3月30日御法話「未来創造の帝王学」) ◆資本主義が直面するいくつかの危機 さて、金利がゼロの下限に達しても、企業の資金需要が復活しない状態をJ・M・ケインズは「流動性の罠」と呼びました。 「流動性の罠」経済においては、政府が国債を発行して支出を増やさなければ経済は縮小均衡に陥ります。 もしも今、世界が「流動性の罠」に陥っているのだとすれば、世界は経済の縮小を避けるために「大きな政府」を志向せざるをえず、結果、民間活力が失われ、資本主義経済は危機に直面します。 一方、日本を含む世界の中央銀行家たちは、「たとえ政策金利がゼロの下限に達したとしても、量的緩和政策を継続することで、財政支出の拡大に頼り過ぎることなく、景気回復を後押しできる」とします。 実際、米国も日本も、量的緩和によって株式市場を活性化させ、株高によって経済全体を回復させる戦略を採用し、一定の成果をあげております。 ところがこうした状況に対して鋭い批判を向ける左派経済学者もおります。 『21世紀の資本論』を上梓して話題を呼んでいる経済学者トマ・ピケティ氏は、株や不動産などの投資によって得られる資本収益率が経済一般の成長率を常に上回っていることを統計的に示し、その結果、所得と富の不平等が21世紀を通じて拡大していくという理論を発表しました。 格差問題に関しては、実のところ世界の貧困率がここ数十年で80%程度も下がっていることから、重要な問題だと考えられません。しかし株や不動産による投資の収益率が常に経済一般の成長率、実業の成長率を上回っているという事実は、資本主義経済の本質的な不安定性を示していると言えるでしょう。 実際、1970年代以降の世界経済は頻繁にバブルの発生と崩壊を繰り返し、数十年周期で100年に1度と言われる金融危機が起っております。資本主義経済は新しいバブルを発生させることで延命を図っていると言えるのかもしれません。 ◆その対策 さて、このように危機に陥り、終焉を迎えようとしている資本主義経済に対して、私たちはどのような対策を打ち、新しい経済モデルを創造していくべきでしょうか。 まず第1に金融緩和の出口を焦らないことです。90年初頭の日本も07年の米国も、バブル崩壊の直接的な要因は急激な金利引上げ、金融引締めに始まります。 高い利潤率を持つ革新的な実業が不足しているにもかかわらず、株や不動産などの資産市場が高騰しているという理由で金融緩和を止めてしまえば、さらに実業が圧迫されます。 特に25年近くも株価最高値を更新できていない日本においては、むしろ日銀は追加金融緩和を打ち出し、さらなる株高を演出しても良いのではないでしょうか。 第2に法人税の大減税です。もしも経済が「流動性の罠」に陥り、できることが政府支出の増大しかないのであれば、まず企業の自由を増やす法人減税を断行すべきです。 第3に産学連携の活性化です。企業が持つ自前の工場や研究室は短期的な利益追求には向きますが、息の長い基礎研究に始まる革新的な研究シーズの追求には不向きです。 しかし、求められるのは利潤率の高い実業であり、そのために必要なのは現時点では海のものとも山のものとも分からない研究を温め、それを実業化し、産業化していくことです。そうした研究は大学や政府系の研究所だからこそ追求できるものです。 次世代を創るイノベーションを誘発させ、第二、第三の産業革命を起こしていくために、新しい研究や技術、企業が交流する場、智慧のマーケットの創造が求められます。 綱渡り 原発ゼロの夏 2014.07.27 文/岐阜県本部政調会長 加納有輝彦 ◆深刻な電力供給不足 東日本大震災後、初めて国内で原発が一基も稼働しない「原発ゼロ」の夏を迎えました。25日(金)は北海道、沖縄を除く8電力会社で今夏最大の電力需要を記録しています。 電力各社は 一度引退した老朽火力発電所をフル稼働させるなど電源確保に必死です。ただ今月だけで火力発電所の故障が前年同月の4倍以上に膨らむなどトラブルも絶えません。電力確保へ綱渡りの夏を迎えようとしています。(7/26 日本経済新聞 電子版) 電力各社の電力需給予備率(最大需要に対する供給力の余力)からみても、電力供給不足は深刻です。 今年の夏の電力需給予備率は、9電力平均で4.6%。電力会社は停電や電力不足を避けるために、3~5%をめどに予備率を設けますが、危険な水準です。特に九州電力は予備率1.3%、関西電力は1.8%と異常に低い状態です。 日中のピークで大型の発電機が1つ動かなくなれば大規模な停電の危機に直面します。関電と九電は、他社からの電力購入を予定し、見かけ上は予備率3%を確保しましたが、他社も原発停止で電力に余裕がありません。(「夏の電力は足りている」論の誤り【2014年電力危機】石井孝明 経済ジャーナリスト) ◆原子力規制委員会の責任逃れ このような状況下、一刻も早い原発の再稼働が期待されています。 原子力規制委員会は7月16日、九州電力の川内原子力発電所1、2号機が新規制基準に適合していると認め、事実上の合格証に当たる審査書案を了承しました。 規制委は昨年7月に新規制基準が導入されて以来、12原発19基の審査を行ってきましたが、審査書案の作成は初めてです。 しかし、規制委の田中俊一委員長は、規制委の審査は、あくまで新規制基準への適合性審査であり、「安全を保証するものではない」と念を押しました。(週刊東洋経済 7/26) これは、「規制委が安全と認めた原発は再稼働させる」という本年4月11日に閣議決定された「エネルギー基本計画」の方針と矛盾する責任逃れともいえる発言です。 ◆最終判断を迫られる地元住民 規制委が安全を保証できなくてこれで周辺住民は安心して暮らせるのかの問いに田中委員長は「安心だと言えば、(規制委として)自己否定になる。われわれは最善を尽くしてリスクを低減する基準を作り審査してきた。これをどう受け止めるかは地元の判断だ」と最終判断を地元住民に委ねる発言をしました。 安全の確保は、原子力規制委員会設置法第一条に明記された規制委の目的ですから、田中委員長の安全を保証しないという発言こそが自己否定ではないでしょうか。 田中委員長から、最終判断を託された地元の法的位置づけも曖昧です。「地元の同意」が再稼働の前提となっているものの、電気事業法など法令上の根拠はありません。(産經新聞 7/26) 原発から30キロ圏内が地元の解釈の一つにされていますが、どこまでを「地元」とし、どういった手法で「同意」を得るべきなのか、定義はありません。 また、幸福実現党が主催した「原発再稼働」をアピールする2000人規模のデモ(2011/5/14)は一切報道されず、反原発デモは、50人程度の小規模であっても主要メディアで一斉に報道されています。 偏向報道が目立つ日本にあって、一方的情報しか与えられていない住民の意見が、国の将来を左右するエネルギー政策に関して本当に正しい最終判断が出来るのか疑問です。 ◆政府はリーダーシップを発揮し原発再稼働急ぐべし! 今後の手続きとしては、7月17日から30日間、一般から科学的・技術的意見(パブリックコメント)が募集され、それを踏まえて正式な審査書が8月中にもまとめられ、その後、規制委は、審査結果について地元へ説明に行くことになります。 原子力損害賠償法では、原発事故の一義的責任は電力会社にあり、無限責任を負っています。しかし、福島事故では、東京電力の株主や債権者は法的な責任を取っていません。 一方で、国が実質的に東電へ過半出資し、賠償資金を立て替えて支援しています。廃炉・汚染水処理や除染にも兆円単位の国費が投入されつつあります。 もし川内原発で福島のような事故が起きた場合、九州電力に損害を負担する力はなく、とどのつまり、負担するのは国民となります。(週刊東洋経済 7/26) 再稼働に際して、誰が判断するのか等責任の所在が、国民に理解されていません。政府はリーダーシップを発揮し、一刻も早く責任の所在を明らかにし、原発再稼働を急ぐべきです。 左派とのディベート――集団的自衛権 2014.07.26 文/幸福実現党政務調査会 佐々木勝浩 ◆左派の「集団的自衛権」反対の動き 安倍政権が、集団的自衛権行使容認の閣議決定を決めようとしていた6月末、渋谷駅を歩いていると、左派団体が「あなたは集団的自衛権に賛成ですか?反対ですか?」というアンケートを行っていた。 私の方が「アンケート取ってくれ」という念を発していたのか、たくさんの大衆が歩いているにもかかわらず、迷わず私の前に50代の女性と男性、それに20代の女性が寄ってきて私に質問をしてきました。 「ボードに集団的自衛権に賛成なら『Yes』、反対なら『No』にシールを貼ってください。」 私は、もちろん「Yes」にシールを貼りました。ボードは「Yes」と「No」が半々でほとんどもう貼るスペースもない程でした。つまり日本国民の半分は「集団的自衛権を認めている」のです。 ちなみに、某新聞社の国会を取りかこむ集団的自衛権反対集会の記事に同じ「集団的自衛権Yes・Noボード」が写っていました。その集会の中で取ったアンケートだったのか、すべてシールは、「No」でした。 こうしてあたかもすべての国民が「集団的自衛権反対」であるかのように世論操作が行われているのです。 ◆集団的自衛権は戦争に日本を導く? さて私がシールを「Yes」に貼ると、50代の女性は私に「なぜ集団的自衛権に賛成するんですか?」と質問してきました。 「私は集団的自衛権に賛成です!なぜなら集団的自衛権を行使できるということは、軍事的台頭がすさまじい中国の軍事的野心を抑止することができるからです。」 すると「日本が戦争の道に進むことに賛成なんですか」と、いつも左派が主張する反論が返ってきました。 「戦争を考えているのは日本ではなく中国ですよ。習近平は、昨年2月、軍隊を視察した際に戦争準備しろと指示していることを知ってますか。知らないでしょう!?」 【注】習近平は、昨年2013年2月、甘粛省・蘭州軍区を視察の際に、「部隊は『招集されれば直ちに駆け付け、駆け付ければ戦争できる状態にし、戦えば必ず勝利する』よう確保しろ」と指示した。 (2013年2月7日『解放軍報』) 「中国はベトナムの近海で勝手に資源を採掘しておきながら、ベトナムが抗議すると自国の領有だと主張し、ベトナムが抗議船を出すと船をぶつけてくるような国ですよ。」 さらに私は続けて言いました。「中国はベトナムでぶつかる前、4月に日本の久米島で海洋資源の調査を行ったのを知ってますか?」 「日本は中国に抗議の声明は出しましたが、中国の海洋調査を止めさせることは出来なかったんです。もし海保がそれを止めに入ったらベトナムの事件より先に日本で中国との衝突事件が起きてもおかしくなかったんです。」 そばにいた20代の女性は、そんな話は初めて聞いたというように目を丸くして聞いていました。しかし続けて50代女性は、私に反論してきました。 「そんな人が住んでいない島、どうでもいいじゃないですか?」(おそらく久米島を尖閣諸島と勘違いしている) 「え!、何を言ってるんですか!久米島は人が住んでいますよ。漁民の皆さんは、中国の船が大量に出てきて怖くで漁にも出られないことを、知らないでしょう。」 ◆個別的自衛権と集団的自衛権 それまで黙って横で聞いていた50代の男性が私に言いました。 「それは、個別自衛権ですよね。」 「個別自衛権も集団的自衛権も分けて考える問題ではなく、本来はつながっている問題じゃないですか。」と私。 「中国側の側から考えてみてください。日本に手を出したらそのあとに米軍が出てくるかもしれない。そう思ったら、中国は日本に簡単に手は出せなくなるんです。」 「これが集団的自衛権のもたらす抑止力です。集団的自衛権は、戦争をやるためのものではなく、逆に中国の軍事的野心を止める効果があるんです。」 「集団的自衛権がなければ、日本は個別的自衛権で対処しなければなりません。つまり日本のみで中国と対峙しなければなりませんよね。一国で弱ければ、中国は手を出してきます。」 「これが今回のベトナムへ中国がとった船をぶつける横暴な対応ですよ。だから中国は個別的自衛権しかない国で自分より弱ければ手を出します。しかし日本が集団的自衛権を認めれば、日本に手を出せば米国も相手にしなければなりません。つまり簡単に中国を手は出せなくなります。」 私もずいぶん勢い余って話してしまったが、ここで3人は、「わかりました。集団的自衛権には賛成、ありがとうございました。」と、引き下がりました。 ◆行動する保守を目指せ! 私に反論した50代の女性と男性は、もう思想的に変わらないと思いましたが、20代の女性の目は、何か心の中で「科学変化」が起きているようにも見えました。 どちらにしても、左派はこうして啓蒙活動を展開し国会を取り囲むほどの感化力と行動力があるのです。 ところが、左派とは反対で保守の行動は、全く足りない、これが現実です。私たちはこうした左派の行動量に負けるわけにはいきません。 もっと圧倒的な「言論による啓蒙」を行う「行動する保守」にならなければ、真に世の中を変革することはでないのです。 すべてを表示する « Previous 1 … 13 14 15 16 17 … 36 Next »