Home/ 2023年 May 2023年 May Jアラート発令、北海道にミサイル着弾の恐れ?ウクライナ戦争の裏で進化する北朝鮮の核戦力【後編】 2023.05.25 https://youtu.be/7ytEDTasZ0g 幸福実現党党首 釈量子 ◆韓国30年ぶりの保守・尹政権の変化 ここで、38度線で対峙している韓国を見てみましょう。 韓国は、30年ぶりの保守政権に復帰しました。尹大統領は米軍との関係強化や、日韓関係の改善を掲げています。 尹大統領は「中国の脅威」も認識し、脱中国を掲げて実際に行動している点、日本もその変化を歓迎すべきだと思います。 国家存亡の危機にある韓国では、1月の世論調査では、「独自の核開発が必要だ」と考える国民が76.6%いました。「核拡散防止条約(NPT)脱退も覚悟すべき」という議論も出てきています。 悩ましいのは、先日のSNSの機密情報流出事件で、アメリカのCIAが、同盟国である韓国政府の通信を傍受していたことが判明していたことで、内容も、「アメリカからウクライナに砲弾を提供するよう圧力があった」という話が暴露されました。 韓国には「戦争当事国には武器を供与しない」という政府方針があり、なんといっても北朝鮮とロシアはつながっているので、弾薬を提供すると北朝鮮を刺激しかねません。 尹大統領は、ロイターのインタビューで「民間人に対する大規模な攻撃や国際社会が到底看過できない大量虐殺などが発生した際は、人道主義や財政支援だけにこだわることが難しくなる」と述べ、軍事支援を検討する考えを示しました。 尹政権は、来年4月の「総選挙」で過半数を握るまでは、極めて不安定です。司法やメディアも左派が握っている上に、国内は「赤化」を狙うスパイの巣窟でもあります。 どの国も、国家存続の危機を前に変わらなくてはいけないという苦渋が滲みます。 ◆日本は変われるのか そうした中、一番、変化できないのが日本です。 日本政府は北ミサイルの発射のたびに、「直ちに米国および韓国と緊密な連携を確認し、北京の「大使館」ルートを通じて北朝鮮に厳重な抗議を行い、強く非難」することを繰り返しています。 ウクライナを直視すれば、完全に「代理戦争」の戦場です。国土は破壊され、イギリス軍がウクライナに提供を明らかにしたのは「劣化ウラン弾」です。 国土防衛に「劣化ウラン弾」を使う国などありません。これがゼレンスキー大統領を選択したウクライナの現実です。ウクライナには勝てる見込みがないのは誰もが知っています。 希望はないことはありません。北朝鮮をみごとに押さえた「トランプ大統領再選」なら、第三次世界大戦を起こさせない可能性が出てきます。ただ、バイデン政権からのあからさまな妨害にあって、厳しい状況です。 アメリカの連邦議会では、バイデン一家が中国から金銭を受け取った銀行口座まで明らかにしたにもかかわらず、逆にトランプ氏が起訴され、「司法」を使って政治的迫害を行っているバイデン政権によって、アメリカの信用は地に堕ちています。 アメリカの「核の傘」を信頼できるか分からない以上、「自分の国を自分で守る」ために、国家の自助努力で出来ることをすべきです。 幸福実現党は、日本は「核装備」を検討すべきと訴えてきましたし、憲法9条改正を急ぎ、自衛隊を「国防軍」にすべきです。 そして外交においては、「自由・民主・信仰」という普遍的価値観で手をつなぎ、中国共産党を包囲すべきと訴えてきました。 韓国とも、「反日教育」など、溝は想像以上に深いのですが、日本としてディベートすべき課題を明らかにすべきです。 ただ、根本的な問題解決は、民族的な限界を超えた、普遍的な宗教的価値観なのではないかと思います。日本神道の鳥居を見ると非常に嫌悪感をもよおすというような国もありました。 こうした民族的な教えの限界を超えて、普遍的な価値観や、正義の観念で手をつないでいくことが必要だろうと思います。 韓流ドラマなどでも、霊界描写も豊富で、仏教的な三途の川が出てきたり、転生輪廻が描かれたりします。 人間はともに仏の子の兄弟であって、過去、自分は日本に生まれたこともあれば韓半島に生まれていたかもしれないと考えると、民族主義の枠を超えあられます。 「自由、民主、信仰」といった普遍的価値観を持つ国で手を握れば、インドやロシアも含めて、北朝鮮や中国を包囲できるのです。 「第三次世界大戦」などの危機は、「憎しみを捨てて、愛を取る」心の力が、地球平和の鍵だと確信しています。 Jアラート発令、北海道にミサイル着弾の恐れ?ウクライナ戦争の裏で進化する北朝鮮の核戦力【前編】 2023.05.24 https://youtu.be/7ytEDTasZ0g 幸福実現党党首 釈量子 ◆進歩を続けた北朝鮮の核戦力のいま ウクライナの戦火が飛び火して、「世界大戦」に繋がりそうな危険地帯が浮き彫りになってきました。中東、台湾、そして朝鮮半島です。 北朝鮮がいつ韓国に雪崩れ込むか、また日本にミサイルが落ちるか分からない状況です。 特に4月13日に北朝鮮から発射された新型の固体燃料式ICBM「火星18号」は、「Jアラート」が発令され、北海道南西部への落下が予測されたことも分かりました。 陸地への落下が予想されたのは初めてのことで、函館や札幌の空が赤く染まっていた可能性もあります。 ただ、日本の政治家でも危機感はなく、ある野党幹部は「NHKの朝ドラが飛んでしまった」というような発言をなされていて、何が危険か分からないようです。 ◆北朝鮮のミサイル発射の意図 北朝鮮の軍事的な動きを見ると、「何がしたいのか」がけっこう正直に見えてきます。今年に入ってから北朝鮮が発射したミサイルは以下です。 1月1日 超大型ロケット砲(短距離弾道ミサイル)1発を発射 2月18日 「火星15型」1発を発射 2月20日 超大型ロケット砲(SRBM)2発 2月23日 戦略巡航ミサイル「ファサル(矢)2型」4発を発射と主張(翌日発表) 3月9日 短距離弾道ミサイル6発(火力襲撃訓練) 3月12日 潜水艦から戦略巡航ミサイル2発を発射(翌日発表) 3月14日 短距離弾道弾2発を発射(地対地戦術ミサイル) 3月16日 「火星17型」1発を発射 北では最大。射程は1万5000キロ超。 3月19日 短距離弾道ミサイル1発を発射。変則的軌道の可能性 3月21日 中距離弾道ミサイル 射程800キロ 3月22日 戦略巡航ミサイル「ファサル(矢)2型」4発を日本海に向けて発射 3月21~23日 新型兵器「核無人水中攻撃艇ヘイル(津波)1」実験 日本海で実施 3月25~27日 〃再実施 3月27日 弾道ミサイル2発を発射 4月13日 「火星18型」1発を発射 初の固体燃料式の新型大陸間弾道ミサイル 今年は、正月から北朝鮮は勤勉なことにロケット砲の発射から始まり、「韓国全土」が射程に入っていることをアピールしています。 そして 3月16日の「火星17号」は、韓国の尹大統領が来日した当日に発射されました。射程は1万5000キロで、アメリカの心臓部である東海岸を狙えます。 「火星17号」の実戦配備には、大気圏への再突入技術を獲得する必要があるとされます。それができなくても、大気圏外で炸裂させるEMP(電磁パルス)攻撃で、電子機器がすべて使えなくなり社会機能は停止します。 アメリカが北朝鮮にEMP攻撃されたら、どうなるのでしょうか。 2021年6月に元CIAの核専門家ピーター・プライ博士が発表した報告書(※)がアメリカ議会の諮問機関でまとめられました。 (※)「北朝鮮: EMPの脅威 北朝鮮のEMP攻撃能力」North Korea: EMP Threat – North Korea’s Capabilities for Electromagnetic Pulse (EMP) Attack | EMP Shield) 「EMP攻撃でアメリカ国民3億2200万人が利用する通信インフラが破壊され、航空管制のシステムも被害を受け、航空機は次々に墜落、最大で50万人の乗客が死亡する可能性があるということです。 核爆発によって放射性物質が飛散し、農業、食糧供給が壊滅的な打撃を受け、国民の9割が1年以内に死亡する」と、警鐘が鳴らされました。 ◆進歩する北朝鮮の核戦力 4月13日に発射した「火星18号」は液体燃料式ではなく固形燃料式で、「秘匿性」が高まっています。いつ、どこで発射されるのか分からなくなり、迎撃はさらに困難です。 ミサイルという運搬手段だけでなく、搭載する「核」の開発も着実に進めています。 金正恩委員長は3月27日に核施設を視察し、「威力ある核兵器の生産に拍車をかけよ」と檄を飛ばしました。この時の報道写真では、直径約50センチの小型核弾頭「火山31」が見られます。 北朝鮮は「戦術核」に力を入れており、日本など周辺国において実戦で使うことを念頭に小型核の開発が進んでいます。「Jアラートも鳴らない」うちに、日本に落とされる可能性が高くなります。 他にも放射能津波を起こす「核攻撃型水中ドローン」の実験に成功したと主張しています。 また、4月18日に、金正恩委員長が「国家宇宙開発局」を現地指導し、「軍事偵察衛星1号機の打ち上げを指示」したことも報じられ、ミサイルの精度は飛躍的に上がります。 もっとも、1月には、マッハ5以上の速度で飛行する「極超音速ミサイル」の実験もしています。こうなると迎撃は、無理です。 日本が手をこまねいている間に、北朝鮮の脅威は増大しました。 (後編につづく) 神の正義なき「法の支配」では、国際秩序は作れない 2023.05.22 https://info.hr-party.jp/2023/13328/ 幸福実現党政務調査会 ニュースレター ◆G7によるウクライナ支援の継続で「戦争のさらなる長期化」が必至に ロシアーウクライナ戦争の最中、ゼレンスキー大統領は電撃的に訪日してサミットに出席し、ウクライナへの支援の継続と強化を訴えました。 それに対し、G7は「ウクライナに外交、財政、人道、軍事支援を必要な限り提供する」ことで一致しました。 首脳声明では、NATOの東方不拡大の約束を反故にされたロシアの立場を考慮せず、ウクライナ支援を表明すると共に、ロシアを侵略国家と断罪しています。 このように、戦争当事国の一方に肩入れする限り、戦争は一向に終わることはありません。 G7の外交姿勢がロシアと中国の接近を促し、「国際協調」はおろか、世界の「分断」を招いているのです。 そもそも、米国がデフォルト危機に陥っていることをはじめ、各国の財政状況を見ても、ウクライナ支援を行うことは「持続可能」ではありません。 広島が平和の地であるならば、本来、今回のサミットでは、ウクライナに対し過度に肩入れする外交方針を改めるべきであり、また、紛争をいかに一刻も早く停戦に向かわせるかについて議論すべきだったのではないでしょうか。 ◆「核使用の危機」を乗り越えるために 19日には、サミットでは初となる核軍縮に特化した文書として、「広島ビジョン」が発出されました。 「核兵器のない世界」を「究極の目標」と位置付けつつ、中国などが核戦力を増強していることを念頭において、現実性にも配慮した内容となっています。 しかし、被爆国・日本に対して、中国や北朝鮮が核兵器で威嚇しているという現実を直視すべきであり、今求められるのは、「核兵器のない世界」に向けた「核軍縮」ではなく、「核兵器を使わせない世界」に向けた議論です。 広島・長崎の惨劇を防ぐには、核不拡散や核兵器の透明性を高めることを各国に呼びかけるだけでは不十分であり、核抑止力強化は避けて通ることはできません。 今後、日本として自由・民主・信仰の価値観を共有する核保有国との連携を強化するとともに、独自の核装備の可能性を念頭におきながら、核の抑止体制のあり方を、国際社会に提起していくべきです。 ◆唯物論・無神論国家である中国を抑止するために 今回のサミットでは、覇権拡大を進める中国を抑止するとの方向が示されたものの、サミット直前にフランス・マクロン大統領が「G7を『反中G7』にすべきではない」と述べるなど、対中抑止について各国で足並みが揃っていないことは明らかです。 秒読み段階となっている中国による台湾侵攻についても、「台湾海峡の平和と安定」を目指すことで一致したというだけで、具体的な手立てが講じられる道筋が立ったとは言えず、不安が残る形となっています。 米国をはじめG7の相対的な地位が低下する中で、中国は、グローバルサウスと呼ばれる新興国に対し、経済的利益を盾に関係強化を図る動きを見せています。 日本は今後、国際的なリーダーシップを発揮して戦略的外交を展開し、自由・民主・信仰の価値観を押し広げなければなりません。 尚、共同声明では、中国が自国にとって、不利となる外交姿勢をとった国に対して、重要物資の供給を止めたり、不買運動を行ったりして圧力をかける「経済的威圧」に対し、「抑止し、対抗する」との方針が示されました。 日本としても今後、各国との協力関係と自給体制を構築して、経済の中国依存からの脱却を急ぐべきです。 ◆「脱炭素」は西側先進国を没落させる 気候変動、エネルギーに関するセッションでは、2050年の脱炭素社会の実現に向けて取り組みを加速させることで一致し、首脳声明では、温室効果ガスの削減対策がとられていない化石燃料を段階的に廃止することが盛り込まれるなどしました。 脱炭素社会の到来に向けて先進国が一層の環境規制を行えば、経済成長を大きく阻害させ、G7の経済的な地位が今後、一層低下することは避けられません。 また、先進国が軒並み行っている脱炭素への大規模投資は、太陽光発電設備やEV車の原材料の供給などで優位性をもつ中国に経済的利益が流れることになってしまいます。 そもそも、CO2が温暖化や気候変動に影響を与えるという説はフェイクに過ぎないと私たちは考えています。 先進国の繁栄を守るためには、脱炭素に関する取り組みを根本的に見直すべきです。 ◆信仰ある国で結束を 今回の首脳声明では、「法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の維持・強化」が掲げられました。 しかし、その「法」に神の正義が根底になければ、形式上「法の支配」を掲げている中国の覇権拡大を押しとどめることはできないはずです。 やはり、大切なのは、キリスト教、イスラム教を問わず信仰があることであり、今回のサミットでは、信仰ある国で結束を強めていくという方向を確認し合うべきではなかったでしょうか。 幸福実現党政調会は、唯物論・無神論国家である中国を抑止するべく、神の正義に基づいた政治が展開されるよう、今後も政策発信に邁進していく所存です。 G7サミット 欧米の「法の支配」の限界――「自由・民主・信仰」による団結を 2023.05.11 http://hrp-newsfile.jp/2023/4432/ 幸福実現党政務調査会・外交部会 久村晃司 ◆「法の支配」を掲げるG7サミット 日本が議長国を務める広島G7サミット開催まで残り一週間となりました。岸田文雄首相はサミットの達成目標の一つとして「法の支配に基づく国際秩序を守り抜くというG7の決意を力強く示す」ことを掲げています。 ウクライナ電撃訪問を受けて「ロシアの侵略は暴挙だと痛感」した首相の強い思いが表れています。 「法の支配(rule of law)」とは「全ての権力に対する法の優越を認める考え方」であり、権力者が法を無視して自分勝手な政治を行う「人の支配」の対義語とされます。 日本政府は「法の支配の強化」を外交政策の柱の一つに据え、「国際法に基づく国家間の紛争の平和的解決」に力を入れているとしています(※外務省HP)。 しかし、この「法の支配」という考え方だけで、ロシア‐ウクライナ戦争に終止符を打ち、「国際秩序」を守ることは極めて難しいでしょう。 ◆国際社会の分断が浮き彫りになった討論会 今年1月、国連安全保障理事会において「法の支配」をテーマに公開討論会が行われました。テーマは議長国を務める日本が選定し、77カ国等が参加しました。 冒頭、グテレス国連事務総長は、ロシアを念頭に「力によって他国の領土を併合することは国連憲章や国際法の違反である」と指摘しました。 これに対しロシアのネベンジャ国連大使は、「西側が作り出したルールに基づく秩序には同意できない」と真っ向から反論しました。同じく中国も欧米への批判を展開しています。 また、中東やアフリカ諸国には中立的な意見が目立ちました。 例えばアラブ首長国連邦は「基本原則の尊重は、最強国の利益に関わるときにのみ守られるものであってはならない」と釘を刺しています。 討論会を主催した林外相は「法の支配の下に今一度結集しよう」と参加国に呼びかけましたが、かえって国際社会の分断が際立つ結果となってしまいました。 ◆欧米の「国際法違反」の実態 「法の支配」と言えば、一見、すべての国が無条件に受け入れそうなものです。しかし、その考えに反発する国は少なくないのが実態です。 特にロシアは、「欧米こそ国際法に違反する行為を繰り返してきた」と度々強調してきました。 その代表的な事例は「イラク戦争」です。アメリカとイギリスは2003年3月20日、国連安保理の決議を得ることなくイラクの首都バクダッドを空爆、戦争を開始しました。 米ブッシュ(子)政権は「イラクに大量破壊兵器が存在する」と主張していましたが、大量破壊兵器は見つかりませんでした。 イラク戦争については国際的な非難の声が多数上がり、国連アナン事務総長(当時)も、イラク戦争は「国連憲章に違反する」と指摘しています。 なお、戦争開始から最初の一年間で、イラク民間人の死者数は最大1万人超と推計されました(※英米の非政府組織「イラク・ボディーカウント」)。 これはロシア‐ウクライナ戦争における、一年間のウクライナ民間人の死者数約8,000人(※国連人権高等弁務官事務所)を上回ります。 NATO軍による「コソボ空爆」も、欧米諸国による国際法違反、あるいは国連憲章違反と指摘される事例の一つです。 セルビア共和国内のコソボ自治州においてアルバニア系住民が独立を求め、1991年、セルビア当局との紛争が始まりました。 セルビア側によるアルバニア系住民への虐殺行為があったとして、NATO軍は1999年3月24日、国連安保理の承認を得ないままコソボ空爆に踏み切りました。 78日間続いた空爆は回数にして1万回を超え、1,000人以上の民間人死者を出しましたが、当時のクリントン米大統領は「人道的介入」として正当化しています。 その後、2008年にはコソボ自治州が独立を宣言し、西側だけが国家承認を行いました。ロシアによる「特殊軍事作戦」は、このNATOによるコソボ空爆を模倣したものであるとの指摘もあります。 さらにさかのぼれば、先の大戦のアメリカによる広島と長崎への原爆投下や、民間人への無差別爆撃も明らかな「国際法違反」です。 しかし、いまだに日本は、アメリカからの正式な「謝罪」を受けていません。 ◆不公平な「法の支配」の限界 ロシアは今回、ウクライナへの攻撃に踏み切った理由として「ウクライナ東部のロシア系住民を保護するため」と説明していますが、これは一定の正当性がある主張です。 (※言論チャンネル参照 https://www.youtube.com/watch?v=zT1hgibFWr4) 欧米諸国は自分たちの行為を棚に上げてロシアを非難し、「力による一方的な現状変更であり、悪である」と一蹴する傾向がありますが、それこそあまりにも一方的な見方です。 プーチン大統領は「我々はいつも、『西側は法に基づく秩序を守っている』と聞かされてきたが、全くのナンセンス、完全な騙しだ」「西側が何に基づいて決定して、そもそも誰がそうする権利を与えたのか、はっきりしない」(※2022年9月30日プーチンのスピーチ)と、西側諸国への不満をあらわにしています。 大川隆法党総裁は、歴史の法則として、「最強国、要するに、戦争をして勝ちつづける国の法律が、結局は国際法になるのです」(『この戦争をどうみるか』)と指摘しています。 これまではアメリカの国内法が国際法として「通用」してきたかもしれません。 しかし時代は変化しつつあり、アメリカの衰退やBRICs諸国の台頭もあって、プーチン大統領は、世界は「多極化」しつつあると指摘しているのです。 そうしたなかで、日本が相変わらず「法の支配」という名の「欧米の支配」を呼び掛けても、「国際秩序」を守り抜くことはできないでしょう。 ◆分断ではなく「融和と停戦」を では来る広島サミットにおいて、議長国である日本は何を訴えるべきでしょうか。それは、一日も早いロシア‐ウクライナ戦争の「停戦」です。 折しも、アメリカ国防総省ペンタゴンの機密文書流出事件によって、欧米諸国の支援にかかわらず、ウクライナ有利が「嘘」であったことが明らかになりつつあります。 そして、アメリカ国民からは終わりの見えない戦争の停戦を求める声も高まっています。 そろそろ、バイデン大統領の掲げる「民主主義国家」対「専制国家」の対立軸では、世界大戦まっしぐらであることをG7は認識すべきでしょう。 中国の習近平主席はプーチン大統領ともゼレンスキー大統領の両者とそれぞれ会談し、停戦の仲介役として動き始めています。 このままでは中国のような覇権主義国が反欧米国をまとめあげるリーダー国家ともなりかねず、非常に危険です。 ◆「法」の根源にあるもの 「民主主義国家」対「専制国家」の考えに代わるものとして、大川隆法党総裁は「神仏を信じる国家」対「神仏を信じない国家」の対立による、中国・北朝鮮の封じ込めを提唱しています。 ロシアとウクライナは、ロシア正教とウクライナ正教といった違いはあるものの、ともに神を信じている「信仰のある国」です。 特にプーチン政権以降のロシアは、ロシア正教を国の柱に据えた信仰国家であり、かつてのソ連のように数多くの人々を弾圧してきた無神論・唯物論国家ではありません。 冷戦時代の考え方でロシアを封じ込めることは、多くの人々の幸福に適っているとは言えないのです。 他方、中国や北朝鮮ではトップが神に成り代わり、法律をつくっていますが、その結果、罪のない多くの人々が「合法的」に弾圧され、この世の地獄が現れています。 そもそも、「法の支配」の「法」の根源には神仏の存在があります。大川隆法党総裁は『法哲学入門』の「まえがき」で以下のように述べています。 「はっきり言えば、人間の創った法が、神の法や仏の法を超えてはならないのだ。神仏の法を根源としつつ、変動していく社会に適した実定法が定められていくべきだと思う。国民のその時代の『空気』が、必ずしも神意や仏意でもないことを深く肝に銘ずるべきであろう。」 神仏を信じる心を基にした政治が行われてこそ、普遍的な価値に通じる「法」を定めることができます。 「法の支配」が優れたものとみなされてきたのは、どのような時代や地域でも変わらない神仏の願いと一致する「法」が定められるという前提があるからです。 反対に、神仏の存在を忘れると、善悪の判断もなくなり、メディアの作り出す「空気」に流された政治に堕してしまいます。 それはまさに、西側のプロパガンダを横流ししているだけの、現在の日本外交の姿でもあります。 今こそ日本は、「自由・民主・信仰」を政治の基本原則とし、ロシア‐ウクライナ戦争の仲裁国になりうる数少ない国として、正義ある平和をつくる道を選ぶべきです。 LGBT理解増進法、何が問題? 2023.05.10 http://hrp-newsfile.jp/2023/4431/ 幸福実現党政務調査会長代理 小川佳世子 ◆議論百出の「LGBT理解増進法案」 性的少数者に対する理解を深めるための法律案、いわゆる「LGBT理解増進法案」についての議論が自民党内で進められています。 特に議論になっているのは、「差別」という言葉を入れるかどうかです。LGBTに関して「差別は許されない」としてしまえば、心の中で思ったことや、つぶやいたことまで非難されて、生きにくい世の中になるのではないかということで、慎重な声があります。 しかし、野党などからは「理解を進めるだけでは生ぬるい」「差別の禁止まで踏み込むべきだ」というような意見も出ています。 このように議論がまとまらないなか、5月19日から始まるG7広島サミットで議長を務める岸田首相としては「日本が性的少数者に理解のある国である」ことをアピールするため、サミット前に国会に法案を提出し、できれば成立させたいと考えているようです。 この法律について、国民はおおむね理解を示しています。今年2月に行われた世論調査(FNN・産経新聞社)では、理解増進法を成立させるべきと考えている人が64%を超え、反対の26.5%を大幅に上回りました。 また、同性同士の結婚を認めることについては、特に20代では9割以上が賛成、30代でも88%以上が賛成していて、特に若い世代を中心にLGBTへの理解が進んでいるようです。 しかし、いま、この法律を成立させることはいくつかの疑問があります。 ◆疑問(1):「内政干渉」で急かされていないか 一つ目の疑問は、海外からのプレッシャーや空気に押されていないか、ということです。 アメリカのエマニュエル駐日大使は、東京新聞の取材に対して、LGBTへの差別を禁止する法律について、早めに法律を制定すべき、と訴えています。 日本の法律について、なぜアメリカの大使が口を挟むのでしょうか。アメリカの政府関係者が日本の政治に口を挟むことは、「余計なお世話」を通り越して、「内政干渉」です。 「日本だけがLGBTに理解のない国だと思われている。サミットまでに法整備を」と、不必要に空気を読んで成立を急ぐのはおかしな話です。 他の国が何を言おうとも、日本の国のことは、日本で責任を持って決めるべきです。 ◆疑問(2):LGBTに寛容な日本に特別な法律が必要か 二つ目の疑問は、欧米諸国とは違い、もともとLGBTに寛容だった日本に、特別な法律が本当に要るのだろうか、ということです。 例えばイギリスでは1967年まで同性愛が犯罪とされていました。男性同士で性行為を行ったら有罪となり、刑務所に入れられていたのです。 そうした偏見は今も残り、LGBTの人たちを狙った犯罪が後を絶ちません。 イギリス・ロンドン警視庁の統計によれば、2018年にロンドン市内で確認されただけで、年間2300件のLGBTを狙った暴行などが起きているとのことです。 アメリカコロラド州でも、昨年11月、LGBTの人たちが集まるナイトクラブが銃撃され、30人が死傷する事件が起きました。 さらにアメリカでは、同性愛を精神障害と見なして「治療」する施設がいまだに存在しています。2014年にオバマ大統領が、同性愛の治療を中止する声明を発表したものの、世間から隔離された施設でいまだに人権を無視した治療が行われています。 一方、日本ではそのような極端な差別はなく、ゲイのタレントが活躍できるほどです。 しかも、今、日本が成立させようとしている法律は、LGBTに焦点を当てて差別禁止を定めようとするものであり、世界的に見ても異例なものです。 他の国では、人種、宗教、年齢、性的指向(恋愛対象がどの性別か)などで、雇用や教育面において差別をしてはいけない、という法律はありますが、LGBTに特化した法律はありません。 「日本だけがLGBTについての法整備が遅れている」と主張する人もいますが、わざわざ「性的指向」などという言葉を法律にいれなくても、日本では歴史的に、欧米諸国のような極端な差別や人権侵害は行われてきませんでした。 ◆疑問(3):行き過ぎた保護は大多数の人を不幸にする 三つ目の疑問は、この法律をつくることで、大多数の人が暮らしにくくならないか、ということです。 現在、日本がつくろうとしている法律は、差別をした人への罰則があるわけではないので、「罰則がないならそれほど大きな問題は起きないんじゃないか」と考える向きもあります。 しかし、国がわざわざこのような法律を作ることは、国民への価値観の押しつけとなります。法律をつくることで、決して「差別」するつもりがなくても、「同性愛は受け入れられないな」という考えを持つ人が、社会的に批判を浴びるということにもなりかねません。 2月には、首相秘書官が同性カップルについて「見るのも嫌だ」とオフレコ発言をしただけで、クビになるという出来事がありました。 これは公的な場でなされた発言ではなく、「思想・信条の自由」「言論の自由」の範囲と言えるのではないでしょうか。 もし、この法律が成立したら、普通の国民が職場や学校等でこういう発言をしただけで、世間的な非難を浴びることになり、生きづらくなる人が出てしまいかねません。 さらに、LGBT理解増進法案には、今のところ「性自認」という文言が入る見込みです。 「性自認」とは、肉体の性別にかかわらず、自分で認識している性別のことです。 具体的に言うと、例えば肉体的には男性の人が「私は女だ」と認識するだけで、女性であることを認め、尊重しようということです。 そうしたら何が起きるでしょうか。 体は男なのに、「女性だ」と主張して女性トイレやお風呂などに入っていく男性も認めなくてはならなくなります。 実際、LGBTの権利保護を進めるアメリカでは、男性の体のままで「私は女です」と主張して女性のお風呂に入り、その後暴動に発展した事件がありました。 小さな女の子を連れた親が「なぜ男が女性のお風呂に入ってくるの」と抗議をしても、「LGBTの人を差別してはいけない」というカリフォルニア州の法律を根拠に、親の抗議は聞き入れられませんでした。 また、肉体は男性なのに「私は女だ」と主張して、女子スポーツ大会で優勝し、真面目に努力してきた女性が不利益を受けるといったケースも出ています。 そのため、「多数派が安心して生きられるようにしよう」と、揺り戻しも起きています。 フロリダ州では、「小学校で、性自認について話し合いをしてはいけない」という法律が、カンザス州では「性自認に基づいたトイレの使用を禁じる」つまり、「女性のトイレは生物学的女性だけしか使ってはいけない」という法律が定められたりしています。 アメリカなどはLGBTへの理解が進んでいるというイメージの報道がなされていますが、実際はどのようなことが起きているかを理解したうえで、議論を進めるべきでしょう。 ◆政治に必要な宗教的視点 私たち幸福実現党は、LGBTの権利拡大や同性婚を認めることには反対の立場です。 それは、大勢の人たちが生きにくくなるだけでなく、少数派の人たちの幸福にもつながらないと考えるからです。 欧米諸国において、LGBTの人たちへの差別の歴史は、キリスト教的価値観によるところが大きいと思われます。聖書には、同性愛は罪であるというような記述があります。 かといって、神仏の存在を否定し、人間は何をやっても自由であると主張し、LGBTの人たちに過度な権利を認めるのも、社会の秩序を乱し、大勢の人を不幸にします。 私たち幸福実現党は宗教政党であり、神仏の存在や霊的な世界を認める立場です。そして、宗教的な視点から、なぜLGBTの人たちがいるのかということを伝えています。 大川隆法党総裁は、人間は、何度もこの世とあの世を転生輪廻している存在であり、例えば肉体的には男性でも、過去何度か女性で生まれた経験があると、女性として生きた時の記憶が魂に残り、女性としての生き方を望んだり、男性に惹かれたりすることもあるという霊的真実を明かしています。 そのようにLGBTの人たちへの理解を示しつつ、今世与えられた性で生きることが魂の経験を増やす上で重要であることを説いています。 一方、最近では、強い欲望を持つ人がその思いと同通する悪しき霊に憑依されるケースも増えており、死後、苦しみの世界に行かないためにも、過度な権利保護はすべきではないと教えています。 いずれにせよ、こうした視点は、この世的議論や多数決の民主主義では決して得られないものだと言えます。 本当に多くの人の幸福につながる政治を行うためには、やはり神仏の心や霊的な真実を教える宗教的真理が不可欠なのです。 すべてを表示する