Home/ 2022年 December 2022年 December 防衛費財源で大炎上!増税反対3つの理由。防衛産業を育成するには。【後編】 2022.12.24 https://youtu.be/kX3z41Okz-k (12月16日収録) 幸福実現党党首 釈量子 防衛費財源について、他党が言えない幸福実現党の3つの主張は、「防衛産業の立ち上げ」です。 (3)防衛産業を立ち上げよ もっとも、「国防債」は、「赤字国債」と違いますので、選択肢としては当然ありえると私たちも考えます。ただ、それなら、「防衛産業」を立ち上げるべきでしょう。 近年、防衛事業から撤退する企業が相次ぎ、コマツや住友重機工業、横河電器などが事業撤退や事業譲渡を表明しています。 企業の本音としては、利益率の低い事業をいつまでも続けられないということです。 日本の防衛産業の維持と育成を図るためには、防衛装備品の輸出を考える必要があります。ただ、技術流出を防ぐため、米国や豪国、インドなどの同盟国やそれに準ずる国に限定する必要はあります。 日本は2014年4月に、防衛装備品の海外輸出を可能にする「防衛装備移転三原則」を制定していますが、8年が経過した現在も輸出実績は、2020年にフィリピンへの三菱電機製の警戒管制レーダー1件しかありません。 今回、「トマホークを500本、アメリカから買う」ことになりましたが、要するにアメリカの軍事産業にお金を流すわけです。 このような高額な装備品を購入するのではなく、国産装備品の購入を進め、日本の防衛産業を育てるという努力は、当然すべきです。 ◆大学で軍事研究ができない日本 防衛産業を育成するにあたっては、産官学連携の強化も必要です。 しかし、日本では東大を筆頭に、大学で軍事研究を行えません。日本学術会議が「軍事研究を行ってはいけない」という方針を出しているからです。 1950年に、「戦争目的の科学研究には今後一切従わない」という声明を出しており、今年夏、同声明に基づいて、軍事目的の研究は行わない旨の見解を再確認しました。 大学の研究者は学術会議の方針に縛られています。政治の力で、この縛りを解かなくてはいけません。 そもそも技術開発に軍事目的や商業目的の境界はありません。民間技術を軍事転用できることもあれば、逆に、軍事技術を民間転用できることもあります。 米国の軍事研究機関DARPAがGPSやインターネットの技術を民間に転用したのは有名な話です。 日本が戦後経験しなかった国防上の危機にある中、自国で軍事研究を行うことは、国家の自助努力として欠かせません。 「軍事研究するな」という規制を廃し、防衛力強化につなげていかなくてはいけません。 以上、国防費に関して考えましたが、2%に増額してもそれで日本が護られる補償はどこにもありません。 どうやったら国が守れるのかということを考えると、毎年予算を要求する「財務省主導型」ではなく、「防衛省主導型」にすべきです。 たとえばドイツのように20兆円規模で運用している防衛基金のようなものを設置していくというアイデアもあるでしょう。 ◆二宮尊徳の精神 そして政府には、無駄遣いをさせないことが、本当に必要です。 先日、栃木県日光市今市の二宮尊徳記念館で特別展を観てきたのですが、天保七年、天保の飢饉のころに、小田原藩家老服部十郎兵衛にあてた自筆の書状が展示されていました。 再三の借金依頼の手紙に対して「常軌を逸脱している」「庭の草木にも劣る」と一喝しています。 そして二・三日、昼夜を徹して検討した結果、「自分が貸した金を利息まで含めて返してもらえば、それを元手にして家老の全借金を返済してやろう」「こうしたことに時間をかけずに本来の仕事に戻り、人々を救済していきたい」と書いています。 さらに、「この方法についてお気に召さなければ私は二度と小田原に帰ることはありません」と不退転の覚悟で迫っています。 いま必要なのは、この二宮尊徳の精神です。 政府の無駄遣いを叱り、増税の防波堤となる。そして国民の救うための予算を工面する。これは現代では議会の仕事です。 ところが日本では与野党ともに、ばらまきを煽り、国防は後回しにしています。まさに「アリとキリギリス」の逸話で、このままでは国は必ず滅びてしまいます。 二宮尊徳の「積小為大」の精神で、国民一人一人の自助の精神を出発点とした繁栄を目指すべきです。 そして「小さな政府」を目指し、ムダな仕事、ムダな役所、ムダな規制を減らして、民間部門の個人や企業の後押しを行う。 こうした明確な政治哲学を持っていないから、安易な増税や国債発行の政策しか出てこないわけです。 「増税前に政府の減量を行うべし」と訴えたいと思います。 防衛費財源で大炎上!増税反対3つの理由。防衛産業を育成するには。【前編】 2022.12.23 https://youtu.be/kX3z41Okz-k (12月16日収録) 幸福実現党党首 釈量子 ◆防衛費財源に増税? 防衛費増額の財源を巡って、議論が紛糾しています。 日本の防衛費は年間5.5兆円程度ですが、これを段階的に増やして、27年には11兆円にしていきます。5年間の総額は43兆円。これで目安としていたNATOと同じGDP2%となります。 12月8日に岸田首相が、5年後の2027年度以降、不足する1兆円を増税でまかなうと発表してから、防衛費の財源をどこから捻出するのか、議論は今も続いています。 自民党内からは、岸田首相の突然の増税指示に対して、「増税ではなく、国債の発行で対応すべきだ」という指摘が出ています。 さらに財源確保として法人税増税を検討していることについて、経済同友会の桜田代表幹事は、「企業が一生懸命賃上げを含めた人への投資、将来への設備投資に備えようとしている中、水を差す結果になるのは間違いない」と述べています。 ◆増税前に政府の減量を行うべし この件について、幸福実現党は、他党が言えない、言わない見解を申しげたいと思います。 (1)自民党の参院選公約に増税議論は無かった まず一点目は、自民党の参院選公約に増税議論は無かった、ということです。 岸田首相は、今年5月にバイデン大統領に防衛費の「相当な増額」を約束して以降、明確な金額を示しませんでした。 今年夏の参院選でも「NATO防衛予算のGDP2%も念頭に」という曖昧な表現を使用していました。 今頃になって増税の議論を持ちだすことは、筋論として、正直ではありません。民主主義の信頼を守るためにも、ごまかしの政治ではなく、もっと正直な政治を行うべきだと思います。 (2)増税前に政府の減量を行うべし 二点目は、増税前に政府の減量を行い、無駄な税金を削ぎ落すことです。 2020年の税収は60.8兆円、2021年は67兆円と、2年連続で過去最高の税収がありました。 注目したいのは、2021年当初の予算段階では税収57.4兆円を見込んでおり、実際の2021年の税収は67兆円なので、約10兆円上振れています。 もし、税収の上振れ分を翌年以降に使えるように貯めておけば、防衛費財源にも充当できるはずです。 しかし、政府はそうした増収分も含めて、すぐに補正予算を組んで、新型コロナ対策などに大盤振る舞いでタガが外れてしまいました。 2021年度は当初予算と補正予算を合わせて140兆円を超えています。当然国債を大量発行して、収入の倍以上の支出を賄っている状況です。 それも、災害対策のようなものではなく、旅行に補助金を出すような使い方をしています。 また、政府与党からは「増税ではなく建設国債の発行で賄うべき」という声が上がっていますが、1400兆円にのぼる政府債務がある日本において、将来世代への大きな負担になるのは間違いがありません。 現時点でも、国民所得に占める税金と社会保険料を合わせた負担の割合を示す「国民負担率」は、20年前は36.5%でしたが、2022年時点で46.5%に増えています。 これに、国民が将来負担する政府の借金を加えた国民負担率は56.9%です。 この数字は、福祉国家で有名なスェーデンを上回っています。米国は40.7%なので、日本の国民負担率の高さが伺えます。 収入の半分以上を、政府に税金として持っていかれているという状況は、江戸時代の「五公五民」と同じで、もはや「一揆」が起きてもおかしくない状況です。 ちなみに、10月28日に岸田政権が発表した補正予算29.1兆円の「総合経済対策」ですが、政府は当初約25兆円を見込んでいました。 しかし、自民党が要求していた補正予算規模30兆円に満たないので、自民党内部の大反発にあい、その結果、岸田首相は僅か一晩で4兆円増額を決めてしまったのです。 このお金の感覚が、浪費体質、借金体質の象徴ともいえるのではないかと思います。このように自民党は支持率が下がるたびにバラマキを続けています。 そんな政治に、安易に「増税」や「国債発行」と言われたくないものです。私たちの子孫の世代につけを回すことは慎重に検討すべきだと思います。バラマキ政策は必ず増税を招きます。 私たちは政府がやらなくていい仕事を「減量」し、「小さな政府」を志向し、自由意思による努力の継続を応援して「勤勉革命」を実現すべきだと考えています。 具体的には、無駄な省庁を畳む。厚労省があるなら子ども家庭庁などいりません。デジタル庁もいりません。 (後編につづく) 中国が核大国へ、台湾侵攻で日本が戦場になる!核抑止論をタブー視するな【後編】 2022.12.22 https://youtu.be/hvEW2dB8sQw 幸福実現党党首 釈量子 ◆核保有国の判断 フランスは、シャルル・ドゴールが大統領の時、1960年に核を持ちました。 当時は米ソ冷戦真っただ中で、隣国のドイツで東西が衝突し、核戦争の可能性が高まっている時期でした。 ドゴールは、NATOの司令官やアメリカのケネディ大統領と話をした結果、「ヨーロッパの同盟国を守るために、アメリカが核兵器を使用する保証など何処にもない」と判断し、アメリカの反対を押し切って、核装備を進めました。 その後、国連で「核拡散防止条約」ができ、アメリカ、ソ連、イギリス、フランス、中国の5ヵ国が核保有国とり、その他の国の核保有を禁止しました。 しかし、インド、パキスタン、北朝鮮、そして核保有を否定も肯定もしていないあいまいなイスラエルの9か国が核を保有しています。そして、そうした国と核をレンタルするなどの方法を取っている場合もます。 いずれにしても、核戦略は、核を落とすような敵国が現れた時、国内世論はもちろん、アメリカなど大国と渡り合い、断固、国を護るという政治家の肚がいります。 ◆日本は正当防衛の範囲内で核装備を 日本における「核装備の議論は、1957年の国会答弁で岸信介首相が「自衛の範囲内を超えない限り、核を保有しても違憲ではない」と答えています。 岸信介首相は「防衛上、核武装の必要に迫られれば日本は核武装をする」とアメリカに非公式に伝達し、これに驚いたアメリカは「核の傘」を検討し始めたと言われています。 その後、1965年には佐藤栄作首相も、前年に核実験を成功させた「中国が核兵器を持つなら日本も持つべきだ」と言っています。 それに対して、アメリカは日本の軍事的自立を阻止したかったので、「核の傘で中国の核の脅威からしっかり守る」という「核の傘」を用意しました。 こうした背景もあって、1967年12月の衆院予算委員会で佐藤栄作首相は「核は保有しない。製造もしない。持ち込まない」という「非核三原則」を打ち出しました。 その功績で1974年にノーベル平和賞を受賞しましたはが、まるで用意されたかのような受章ではあります。 北朝鮮が核実験した2006年には自民党の政調会長をしていた中川昭一氏が日本の核装備に言及すると、マスコミや野党から袋たたきにあいました。 さらにアメリカのライス国務長官が日本にすぐにやって来て核装備の動きを牽制しました。 そして現在の政府は、「憲法9条のもとでも核装備は合憲である」というのが、内閣法制局の公式見解です。 2016年、安倍首相の時に内閣法制局長官が「憲法上、核兵器使用が禁止されているとは考えていない」と国会でハッキリ答弁しています。 憲法9条や非核三原則は戦後日本の平和主義を象徴するものですが、中国や北朝鮮の脅威が迫り、いまだかつてないほど、核戦争の危機が迫っています。 すでに中国の核の照準は日本の各都市に向けられています。核兵器の最大の効能は、「他の核兵器保有国に核兵器を使わせない」ということです。 先日も、フジテレビの朝の番組で、フランスのエマニュエル・トッド氏が出演し、「日本の唯一の安全保障は核を持つことだ。核を持てば安全で、中立的な立場をとることができる」と発言しました。 「核なんて落とすわけがない」というのは日本人の感覚であって、世界はそれぞれの国が自国の「正義」の名のもとで、核を使う可能性が未だかつてないほど高まってきています。 幸福実現党は日米同盟を基軸としつつも、憲法9条改正と正当防衛の範囲内での核装備を一貫して訴えてきました。 アメリカ一国で世界を守ることが難しくなった今、東アジアの正義と平和のために、日本が核抑止力を持つことを考えるべきです。 防衛費をGDPの2%に引き上げることも大事なことですが、どうすれば国民を護れるのかという本質を突き詰めていくと、日本が中国や北朝鮮の核の恫喝に屈せずに、独立を守り抜くことを考えないといけません。 今こそ、本気で国防強化を行うときではないでしょうか。 中国が核大国へ、台湾侵攻で日本が戦場になる!核抑止論をタブー視するな【前編】 2022.12.21 https://youtu.be/hvEW2dB8sQw 幸福実現党党首 釈量子 ◆2035年までに中国核弾頭1500発に増大 アメリカ国防総省は11月29日、中国の軍事・安全保障戦略に関する年次報告書を発表しました。 それによると、「中国は2035年までに現在の4倍にあたる約1500発の核弾頭を保有する可能性が高い」と結論付けています。 日本にとって恐ろしいのは、このまま中国が核弾頭を大幅に増やしていけば、「台湾有事でアメリカの介入を阻止することもあり得る」と分析していることです。 「ストックホルム研究所」によれば、2021年の中国の核保有数は、ロシア、アメリカに次ぐ3番目ですが、アメリカに並ぼうとしています。 11月4日のCNNの報道では、「アメリカ戦略軍」のリチャード司令官が、アメリカの中国の核に対する抑止力について、「船はゆっくりと沈んでいる」と表現しています。 「アメリカ戦略軍」は、アメリカの核戦略を統括する、いわば元締めのようなところで、その組織トップが、東アジアにおける米軍の存在感が低くなっていることに危機感を抱いているわけです。 昨年7月に、「中国は、日本が台湾有事に一兵卒でも、一軍用機でも送って参戦した場合、ただちに日本に核攻撃を行う」という民間の「軍事評論集団」の動画が注目されました。 中国は、朝鮮戦争の時に、アメリカ政府から核の脅しを何度も受け、毛沢東は「二度と侮られない国になる」という執念で、アメリカに届く核を開発してきた経緯があります。 中国は、アメリカとの全面対決を避けて、直接介入をさせないために、アメリカを抑止できるだけの核弾頭を急いで増やしているわけです。 こういう状況の中、中国が台湾に侵攻する時に「日本が台湾支援に回ったら、東京に核を落とす」と恫喝したら、日本はどうするのか。米軍はしっかり守ってくれるのか。 これこそが日本にとって最大の政治的課題なのではないのでしょうか。 ◆北朝鮮のミサイル連射と核実験 さらに、中国に加えて北朝鮮の脅威も増しています。 ロシアのウクライナ侵攻後、韓国では自前の核開発を求める声が強くなっています。 今年3月に行われた「韓国の核開発に関する世論調査」では、「独自の核開発をすべきだ」という声が67%、「必要なし」の24%をはるかに上回っています。 すでに、ミサイルはアメリカ本土に届くミサイルを開発しており、韓国世論は、「北朝鮮に核保有を断念させるために取り組んできました。 しかし、その見込みはもうないという現実をみて「韓国を守るために自前の核が必要」と考える人が増えています。 さらに、「どの国が韓国にとって最大の脅威か」という世論調査では、現時点では北朝鮮が最多の46%ですが、今から10年後の最大の脅威は中国という結果になっています。 ◆アメリカが代理戦争を行い、日本が戦場になる? では日本はどうすべきでしょうか。 11月18日には北朝鮮の大陸間弾道ミサイルICBMが北海道の渡島大島(おしまおおしま)の近くに落下しました。 岸田首相は「最も強い言葉で非難」しましたが、「遺憾砲」を発し続けても根本的な解決にはなりません。 ウクライナ戦争の教訓として、アメリカは核攻撃を行う覚悟がある国に対しては直接対決を避け、資金と兵器を供給して、「代理戦争」を行うということです。 実際、ウクライナは、開戦当初からアメリカ・NATOに対してロシアの攻撃からウクライナを守るために「飛行禁止区域」を設けてほしいと要望していました。 しかし、NATOとロシアの戦闘機と撃ち合いになれば、米露の全面戦争に発展する可能性があるので即座に拒否しました。 ウクライナと同じように、中国が台湾に侵攻した場合、アメリカは台湾や日本に武器を供給するが、米軍の関与は最小限に抑える可能性が濃厚です。 つまり「日本が戦場になる可能性が高い」ということです。韓国も同じような不安を抱く人が増えて、核保有の世論が高まっているわけです。 こういうと、「日本は日米同盟があるからウクライナと違う。アメリカの核の傘が日本を守ってくれる」と主張する人もいるのですが、「アメリカの核の傘が本当に機能するのかどうか」は定かではありません。 日米安全保障条約の第5条には「アメリカが日本を守る義務」を明記していますが、どういう事態が起きたら守るのか、どの程度リスクを冒して守るのかまでは明記されていません。 (後編につづく) すべてを表示する