Home/ 2020年 February 2020年 February 新型コロナウィルスで韓国経済崩壊、断末魔の文在寅大統領【前篇】 2020.02.08 https://www.youtube.com/watch?v=hD-_oKxyOQE&t=60s 幸福実現党外務局長 及川幸久 ※下記は要約したものです。詳しくは上記の映像をご覧下さい。 ◆新型コロナウイルスで最も被害を受けるのは中国ではなく、韓国? 今回は「韓国経済崩壊は通貨危機から」というテーマでお伝え致します。 現在、中国武漢発の新型コロナウイルスの影響が周辺国に至るまで多大な影響が出ています。 そんな中、経済的な面で最もダメージを受けるのは、中国ではなく実は韓国ではないかという切り口で本日は考えていきたいと思います。 1月28日(収録当日)時点での韓国の株価が危険水域まで暴落していますが、それ以上に危ない動きを示しているのが、韓国通貨ウォン(対ドル)の値動きでこちらも暴落状態にあります。 ◆輸出依存度が高すぎる韓国経済 その理由の一つが、韓国の輸出依存度が高すぎるという点です。 まず、昨年から始まった米中防衛機摩擦によって、世界全体での輸出量が大きく減少しており、輸出依存度が高い韓国には大きな打撃となりました。 また、中国のIT分野における台頭によって、韓国企業の競争力が著しく低下しているという要素もあり、韓国の輸出立国としての基盤が揺らいでいます。 世界でも香港、シンガポールのような貿易立国を除き、韓国の輸出依存度(GDPに対する貿易額比率)は70%でOECD加盟国では最も高くなっています。 例えば日本29%、米国20%という形で、先進国では内需を中心とした経済構造となるのですが、異常に高い韓国の輸出依存度は国内の内需の脆弱さを表わしています。 ◆中国への貿易依存度が高すぎる韓国 そしてもう一つの理由として、中国との貿易への依存度が高すぎるという点が挙げられます。 TIVA指標によると、韓国の中国に対する依存度は25.3%となり、オーストラリアに次いで中国に2番目に貿易依存している国が韓国なのです。 日本も20.6%も比較的高く、このように中国に依存度が高い国は、今回のような有事によって中国経済がピタッと止まった際の影響が甚大となるのです。 ◆足を引っ張る文在寅大統領の経済的失策 ただでさえ、韓国の文在寅政権が行った最低賃金の引き上げという経済的失策によって、韓国の実体経済は非常に悪化しています。 GDP成長率が2%、インフレ率が0.7%、つまり、年間1%程度しか平均的には賃金水準は上がらない中、2018年には16.4%、2019年には10.9%という異常な引き上げを行ったわけです。 これによって、特に韓国の中小企業、零細企業が大打撃を受けました。 この議論については、日本でも昨年から安倍首相が「最低賃金1,000円を早期実現したい」ということを述べておりましたが、経済の現場においては全体が最低賃金の方に下がるという逆行現象が起こっています。 なぜなら、実質賃金が上昇していない中、最低賃金レベルの労働者数が増加しているからです。 このような最低賃金を引き上げるという政策は、本来民間主体で決めるべきことであり、賃金を政府が決めるということ自体、社会主義政策の典型で、一国の経済を大きく蝕むと言えるでしょう。 (つづく) 成長戦略インサイト(3)「中国国内外を揺るがす新型ウイルス」 2020.02.07 本日は、成長戦略インサイト(3)「中国国内外を揺るがす新型ウイルス」(2020年2月7日号)をお送りします。 成長戦略インサイト(3)「中国国内外を揺るがす新型ウイルス」(2020年2月7日号) http://hrp-newsfile.jp/2020/3813/ 幸福実現党成長戦略部会長 西邑拓真 ――新型コロナウイルス感染症が中国を中心に感染が拡大している 6日9時時点で、感染者数は合計で28,248人に及び、そのうち中国国内の感染者数は28,018名(そのうち死者は563名)、日本国内の感染者は21名となっています。 中国湖北省・武漢市では連日、新たな患者が1,000人超規模で確認されていますが、現地では、病床、医療人員の不足など、医療体制が追いつかない状況が続いています。治療が十分に行われていないこともあり、武漢市での感染者の致死率は4.9%と、中国本土全体(2.1%)に比べて倍以上に及んでいます。 ウイルスの感染拡大をめぐっては、中国当局による情報統制により、拡大阻止への初動が遅れたと見られています。 肺炎の危険性にいち早く警鐘を鳴らしていた武漢市の医師・李文亮氏が、自らも感染症に感染し、7日、同肺炎のため亡くなりました。 李氏は昨年末、SNS上のグループチャットにおいて、「海鮮市場で7件のSARS(重傷急性呼吸器症候群)に似た肺炎が確認された」との書き込みを行ったのに対し、武漢市の公安当局が「事実でない情報を流布した」として、李氏に訓戒処分を言い渡していました。 その他、李氏の事案以外にも、中国版ツイッター「微博(ウェイボー)」へのウイルス感染に関する書き込みについて、投稿の削除が相次いで確認されており、このことからも当局が情報統制に躍起になっている状況が伺えます。 先月20日、習近平国家主席はようやく「重要指示」を出し、「迅速な情報開示」などを命じましたが、これをかけ声倒れに終わらせては、国際社会が許さないでしょう。これを機にして中国政府は、言論に対する統制のあり方そのものを根本的に見直すべきであり、国際世論も喚起されるべきです。 武漢市内では今、駅や高速道路等を封鎖する措置がとられていますが、武漢市にいる1100万人のうち、500万人はすでに、武漢市外へ移動したとも言われています。今後の感染拡大は予断を許さない状況です。 ――中国経済への影響も大きい 中国はまさに、米中貿易戦争と新型コロナウイルス感染症のダブルパンチを受けて人・モノの動きに制限がかけられ、経済的に大きな打撃を受けた状況にあります。 こうした中、中国人民銀行は3日、金融市場に対し1兆2千億元(約18兆7千億円)を供給する公開市場操作を実施しました。ただ、経済活動そのものに制限がかけられている以上、資金供給を行ったとしても、効果は限定的とも見られます。 中国経済の不調は今後、世界経済へも大きく波及すると懸念されています。 韓国の現代自動車は4日、中国からの部品供給が滞ったことが原因となり、韓国国内にある全工場の稼働を停止すると発表しました。このように、中国に生産拠点を置く企業は今、サプライチェーンのあり方について、方針転換を迫られているのです。 翻って日本政府はこれまで、インバウンド消費の拡大を推進してきましたが、感染症の拡大で、その流れに影を落としています。いずれにせよ、これを機に改めて「チャイナリスク」を見つめ直し、日本政府としても内需拡大と、製造業の国内回帰を推進すべきでしょう。 ――太平洋の島嶼国であるミクロネシア連邦とツバルは、日本からの入国を制限する措置を取った 日本が「感染国」との烙印を押されたのは、日本政府による対策の不徹底によるところがあると言わざるをえないでしょう。 日本政府はすでに、在留邦人のうち希望者に対し、チャーター便で帰国させる措置を取っていますが、第一便での帰還者のうち2人が一時、検査を拒否するなど、水際対策の不徹底が露わとなりました。 それに対して、米国政府は先月31日、同感染症をめぐって「公衆衛生の緊急事態」を宣言し、湖北省から帰還する米国人を2週間隔離したり、中国に滞在歴のある外国人を入国拒否とするなど、徹底した対策を行っています。 日本政府は1日、同感染症を「指定感染症」とする政令を施行しましたが、その指定は、患者の強制入院等を可能とする「2類」に留めています。本来は、「無症状病原体保持者」に対して「検査」や「隔離」措置などを行える「1類」指定を行うべきでしょう。 いずれにしても、今回の感染症に対する日本政府の対応は、危機管理能力の脆弱性が改めて浮き彫りとなった形です。 また、中国・習近平国家主席の国賓待遇での訪日が、同感染症の流行によって延期されるとの見方もありますが、「延期」では本来十分ではありません。 習氏の国賓待遇については、日本政府として、中国政府による強まる人権弾圧、覇権主義に鑑み、全面見直しをすべきです。 (参考)高橋洋一「新型肺炎、対応が遅すぎる日本政府! 頭使わぬ厚労省に呆れ…遅すぎた『感染症指定』の施行日 中国配慮?のWHOの動きも鈍く」(夕刊フジ, 20年2月5日付) 以上 成長戦略ナレッジ(2)「地方独自としての消費減税の可能性」 2020.02.04 政調会成長戦略部会は、地方独自としての消費減税の可能性について、「成長戦略ナレッジ」として論点整理を行いましたので、皆様にご紹介いたします。 成長戦略ナレッジ(2)「地方独自としての消費減税の可能性」(2020年2月3日) http://hrp-newsfile.jp/2020/3810/ 幸福実現党成長戦略部会長 西邑拓真 〇地方消費税の仕組み ・現在、消費税の標準税率は10%(軽減税率は8%)ですが、そのうち国税部分が7.8%(同6.24%)、地方消費税分が2.2%(同1.76%)となっています。現在の税制では、原則として地方消費税の税率は一律となっており、各自治体が独自に税率を設定できるわけではありません。 ・消費税は、負担者が消費者で、納税者が事業者と、負担者と納税者が異なるという意味で「間接税」と位置付けられます。事業者は消費税を国税分と地方税分を併せて税務署に一括して納付し、その後地方税分については各自治体(都道府県、市町村)に払い込まれる仕組みとなっています。 ・「消費税の最終的な負担は消費者であり、税収は最終消費者に帰属すべき」との考えにより、自治体に払い込まれる地方消費税額は、小売販売額や人口、従業者数などを基準に「精算」した上で配分されます。(*) (*)「地方消費税の精算基準の概要」(https://www.soumu.go.jp/main_content/000481794.pdf)参照 〇地方自治体が独自として消費減税するには課題もある ・ここでは、地域活性化策として地方消費税の減税を実施するにあたっては、どのような状況が起こりうるか議論していきます。まずは、税制を変更して、地方自治体が独自に地方消費税の税率を変更することができるようにした状況を想定します。 ・地域ごとに税率が異なることになれば、消費者や事業者などにとってもそうですが、消費税は小売段階だけでなく製造、卸売など中間段階にもかかることも考えれば、現状の「精算」機能を据え置いた場合などは、複雑な状況が起こることは避け難いと思われます。税率設定の自由化を行う際には、周辺の制度設計を見直す必要性が生じるなど、クリアすべき課題が多いというのが実際のところです。 ・欧州や北米では、国家間や国内の州・地方政府間で付加価値税、あるいは売上税の税率に差が生じている時、自身が属する地域ではなく、あえて税率の低い地域に足を運んで商品を購入するという「クロスボーダー・ショッピング」が生じることが観察されています。これは、税を含めた商品の価格差が、移動に伴う様々なコストを上回る際に生じるものです。 ・消費が行われる場が、税率が高い地域から低い地域へ移ることになれば、税率が高い地域はクロスボーダー・ショッピングが生じるのを避けるため、税率を低くしようとするでしょう。こうした動きが全国に広がれば、地域間で税率引き下げ競争が生じることも想定されます。 ・税率が下がること自体は喜ばしい面が大きいですが、税収減が伴わざるをえない部分も否定できません。国の財政状況を考えれば、現状では地方交付税交付金を大きく増額することは考えにくいため、地方自治体が減税策を行う際には、公共サービスの提供のあり方を見直すなど、地方行政のスリム化を図らなければならないでしょう。 ・また、地方消費税にかかる税率設定のあり方については現状のまま据え置くとした場合は、例えば、全国数カ所に「地域活性化のための特区」を設け、特区内の消費税は低く抑える、という方策も考えられます。ただ、人口減少に喘ぎ、地方活性化を急ぐべき地域は多く存在するほか、クロスボーダー・ショッピングが行われて特区周辺の消費が減退して不公平な状況が生じる可能性を含むため、特区の選定に向けては、一定の根拠が求められることになるでしょう。 〇地域活性化に向けて ・以上、様々な検討課題は残されてはいるものの、消費税の減税策については、「消費税の5%への減税を目指す」のを前提としながらも、当面の代替案として、「(a)地方消費税は地方が独自に設定できるようにするなど一連の制度改正を行い、地方消費税や交付税交付金に頼らない地方自治体(地方行政のスリム化や、企業や住民の誘致など他の地方活性化策による税収アップ)を目指しながら、地方自治体として消費税の地方税分を引き下げる、もしくは(b)全国に数カ所、地域活性化のための特区を設け、特区内で独自の消費税率(例えば5%)を設ける。」とするのも一つでしょう。 ・その他、地域活性化に向けては、農業分野や都市開発などにおける規制のあり方の見直し、都市・地方間における物流・人的交流の活性化に向けたリニア新幹線の整備をはじめとしたインフラ整備、観光資源の最大限の活用など、様々挙げられるでしょう。 ・地方を中心に少子高齢化が急激に進行するわが国にあって、地方独自として消費減税を実施するとの可能性を含めて、有効な地域活性化策の実施が急がれます。 (参考) 鈴木将覚「地方消費税の役割と課題」(みずほ総合研究所)(2015年2月4日) 深澤映司「地方消費税を巡る税制立設定の自由化に伴う経済的影響」(国立国会図書館レファレンス)(2014年4月) 以上 メガバンク・地銀の大淘汰時代が始まった!【後編】 2020.02.03 本日は、「メガバンク・地銀の大淘汰時代が始まった!【後編】」をお送りいたします。 (広報本部) メガバンク・地銀の大淘汰時代が始まった! https://www.youtube.com/watch?v=HiAu89u1Urw 幸福実現党党首 釈量子 ※下記は要約したものです。詳しくは上記の映像をご覧下さい。 ◆銀行の海外投資拡大でリスク高まる 海外リスクも高まっています。 国内金融機関の対外債権の伸びを見ると、マイナス金利の影響で、国内では収益が増えない日本の銀行は、ここ数年、収益確保のため、海外投資を拡大してきました。 背景には、日本の銀行はリーマンショックの際に悪影響が少なく、海外投資の余力が大きかったことがあります。 特に、メガバンクなどの大手行は海外ビジネスを拡大することによって海外金融機関との関係が深まっています。 しかしその反面、海外で金融危機が発生した場合、リーマンショックの時に比べ、影響が及びやすくなっています。 日銀が定期的に出している「金融システムレポート」で昨年10月、海外のリスク資産の中からCLOという金融商品を取り上げて注意喚起をしています。 CLOというのは、「ローン担保証券」(Collateralized Loan Obligation)の略で、「高リスクの債権をパッケージ化した金融商品」なのです。 2008年にリーマンショックを引き起こした「サブプライム住宅ローン」は、アメリカの低所得者のローンを集めた商品でしたが、CLOはアメリカの企業のローンを束ねた金融商品です。 これを日本の金融機関が買っていることが昨年わかり、話題になりました。 日銀のレポートでは、リーマンショック級の経済危機が起きると、アメリカ企業の破綻などでCLOが下落し、日本の銀行も大きな損失を被る可能性があると警告しています。 また差し迫ったリスクとしてはアメリカとイランの「戦争リスク」、そして「中国バブル崩壊」の可能性もあります。 ◆「銀行」対「テクノロジー企業」の戦い さらに銀行にとって、全く違う業界からライバルが現れました。それがハイテク企業です。 GAFAに代表されるようなハイテク企業です。 例えば、ネット通販最大手のアマゾンは「アマゾンレンディング」というサービスを2014年に始めました。これは、アマゾンに出品している販売店向けの金融サービスです。 普通、銀行から融資を受けるためには、事業計画に加えて担保も必要。さらに、銀行が融資を決定するまで数週間、時間かかります。 ところが、アマゾンは、マーケットプレイスでの実績があれば審査なしで一定額の融資を受けることができます。 ポイントは、これまで銀行のような「担保至上主義」ではなく、事業の本質により近い「商売の流れ」つまり「商流」を見て判断している点にあります。 こうしたハイテク企業の挑戦を受け、先日、三菱UFJフィナンシャルグループは4月1日付けで、デジタル化を担当する亀澤宏規副社長が社長に昇格しました。 記者会見では、「(銀行が持っている)信頼やブランドはうかうかしているとなくなってしまう。 これらが保たれているうちにイノベーションを作っていかないといけない」と危機感を露わにしています。 ◆日本政府がなすべきことは? 最後に、日本政府ができることを考えてみたいと思います。 まず、「戦争」や「中国バブルの崩壊」といった海外リスクにより国内で混乱が起きるような時は、断固、金融機関を潰さないという腹を据えるべきです。 98年に北海道拓殖銀行がつぶれましたが、私たちは「日銀特融すればよかった」を考えています。金融機関は信用がすべです。断固たる決意で守るべきです。 そして、「マイナス金利」の見直しを始める必要があると思います。 「マイナス金利」の副作用として、銀行の収益が低下、リスクの高い海外投資を増やさざるを得ない現状を見ると、政策効果よりも弊害の方が大きくなっているように思います。 マイナス金利継続の理由が「デフレ脱却」にあるならば、「金融緩和や財政出動」とは真逆の「デフレ政策そのもの」である「消費増税」を止めるべきだったと言いたいところです。 恒久的に国民の懐から税金を召し上げる以上のデフレ政策はありません。 そして、アメリカのトランプ政権で実証されている「減税」や「規制緩和」を中心とした新しい成長戦略で、日本経済を成長させる方向に舵を切ることが、確実に銀行の収益力を高めることになると思います。 銀行の原点は、新しい企業を黒字型で発展させ、その結果、融資も預金も増える共存共栄型の成功にあると思います。 その結果、国や地方の税収を増やすことができます。いくらテクノロジーが発展しても、銀行と企業の二人三脚で企業を成功させる仕事は残るはずです。 銀行が新たな付加価値を生み出す源泉になるような社会を創っていくべきだと思います。 メガバンク・地銀の大淘汰時代が始まった!【前編】 2020.02.02 本日は、「メガバンク・地銀の大淘汰時代が始まった!【前編】」をお送りいたします。 (広報本部) メガバンク・地銀の大淘汰時代が始まった! https://www.youtube.com/watch?v=HiAu89u1Urw 幸福実現党党首 釈量子 ※下記は要約したものです。詳しくは上記の映像をご覧下さい。 ◆マイナス金利と消費増税の影響 今回は「メガバンク地銀の大淘汰時代が始まる!」というテーマでお話したいと思います。 アベノミクスが始まってから、異次元と呼ばれる大規模な「量的緩和」を行い、デフレ脱却の指標である「物価目標2%」を目指してやってきました。 ジャブジャブにお金を流せばインフレになって物価が上がる、という考えです。 ところがそれでも効果はなく、2016年、政府日銀は、次の手に出ました。それが「マイナス金利政策」です。 民間の銀行は、いざという時のために、お客様からあずかった預金残高のうち一定額(所要準備額)を、日銀の当座預金に預けないといけない決まりになっています。 これまで、その一定額を超える金額を預けると(超過準備額)、0.1%の金利が得られました。だから銀行は、日銀に資金を預けたままにしておきました。金利がついて、銀行の利益になるからです。 しかし4年前、黒田総裁が預けると逆に金利を取りますよ、という「マイナス金利」を導入しました。 民間銀行に「寝かせておいたら駄目ですよ、損になるよ!」ということで、日銀としては「銀行は資金を市中に回して景気もよくなるだろう」という目論見だったわけです。 ところが、それでも資金需要は上がらず、物価も2%になりません。 それは消費税を増税してしまったからです。 強制的に懐から奪われるのでみんなお財布を絞める。金融緩和のまさに真逆です。その結果、企業の売上もあがらないし、給料も上がりません。 ◆「マイナス金融」のあおりは銀行に 「マイナス金融」のあおりを食っているのが銀行です。 銀行の本業のもうけを示す「コア業務純益」(一般企業の営業利益に近いもの)は、メガバンクを含む大手と地銀のどちらも右肩下がりです。 「マイナス金利」という超低金利のまま何年も経ち、いま、銀行は収益が圧迫されて瀕死の状態に陥っています。 21日の「政策決定会合」の記者会見で、黒田総裁はスウェーデンのマイナス金利を打ち切ったことについて記者から質問され、「日本は政策効果が副作用を上回っている」と答えていました。 黒田総裁としては、デフレ脱却の指標である「物価目標2%」を実現するまで、マイナス金利を解除するつもりはないということです。 ◆地銀は大淘汰時代へ では、銀行はどうなるのでしょうか。 メガバンクはマイナス金利の影響を受け、今後、三菱UFJが9,500人、三井住友4,000人、みずほ19,000人。合計3万人以上の「事実上のリストラ」を既に発表しています。 地銀はというと、メガバンクよりも儲ける手段が限られているのでもっと厳しいです。 政府の方針はというと、「地銀の再編」を後押ししているようです。 昨年6月、政府は成長戦略を話し合う「未来投資会議」で、地銀の経営統合を促すため、独占禁止法の特例を認める方針を盛り込みました。 仕組みを簡単に言うと、経営が危ない地銀Aと、健全経営の地銀Bを合併させようとした場合、これまでは「公正取引委員会」に申請して認可を受けていたのですが、特例法では監督官庁である金融庁の判断で、認可が出るようにしたわけです。 銀行の二大コストは人件費と物件費です。こうした地銀再編の環境が整うと、生き残りをかけて、コスト削減を目指した統合合併が加速すると思います。 地銀の統合合併により人員整理、店舗の統廃合などで収益力の改善が期待できます。 そして金融庁も、「アメ」と「ムチ」で再編圧力を強めようとしています。 「アメ」とはなにかというと、銀行は、経営破綻に備えて、顧客の預金を保護するため「預金保険法」という法律に基づいて「預金保険」というのに強制加入することになっています。 預金保険機構という政府日銀出資の機構に収めるのですが、預金の量に応じて決まる料率を、業績が改善した地銀には料率を下げますと言っています。 一方「ムチ」として、収益悪化が著しい地銀には「要注意リスト」に入れると、再編を含む経営改革を迫ります。 今後、地銀大再編が起こるのは避けられません。 (つづく) 誰でもわかる中東問題―アメリカとイラン、エスカレーションは起こるのか?【後編】 2020.02.01 本日は、「誰でもわかる中東問題―アメリカとイラン、エスカレーションは起こるのか?【後編】」をお送りいたします。 (広報本部) 誰でもわかる中東問題―アメリカとイラン、エスカレーションは起こるのか? https://www.youtube.com/watch?v=yLf1dsoGudg&t=9s 幸福実現党外務局長 及川幸久 ※下記は要約したものです。詳しくは上記の映像をご覧下さい。 ◆革命防衛隊とはどういう組織か? ここで改めて、ソレイマニ司令官が所属していたイラン革命防衛隊について紹介したいと思います。 イランには正規軍としての国軍と、イラン革命防衛隊という2つの軍隊があり、ホメイニ革命後、シーア派指導者の直轄組織が革命防衛隊となります。 革命防衛隊には陸海空軍に加えて、海兵隊まである12万5000人の軍隊で、更にそれに加えて対外工作を主とする特殊部隊コッズ部隊があり、そのトップがソレイマニ司令官だったのです。 ソレイマニ司令官は、イラク、シリアやレバノンなどの地域で、親イランのシーア派系の民兵組織を指導訓練し、兵器を供与していたので、アメリカから見れば「テロ組織」を作っている中心人物、まさに「テロリスト」であり、イラン革命防衛隊というのは「テロ支援組織」であるという風になるわけです。 ◆イラン側の視点:イランの軍事行動は「防衛戦」 しかし、イランは経済的にも軍事的にも、中東全体を支配できるような帝国ではありません。 ですから、別の視点で考えれば、米国に正面から立ち向かえないので、他国の民兵組織を育成して、自国を守るという「防衛戦」であるという考え方も出来ます。 中東に関する報道については、基本的に欧米側の見方が100%になりがちなので、ここではイラン側の立場で考えるという、中立的な考え方も提示したいと思います。 ◆世界各国のメディアが明らかにする両国の考え また前述しましたが、ウクライナ機の誤射に関連して、この前後に水面下では様々な事態が展開されていたということが世界のメディア報道によって徐々に明らかになってきました。 英国のThe Time誌は「昨年12月の在イラク米軍基地へのミサイル攻撃の目的は、米国側に圧力をかけるだけで、戦争をエスカレートしないように、人がいない場所に撃ったはずだったが、米国民間人がたまたま居合わせてしまい、死亡してしまった」と報じました。 要するに、イランはもちろん、米国としても戦争をエスカレートさせたくなかったわけですが、民間人が犠牲になってしまった事で、致し方なく何かしらの手を打たなくてはならなくなったわけです。 いままさに重要なのは、「米イランの関係を戦争までエスカレーションさせないこと」であります。 また、米国のWSJ誌も「ソレイマニ殺害直後、トランプ政権はイランのスイス大使館経由で、イラン政権に対して「事態をエスカレートしない」という暗号メッセージを送った」と報じています。 ◆2種類ある「エスカレーション」 米国スタンフォード大学にフーバー研究所というシンクタンクがありますが、そこではある女性研究員が、エスカレーションには2通りあり、一つは「意図的なエスカレーション」、もう一つは「不注意なエスカレーション」の2つがあると発表しています。 米イランの政権が「戦争をやりたい」という意図があったら、何らかの事故を起こして、それを引き金にエスカレーションを起こすというのはあり得ます。 しかし、本当は戦争したくなくても、不注意な出来事によって起きてしまうエスカレーションもあり、まさに危機における最大のリスクというのは、この「不注意なエスカレーション」から生じると言われています。 具体的事例としては、第1次世界大戦のように、全く計算外な不注意な出来事によって、戦争にエスカレートしてしまうということがあり得るわけです。 そういう意味で、前述のウクライナ機撃墜事件は、まさに「不注意なエスカレーション」に成りかねず、もし乗客に一人でも米国人が搭乗していたら、この一発で今頃もしかした戦争になっていたかもしれません。 ◆緊張関係が断続的に続く米イラン情勢 現状としては、とりあえず米国とイランの本格的な戦争はなさそうだということでちょっと楽観視している雰囲気ですが、昨年からの流れを振り返ると、どうも戦争を起こしたい人たちがいるようです。 トランプ大統領に「イランを叩け」という決断をさせたい勢力がいて、この後何を起こすかは分かりませんし、また「不注意な何か」が起きるかもしれません。 そういう意味で、現状はまだ緊張関係が本当は続いているわけです。 解決する方法があるとしたら、トランプ大統領とロウハニ大統領の直接会談でありますが、トランプ大統領個人は前向きだったとしても、トランプ大統領の側近たちが止めてきているかもしれません。 2020年、中東問題が第3次世界大戦のような大規模戦争に広がらず、平和裏に外交によって解決の方向に向かってくれることを心から祈りたいと思っています。 すべてを表示する « Previous 1 2