Home/ 2017年 February 2017年 February 国民が必要としてないマイナンバー制度を拡大させる政府にご用心 2017.02.26 幸福実現党神奈川県本部神奈川第三選挙区支部長 HS政経塾 第四期生 壹岐愛子 ◆10人に1人しか申請していないマイナンバー 2015年10月からスタートした、マイナンバー制度。 12桁の番号が日本の全住民に付与され、「公平・公正な社会の実現」「国民の利便性の向上」「行政の効率化」というお題目のもと、国民の理解がないままはじまりました。 制定されてから約1年半、幸福実現党はマイナンバー制度制定前からこの制度の問題点について指摘してきましたが、制定後の現状はどうなっているのでしょうか。 まず、開始当初から起こったのがシステムトラブルです。 自治体窓口では2016年1月以降、カード交付時のサーバー障害が約2カ月にわたり1日に1回のペースで発生し、さらに大規模な障害が6回も発生しました。 このため処理ができず申請者にカードを手渡せないケースが続発し、総務省は、当初予定していた「2016年3月末までに1000万枚」の交付目標を、ほぼ4分の1の260万枚に引き下げました。 その後も利用者は増えず、総務省による昨年の10月時点でのマイナンバーカードの申請件数は、約1143万件です。これは日本の人口に占める約9%で、10に1人程度しか申請していないことになります。 ◆来年には保険証とマイナンバーが紐づけられる ただ税金はこれまでにすでに1千億円以上投資されています。 昨年度のマイナンバー関連事業費は1150億円。内訳は、自治体クラウド整備に450億円、情報セキュリティー構造改革に400億円、住民基本台帳ネットワーク運営やデータ移行などに300億円。 その結果申請率9%です。民間企業であれば、採算がとれない部門の廃止は充分に検討されますが、政府内で見直しの声はあがってきません。 むしろマイナンバーの利用拡大を躍起になって進めております。 昨年の9月に「ワンストップ・カードプロジェクト」チームが太田大臣補佐官統括のもと、内閣官房・内閣府・総務省・厚生労働省・文部科学省・経済産業省などの関係府省における関係課室長により構成されるプロジェクトチームとして結成しました。 このプロジェクトでは具体的に利用拡大項目として「マイポータルにおける子育てワンストップサービス」「コンビニ交付導入促進」「マイキープラットフォームの推進」の3本柱をアクションプランとして発表し17年度予算案とは別にシステム投資をする予定です。 さらに、厚生労働省は2018年度から、マイナンバーカードが健康保険証として利用できるように計画しております。 このように国民には知らされず、いつのまにか莫大な税金が使われ、知らない間に私達国民を一元管理できる制度を構築しようとしております。 ◆マイナンバー制度でどれだけ効果があったかは不透明 これまでのマイナンバー制度で、どれだけの効果があったか不透明にも関わらず、税金をつぎ込み利用拡大を進める政府は傲慢であり、社会主義の方向にむかう日本国家に危機感を感じます。 マイナンバー制度の導入は、情報漏洩の危険性があるほか、国家による監視社会の構築や資産課税の強化など自由の抑圧につながるため、廃止を含めた抜本的な見直しが必要です。 幸福実現党はマイナンバーの適用範囲の拡大を中止するとともに、分野別番号への移行を進めます。国民が望んでいないマイナンバーを進める政府の動きに関しては充分に用心していく必要があるでしょう。 反日から親日へ!モンゴルの今 2017.02.25 大阪第5選挙区支部長 数森圭吾 ◆危機に瀕するモンゴル経済 モンゴルの人口は306.1万人。首都ウランバートルには134.5万人が暮らしています(2016年外務省発表)。名目GDPは約7200億円で日本のGDPの約0.14%という経済規模となっています。 モンゴルといえば、「遊牧民」や「草原」、移動式住宅の「ゲル」など牧歌的なイメージを思い浮かべられる方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。 しかし近年、モンゴルに埋蔵された莫大な鉱物資源が世界から注目され、2010年以降は鉱物資源分野の発展により急激な経済成長がおこりました。 2011年にはモンゴルの経済成長率は17.29%を記録しています。 しかしその後、モンゴルの輸出品のうち約7割を占める石炭の価格が暴落し、経済は停滞。2016年の経済成長率は0.04%にまで落ち込み、資源バブルは崩壊したといわれています。 ◆日本にとって地政学的に重要なモンゴル モンゴルはロシアと中国の間に位置し、日露中の三国の関係のなかで重要な役割を果たす国として考えられています。 対中包囲網や中露関係への楔として重要なモンゴルが、政治的にも経済的にも自立し、日本との関係を深めることは非常に重要な問題であるのです。 ◆反日国だったモンゴルがアジア有数の親日国へ モンゴルは人口1000人に対して5人が日本に留学しており(2016年)、この比率は世界で断トツのトップとなっています。 実は日本とモンゴルは1939年のノモンハン事件において、満州国とモンゴル人民共和国という形で紛争を経験しています。 しかし、当時反日だったモンゴルがその後、親日へと変わっていったのです。 終戦後、シベリアでソ連軍の捕虜となり、約1.4万人の日本人がモンゴルで抑留されたといわれています。 ソ連の影響下で1924年~1992年までモンゴルでは社会主義政権が続き、日本人抑留者の情報は政府が一切公表していなかったそうです。 しかし1992年に日本人抑留者に関する文献をもとにして、「渡り鳥の還る秋」というモンゴル映画が製作され、モンゴル国内に日本人抑留者の存在が広く知られるきっかけとなりました。 この映画は当時のモンゴルで大きな反響をよぶことになります。 それまでモンゴルでは日本人は「敵」「残酷」「軍国主義」などと教わっていたそうですが、映画に描かれた日本人の「正義感」や「礼儀正しさ」が日本人のイメージを大きく変え、両国の距離を縮めたといわれています。 ◆親日度を深めた日本のODA 2004年に在モンゴル日本国大使館が実施した世論調査では、「最も親しくすべき国」として日本が第1位に選ばれるという結果からもモンゴル国民の親日ぶりがうかがえます。 このようにモンゴルの親日度が深まった理由の一つに日本のODAがあります。日本はこれまで交通インフラ整備などモンゴルに対して定期的なODAを行ってきています。 今年5月に開港予定の「新ウランバートル国際空港」も約650億円の日本のODAで実現したものです。 このプロジェクトには三菱商事など多数の日本企業が多数参加しており、日本への信頼はより深まってきているといわれています。 ◆深まる両国の経済関係 日本からモンゴルへの輸出品は8割が自動車となっており、反対に輸入品は鉱物資源が8割を占めています。そんななか、昨年6月には日本とモンゴルの経済連携協定(EPA)が発効しました。 この協定はモンゴルにとって初めての二国間経済協定でした。これによって自動車など日本の主な輸出品への関税が下がるほか、サービスや投資の自由化が促進される見通しとなっています。 また、2010年に尖閣諸島沖で発生した中国漁船衝突事件で、中国が対抗措置としてレアアースの対日輸出制限を行うという事態がありました。 これによってハイテク技術に不可欠なレアアースの価格が急騰し、日本のハイテク産業に大きな影響を出すこととなりました。 このレアアースやレアメタルといった希少性の高い鉱物資源はモンゴルでも採掘されています。モンゴルとの経済関係を強めることは日本にとっても資源確保のリスク分散になるというメリットもあるのです。 ◆アジアに自由を確立するため 未来に向けて種を蒔くべき国「モンゴル」 今モンゴルは経済的不安定さや官僚の汚職などの問題を抱えながらも、民主化路線を進んでいます。 中国がカネと武力で周辺国への影響力を強めているなかにおいて、自由を重んじる国が自立・発展し、またアジアのリーダーとなるべき日本の安全保障や経済的発展を確保・維持していくためにも、未来に向けて強い絆を生む「種」を蒔くべき重要な国の一つがモンゴルではないでしょうか。 待ったなし。高齢運転者の自動車事故を防げ! 2017.02.23 幸福実現党・兵庫県本部代表 みなと 侑子 ◆社会問題化する高齢運転者による事故 青信号で発進しようとしたら、うつろな目をした高齢者が運転する車が、赤信号を無視して道を横断してきたため、慌ててブレーキを踏んだ…筆者の経験です。 最近はご高齢の方から、「じつは事故を起こし、運転をやめた」と聞くことも珍しくありません。いま高齢運転者による交通事故が問題になっています。 よくあるのは、アクセルとブレーキを踏み間違えて、駐車場から店内に突っ込む事故です。 たいした被害がなければ店側が警察に届けないこともあり、事故は統計数よりも多く起こっていると思われます。 負傷者がいなければ不幸中の幸いとなりますが、中には登校中の児童の列に突っ込み、死傷者が出るような事故も起こっています。 免許を自主返納する高齢運転者も出てきていますが、公共交通機関が発達していない地域においては、車がなければ生活ができません。 そのため、免許返納に関し本人と家族が揉め、事件になる事例も出てきています。 行政側は免許返納者に対し、バスやタクシーの運賃の補助、市営・町営の無料バス、ポイントカードのポイント付与などの特典を提供し、返納を促していますが、本当にこれで解決するのでしょうか。 ◆事故率の増加と改正道路交通法 ここ10年間で、車による死亡事故は6165件だったものが、3585件となり、4割以上減っています。 全体的に減少していますが、75歳以上の高齢運転者が起こした事故数は、10年前が457件、現在が458件であり変わりません。 結果、事故全体に占める高齢運転者の割合が、10年前7.4%→現在12.8%と大きくなっています。高齢化社会を迎え、今後も大きくなり続ける可能性があります。 そのため、認知症になる可能性がある75歳以上の対策が必須であるとし、本年3月には、認知症対策を強化した、改正道路交通法が施行されます。 今後、75歳以上のドライバーが交通違反をした場合、認知症の検査が義務付けられることとなりました。 認知症の恐れがあるとされた場合、医師の診断を受けることが義務つけられ、認知症であれば免許取り消しか停止になります。 しかし一度事故が起きてしまえば、被害者だけでなく、加害者も大きな心の傷を負って生きていくことになります。どうすれば事故を未然に防ぐことができるのでしょうか。 ◆自動ブレーキの全車配備と義務化までにすべきこと 自動ブレーキの全車配備は、一日も早く進める必要があります。現在は、カメラや超音波で障害物を検知し、衝突を回避するシステムが人気です。 ダイハツは衝突回避支援システム「スマートアシスト」を軽自動車で初めて導入。5万円という低価格もあり、約8割のユーザーが搭載自動車を選択しています。その結果、「スマートアシスト」搭載車種は100万台を超えています。 中古車市場も大きい日本では、中古車のための自動ブレーキ後付け安全装置も求められていましたが、2016年12月にオートバックスセブンが急発進防止装置「ペダルの見張り番」を約4万円で売り出しました。 アクセルとブレーキの踏み間違いを防止するもので、時速10キロ以下で動いているときにアクセルを強く踏んでも、警報音が鳴り、急発進しない仕組みになっています。これにより、駐車場などでの踏み間違いによる事故が減らせます。 「スマートアシスト」や安全運転支援システム「アイサイト」搭載の車が中古車市場に出回るまでの間は、後付け安全装置を利用することが全運転者に求められます。 ◆1~2名乗りの超小型車の普及促進 それでも大きな車を運転することには、不安がつきまといます。そこで超小型車の普及促進を同時に行います。 セブンイレブンが宅配サービス配達に利用しているのが、一人乗りの超小型の電気自動車「コムス」です。 コンパクトで気軽に乗れる上に、最高時速が50~60キロなので、生活圏内での移動に不便はありません。 超小型なため、万が一間違ってアクセルを踏み込んでしまっても、ガラスを突き破って店内に突っ込む恐れは少なくなります。 普通免許は必要ですが、自動車取得税・自動車重量税・車検・車庫証明は不要です。 また、6時間の充電で50キロ走行可能となっているため、年金暮らしの高齢者にもコストパフォーマンスがとてもよいです。 現在の本体価格は約80万円、クリーンエネルギー等導入促進対策費補助金の対象の補助が7万円あります。 まだまだ高価ではありますが、トヨタのほか、日産、ルノー、ホンダなども開発・販売し始めており、今後の市場は更に開けていくはずです。 普通車には乗せたくない家族と、シニアカ―には乗りたくない本人のニーズを満たす超小型車は、高齢運転者の安全と安心を確保する大切な足となります。 ◆将来の自動運転化を目指して 幸福実現党では、自動運転車両の走行を視野に入れ、高速道路および幹線道路における自動運転インフラの整備を、段階的に進めます。 道路の中に誘導用の基盤を埋め込み、プログラミング操作をして運転するシステムで、ゴルフ場での自動式ゴルフカートのようなイメージとなります。 自動運転インフラシステムの技術革新は、道路はもちろんのこと、車が空を飛ぶ時代が来た時も、必要になります。 そうなると、すべての人がもれなく安全に目的地まで移動できるようになるでしょうが、今はまだ自己責任が大きな割合を占めます。 新しい製品や技術の力を借りながら、自分も他人も傷つけない移動方法を模索していきたいと思います。 参考:Wedge2月号「社会問題化する高齢運転者事故 免許証返納は解決策に非ず」 トランプ革命の行方と日本の外交戦略【2】 トランプ政権下で進展する、米露関係の修復 2017.02.22 ■トランプ革命の行方と日本の外交戦略【2】 トランプ政権下で進展する、米露関係の修復 幸福実現党政調会・外交部会 彦川太志 今回のニュースファイルでは、特にウクライナ問題に焦点を当てつつ、米露関係の修復を実現するために日本が果たす役割を検討してみたいと思います。 ◆米露関係修復の試金石となるシリア・ウクライナ問題 米露関係の修復にとって問題となっていたのは、シリア内戦とウクライナ問題を通じた両国の対立でした。 オバマ前大統領は、シリア内戦においては中途半端な介入で「イスラム国」発生の土壌を作り、ウクライナを巡る問題については経済制裁によってロシアを深刻な金融危機へと追い込み、「中露接近」への道筋をつけてしまいました。 こうしたオバマ政権の「負の遺産」を如何に解消し、新たな米露関係を出発させるかが、外交面におけるトランプ政権の課題だと言えますが、トランプ大統領の誕生により、すでに様々な変化が起きています。 ◆ロシア主導で進展する、シリア内戦の停戦交渉 まずシリア内戦については、1月からロシア、イラン、トルコの3か国主導による停戦交渉(アスタナ会議)が開催されており、アサド政権と複数の反体制派が停戦の仕組みや新憲法の制定について対話を進めています。 アレッポでの停戦すらままならなかった昨年の状況から考えれば、驚くべき進展と言えますが、この交渉には米国からも大使が派遣されており、トランプ政権としても事実上、ロシア主導のシリア内戦の終結を黙認している様子が伺えます。 トランプ大統領は中東、特にシリア出身者の米国入国を大幅に制限する大統領令を発出しましたが、例えロシア主導であれ、シリア内戦が終結に向かえば難民問題自体も解決に向かうと予想されるため、米国にとってもメリットがあると言えるでしょう。 ◆ウクライナ問題は、「ミンスク合意」の履行と「ロシア制裁」の問題が焦点となる 一方、2014年のウクライナ騒乱に端を発するロシアのクリミア半島併合に対して、欧米はロシアに経済制裁を発動しておりますので、米露関係の修復を現実のものとするためには、ウクライナ内戦を終結させつつ、ロシア制裁の問題を解決する必要があると考えられます。 ウクライナ情勢を簡単に説明しますと、ウクライナでは2014年2月に親露的なヤヌコヴィッチ大統領が反政府運動によって追放されたり、住民投票でロシアへの編入を希望したクリミア自治州の希望をロシアが受け入れると言った事件が発生した事を契機に、同国政府軍と、ロシア系住民が多く居住しウクライナからの独立を求める、自称「ドネツク人民共和国」「ルガンスク人民共和国」の二州との間で内戦が繰り広げられている状況です。 内戦状態の終結に向けては、ロシア、ドイツ、フランス、ウクライナの四か国首脳が保証を与える形で、政府軍と独立を求める二州との停戦や政治的和解などを取り決めた「ミンスク合意」が交わされました(2015年2月)が、未だに衝突が絶えず、停戦には程遠い状況です。 ◆米国の関与で解決に向かう「ミンスク合意」 「ミンスク合意」の履行に向けては、今年2月16日にラブロフ外相(露)とティラーソン国務長官(米)による会談が行われ、米国はウクライナ内戦について「ミンスク合意」の履行と、緊張の緩和に向けた「新しい共通の基盤」に基づいた解決を探す用意があると発言した旨、報道されています。 オバマ政権はウクライナ問題の解決に向け、このような形で関与する事はありませんでしたので、「ミンスク合意」の履行に向けて米国が本格的に関与するということであれば、ウクライナでの内戦状態は時間の問題で解決に向かう可能性が高いと言えるでしょう。 ◆米露接近のチャンスを捉え、「ロシア制裁」撤回を発信すべし しかしながら、ロシアへの経済制裁は主に「クリミア併合」を理由に行われているため、米露関係を改善していくためには、クリミア併合に関わる問題を解決する必要があります。 トランプ政権の誕生によって米ロ関係の懸案であったシリア・ウクライナ問題の多くが進展を迎える中、日本は勇気をもって「対ロシア制裁」やウクライナ支援の在り方を見直していくべきだと考えます。 次回、最終回となるニュースファイルでは、米露関係最大の懸案事項であった、「クリミア併合」と「ロシア制裁」の問題を解決する提言を行いたいと思います。 【2/24(金)19時~ 幸福実現党政調会・外交部会 月例公開セミナーのお知らせ】 日々、幸福実現党にご支援を賜り、誠にありがとうございます。 2月24日(金)19時より、ユートピア活動推進館3階大会議室において幸福実現党政調会・外交部会主催の公開セミナーを開催させていただきます。 当日ご参加頂きました皆様には、外交部会作成の持ち帰り資料をご用意させていただきます。多くの皆様の御参加をお待ちしております! テーマ:「米ロ関係改善への試金石、ウクライナ問題の解決策を考える」質疑応答 日時:2月24日(金)18:45開場 19:00開始 21:00終了予定 場所:ユートピア活動推進館3F大会議室 東京都港区赤坂2-10-8 会費:1000円(持ち帰り資料あり) 主催:幸福実現党政調会 外交部会 講師: 同 副部会長 彦川太志(HS政経塾一期生) ◆お申し込み・お問い合わせ ご参加のお申し込みは、【お名前】、【電話番号】、【所属支部(任意)】を明記の上、下記までメールをお送りください。 ※件名に「2月24日セミナー希望」とご記入ください。 担当:彦川太志 【victory777dh@gmail.com】 学習指導要領改訂案、「竹島」と「領土」と「歴史」 2017.02.21 HS政経塾6期生 須藤有紀 ◆新しい学習指導要領案 2月14日に、文部科学省は、幼稚園教育要領と、小・中学校学習指導要領の改訂案を発表しました。 改訂案の中では、(1)「社会に拓かれた教育課程」の重視、(2)知識の理解の質をさらに高め、確かな学力を育成、(3)豊かな心、健やかな体の育成、の3点を基本的な考え方として、各教科の改善事項が述べられています。 その中でも特に注目したいのが、小学校第5学年の「内容の取扱い」です。 ◆初!学習指導要領に「竹島・尖閣」 第5学年の「3内容の取扱い」では、「『領土の範囲』については、竹島や北方領土、尖閣諸島が我が国固有の領土であることに触れること」と、「竹島・尖閣」に関する記述が登場しました。 2014年の指導要領解説書改訂の際、竹島・尖閣を「固有の領土」と明記したため、小中学校の社会の教科書には竹島・尖閣に関する記載がありますが、学習指導要領で竹島・尖閣に触れるのは初めてです(日経新聞Web版2017年2月15日)。 ◆竹島は明確に「日本」だ! そもそも竹島が我が国固有の領土であることは、地図や資料によって明らかにされています。 外務省によれば、「日本人が政府(江戸幕府)公認の下,鬱陵島に渡る際,竹島を航行の目標として,また船がかり(停泊地)として利用するとともに,あしかやあわびなどの漁猟にも利用」しており、「遅くとも17世紀半ばには」竹島に対する領有権は確立していたと言います。 また、サン・フランシスコ平和条約締結の際、韓国は条約を起草していたアメリカに「日本が放棄すべき地域に竹島を加える」ように求めていましたが、アメリカは「竹島は朝鮮の一部として取り扱われたことはなく日本領である」として、「韓国の要請を明確に拒絶」しています。 ◆かすめ取られた竹島 以上のように、竹島が我が国固有の領土であることは、歴史的にも対外的にも明白です。 そうであるにも関わらず、1952年、韓国はいわゆる「李承晩ライン」を一方的に設定し、そのライン内に竹島を取り込みました。 そして、竹島に警備隊員などを常駐させ、宿舎や監視所、灯台、接岸施設などを構築してきたのです。 2012年には、現職大統領として初めて李明博大統領(当時)も竹島に上陸し、2016年には「共に民主党」前代表の文在寅氏や、韓国国会議員団10名が上陸するなど、政治的パフォーマンスの場として、竹島が使われることも度々起きています。 これは明らかに国際法違反であり、領土侵犯行為です。 ◆抗議「パフォーマンス」は、もう十分です 日本はこうした事件が起きるたびに「抗議」を行っているようですが、残念ながら効き目は全くありません。 韓国の態度からも、日本が「ナメられている」ことがよく分かります。 日本の抗議が抗議のための抗議であり、口で言う以外に何の実行力もないことが分かっているからでしょう。 事実、日本は憲法9条によって戦力保持が禁止されています。口での抗議以外に、対抗手段はありません。 まず、国民一人一人が「我が国の領土」に対する意識を持つこと。その上で、「我が国の領土」をしっかりと守るという強い意識を共有し、実行力を持つ必要があります。 ◆領土だけでなく、歴史教育も見直しを! 韓国との問題は領土だけでなく、従軍慰安婦等の歴史認識においても深刻です。 今回の学習指導要領改訂では、残念ながら小学校社会における第二次世界大戦に関連する改訂は見受けられませんでしたが、幸福実現党がかねてから主張しているように、韓国側が主張する慰安婦強制連行等は決してありませんでした。 日本の歴史教育は、大勢において未だに自虐史観から脱することができておらず、誤った認識のもとに行われています。 戦後70年を越えた今、GHQによるWGIPの呪縛から、日本は早く解放されるべきです。 「竹島・尖閣」を我が国固有の領土として明記するだけでなく、こうした歴史認識においても、学習指導要領改訂を行うべきであると考えます。 【参考】 ◆小学校学習指導要領改訂案 第5学年 社会 2内容 (1)我が国の国土の様子と国民生活について、学習の問題を追及・解決する活動を通して、次の事項を身に付けることができるように指導する。 ア 次のような知識及び技能を身に付けること。 (ア)世界における我が国の国土の位置、国土の構成、領土の範囲などを大まかに理解すること。 ◆外務省HP「日本の領土をめぐる情勢」 http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/takeshima/gaiyo.html 〇日経新聞 2/15「竹島・尖閣諸島を明記 「我が国固有の領土」 学習指導要領案」 www.nikkei.com/article/DGXLZO12920630U7A210C1CR8000/ トランプ革命の行方と日本の外交戦略【1】 トランプ政権と「マスコミ世論」の戦い 2017.02.19 幸福実現党政調会・外交部会 彦川太志 トランプ大統領の就任式から、はや一ヶ月が経過しました。 就任初日にTPP交渉からの脱退を表明するなど、矢継ぎ早に公約を実行に移してきたトランプ大統領ですが、米国内マスコミとの戦いにかなりのエネルギーをとられている様子が伺えます。 今回のニュースファイルでは、トランプ大統領とマスコミの戦いについて解説しながら、日本の外交戦略を考えてみたいと思います。 ◆「マスコミ世論」と戦う大統領が誕生した トランプ大統領の姿勢を一言でいえば、「マスコミ世論と戦う大統領」でしょう。 大統領選後に話題となった報道を振り返ると、まずCNNがBuzz Feedによる「トランプ氏は過去のスキャンダルをロシアに握られている」と言った捏造報道を取り上げた事を皮切りに、就任式直後に参加者数の規模を巡って舌戦が繰り広げられました。 そのほか、「メキシコとの国境に壁を築く」「中東からの難民受け入れを見直す」と言った公約実現のために矢継ぎ早に発出される大統領令に対して、マスコミから批判が集中しました。 2月に入ってからも、米マスコミは安倍首相の訪米による首脳会談に娘のイヴァンカ氏が参加したことを「異例」として問題視したほか、トランプ氏の外交アドバイザーであったマイケル・フリン氏が同職就任前に駐米ロシア大使と接触を持っていた事を暴露し、同氏を辞任に追い込みました。 このように、マスコミとの戦いから幕を開けたトランプ新政権ですが、「マスコミ世論」の反発とは裏腹に、一般の世論調査機関が実施した支持率調査では、トランプ大統領が発出した11の大統領令についてすべて支持が不支持を上回るという結果が発表されています。 ◆トランプ政権の大統領令は、「米経済の復活」に重点を置いている トランプ大統領の就任以降の大統領令を見てみますと、TPP交渉からの脱退、不法移民や難民に紛れた犯罪者・テロリストの入国制限、さらにはパイプラインの建設認可や、安定した経済成長と米企業の競争力回復を支援する金融システムの形成、米国民の家計を金融危機から守るための仕組みづくりと言ったように、「米国の国力回復」を念頭に置いた政策に重点を置いている事がわかります。 また、トランプ政権が本格的に動き出せば、TPPやNAFTAのような多国間貿易の枠組みを見直しつつ、「減税と規制緩和」を二本柱とした経済政策を具体化する事で米経済を復活させ、国内雇用の増加を強力に推進する事が予想されます。 ◆米マスコミはトランプ政権の評価を「ジョブ・クリエーション」の成果で測るべき 米マスコミは、トランプ氏や家族、側近のスキャンダルなど、政策とは異なるところでトランプ政権の支持率を落とすことを狙っている様子ですが、トランプ政権を評価するうえで、トランプ氏が何よりも米国内の「ジョブ・クリエーション」を目指し、公約に掲げているという事を忘れてはならないでしょう。 トランプ大統領は就任式前の記者会見で、ジョブ・クリエーションに大きな自信を有しており、自身を「神が創造した中で、最も偉大なジョブ・クリエーター」だと表現していました。 不法移民やテロ対策も、結局は国内のジョブ・クリエーションを推し進めてアメリカ経済を立ち上がらせることを補強するものであり、まずは雇用創出、経済成長で米国を復活させることが、トランプ大統領の公約であったはずです。 結局、トランプ政権の評価は、「マスコミ世論」ではなく、トランプ大統領が公約を実現できたかどうか。つまり、米国内の雇用創出を行う事ができたかどうかによってこそ測られるべきはないでしょうか。 これは直ぐに結果の出る戦いではありませんので、「マスコミ世論と戦う大統領」が勝利できるかどうか、トランプ氏の戦いを見守りたいと思います。 ◆日本にとっては、米露関係の修復を支援する事が当面の外交政策となる ところで、歴史的に米国は「国内世論」と「外国」の二つの勢力を同時に敵に回した場合に「負けパターン」に入ると言われています。 「アメリカ・ファースト」を掲げるトランプ大統領も、このセオリーを回避するため、「国内マスコミ」との「第一の戦い」に勝利してから、山積みとなっている外国との問題を片付けようとしている事が伺えます。 このような観点から見れば、トランプ政権が「マスコミとの戦い」に勝利し、国内を統合するまでの間、外交面においては同盟国との関係強化を中心に世界秩序の安定を図ると予想できます。 そのような構想を実現するためには、トランプ氏が大統領就任前から主張している様に、NATOや日本、韓国が防衛費増加に応じるほか、何よりもオバマ政権8年間で悪化したロシアとの関係を修復する必要があります。 日本も自国の安全保障から考えれば、米露関係の修復を支援することが望ましいと言えます。 特に2014年のウクライナ危機以降、中露接近が深化しているという情勢がありますので、ウクライナ危機を契機にこじれた米露関係の修復を支援し、ロシアのG8復帰を促すことが重要でしょう。 しかし、つい先日に行われた日米首脳会談では、安倍首相はウクライナ問題について「米露間で解決を」と主体性のなさ、国家戦略の無さを露呈しました。 次回ニュースファイルでは、ウクライナ問題の解決に焦点を当てつつ、米露関係修復のために日本が採るべき外交政策について提言したいと思います。 【※お知らせ】 ■2/24(金)19時~ 幸福実現党政調会・外交部会 月例公開セミナーのご案内 日々、幸福実現党にご支援を賜り、誠にありがとうございます。 2月24日(金)19時より、ユートピア活動推進館3階大会議室において幸福実現党政調会・外交部会主催の公開セミナーを開催させていただきます。 当日ご参加頂きました皆様には、外交部会作成の持ち帰り資料をご用意させていただきます。 多くの皆様の御参加をお待ちしております! テーマ:「米ロ関係改善への試金石、ウクライナ問題の解決策を考える」質疑応答 日時:2月24日(金)18:45開場 19:00開始 21:00終了予定 場所:ユートピア活動推進館3F大会議室 東京都港区赤坂2-10-8 会費:1000円(持ち帰り資料あり) 主催:幸福実現党政調会 外交部会 講師: 同 副部会長 彦川太志(HS政経塾一期生) ◆お申し込み・お問い合わせ ご参加のお申し込みは、【お名前】、【電話番号】、【所属支部(任意)】を明記の上、下記までメールをお送りください。 ※件名に「2月24日セミナー希望」とご記入ください。 担当:彦川太志 【victory777dh@gmail.com】 21世紀、日本の宇宙計画【3】――月と火星に植民都市を 2017.02.18 幸福実現党・茨城県本部代表/茨城第1選挙区支部長/経済部会 川辺賢一 ◆新しい宇宙輸送手段の確立を 前回はフロンティアが消失した地球において、人類は生き残りを図るためにも、多惑星間をまたいで活躍できるようにならなければならないこと、また、そのためには現状のロケットには限界があり、プラズマ推進を始め、次世代ロケットの開発を進めていく必要があることを述べました。(参照: http://hrp-newsfile.jp/2017/3069/) しかし、果たして今の延長線上に、人類の宇宙進出のための橋頭堡として、今世紀中に月や火星に植民都市建設を進め、100万人規模の移住や自立的な文明を建設することは可能なのでしょうか。 現在、私たちが宇宙に行く手段はロケット打ち上げに限られておりますが、ロケットに頼り続ける限り、人や物資の大量輸送は困難で、高コストで、例えば小惑星に希少物質や鉱物資源があっても採って返って来るだけの費用が経済性に見合いません。 「常識は疑うためにある」と過去の哲人が語ったように、私たちはロケットを使わずに、宇宙に行く方法も考えなければなりません。 ロケット以外に宇宙に行く方法としては反重力推進装置や地上からのビーミング推進等、様々なアイディアがあり、どれも研究は進めるべきですが、現在の技術の延長線上に実現可能なアイデアは、宇宙エレベーターです。 ◆日本で始まった宇宙エレベーターの宇宙実験 宇宙エレベーターとは、地表(海面)と宇宙をケーブルでつなぎ、そのケーブルに沿ってクライマーといわれる乗り物を上下させ、地上から宇宙空間に人や物資の大量輸送を、しかもロケットに対して95%以上も割安の費用で、可能にするシステムです。 なおクライマーを昇降させる際に要するエネルギーについては、パワービーム、つまり電波やレーザーによって電力を送ります。 大手建設の大林組の計画では、宇宙エレベーターのケーブルは全長10万km。 ケーブルに対しては、高度3万6千kmの静止軌道を基点として、それより地球側は地球の引力で内側に引っ張られ、それより宇宙側は遠心力で外側に引っ張られる力が働きます。 この潮汐力に耐えられる強くて軽い素材が今までなかったために、宇宙エレベーターは長い間SFの域を出ない壮大なフィクションでしたが、1990年代に入り、次世代炭素素材としてカーボンナノチューブが日本人の手で発見されると、俄かに宇宙エレベーターの可能性がNASAを始め、先進国で議論されるようになりました。 日本においても、昨年12月9日に打ち上げられたH2-Bロケットに積載された輸送機のなかには、宇宙エレベーター実験用の人工衛星が積まれ、宇宙空間で初となる本格的な実験が始まろうとしており、実は水面下で先進各国は開発を進めています。 ロケットに対する宇宙エレベーターの最大の利点は徹底的なコスト低減と宇宙空間に運搬可能な積載トン数の大幅な増加です。 ロケットの場合、宇宙に運ぶための積載物は全重量のたった1割しかなく、多くの場合、一度使ったロケットは使い捨てです。 もしも一度乗ったら使い捨て、そんな飛行機があったら、あまりにも不経済だと感じると思いますが、そうした前近代的な状況に宇宙ロケットの現状は置かれております。 また現在、ロケットによる宇宙探査に必要な費用の大部分は地球から脱出することに費やされておりますが、宇宙エレベーターが実現されれば、例えば月面探査費用は今より98%も削減できます。 宇宙エレベーターのケーブルは地球の自転に同期して回転しており、ケーブルの先端に行けば行くほど、高速で移動しております。 そのため地表から物体を打ち上げた場合、地球の引力の影響を受けないところまで脱出するためには、秒速11kmの速度が必要ですが、宇宙エレベーターを使って高度4万7000km地点まで行った場合、ただそこで宇宙船を切り離すだけで地球の引力から脱出できてしまいますし、同じ要領でもう1万km程先に行けば、火星の公転軌道まで到達できます。 宇宙エレベーター経由で月面基地を行き来することで、大量輸送も可能となり、ほどなくして大規模なコロニー建設や月資源の輸送、観光客の来訪が始められます。 つまり宇宙エレベーターを軌道カタパルトとして使い、宇宙空間で軌道変更用に一部ロケットの噴射を利用することで、私たちは太陽系中の惑星を周遊できるようになり、さらなる遠宇宙に向けた航行が僅かなエネルギーで可能になるのです。 ◆未来を創る挑戦を そして日本や世界では今、宇宙エレベーター技術を競う大会が開催され、様々な大学の研究室や企業がチームを作り、数百から千m上空からケーブルを降ろし、そこを各々のチームが独自に開発したクライマーを昇降させ、速度や安定性を競っております。 筆者自身、後援会活動の一環として、クライマーを開発し、宇宙エレベーター競技への参加を通じて、人類の宇宙進出に向けて国民を鼓舞する啓蒙運動を展開する段取りを組んでいます。 未来を創る挑戦者として、筆者と共にチームを組んでクライマーを開発し、大会に参加する熱い仲間を随時、募集しておりますので、技術面、資金面に限らず、ご協力可能な方のご連絡をお待ちしております。 確かに、実際、宇宙エレベーターを実現するためには、技術的な問題のみならず、政治的問題、安全保障上の問題も多々あります。 しかし、宇宙エレベーターの建設をマイルストーンに、技術開発を進めていくなかで、未来の自動車や航空機、その他様々な構造物の素材となりうる軽くて強い新素材の開発が進みますし、クライマーに電力を送るパワービームの技術は今後、バッテリーを搭載せずとも飛行可能な無人輸送機が飛び交う未来社会においては必須の技術となるでしょう。 だから日本は宇宙エレベーターの開発を始め、宇宙開発への大型投資を進めるべきなのです。 このように幸福実現党は人類の未来を創るべく、飽くなき挑戦を続けていきますので、その一員として、一人でも多くの方に党員になって頂きたく思います。 トランプ革命後の日印外交を考える 2017.02.16 幸福実現党・岡山県本部代表たなべ雄治 ◆トランプ大統領の外交手腕 安倍総理がトランプ米大統領から破格の厚遇を受け、日米首脳会談は終わりました。 しかし、大統領選以降の流れの中で見えたのは、トランプ新政権のしたたかな外交手腕です。 昨年12月2日、トランプ氏は蔡英文台湾総統と電話会談を行ない、安全保障にまで踏み込んで話し合っています。 米台首脳の会談は、1979年以来となる異例の出来事でした。おりしも、習近平中国国家主席がキッシンジャー元米国務長官と会談をしているその日のことです。 「一つの中国」として台湾を認めていない中国は激しく反発しました。 その一方で、安部総理が米国に到着する1月9日には、トランプ大統領と習近平主席が電話会談を行なって、「1つの中国」政策の維持で合意しています。 台湾独立がシーレーン防衛の生命線である日本に、プレッシャーをかけた形です。 最終的には良好な日米関係を演出しましたが、関税・為替で交渉相手となる日中両国に十分な揺さぶりを掛けたという所でしょう。 ◆トランプ外交で中国はどうなるか 台湾問題では中国に妥協した形の米国ですが、これは対中の関税を引き上げる予兆ではないかと予想します。 公約では、中国製品に45%の関税をかけることになっています。 ところで中国はここ20年以上にわたり、毎年10%以上というすさまじい軍拡を続けています。 その軍拡を支えてきたのが、中国の経済成長です。 中国は、西側諸国と貿易をしながら、為替は元安にコントロールしてきました(管理変動相場制)。 さらに、採算度外視の安売りができる国有企業で構成されています。 そうして成り立つ安価な製品の輸出によって、中国経済は急成長を遂げました。 現在米国の貿易赤字の約半分は対中国であり、中国によるグローバリズムの悪用と言えます。 トランプ大統領が掲げる対中関税は、軍拡を支えてきた中国経済に打撃を与える政策です。 南シナ海のサンゴ礁の軍事基地化など、中国の軍拡に脅威を感じている東南アジア諸国とっては朗報でしょう。 しかし、その後の中国の動きは予断を許しません。 というのも、経済で行き詰った中国が戦争特需をつくり出すことが予想されるからです。 ◆アジアの安定に不可欠な日印関係 とは言え、中国の軍拡をこのまま放置するわけにはいきません。 やはり米国の対中国の関税政策には賛成です。 そのうえで、中国の暴発を前提とした対策が求められます。 そのために連携すべき国は、同盟国の米国の他に、中国を北と南から挟むロシアとインドでしょう。 ここでは、インドについて考察してみます。 ◆トランプ大統領と似ている!?モディ印首相 2014年、インドでは10年ぶりの政権交代が実現しました。そこで登場したのが、ナレンドラ・モディ首相です。 モディノミクスと呼ばれる自由主義経済政策や製造業振興政策「メーク・イン・インディア」により、就任前には5~6%だったGDP成長率は7%台をキープしています。 そんなモディ首相ですが、トランプ大統領やドゥテルテ比大統領と比肩される大胆さがあります。 昨年11月8日の夜、突如として高額紙幣の無効化を宣言しました。その目的は、GDP2割を占める地下経済の撲滅とデジタルマネー推進を狙ったものです。 発表からわずか4時間で、通貨発行額の86%が無効となりました。(年内は銀行で交換ができた。) 日本で例えると、財布の中の一万円札と五千円札が突如使えなくなるわけです。 しばらく経済の混乱は続きましたが、国民の少なからぬ人数がモディ首相の政策を理解していたようです。 地下経済と汚職に対する不公平感と不満が鬱積していたということでしょう。 また、昨年の夏には、GST(物品・サービス税)の導入に目途を立てました。 GSTとは、州ごとに独自だった間接税率を一律化し、複雑だった税制を簡素化するものです。 州をまたぐ商売の効率化や減税効果などで、GDP1%にあたる経済効果が見込まれると言われています。 そのために必要な憲法改正を、上下院で可決させたのです。 改革の遅さや高額紙幣無効化で批判もあるモディ政権ですが、3月11日開票のウッタルプラデシュ州を含む5州のインド州議会選挙で、その信任が問われると見られています。 ◆したたかなインド外交 インドは伝統的に「非同盟主義」、「全方位外交」を方針としていますが、モディ首相もこれを踏襲しています。 ISの問題でも、イスラム過激派のテロに悩まされてきたインドなのに、67カ国のIS対策有志国グループには加盟していません。 また、中国を仮想敵国としながらも、日中や米中を両てんびんにかけて経済的な利益を引き出すなど、「インド第一主義」外交を続けてきました。 インドにとって中国は、仮想敵国であると同時に最大の貿易相手国です。 複雑な印中関係があり、建て前として同盟を嫌うインドに対して、日本はどのような外交方針で臨むべきでしょうか。 ◆主軸は安全保障 トランプ外交によって米中貿易の先細りが予想されます。 その影響で印中貿易が膨らみ、両国の経済関係は強化されるでしょう。 経済に関しては、インドによる日中の両てんびん外交には目をつぶらざるを得ないでしょう。 反面、安全保障に関しては、中国の脅威を被る国同士として、要点を押さえた協力関係を構築すべきです。 欧米に同調してロシアの経済制裁に加わったばかりに露中の関係を強化してしまうような、外交の失敗を繰り返してはなりません。 昨年、2年越しで締結した日印原子力協定のように、インドにとって譲れないポイントでしっかりと信頼関係を築いていく必要があるでしょう。 交通やエネルギーなどのインフラ、防衛装備移転など、技術面での日印の関係強化も望まれます。 最優先は安全保障です。中国という脅威への対応を軸とした、日本独自のブレない判断が求められます。 安保法制――朝鮮有事時の邦人保護は可能か 2017.02.14 HS政経塾第6期生 山本慈 ◆「邦人保護」について 2015年に改正された安保法制で、海外にいる邦人を自衛隊が輸送、保護できるようになりました。改正時は、これは大変話題となったので、ご存知の方も多いと思います。 しかし実際のところ、自衛隊が邦人を保護することが不可能な場合があり、やはり未だ法整備すべき点、もしくは外交によって補う必要があります。 現法制では、自衛隊が邦人保護措置を実施するために、以下の3要件を満たしていなければなりません。 「邦人保護措置実施3要件(『平成27年版 防衛白書』)」 (1)保護措置を行う場所において、当該外国人の権限ある当局が現に公共の安全と秩序の維持に当たっており、かつ、戦闘行為が行われることがないと認められること。 (2)自衛隊が当該保護措置を行うことについて、当該外国等の同意があること。 (3)予想される危険に対応して当該保護措置をできる限り円滑かつ安全に行うための部隊等と当該外国の権限ある当局との間の連携および協力が確保されると見込まれること。 ここで注目したい点は、(2)の「当該外国等の同意があること」です。 もし当該外国、紛争に関わる国が同意しなかったなら、自衛隊は保護措置をとることはできません。 PKO活動として自衛隊が派遣される場合は、PKO活動の一環として邦人や難民の保護を行えますが、PKO活動が行えないところでは、当然、憲法や自衛隊法、安保法に基づいて自衛隊は活動しなければなりません。 つまり国家間同士の戦争の場合、当該外国が拒否すれば、自衛隊を派遣して邦人保護措置をとることはできません。 ◆朝鮮有事を想定した場合 現在、日本は北朝鮮対韓国の朝鮮有事を想定して、ガイドラインを調整しています。 また現在、韓国には38,060名の邦人が滞在しています。朝鮮有事が勃発した場合、韓国の同意を経て、在韓邦人の保護措置手続きが行われます。 しかし、2016年10月、韓国の韓(ハン)民(ミン)求(グ)国防相は、韓国在留邦人の救出に必要な空港や道路の状況、韓国軍の展開などの情報について「それは(日本側に)渡さない(『朝日新聞』10月28日付)」と語っており、保護措置実施要件(3)をクリアすることが難しいと分かりました。 また現韓国政府も朴(パク)大統領が弾劾裁判中で、次期大統領選候補者も左翼陣営が強く、反日を訴える候補者ばかりなことから、韓国政府との連携はさらに難しくなるでしょう。 ◆朝鮮有事時の邦人保護は不可能に近い 現在の邦人保護措置実施3要件では、日本と同盟関係にない国や日本と友好国でない場合、保護措置を実施することが大変困難だと分かります。 また朝鮮有事の際、自衛隊を邦人保護のために派遣できない場合は、民間機、船による邦人救出も必要であると政府関係者は述べています。 しかし、実際戦争が起きた場合、飛行場はミサイルを撃ち込まれる可能性が高く、また仁川(インチョン)国際空港、金浦(キンポ)国際空港は北朝鮮との国境近くに位置しているため、そこから邦人を保護することは不可能と言えるでしょう。 ◆幸福実現党からの提言 まず朝鮮有事において、ネックとなっているのは邦人保護措置実施3要件の(3)です。 「(3)予想される危険に対応して当該保護措置をできる限り円滑かつ安全に行うための部隊等と当該外国の権限ある当局との間の連携および協力が確保されると見込まれること。」を満たすためには、韓国側から、韓国在留邦人の救出に必要な空港や道路の状況、韓国軍の展開などの情報を引き出す必要があるでしょう。 現在、日韓の防衛情報を共有する基礎となる「軍事情報包括保護協定(GSOMIA)」が日韓で話し合っています。 話し合いの中では、韓国は日本の海上情報収集能力の高さを認め、その情報を欲しています。これを引き合いに、日本側は在韓邦人救出のための情報を韓国側から粘り強く引き出していくことが重要でしょう。 幸福実現党は、「朝鮮半島有事などの際の邦人救出を可能とする法整備を行うとともに、邦人保護プログラムを策定します。」という政策を掲げています。 現法制では、在韓邦人を守れないため、安保法制の更なる改正と在韓邦人保護措置がとれる策定プログラムを具体的かつ現実的なものを策定致します。 なぜ反日を繰り返す?――北朝鮮に飲み込まれる韓国の闇! 2017.02.12 HRPニュースファイル編集部 「幸福実現NEWS」(レギュラー版)より、なぜ反日を繰り返す?――北朝鮮に飲み込まれる韓国の闇! をお送りいたします。(https://info.hr-party.jp/files/2017/02/03142406/csgqo96l.pdf) ◆親北朝鮮勢力に飲み込まれ、反日・親中に傾く韓国 朴槿恵大統領が職務権限を停止されるなか、「慰安婦問題の最終的かつ不可逆的な解決」を確認した日韓合意を無視して、昨年12月に釜山に慰安婦像が設置され、反日に傾く韓国。 しかし、韓国国内の反日を、北朝鮮へ追従する「従北」勢力が煽っていることはあまり知られていません。 釜山慰安婦像設置や、朴槿恵退陣要求デモの中核となったのは「韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)」です。 挺対協は、北朝鮮系団体の「「朝鮮日本軍性的奴隷および強制連行被害者補償対策委員会(朝対委)」と共にソウル大使館前の慰安婦像設置に動いた「従北」団体です。(1/8産経) 「従北」団体は、北朝鮮による朝鮮半島の統一を目的として、主に反米・反日、親北・親中を唱えています。現在、韓国では、「従北」団体による反日や政府転覆運動と、保守派による愛国運動が戦っている状態なのです。 ◆北朝鮮が朝鮮半島を統一すれば、日本が危機に! 韓国の政治的不安定を利用して、反日・親北の政権が韓国に誕生すれば、日韓合意の破棄や THAAD(終末高高度防衛ミサイル)の撤去を訴え、在韓米軍の撤退をも唱えかねません。 それによって、万一、朝鮮半島が北朝鮮によって統一されることとなれば、日本のすぐとなりに、核兵器を持つ、巨大な軍事覇権国家が誕生することになります。 これは安全保障上の一大問題であり、もはや、韓国の政治的混乱は「韓国の国内問題」では済まされません。 日本としては、韓国国内の親日派など保守勢力を応援し、「従北」勢力の追い出しに協力するとともに、自主防衛を整備し、北朝鮮の軍事的脅威を日本の手で止められる程度の防衛体制を整備しなければなりません。 以上。 ※関連動画――韓国現地取材 【オルタナリポートvol.1】 韓国激震! これが赤化の恐怖で勢いを増す 保守派の太極旗デモだ! https://www.youtube.com/watch?v=lcVVc1TxlGg マスコミが報じない韓国デモの裏事情 釜山慰安婦像、朴槿恵退陣要求デモの仕掛け人は北朝鮮!? すべてを表示する 1 2 Next »