Home/ 2015年 October 2015年 October 鹿児島県・川内原発2号機と日本の原発再稼働に前進を!【後編】 2015.10.02 ※【前編】のつづきをお送りいたします。 文/幸福実現党 鹿児島県本部 副代表 兼 HS政経塾 4期生 松澤 力(まつざわ・いさお) ◆原発から火力への代替で大幅な「電力コスト上昇」 電力コストに関しては、原発停止に伴う火力の焚き増しにより燃料費は増大しました。 経済産業省がまとめた今年度のエネルギー白書によると、昨年度の電気料金の全国平均は、東日本大震災前に比べて家庭用で25%、産業用で38%上昇しました。原発停止に伴う燃料費の増加は、年間3.4兆円にのぼります。 この電気料金の上昇は国内産業に大きく影響しており、電力を大量消費する11の業界団体は2015年4月に、共同で原発早期再稼働を求める要望書を政府に提出しました。 その中で非鉄金属業界からは「銅製錬所をはじめ多くの非鉄製錬所が採算割れの危機にさらされ、特に電力原単位(kWh/t) が高い亜鉛、フェロニッケル製錬業は国内で存続できなくなる」との大変厳しい実情が述べられました。 非鉄金属業界では、電力会社から全国の製錬所で年間約42億キロワット時の電力を購入しており、2014年度は燃料費変動による電気料金上昇によって業界全体で83億円の負担増になっています。 経済同友会の小林喜光代表幹事からは、8月の川内原発1号機の再稼働を受けて「わが国のエネルギー需給構造の再構築に向けた一歩として評価する」とのコメントを文書で発表すする一方、原発停止により「国民生活や経済活動に深刻な影響が生じている」として、「審査の効率性向上や体制強化を図るべき」との見解も示しました。 原子力規制委員会への規制基準適合性審査の申請は、中部電力が浜岡原発3号機の申請を行い、申請数は全国で15原発25基に達しました。 しかし、現状で審査に合格しているのは、川内原発以外で関西電力の高浜原発3・4号機と四国電力の伊方原発3号機で留まっています。東北電力では、平成28年春に目指していた東通原発1号機(青森県)など2基の再稼働を、平成29年4月以降に延期すると発表しました。 今回の再稼働延期により、東北電力では追加の燃料費が約1,000億円となる見込みです。 ◆原発のさらなる安全性と技術の向上を目指して 原発の再稼働が遅れるほど電力コストが上昇し、家計や企業活動に与える影響がますます深刻なものとなります。また、化石燃料の輸入により、膨大な国富が海外に流出していることも忘れてはなりません。 日本の電源構成を考えるうえで、発電コストや安全性などに加えて、エネルギー安全保障も忘れてはならない非常に重要な論点だと思います。再生可能エネルギーも国産電源ですが、安定供給や発電コストなどの課題も多く存在します。 資源の少ない日本にとって、安全性を確認した原発の活用は欠かせないことです。 今後、日本の原発は、さらに安全性や技術の向上を目指していくことが求められます。日本の未来の発展のため、今後も原発再稼働の推進に努力を重ねて参ります。 鹿児島県・川内原発2号機と日本の原発再稼働に前進を!【前編】 2015.10.01 文/幸福実現党 鹿児島県本部 副代表 兼 HS政経塾 4期生 松澤 力(まつざわ・いさお) ◆2012年 衆院鹿児島3区補選から訴え続けた「原発再稼働」 九州電力は、既に再稼働している鹿児島県の川内原子力発電所1号機に続き、2号機についても、今後の検査や作業で問題がなければ、10月15日に原子炉を起動し再稼働させる方針です(10/4 朝日新聞)。 川内原発は、福島第一原発の事故後に作られた新しい規制基準の審査に、昨年、全国の原発で初めて合格し、1号機が8月11日に再稼働しました。 2号機でも、9月13日に原子炉に燃料を入れる作業が終わり、再稼働に向けた準備は最終段階に入っています。 私は2012年衆院補選から、川内原発を抱える鹿児島3区で「原発再稼働」を主張してきました。当時は脱原発の論調が非常に強く、脱原発を訴える方々との激しい論戦もありました。 しかし、全国の幸福実現党の同志の方々と支援者の皆様に支えられ、日本の将来を見据えた「原発再稼働」の必要性を一貫して訴え続けることができました。 その後、今年8月に新規制基準下で初めて川内原発1号機が再稼働し、2号機もほぼ再稼働の見通しが立つようになりました。これまで御支援くださった全国の皆様に心から感謝申し上げます。 ◆日本の存立を脅かす「火力発電依存」 東京電力の福島第一原発事故を受け、原発に代わって液化天然ガス(LNG)や石油、石炭を燃料とする火力発電がフル稼働し、電源全体の9割近くを火力発電が占めています。 この状態は1973年の第1次石油危機時を上回る高水準です(4/19 産経ニュース)。第1次石油危機では石油価格が4倍に上がり、日本がエネルギー供給の大半を中東に依存している危うさに気づかされることになりました。 当時の日本は一次エネルギー供給の約4分の3を石油に依存し、石油による発電の比率は1973年で74%に高まっていました(資源エネルギー庁)。 日本はその後、豪州・米国・カナダなどの石炭への燃料転換や原油備蓄などの対策も講じてきましたが、東日本大震災後の原発停止により、エネルギー安全保障の脆弱性が再び高まりました。 現在の日本は、石油の約85%、天然ガスの約30%を中東から輸入しています。日本の全エネルギー割合では、44%が中東から供給されており、この大半はホルムズ海峡を経由して輸送が行われています(WEDGE infinity)。高い中東依存率を引き下げることは、安全保障を強化することになります。 脱原発を訴える方々の中には、太陽光発電・風力発電などの再生可能エネルギーの推進を訴える方も多くいらっしゃいますが、気象状況に左右される再生可能エネルギーを安定した電源として活用することには無理があり、膨大なコストがかかります。 (つづく) すべてを表示する « Previous 1 2 3