Home/ 2013年 May 2013年 May 経済成長戦略の「画龍点睛」を欠くな!―今、必要な消費税増税の中止 2013.05.30 アベノミクス「3本目の矢」は的に当たるのか? 5月29日、産業競争力会議において、6月に取りまとめる「成長戦略」の骨子が提示されました。 「産業再興」「戦略市場創造」「国際展開」の3本柱からなっており、今後3年間で国内投資を加速させる「集中投資促進期間」の設定や、企業の地域投資を促す「国家戦略特区(仮称)」の設置などが盛り込まれています(5/29 読売夕刊)。 期待感もある一方、設備投資や産業の再編などを促す税制改革(法人税の減税など)、解雇ルールなどの雇用制度の見直し、農業への企業参入の規制緩和といった制度面の見直しへの抜本的な改革には踏み込めておらず、成長戦略の実効性への課題も指摘されています(5/30 朝日朝刊)。 行き過ぎた財政健全化への警戒 産業競争力会議で、日本の財政健全化を求める民間議員の声も紹介されていますが、行き過ぎた財政健全化への傾倒は経済を減速しかねません。 そもそも、日本が財政破綻に陥ることはありえません。 先日、財務省でも発表されたように、日本の対外純資産は、前年末比11.6%増で296兆円となりました(5/28日経夕刊)。 これは22年連続世界一です。 「対外純資産」とは、海外に保有する債権から、海外に対する債務を差し引いたもので、大きいほど、海外から入ってくる資金が大きいことを意味します。 長期金利が上がっていますが、まだまだ日本は世界最低の金利水準であり、対外純資産という裏づけもあるため、日本の財政が破綻することはありえません。 金利が上がると、国債の利払い費を問題にする向きもありますが、政府債務は国の経済成長率との兼ね合いで考えるべきものです。 国の経済成長率が金利の上昇率よりも大きければ、結局、負債は減っていくのです。単純に金額の大小だけで、財政の不安を煽る報道には注意が必要だといえます。 EUも緊縮増税政策を転換している EUでは、フランスやスペインなどに対して、財政再建の達成期限の延長を認め、この期間に労働市場などの構造改革を通じた競争力の強化するように促しています(5/31 日経朝刊)。 例えば、フランスでは、財政赤字を国内GDP比3%以内に削減期限を2015年に延長し、追加の歳出削減策や増税案を求めないこととなりました。 財政再建を求めるあまり、増税をしたことによって、景気が減速し、経済のパイが小さくなった結果、税収が減ってしまいました。 「成長」というキーワードなくして、財政再建もなしえないのです。 骨太方針に「消費税増税の中止」を明記するべき 5月28日から、経済財政諮問会議において、経済財政運営の指針として「骨太方針」の取りまとめ議論がはじまっています。 骨太方針の骨子案は、次のようになっています(経済財政諮問会議:「骨太方針」) 第1章「デフレ脱却と日本経済再生」 第2章「強い日本、強い経済、豊かな生活の実現」 第3章「経済再生と財政健全化の両立」 第4章「平成26年度予算編成に向けて」 ここで一つ提案があります。 景気を腰折れさせずに、景気と財政を回復させるために、新たに「第5章」を追加して、消費税の増税中止を掲げるのです。 消費税の増税には、まだ回避の余地があります。 税制抜本改革法の第18条の景気条項では、次のように定められています。 「平成23年度から平成32年度までの平均において名目の経済成長率で3パーセント程度かつ実質の経済成長率で2パーセント程度を目指した望ましい経済成長の在り方に早期に近づけるための総合的な施策の実施その他の必要な措置を講ずる」 1997年に消費税の増税を行う前年の1996年の実質GDP成長率が2.6%でしたが、増税後に景気が停滞し、金融危機を引き起こし、長期不況が続きました。 現在、景気が上向いているとはいえ、2013年の経済協力開発機構(OECD)が発表した日本の実質成長率は1.6%であり、景気条項の定めた水準に達していません。 増税による不況と財政悪化という、同じ過ちを繰り返すべきではありません。 日本を豊かにする確固たる「国家観」 なぜ、消費税増税を中止すべきなのか? なぜ、幸福実現党は立党以来、ブレずに主張し続けられるのか? それは、日本人の幸福を増進するための確固たる「国家観」があるからです。 2009年6月15日から憲法試案として示しており、税金については次のように考えています。 「国家は常に、小さな政府、安い税金を目指し、国民の政治参加の自由を保障しなくてはならない。」(大川隆法「新・日本国憲法試案」第11条) 安倍首相は、憲法改正の発議要件を緩和する96条改正について、TBSのインタビューで「論点が十分に国民に浸透していない。 何が何でも突破ということではなく、国民とともに進みたい」と述べており、慎重に判断する意向を示しています(5/30 産経)。 しかし、96条改正をした後に、日本をどのような国にしていきたいのかを、もう一段踏み込んで首相の考えを表明していないところに、説得力不足と受け止められてしまう面があります。 幸福実現党は、日本人の幸福を増進する明確な国家ビジョンの下、とことん日本を豊かにします。 「消費税増税の中止」の決断は、今、日本に必要な経済成長戦略の「画龍点睛」なのです。 (HS政経塾部長 兼 政務本部部長 幸福実現党東京都第9選挙区支部長 吉井としみつ) 96条改正論を通して考える「民主主義のあり方」 2013.05.30 憲法96条改正とは何か 夏の参院選に向け、憲法96条改正について議論が高まっています。 憲法96条とは、日本国憲法の改正手続を規定した条文で、「衆参両議員の3分の2以上の賛成」による発議と「国民投票による過半数の賛成」を憲法改正の要件としています。 現在、議論されているのは、発議要件を「衆参両院議員の2分の1」に下げるというものです。 政権発足時、憲法96条の先行改正を前面に出していた安倍首相ですが、中韓からの圧力や連立を組む公明党からの反対が強く、現在ではトーンダウンして、96条改正を政権公約(マニフェスト)に盛り込まない方針を固めつつあります。 一方、民主党は「96条改正に反対する」ことをマニフェストに明記しようとしています。 安倍首相のねらいは9条の改正にあると思われますので、そこをストレートに議論せず、改正手続きの問題から入ろうとすることは、現時点ではやむを得ないとはいえ、極めて「政治的」な動きだと言えます。 憲法改正は慎重にするべきか 憲法改正について定めた96条を改正することに慎重な議論があることは理解できます。 政権交代のたびに法律が大きく変われば、国防においても経済においても方針が一貫せず、国家の衰退を招くことはイギリスが証明しています。 法律ですらそうなのですから、国家の根幹にもかかわる憲法が大きく変わることへの危惧は当然です。 ただ、96条改正に反対している人たちは、9条のみならず憲法改正そのものに反対する人も多いようですが、日本国憲法は一度も改正されたことがありません。 これは世界でも非常にまれです。憲法改正は、アメリカでは6回、イタリアでは15回、フランスでは27回、ドイツでは58回も行われています。 時代に伴い、憲法も修正していく必要があります。その時々の情勢、時代の変化に合わせて、憲法を改正できる環境を整えることに慎重になり過ぎてはなりません。 現行の96条では、例えば、参議院ではわずか81人の議員が改憲反対に回れば、憲法改正の発議すらできません。極めて特殊な状況でなければ憲法改正できないのが現状です。 96条を改正しても、諸外国と比べて憲法改正要件が極端に緩くなるわけではない とはいえ、憲法改正にはある程度の厳格さは必要なことは事実です。 現在の96条改正案は、改正案を国民投票にかけるための発議の要件を、各議院の「総議員」の3分の2以上から、2分の1以上に緩和するものです。 通常の法律は、定足数(総数の3分の1)を満たした出席議員の2分の1以上で成立しますので、法律レベルに緩和されるわけではありません。 さらに改正案成立には、国民投票の過半数の賛成を必要とします。諸外国を見ても、「国民投票」まで必要としている国は多くはありません(オーストラリア、オーストリア、フランスなど)。 国会議員の「総数」の2分の1以上で発議しても、国民投票で過半数を取らなくては成立しないというのは、結構なハードルだといえます。 フランスも国会(二院制)の過半数の議決の後、国民投票による過半数の承認を要件としていますが、大統領が国会で改正案を審議すると決めた場合は、国民投票には付されず、国会の5分の3の賛成で成立します。 日本の改正案は、これよりも民意を尊重する方向であるといえます。 最近の世論調査では、憲法改正に賛成する国民は50%を超えています。しかし、改正の第一段階である発議さえされないのは疑問があります。 改正要件を緩めることは、憲法とは何かを国民が真剣に考える機会ともなるでしょう。 憲法改正の前提となる「健全な民主主義」 ただし、時の政治勢力によって国家の基盤たる憲法が左右される危険はゼロとは言えません。 幸福実現党の大川隆法総裁も、5月30日発刊の『憲法改正への異次元発想』(幸福実現党発刊)のあとがきで「憲法九十六条改正から入るのも一つの手ではあるが、政権交代のたびに憲法改正がなされて、左や右に極端にブレるのは望ましくないだろう。」と述べています。 2009年「政権交代」というフレーズのみで何の見識も持たない民主党を大勝させてしまったことは記憶に新しいことです。 また、ナチスの全権委任法は民主主義的な手続きを経て成立したことを忘れてはなりません。民主主義のもとでは、最後は国民一人一人の見識が問われます。 では、国民一人一人の見識を高め、民主主義に正しい方向性を与えるものは何か――それが宗教です。 過去の思想家たちは民主主義には宗教や哲学が必要であると述べてきました。 トクヴィルは『アメリカの民主主義』において、「宗教の必要は君主制以上に共和制においてはるかに大きく、民主的共和制においてもっとも大きい」 「平等は人間を互いに孤立させ、誰もが自分のことしか考えないようにさせる。それはまた人々の心を度外なほど物質的享楽に向かわせる。宗教の最大の利点はこれと正反対の本能を吹き込むところにある」と述べ、民主主義における宗教的価値観の必要性を強調しています。 「国に何をしてもらうか」ばかりを考え、公に奉仕する崇高な理想を心に抱く人がいなければ、「民主主義」は簡単に「衆愚制」に陥ってしまいます。 幸福実現党が発表した「新・日本国憲法試案」は、「憲法改正は総議員の過半数で国民投票にかける」ことを提言していますが、「神仏の心を心とする」宗教的価値観の大切さを同時にうたっています。 私たち幸福実現党は、国家の行くべき方向性を示すと共に、宗教的価値観のもとで「健全な民主主義」が根付くことを願っています。 自らが属する国の方向性を自らで選び取っていくことは、人間にとっての使命であり、大きな幸福でもあるからです。 (文責・政務調査会 部長代理 小川佳世子) 天安門事件24周年――中国共産党幹部の腐敗の実態(1) 2013.05.28 1989年6月4日に起きた中国の天安門事件から間もなく24年となります。 あの「天安門事件」とは何だったのか?そして、天安門事件を引き起こし、世界に覇権を広げ続けている「中国共産党」とは一体何なのか? 今後、数回にわたって、その本質を探りたいと思います。 その悲惨な内情を知って頂き、一日も早い共産党一党独裁体制の崩壊と、その中で苦しむ13億の人々の解放、そして、中国が真の意味で、日本と友好関係と繁栄のパートナーシップを築ける「自由を尊重する民主主義国家」へと変貌することを願って―― 「所得格差」が危険レベルに達した中国 中国国家統計局は、国民の所得格差の程度を示すジニ係数が2012年は0.474だったことを発表しました。(1/19 産経「中国『所得格差』危険水域さまよう ジニ係数12年ぶり発表」) 「ジニ係数」とは、国民の所得格差を計る指標で、ジニ係数の範囲は0~1となっています。0は完全な「平等」、1に近いほど格差が大きいことを意味します。 例えば、一人の王様がすべての富を独占し、国民全員が無一文とすると、ジニ指数は「1」になります。 繁栄発展する社会のために、切磋琢磨や自助努力の結果、適度な格差が生まれることは奨励すべきことで、自由経済の先進国ではだいたい0.35程度です。 日本のジニ係数も0.336(2010年度)であり、世界の先進国と比べても比較的格差の少ないレベルになっています。 一方、格差が拡大し、社会騒乱が多発する警戒ラインは0.4です。 中国の実際のジニ指数は、政府発表よりはるかに大きく、例えば、西南財経大学が実施した「中国家庭金融調査」の結果によると、2010年の中国家庭のジニ係数は0.61と、世界平均レベルを大幅に上回っています。(2012/12/11 人民網「中国家庭のジニ係数0.61 所得格差深刻」) これ程までの大きな所得格差は、今までボリビア等の一部アフリカや中南米の諸国に限られていまいた。 ここまで所得格差が開いた理由は、一部特権階級への富の集中であり、「中国共産党一党独裁」の弊害そのものと言えるでしょう。 海外へ逃げる中国共産党幹部 現在、中国共産党の幹部の多くが、海外に移住したり、資産を逃がしています。 例えばこの20年で、中国の高官が約2万人も海外に逃亡、また約9兆6000億円ものお金を海外に逃がしました。これは一人当たり、平均12億円にもなります。 この海外逃亡のやり方は、第一段階は、まず自分の子どもを海外へ留学させて、足場をつくることから始まります。最近の10年では、約120万人もの中国公務員が、子どもを海外に出しました。 中国のトップ層はもっと率先垂範(笑)しています。中国共産党第17期中央委員会委員(中国トップの委員204名)の内、なんと9割の家族がすでに欧米に住んでいます。 本来ならば中国トップエリート層こそ、中国の未来に責任を持つべきですが、権力濫用で私腹を肥やし、挙げ句の果てに海外逃亡とは悲しい限りです。 中国の内情を知る高官ほど、中国という泥船から我先に逃げ出す姿は、中国の未来を強烈に暗示しています。 国家主席である習近平氏でさえも、姉夫婦の国籍はカナダで、弟はオーストラリア在住。娘はアメリカに留学させています。 また、2千億円もの資産を築いたとマスコミに暴露された温家宝元首相も、首相退任4カ月前の講演で、「どうか皆さん私をお忘れください。中国の皆さんも、海外にいる中国人の皆さんも、どうか私のことは忘れてください」と演説しています。(2012/11/23 ウォールストリート・ジャーナル) 温家宝氏も、心情的には「早く海外逃亡したい」ということでしょうか。 今日の中国では、家族と財産をすでに海外に移し、あとは本人がいつでも逃亡できるように外国のパスポートを持っている共産党幹部が多くいます。 特に移住先として圧倒的に人気が高いのが米国です。なぜなら中国の捜査機関がなかなか手を出せないからです。 例えば、高速鉄道建設の汚職事件で摘発された張曙光・元鉄道省運輸局長は米国に3軒の高級邸宅と2800億円の預金があると報道されています。 海外移住の実態は、米国側の発言でも裏付けがあります。ヒラリー元国務長官は、在任中のハーバード大での講演で「中国の9割の官僚家族と8割の富豪がすでに移民申請を出した。またはその意向がある」と述べています。 共産党幹部の汚職の実態 以上のように、中国の将来への悲観的観測と、汚職の追求から逃れるために、海外逃亡が後を絶ちません。 実際に汚職はたいへん多いようです。例えば2011年度に摘発された汚職官僚の数は14万人を超え、更に毎年増える傾向にあります。 このような事情から、胡錦濤氏は2012年秋の国家主席としての最後の共産党大会で「中国共産党の腐敗問題をしっかり解決できなければ、党にとって致命的なダメージとなり、ひいては党も国家も滅びる」と異例の発言をしています。 中国共産党幹部の腐敗が、文字通り「身から出た錆」となって、中国という国家を滅ぼしねない大問題となっているのです。 (文責・岐阜県本部副代表 河田成治) 日本外交を支える「情報発信力」の強化を急げ! 2013.05.27 世界に広がる「日本の悪評」 中国や韓国メディアは「沖縄の帰属は未解決だ」「日本への原爆投下は神の懲罰だ」など、「一体こんな嘘を誰が信じるのだろうか?」というようなニュースを日々、世界に向けて発信しています。 「嘘も100回つけば本当になる」という言葉を地でいく中国や韓国の広報により、「過去の過ちを反省しない日本」というイメージが国際社会に定着しつつあります。 特に米国においてはその動きが顕著で、ニューヨーク州下院は5月7日、「慰安婦制度を非難する決議案」を採択しました。(5/16 産経「慰安婦問題 制度非難の決議採択、NY下院」) 「決議採択」は地元の韓国系アメリカ人の団体が主導しており、橋下徹大阪市長の発言や安倍首相の村山談話の踏襲を受け、米国各地で決議採択の動きが加速する気配です。 今、日本に必要なパブリック・ディプロマシー 日本はこうした自国の国益を損なうようなマイナス情報戦に対し、その都度、強く反論するのみならず、国家戦略に基づいて、世界に向けて「真実の日本の姿」を発信していくことが急務です。 そのための外交戦略のひとつが「パブリック・ディプロマシー(Public Diplomacy)」です。 パブリック・ディプロマシーとは、伝統的な「政府対政府」外交とは異なり、広報や文化交流を通じ、国際社会の中で自国の存在感やイメージを高め、相手国の国民や世論に直接働きかける「対市民外交」「広報外交」のことです。 外交活動の相手が「外国政府」ではなく、「国際社会全体」や「特定の一般の国民」であることが従来の外交とは異なります。 パブリック・ディプロマシーの目的は、(1)自国のイメージを高め、マイナスイメージをなくすこと、(2)自国の政策を理解してもらうこと、(3)自国の対外政策が実現しやすい国際環境を作り、外交をスムーズに行えるようにすることが目的です。 なぜ今、パブリック・ディプロマシーが注目されるのか? 各国においてパブリック・ディプロマシーへの関心が高まったのは、冷戦終了後、特に90年代以降のことで、イギリスが「クール・ブリタニカ」(かっこいいイギリス)という国家ブランド戦略で新たな局面を開いたのがきっかけです。 その後、パブリック・ディプロマシーの概念を形作り、「9.11」以降、パブリック・ディプロマシーへの重要性を強く認識させたのがアメリカです。また昨今、急速に活動を積極的に展開しているのが中国や韓国です。 近年、世界的にパブリック・ディプロマシーが重視されている背景として、冷戦終結による世界のパワー認識の変化が起こり、軍事力以外のソフト・パワーに大きな関心が向けられるようなったことが挙げられます。 また、インターネットなどの情報技術の発達により、個人が他国の国益を揺るがす時代となったため、国家が外交上の目的を達成するためには、相手国の政府に働きかけるのみならず、国民一人一人に対する働きかけに積極的に取り組まなければならなくなってきているためです。 パブリック・ディプロマシーの具体的活動 パブリック・ディプロマシーの具体的活動として、以下の3分野があります。 (1)情報発信:政府自身が行うもので、海外メディアの報道が不正確な場合や誤解を招くものである場合、反論投稿や論説投稿、「談話」などの公式声明、記者会見での応答等が重要な意義を持っています。 さらに、首脳の外国訪問時の立ち振る舞い等も象徴的な政治行為として、相手国の自国に対するイメージの形成に大きな影響を与えています。 (2)国際文化交流:知的交流・自国研究への支援、文化・芸術交流、地域交流、人物交流、自国理解教育・自国語教育支援のことで、日本の重要なパブリック・ディプロマシーの担い手として、国際交流基金があります。 イギリスのブリテッシュ・カウンシルや中国の孔子学院と言うと、イメージが湧きやすいかもしれません。 (3)国際放送:アメリカのCNNやイギリスのBBCなどが典型で、政府自らが発信する政策広報としての情報発信とは異なり、政府から一定の距離を取った機関が放送を行います。 日本の場合は、NHKの国際放送がありますが、英語のチャンネルで海外支局が30か所、視聴可能地域は130か国・地域で放送を行っています。 それに比べて中国のCCTVは国連の6つの公用語すべてを網羅。海外支局は53か所、視聴可能地域は160か国・地域にあり、更に増え続けています。 放送内容は国内宣伝だけでなく、国際世論上での中国の発言力と影響力を拡大する役割を担っています。尖閣諸島事件の際、CCTVは中国に有利なように海外の視聴者を誘導する報道を行っています。 例えば、尖閣事件での中国の主張を伝えるニュースの前に、北方領土問題をめぐる日露対立や韓国で起きた慰安婦問題を巡る反日行動を報道し、「日本は周辺国とのトラブルメーカー」との印象を強めていました。 「世界のリーダー国家」日本を目指して 日本が世界の「リーダー国家」になっていくためには、国際社会での存在感を高める必要があります。そのために、発言力と同時に必要なものが各国からの信頼です。 国際世論調査をみても分かるように、日本は好意的な評価を受けている反面、歴史認識でマイナスイメージを持たれています。 日本が世界のリーダーとしての役割を担っていくためにも、日本はパブリック・ディプロマシーを強化し、正しい歴史認識について、世界をリードしていく発信力を持つべきです。 幸福実現党は今後とも、日本の外交を支える「情報発信力」強化についての具体的な政策提言を行って参ります。 日本の自信と誇りを取り戻すべく、参議院選大勝利に向けて頑張って参りましょう! (文責・HS政経塾第二期生、東京第12選挙区支部長 服部聖巳) 「従軍慰安婦」強制連行のウソを暴く! 2013.05.26 自称「従軍慰安婦」の正体 橋下徹大阪市長の「従軍慰安婦は必要」発言をきっかけに、韓国のみならず、アメリカをも巻き込んだ旧日本軍の「性奴隷(sex slave)」キャンペーンが始まっています。 その騒動を盛り上げるべく、「元慰安婦」を名乗る2人の女性が韓国から来日。全国各地で講演し、5月24日には大阪市役所で橋下市長と面会し、市長に謝罪を求める予定でした。 こうした事態を受け、5月21日、大川隆法・幸福実現党総裁は、2人の証言の真偽を確かめるべく、2人の守護霊を呼び出し、『神に誓って従軍慰安婦は実在したか』と題する霊言を収録しました。 霊言の結果、2人はプロの慰安婦ではあったが、日本軍に強制連行されたわけではなく、収入も大企業の部長並みに良かったこと。日本を貶めるための韓国の政府ぐるみの大掛かりな「偽装工作」であったことが発覚しました。 ※参照:5/22 The Liberty Web「激震スクープ! 橋下市長『慰安婦』騒動に決定打か?」 23日には、同霊言の内容を報じる「リバティ号外」が韓国大使館前や官公庁、大阪市役所、主要なマスコミの前などで、大量に配布され、大きな反響を呼びました。 真相を暴露され、形勢不利に陥った2人は急遽、橋下市長との面会を取り止めています。(5/24 日テレ「元従軍慰安婦2人、橋下市長との面会中止」) 1970年代に創作された「従軍慰安婦」 そもそも「従軍慰安婦」という言葉は、1973年に元毎日新聞記者・千田夏光著「従軍慰安婦」(講談社)で初めて登場した言葉です。 かつて民間事業者が、軍人を対象とした「慰安所」を設立し、そこで働く「慰安婦」を募集・管理していたのを、「従軍記者」と同じく、「従軍」と「慰安婦」という二つの言葉を結びつけることで、あたかも日本軍が慰安婦を運営していたかのような印象を作り出したのです。 捏造された「慰安婦の強制連行」 「従軍慰安婦問題」がクローズアップされるきっかけとなったのは、1983年に発刊された吉田清治著『私の戦争犯罪-朝鮮人連行』(三一書房)以降です。 この中で同氏は「日本の軍人が韓国の済州島で、赤ん坊を抱いたお母さんや若い未婚の女性を狩り立て、あたりかまわずトラックで連行した」と「日本軍による慰安婦の強制連行」を記述し、日韓に衝撃を与えました。 ところが1989年、韓国済州島の地元紙「済州新聞」が現地取材の結果、「『私の戦争犯罪』は捏造だった」(強制連行の事実は無かった)と報道しました。 更に1992年、秦郁彦氏(日本大学法学部教授)が、済州島で現地調査を行い、吉田氏の捏造を証明しました。(文藝春秋『昭和史の謎を追う』1993年3月号) 追い詰められた吉田氏は「本に真実を書いても何の利益もない」「人間狩りを行なった場所がどこであるかについては創作を交えた」と捏造を認めました。(週刊『新潮』1996年5月29日号) しかし、朝日新聞をはじめとする左翼マスコミは、吉田氏の主張に乗っかっり、事あるごとに「従軍慰安婦問題」として取り上げました。 韓国や支援団体は「日本は20~70万人の朝鮮人を性奴隷にした」と主張。「従軍慰安婦問題」は、韓国が日本を謝罪に追い込む外交カードとして使われるようになりました。 明確になった韓国の捏造 韓国の教科書には「日本が朝鮮の純潔な乙女を『挺身隊』という名目で動員し日本軍の慰安婦として犠牲にした」「その数は数十万人にもおよぶ」と書いてあります。 韓国が言う「挺身隊」は、「女子挺身隊」のことで、戦時中に男子の代わりに工場で働いた女子の組織のことです。 しかし、韓国や日本の左翼研究者が血眼で「女子挺身隊」から「慰安婦」にされた証人を探しましたが、一人も見つかりませんでした。 そもそも、海外に配置された日本軍はアジア・太平洋全て合わせて約355万人で、20~70万人もの慰安婦が「従軍」していたということはあり得ない数字です。 2007年、米国議会調査局の報告書でも「(韓国が主張する)『日本軍による20万人女性の性の奴隷化』という表現で非難するような日本軍による組織的、政策的な強制徴用はなかった」との調査結果を発表しています。 韓国はこうした捏造で謝罪を求め、賠償金を請求しているのです。日本は善悪を峻別し、「国家的詐欺」に引っかからないようにすべきです。 韓国は、朝鮮戦争で人民解放軍が半島を蹂躙したことに関して中国に謝罪を要求しましたが、中国政府は「謝罪の必要はない。今後とも謝罪することはない」と一蹴し、問題を片づけましたが、日本の政治家にもそのような強さが必要です。 「従軍慰安婦」問題を乗り越え、誇りを取り戻せ! 安倍政権は5月24日の閣議で、従軍慰安婦問題への旧日本軍の関与を認めて謝罪した「河野談話」の内容を継承する答弁書を決定しました。(5/24 時事「河野談話を継承」) 5月10日、安倍政権が、日本の植民地支配と侵略行為を認めた「村山談話」を「全て継承」したことに引き続き、「河野談話」を継承したことは、安倍政権が「自虐史観」を継承したことを意味します。 5月30日(木)緊急発刊の書籍『東條英機、「大東亜戦争の真実」を語る』(大川隆法著、幸福の科学発刊)のあとがきで、大川隆法・幸福実現党総裁は以下のように述べています。 「もうすぐ終戦七十年である。『戦後』はもう終わらせなくてはならない。新興侵略国家からこの国を守らなくてはならない。 政府よ、もう謝るのはやめよ。『日本を取り戻す』のではなく、『日本の誇りを取り戻す』ことが大切なのだ。」 捏造された「従軍慰安婦」問題を認めれば、日本の「誇り」は失われます。幸福実現党は正々堂々、「真実の歴史」を訴え続けて参ります。 (文責・幸福実現党政務調査会 佐々木勝浩) 「快適な老後」のための4つの鍵――高齢化を日本発展の起爆剤にするために 2013.05.25 「超高齢化社会」に突入した日本 日本は4人に1人が65歳以上の「超高齢社会」に突入しています。 65歳以上の高齢者人口は3,074万人(前年比102万人)で、総人口に占める割合は24.1%(前年比0.8ポイント増)となり、人口、割合共に過去最高となりました。(総務省統計局人口統計、2012年9月15日現在) これは「団塊の世代」と呼ばれる世代が65歳に達したことによります。 高齢化率(65歳以上の高齢者人口が総人口に占める割合)7~14%が「高齢化社会」、14~21%が「高齢社会」、21%~が「超高齢社会」と呼ばれていますが、日本はあらゆる国に先駆けて「超高齢社会」に突入しています。 日本の高齢化の特徴は「3S」 日本の高齢化の特徴は「3S(スリーエス)」に集約されます。 第一は「スピード(Speed)」です。「高齢化社会(高齢化率7%)」から「高齢社会(高齢化率14%)」に達する所要年数は、フランスが115年、スウェーデンが85年、イギリスが47年、ドイツが40年であるのに対して、日本は25年しかかかっていません。 これは世界最速です。こうした急速な高齢化の変化に対して、社会全体の仕組みが追いついていないことに問題の本質があります。 第二は「シニア(Senior)」です。75歳以上は「後期高齢者」と呼ばれています。あまり響きの良い呼び方ではありませんが、この「シニア」の人口が多いのも特徴です。 2012年9月15日の統計では、75歳以上の人口が初めて1500万人を超えました。後期高齢者は今後とも増加を続け、5年後には前期高齢者の人口を上回ります。 第三は「スケール(Scale)」です。日本は高齢化率のみならず、実数においても、65歳以上の人口が3,000万人を超えています。 高齢化が進んでいると言われるスウェーデンの高齢人口(65歳以上人口)171万人と比べても、日本の高齢人口の多さが分かります。 「快適な老後」のための4つの鍵 このように、日本は世界に類を見ない「超高齢化社会」に突入していますが、シニアの方々が豊かで幸福な社会を築いていくためには、どうしたら良いでしょうか? 「快適な老後」のためには「4つの鍵」があります。それは、「お金」「健康」「生きがい」「近隣との良好な関係」です。 (1)「お金」に関しては、若いときからコツコツと貯めるか、健康な限りは働いて経済的収入を確保するか、またはその両方になります。 高校生までに「人生設計と家庭経済の関係」「生涯現役に向けた人生計画」について、しっかり教育すべきです。 また、高齢者雇用を進める企業の税制優遇や、高齢者の起業を支援する仕組みづくりも急務です。 (2)「健康」については、高齢化に伴う医療保険制度の破綻を回避すべく、「予防医学」を推進していく必要があります。 また、「病気にならない生活と精神態度(心の持ち方)」について、啓蒙していくことが大切です。 (3)「生きがい」については、「人様のお役に立つことが幸福(生きがい)である」という精神を啓蒙していくことが大切です。 定年退職後、仕事を失って「生きがい」を喪失する高齢者の方が増えています。高齢になっても、仕事を通じて社会に貢献していくことが「生きがい」を失わない鍵となります。 (4)「近隣との良好な関係」は、高齢者にとって住み良い街作りを推進すると共に、地域社会や宗教的ネットワークを活用して、高齢者の暮らしを見守ることが大切です。 また、「家族」の大切さを啓蒙すると共に、多世帯同居を税制面で優遇するなどの具体化も大切です。 幸福実現党には、高齢者の「お金」「健康」「生きがい」「近隣との良好な関係」という「4つの鍵」を支援するための政策があります。 超高齢化を日本発展の起爆剤に! 幸福実現党は、希望する高齢者は75歳ぐらいまで働き続けることができる「生涯現役社会」を強力に推進し、高齢化を日本発展の起爆剤にして参ります。 高齢者の雇用を増やすためには、消費増税をストップし、「本物の景気回復」を実現して参ります。 憲法9条を改正し、中国や北朝鮮による国難を乗り越え、いつまでも安心して暮らせる国にして参ります。 また、幸福実現党は自虐史観を払拭し、「自分の生まれたこの国、日本は素晴らしい国だ。この国に生まれ、この時代に生まれてよかった」という「愛国心」を育んで参ります。 そして、「今の日本を創ってくださったご先祖さま、諸先輩方に感謝し、更なる高みを目指し、その高い精神性で社会に貢献する」という「真のリーダーシップ」「先人に感謝し、敬う心」を涵養して参ります。 今、時代に求められているのは「正義に基づく政治」です。「ご都合主義」の既存の政治では、これらのことは実現できません。 「何が正しいか」に基づいて未来を切り拓く事ができるのは、幸福実現党以外にありません。 (文責・幸福実現党富山県参議院選挙区代表 吉田かをる) 中国の戦略を分析し、日本よ、戦略を持て! 2013.05.24 ◆米国防総省が尖閣を巡る動きで中国をけん制 米国防総省は5月6日、「中国の軍事力に関する年次報告書 2013年版(※)」を発表しました。 ※“Military and Security Developments Involving the People’s Republic of China 2013″ 報告書は、中国政府が尖閣諸島を「中国領」として扱えるよう昨年9月に設定した独自の直線基線について「不適切で、国際法に合致しない」と批判。尖閣周辺で中国が繰り返す挑発行為は日中の偶発的な衝突を起こしかねないと危惧を表明しています。(5/7 日経「尖閣周辺の中国の基線『国際法に合わず』米報告書」) 米政府高官は今回の尖閣を巡る記述に関して「尖閣は日本の施政下にあり、いかなる一方的な行為にも反対する」と説明。中国に冷静な行動を呼び掛けるのが狙いとの考えを示しています。(同上) その他、トピックスとして、(1)2012年に起きたサイバー攻撃の一部は中国政府・軍が直接関与、(2)産業スパイ活動で軍の近代化を支援、(3)2020年ごろまでに初の国産空母が就航、(4)対艦弾道ミサイル「東風21D」(射程1500キロメートル以上)の配備等を掲載しています。(5/6 日経「米、中国の動きけん制 国防総省報告書 弱腰批判を払拭」) ◆「中国の戦略」を知れば、中国が分かる 本報告書で特筆すべきは、第2章の「Understanding China’s Strategy(中国の戦略)」についてです。 トウ小平氏以降の中国の指導者は、「2020年」を念頭に置き、経済力と軍事力を「一定の水準」にまで押し上げることを戦略目標にして来ました。 「一定の水準」とは「成長を維持し、かつ安定を促進するために中国経済を立て直すこと」と「中国人民解放軍を近代化させ、戦争または地域紛争に勝つ能力への到達」を指します。 特に日本が注意すべき点は、中国の指導者が「中国人民解放軍の成長こそが、中国の大国としての地位を確立する」と考えていることにあります。 中国の指導者は「近代化された軍事力」を持つことで、「中国の国益を侵す勢力から国益を守る」、または、「国益を守るために直接行動に出る」ことができると考えています。 すなわち、中国政府が「自国の国益が犯される」と判断した場合には、「戦争に訴えることも躊躇しない」ことを認識しておくべきです。 実際、中国の歴史を振り返ると、中華人民共和国が1949年に成立するや否や、中国は50年にチベット、54年に台湾、59年にインド、69年にソ連、79年にベトナムと国境をめぐり争っています。 さらに、74年に西沙諸島でベトナムと争い実効支配を始め、92年にフィリピンが米軍基地を撤去すると、その3年後には南沙諸島に軍事施設を建設、次々と他の島も実効支配しています。(参照:The Liberty Web「幸福実現党Q&A」) ◆中国の軍事力増強に警戒を高めるアメリカ その他、米国防総省は本報告書で、新鋭の短距離・中距離の通常戦力弾道ミサイル、地上攻撃・艦艇攻撃両方の巡航ミサイル、宇宙攻撃兵器、接近拒否、地域拒否の能力強化を意図した軍事サイバー能力の増強等を指摘しています。(5/15 JB PRESS「中国のすさまじい軍事力増強を米国防総省が警告」) 本報告書全体を通じ、米国防総省が中国に対して「警戒感」を強めていることは明らかです。 日本としては、米国の「警戒感」がわが国の安全保障に対して、いかなる影響を及ぼすかについて推測していく必要があります。 「中国への警戒」を強めるアメリカは、自国の戦力を守るべく、在日米軍を日本から徐々に後退させる方向で動いています。 このような事態が進めば、日本は窮地に立たされることは明らかです。座していれば死を待つのみです。 しかし、これは同時に、「米国依存の安全保障」に安住して来た日本にとって、「自主防衛」「憲法9条改正」を進めていくチャンスでもあります。 残念ながら、自民党は5月24日、7月の参院選に掲げる政権公約で「憲法96条改正」を明記することを見送ることを発表しました。(5/24 ブルームバーグ「自民:憲法96条の先行改正、政権公約明記は見送りへ」) 憲法改正の絶好の好機が来ているというのに、憲法改正から逃げた自民党は、「自主憲法の制定」という党是を踏みにじり、自己の存在否定へと陥っています。 ◆日本よ、戦略を持て! 米国防総省が分析するように、中国は長期戦略に基づき、経済力を急成長させ、軍事大国を築いて来ました。 日本も早急に「最悪の事態(侵略される危機)」を想定した「戦略」を作り上げていく必要があります。 「戦略」とは、あらゆる事態を想定し、日本の国益をいかにして守るか、そのために日本の国が持つ資源をどのような形で使うのかをあらかじめ考えていくことです。 幸福実現党は国難を乗り越え、「世界のリーダー国家」としての日本を築くために、中長期戦略に基づいた経済、教育、国防、外交政策を打ち出しています。 今、「中国がアジアの盟主になるのか」「日本がアジアのリーダーになるのか」――世界が注目しています。 中国は捏造された「歴史認識」を持ち出してまで、「日本が強国になることの危険性」を世界にアピールしています。 今こそ、日本は「正しい歴史認識」を打ち出し、この国の「誇り」を国内外に発信すると共に、戦略に基づいた国家再建を進めていくべき時です。 (文責・幸福実現党政調会長 黒川白雲) 歴史認識による「日本包囲網」の背後で進む「米中新型大国関係」 2013.05.23 歴史認識による「対日包囲網」と「米中関係の深化」 昨年の就任以来、「対中包囲網」の形成、そして憲法改正へと着々と地歩を固めてきた安倍政権ですが、橋下徹市長の「慰安婦は必要だった」発言により、各国が「日本右傾化叩き」を猛烈に始め、一転して「対日包囲網」が形成されたかに見えます。 アメリカ議会調査局が作成した報告書は、安倍首相を「強硬なナショナリスト」と呼び、日本が「地域の関係を壊し、米国の利益を損なうおそれがあるとの懸念を生んだ」と批判しています。その背後には、中国のロビー活動の存在が指摘されています。 また、中国軍の機関紙である解放軍報で「日本は歴史を直視し、日韓両国の未来に向けた相互信頼と発展をすすめるべき」(5/14「安倍否定歴史没出路」)とする主張が見られました。 このことから、中国は歴史カードを持ち出すことにより、「日韓関係をも平和的に解決することができる」という「実力」を誇示しようと意図していることが予想できます。 それでは、日韓関係をも前向きに解決できるという実力の誇示、いわば「アジアのリーダー・中国」というPRはどこに向けて発信されているのでしょうか? もちろん米国です。安倍首相の「侵略の定義は定まっていない」という発言以降、解放軍報は五月だけで20本近い記事を掲載しましたが、その中に「軍事科学院」という中国軍最高の学術機間が発表した、二つの特徴的な論説があります。 一つは5月4日に発表された「安倍究竟想像把日本帯向何方」という記事で、もう一つは翌日に掲載された「構建中美新型軍事関係系需改変旧思惟」という記事です。 前者では、歴史認識に端を発する国際問題の責任をすべて日本に押し付ける一方、後者で「米国は台湾から手を引け」「最先端技術を中国に輸出しろ」と言った要求を突きつけ、米中関係を深めていくことを求めています。 「米中接近」を手引きするキッシンジャーの影 こうした中国の発言を見る時、思い起こされるのは「新型の大国関係の樹立」という習近平の発言です。 すなわち、中国による「日本外し」「日本封じ込め」が進行しているのです。 そして、我が国として最も気になるところは米国の動向ですが、来月には習近平の訪米が予定されており、米中の更なる接近が予測されています。 これを影で手引きしていると思われるのが、「ニクソン訪中」の立役者、キッシンジャー博士です。 キッシンジャー博士は、習近平総書記が国家主席に就任した3月15日、ヒューストンのアジアソサエティ・テキサスセンターで「米中二カ国が対立することは世界の問題を解決する上で妨げとなる」という趣旨の発言をし、4月には一週間弱の日程で訪中しています。 その際、習近平以下、政府・軍の中枢と会見を行っています。キッシンジャーの訪米は我が国のメディアでは殆ど触れられませんでしたが、5月3日付の解放軍報でも、米中首脳会談に期待を寄せるキッシンジャーのコメントが掲載されています。(「基辛格説中美元首会面具有深遠影響」) 国難を突破し、地球的正義を樹立する国へ 水面下で進行する米中関係強化の動き、そして、歴史カードを用いた「日本包囲網」の形成。 これを突破するためには、日本が「国際社会の正義について日本の立場を主張でき、実際に守ることのできる国」に脱皮することが不可欠です。 また、日本の復活を単なる「軍国主義の復活」と決めつけられないためにも、私たち自身が、中韓による「歴史認識包囲網」を覆すだけの「地球的正義」を持ち、それを発信する勇気が必要です。 安倍首相も国内外からの圧力に負けて、「自虐史観」の毒泉である「村山談話」をそのまま継承してしまいました。 その結果、安倍政権の国防強化、憲法改正の勢いが後退。安倍政権は国難の到来にもかかわらず、「憲法96条先行改正」の参院選公約化を見送る姿勢です。(5/24 産経「自民、96条先行改正公約化見送り」) こうなった以上、「歴史認識による国際包囲網」という「国難」を突破し、憲法改正を実現できる政党は、幸福実現党以外にありません。 参院選での勝利はもちろんのこと、国難突破に向け、日々、着実な一歩を進めて参りましょう! (文責・衆議院神奈川4区支部長 彦川太志) 安倍首相の侵略容認発言が及ぼした悪影響 2013.05.22 参院選を前にして、日本が「歴史認識」問題で揺れています。一つは、安倍首相の侵略容認発言。もう一つは日本維新の会共同代表橋下大阪市長による従軍慰安婦問題です。 どちらも、日本が先の大東亜戦争を「侵略」と発言したことで保守層を中心に激震が走りました。対する左派勢力は、支持率70%を超える安倍首相を引きずり下ろす最大の機会を得たことになります。 さて、どちらも未だに論争の的になっておりますが、今回は安倍首相の侵略容認がどのような影響を及ぼす(した)のかを論じます。 安倍首相の本心は? まず初めに、安倍首相の本心を探ってみましょう。 第一次安倍政権時代の2007年、首相は東京裁判で「日本無罪」を主張したインド人のラダビノッド・パル判事のご子息であるプロサント・パル氏に会っています。 同時に、安倍首相はチャンドラ・ボース記念館訪問し、遺族を慰問されています。ボース氏は、先の戦争でインド国民軍を指揮した指導者で日本軍と戦った方です。インド国内でもインド独立に立ち上がった勇敢な志士として人気が高く、尊敬もされています。 加えて、祖父にあたる岸信介元首相は元A級戦犯容疑にかけらたこともあります。後に無事に釈放されて首相まで務められ、現在の日米安保を命懸けで守った方であることは周知の事実です。岸首相はパル判事の見解を支持していました(渡部昇一著『パル判決の真実』参照) つまり、首相の本心としては「日本は侵略国家ではなかった」ということです。 「村山談話」の全面的踏襲も表明していますが、同じく本心は逆の立場のはずです。安倍首相は、今からでも遅くないので村山談話踏襲を撤回するべきですし、これ以上、祖父である岸元首相の顔に泥を塗ってはなりません。 政治的妥協は限界に来ている 今年の7月上旬には参院選が控えています。首相は、参院選の勝利のために、敢えて自説を曲げて左派に迎合したと思われます。 あるいは、中国、韓国に加え、米国から歴史認識問題を突きつけられて外交上の摩擦を避けるために侵略を容認したと考えることもできます。 連立パートナーの護憲派であり、中国寄りの公明党に配慮していることも見逃せません。案の定、首相の改憲の情熱は日増しにトーンダウンし、とうとう憲法改正慎重論まで出てきました。 いずれにしても、首相が海外メディアにまで侵略容認を語ってしまったのは大きな間違いでした。首相の発言によって国内の護憲派や左翼勢力と中国、韓国、そして米国内の左派勢力を勢いづけることになったからです。 今後、南京問題と慰安婦問題の謝罪と賠償金が請求されてくることが予想されますが、毅然と跳ね返す対策を立てるべきでしょう。 目先の選挙での勝利が大事とはいえ、これ以上の迎合や妥協は許されません。 同じ過ちを繰り返してはならない。 さて、ここにきて北朝鮮が5月18日から三日連続で合計5発のミサイルを日本海に向けて発射しました。三日連続は史上初です。 加えて、飯島勲内閣官房参与の訪朝をあざ笑うかのようなミサイル発射であるだけに、現政権の拉致被害者救済に対する「対話と圧力」が虚しく聞こえます。 なぜ三日連続でミサイルを打ち込まれて抗議や外交対策を打たないのでしょうか。逆に言えば、今回のミサイル発射によって、金正恩氏は拉致被害者の返還など微塵たりとも考えていないことが証明されたことになります。 要するに、首相の侵略容認発言や慰安婦問題における政権の迷走を見て、金正恩氏に足元を見られているわけです。 皮肉にも、4年前の麻生政権時代のミサイル発射は、田母神・中山事件の後でした。08年末には、田母神氏の航空幕僚長解任事件や中山成彬国交相(当時)が「日教組はガンである」という発言によって辞任した事件が起こりました。 時の政府は、保守政党として両氏を擁護するべきであるにも関わらず見放しました。金正日氏によるミサイル発射によって麻生首相が迷走したのは2009年のことです。当時の保守層のショックは大きく、その後の総選挙で民主党の圧勝、政権交代が起きました。 今回は、高市早苗自民党政調会長の村山談話批判を封じ込め、首相による侵略容認発言が出ました。その直後に、屈辱とも言えるミサイル6連発発射です。自民党は再び同じ誤りを繰り返したことになります。 改憲の好機をつかめ! 北朝鮮だけではなく、中国は日増しに高圧的になっています。今後、ますます軍事行動がエスカレートしていくことが予想されます。 幸福実現党は5月で立党4年を迎えましたが、状況は当初より悪化しています。安倍政権の誕生によって少しは変わるかと思われましたが、侵略容認発言によって大きく後退しました。 したがって、幸福実現党が参院選を戦う意義は極めて大きいと考えます。 立党の精神の一つである「国防強化」は、今まさに日本に不可欠な議題である以上、落胆した保守派の受け皿になり得るからです。 憲法改正の灯を消してはなりません。9条改正に関しても待ったなしです。今、必要なのは、せっかく訪れた改憲の好機をつかむことであり、護憲派や日本を貶める自虐史観に染まった勢力に迎合することではありません。 (文責・静岡県参議院選挙区代表 中野雄太) 幸福実現党立党4周年を迎えて――限りなき幸福実現党の使命 2013.05.21 幸福実現党立党4周年を迎えて 幸福実現党は2009年5月に立党し、今月、立党4周年を迎えました。 残念ながら未だ議席を有するに至っておりませんが、この4年間、皆さまより温かいご指導ご支援を賜りましたことを衷心より感謝し、厚く御礼申し上げます。 先日5月19日には立党4周年を記念し、幸福の科学・東京正心館(東京都港区)を本会場に全国の数百会場を衛星で結び、「幸福実現党立党4周年記念大会」が開催され、約800名が詰めかけた本会場は熱気に包まれました。 立党大会では、矢内党首が、アメリカが東アジアの国防を中国に任せるという議論が出ていること、飯島勲・内閣官房参与が北朝鮮訪問から帰国した18日に北朝鮮がミサイルを3発発射したこと、中国が「琉球(沖縄)は中国のものだ」と主張し始めたことなど、国難の現状を指摘。 「国防はもはや待ったなし」であり、「憲法9条の改正が急務。しかし、安倍首相は歴史観の問題で攻めこまれている」と語り、改めて国難突破への決意を熱く語りました。(5/20 Liberty Web「幸福実現党が立党4周年大会 原点である『国難』への備えを訴える」) 離合集散を繰り返す政党政治 この4年間を振り返れば、数多くの政党、政治団体の激しい離合集散が繰り返された期間でもありました。 2010年4月に立党した「たちあがれ日本」は、その後、「太陽の党」と名称を変更し、すぐに日本維新の会に合流し、解党。「太陽の党」に至っては、たった5日間の命でした。 同じく2010年4月に立党した「日本創新党」は、2010年の参院選で敗れ、結局、日本維新の会に合流し、解党しました。 民主党は小沢一派が分裂し、昨年7月、「国民の生活が第一」が結党されましたが、すぐに「日本未来の党」に合流して解党されました。 国民新党も内部分裂の末、本年3月をもって解党、7年半の歴史に幕を閉じました。 昨年11月、「卒原発」を掲げて立党した「日本未来の党」は、総選挙の惨敗を受け、12月には「生活の党」に改称、政党としては消滅しました。 この4年間、国民の前に展開された政党の離合集散劇は、政治家の「サバイバルゲーム」に過ぎません。 「どの政党だったら当選できるか」――これこそが既存の政治家達の至上命題であり、行動原理なのです。 今や二大政党の一方の雄、民主党でさえ、来る参院選の候補者擁立すらままならない状況です。 31の一人区の選挙区で、未だ14選挙区で独自候補を擁立できていません。 その理由は簡単です。「勝てそうにないからです。」ただそれだけの理由です。 民主党は元々、綱領もなく、選挙協力互助が目的の党であり、政治理念の紐帯で固く結ばれた党ではなかったのです。 安倍政権の存立基盤を突き崩す「村山談話」の継承 それでは、政権与党自民党はどうでしょうか?ここに来て、高支持率を謳歌してきた政権与党自民党の存立基盤を揺るがす事件が起こりました。 それは、安倍首相が15日の参院予算委員会で、村山談話を「全体として受け継ぐ」ことを表明したことです。 これは、安倍政権が「先の大戦は、いわゆるA級戦犯という悪党どもが行った侵略戦争である」という「東京裁判史観」を受け入れたことを意味します。 この出来事は「戦後レジームからの脱却」「自虐史観の払拭」を掲げて来た安倍政権のレゾンデートル(存在意義)を根底から覆す「後退」「堕落」だと言えます。 「悪党たる日本が再び侵略戦争を起こさないために軍備を放棄させる」という「刀狩り」こそ、日本国憲法の中心概念です。 憲法改正を目指すならば、まずは「日本性悪説」の源流となっている「自虐史観」を糺す必要があります。 安倍首相が村山談話を継承したということは、自民党の党是である「自主憲法制定」の理念と齟齬をきたすことになります。 目先の選挙の票を優先し、国家に最も大切な「歴史認識」で妥協したことは、日本の未来に大きな禍根を残すこととなるでしょう。 限りなき幸福実現党の使命 このように各政党の理念が揺らいでいる今、いや理念すらない政党が少なくない中で、幸福実現党は立党以来4年間、一貫して微塵もブレることなく、「正論」を訴え続けて参りました。 橋下発言を機に、左翼やマスコミ、中韓が「従軍慰安婦問題」を前面に出して狂奔していますが、こうした自虐史観の暴走を許さず、「真実の歴史認識」を掲げて戦っているのは幸福実現党のみです。 今や幸福実現党の言論が、既成政党に代わって事実上、日本の屋台骨を支えつつあります。 その重大な責務、神聖なる使命の負託に応えるべく、今夏の参院選において必ずや議席を有すべく全身全霊で戦って参ります! 今後とも、ご指導ご支援の程、何卒よろしくお願い申し上げます。 (文責・岐阜県参議院選挙区代表 加納有輝彦) すべてを表示する 1 2 3 Next »