Home/ 2012年 August 2012年 August 防災の日:大規模投資で安心して暮らせる日本を 2012.08.31 9月1日の「防災の日」を前に、8月30日、南海トラフの巨大地震が発生した場合、死者が32万3000人に達することを五大紙が1面で報道しました。 これは2004年のスマトラ島沖地震の28万人を超える「世界最大規模の被害」となります。 この2000年間で4回起きた東日本大震災クラスの地震の後に、南海トラフでの地震が3回発生しています。(藤井聡『劣等強靭化論』※ちなみに首都圏では4回中4回、100%の割合で地震が発生しています。) 南海トラフ巨大地震では製造業の心臓部である東海地方の被害が大きいため、経済的な被害は「最低でも270兆円の経済的な被害が見込まれる。大まかだが300兆円から900兆円とみるべきだ」と関西大学の河田恵昭教授は指摘しています(朝日新聞2面) 甚大な被害が予想される一方、迅速な避難と耐震化で32万人の死者を約6万1千人にまで減らすことができるとも指摘されました。 特に、地震発生の10分後に7割の人が避難をはじめ、津波避難ビルに逃げ込むことができれば、津波による死者数は8割減らすことができます。 自治体は一定の高さの公共施設やマンション等を「津波避難ビル」として指定しており、東日本大震災以降は津波の被害が甚大になると言われている地域を中心に2倍以上に増えております。(読売2面。※静岡、三重、和歌山、徳島、高知、大分、宮崎の7県で約1100カ所から約2500カ所へ) それでも避難ビルの絶対数は不足していることから公共施設を中心に避難ビルを増やしていく必要があると言えます。 京都大学大学院教授の藤井聡氏は防災・減災インフラを初めとして、日本を強靭化するために10年間で10兆円から20兆円の投資を行うことを提唱しています。 10年間で100兆円から200兆円を使う大規模な投資となりますが、この投資を行うことによって、地震による損失を減らすことが可能です。 一例を取ると、南海トラフ巨大地震に発生した津波が大阪を襲った場合、100兆や200兆円にものぼる被害が発生すると予想されます。 津波対策には堤防のかさ上げに4兆円から5兆円の投資が必要ですが、この投資により100兆円から200兆円の被害を防ぐことができるのです。(藤井聡『救国のレジリエンス』p.96) 経済的にメリットがあるというだけでなく、この投資により多くの命が助かることはいうまでもありません。 ※なお、自民党も災害対策(国土強靱化)として、10年間で200兆円投資を政策に掲げていますが、幸福実現党は2010年の参院選の時に、200兆円の投資構想をマニフェストに盛り込んでおり、自民党の政策の多くは幸福実現党の「劣化パクリ」と言わざるを得ません。(参照:5/27 The Liberty Web「幸福実現党に続き自民も200兆円大型投資構想」⇒http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=4336) さらに、南海トラフ巨大地震では東海道新幹線が寸断される可能性もあるため、中央リニアの開業を前倒しで行うことも重要です。 円高と電力不足で逆風下にある企業ですら、高台移転や防波堤の建設などの震災対策を進めています。ましてや、国民の命を守るためにある政府が、財政赤字を言い訳に防災投資を怠ることは許されません。 幸福実現党は国防だけでなく、防災においても日本を守り抜く所存です。(文責・伊藤希望) 「島嶼防衛」の鉄則 2012.08.30 8月26日に静岡県の東富士演習場で行われた陸上自衛隊の「富士総合火力演習」において、今回初めて島嶼(とうしょ)防衛を想定した演習が行われました。(8/26 産経「富士総合火力演習 中国にらみ島嶼防衛を初めて想定」⇒http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120826/plc12082621460011-n1.htm) 島嶼防衛についての陸上自衛隊の関与については意外に思われる方も多いかと思いますが、これは自衛隊が、陸海空3自衛隊を一体として運用して島嶼防衛を行う「統合作戦(Joint Operation)」を推し進めている現れでもあります。 今回の演習では、海上自衛隊のP-3C対戦哨戒機が敵部隊の潜水艦、艦艇の動静を探り、航空自衛隊のF-2支援戦闘機が対艦ミサイルで侵略部隊を攻撃する役割を演じています。 更に一部の敵部隊に島嶼に上陸を許したと仮定し、陸自部隊が偵察から火砲射撃、突撃、敵部隊の制圧までの一連の作戦行動を行いました。 幸福実現党が主張して来たように、自衛隊が島嶼防衛を重視し始めたことは是として、実際の島嶼防衛において、こうした自衛隊の想定や戦略は果たして有効でしょうか? このことを1982年にイギリスとアルゼンチンとの間で起こったフォークランド紛争を例に挙げて説明したいと思います。 フォークランド諸島を巡るイギリスとアルゼンチンとの争いは、尖閣諸島を巡る日本と中国の争いに非常に似ていると同時に、程度の差こそはあれ、実効支配に置いている国よりも対立している相手国の方がその島に近いという地理的な環境も似ています。 アルゼンチンは地の利を活かして、イギリス海軍がフォークランド諸島に展開していない不在の隙を突いて、フォークランド諸島の周辺海域の制海権を確保し、悠々と上陸作戦を実行しました。 実際にアルゼンチンは1982年3月30日から4月3日にかけてフォークランド諸島に上陸しました(ロザリオ作戦)が、この上陸自体は少数の兵力を用いて秘密裏に行われたもので、自衛隊の想定のように大規模な兵力で堂々と行われたものではありません。 上陸したアルゼンチン軍は、周辺海域に展開するアルゼンチン海軍の空母「ベインティシンコ・デ・マジョ」から兵力の増援を受け、4月2日に東フォークランド島のポート・スタンレーを、4月3日にサウス・ジョージア島を占拠しました。 最終的にはマーガレット・サッチャー首相の決断によりイギリス軍は大規模な動員が行われて激しい戦闘の末、6月14日にフォークランド諸島を奪還しますが、駆逐艦2隻を始めとする艦艇6隻を失うなどイギリス軍の犠牲も少なくありませんでした。 フォークランド紛争で日本が学ぶべきことは、(1)実効支配下に置いている島の周辺の海域をしっかり守る。(2)島を奪還するためには大規模な兵力の動員が必要。(3)島を奪還するためには犠牲が伴う。という3つのポイントです。 自衛隊はこの3つのポイントに関して全くの準備不足です。特に(1)の周辺海域をしっかり守ることについては、先日の香港の活動家が尖閣諸島に上陸したことによって、周辺海域の海上防衛が全くなっていないことを証明してしまいました。 現在、沖縄や尖閣諸島に最も近い護衛艦がある海上自衛隊の基地は1000km強も離れた長崎県の佐世保基地です。これでは尖閣・沖縄有事の際に全く間に合いません。 先の大戦における日本の島嶼防衛は、敵が島嶼に上陸する段階で迎え撃つ、若しくは、内陸に引き込んで、地の利を生かして迎え撃つという発想に基づいています。 一方、英米の島嶼防衛戦略は「外敵の侵攻は海で迎え撃ち、敵には一歩たりとも上陸を許さない」という鉄則に基づいています。 米国も本土を島に見立て、強大な海軍や空軍、更には強力な海兵隊で、敵国に太平洋や大西洋を決して渡らせないという戦略を取っています(日米同盟や米英同盟もその戦略の一環です)。 実際に、第二次世界大戦開戦以降の世界の島嶼攻防戦を緻密に分析すると、島嶼の海岸線や島内陸で防衛する戦略を取った場合、ほとんど全て防衛に失敗しており、侵攻軍が島嶼占領に成功しています。(参照:北村淳著『島嶼防衛』明成社刊) イギリスもフォークランド奪還においては、鉄則通り、周辺海域・空域で圧倒的優勢な立場を確保してから島嶼侵攻を行い、島に立て籠もって侵攻軍を待ち受けて防衛したアルゼンチン軍は敗北しました。 島嶼防衛においては、「敵侵攻軍を少なくとも島嶼周辺海域・空域までの海洋で打ち破り、一歩たりとも海岸線に到達させてはならない。そのためには、敵侵攻軍に島嶼の周辺海域・空域での行動の自由を確保させてはならない」ということが鉄則になります。 自衛隊はこうした戦略や教訓を研究し、海上自衛隊の護衛艦を南西諸島に配備し、尖閣諸島や離島のパトロールを強化すべきです。 今回の富士総合火力演習には、中国や韓国の武官の姿も偵察に訪れていますが、本来、彼らに見せつけるべきは富士総合火力演習のようなショーではなく、尖閣諸島周辺海域における海上自衛隊艦艇の展開、南西諸島への大規模な兵力動員演習であるべきです。 尖閣諸島・離島防衛に向け、日本の「本気」を見せることこそが、中国の暴走を抑止する最大の戦略となるのです。(文責・黒川白雲) 財務省の絶対権力化を許してはならない 2012.08.29 増税の悪影響を直視しよう 8月10日に消費税増税関連法案が成立し、税と社会保障の一体改革の流れは加速していくことになります。 消費税だけではなく、所得税の最高税率の引き上げや相続税の強化も検討されています。加えて、毎年1.3兆円のペースで増加する社会保障問題があります。 本来ならば、「社会保障の選択と集中」と呼ばれるリストラがされてこそ、一体改革としての意味をなすわけですが、政府は社会保障関連の見直しを先送りし、増税だけが先行しました。 仮に今後も増税だけが先行したらどのようになるのでしょうか。 社会保障が専門の学習院大学の鈴木亘教授の見解によると、2025年には消費税率は25%程度、50年には40%近くになると主張。加えて、年金保険料の上昇が加わり、国民生活に多大な負担がかかる点を指摘しています。(4/13 産経「金曜討論」) ※ただし、鈴木教授は、消費税増税と社会保障への目的税化に反対はしているが、相続税や固定資産税と金融資産への課税強化を主張していることには注意。 大和総研の試算によれば、年収500万円の世帯では4年後には年間34万超の負担となることも明記されています。 過去の消費税増税の際には所得税減税などの軽減措置がありましたが、今年から始まった復興増税や社会保険料の上昇、そして子育て世代に重くのしかかる住民税の年少扶養控除も廃止されました。(8/11 夕刊フジ「消費税増税で年34万円の負担増!年収500万円の4人家族」) 要するに、今回は軽減措置もない純粋な増税だということであり、増税の悪影響が出るということです(これまでの動きを見る限り、日銀の金融政策が増税の緩和措置になることはあまり期待できない)。 もちろん、税金は公共サービスを運営するための必要経費です。税率が低く、経済活動に目立った悪影響を及ぼさなければ租税は適切だと言えますが、必要以上に税率が高くなると生産と消費は縮小します。極端なケースは100%の課税です。 いずれにしても、限度を超えた租税は市場経済の破壊手段になりかねません(ミーゼス『ヒューマン・アクション』748p参照)。 新聞紙上では、ようやく増税の悪影響が報道され始めましたが、まだまだ「増税やむなし」だと考えている国民はたくさんいます。法案が可決されたとはいえ、事実を伝える努力はやめるべきではありません。 財務省の絶対権力化に警戒せよ 現在、野田首相の問責決議に血道をあげている野党の自民党と公明党は増税政党です。次の選挙で政権交代が起きても、増税に反対する勢力が多数を占めない限り増税路線は踏襲、財務省の思うつぼとなります。 換言すれば、財務省は霞が関と永田町で絶大な権力を持ち始めたということです。 財務省が絶対権力を持つと、更なる重税国家となることは自明です。 そして、政治家は彼らの傀儡にしか過ぎません。既に、このような傾向は出ています。 野田政権は「直勝内閣」とも呼ばれ、勝栄次郎顧問の操り人形だと揶揄されるほどです。今後も、財務省寄りの人材=増税論者が総理となり続ければ、財務省の絶対権力化は一層強化されることになります。 政府には課税権がありますが、実質上の実務を握っているのは財務省です。財務省は選挙によって選ばれた代表者ではないため、権力が集中することは危険です。 リバタリアンの最高に位置するノーベル経済学者のハイエクは、「単一計画に役立てるように権力を集中すると、権力は単に移転するのではなく、限りなく強大になる」とも指摘します(『隷従への道』184p 東京創元社)。 また、イギリスの歴史家でもあり政治家でもあったアクトン卿は「権力は腐敗する。絶対的権力は絶対的に腐敗する」という格言を残しています。 これを現代に当てはめると、財務省と政治家の癒着構造ということになるでしょう。 さらに言えば、増税で調達された資金を補助金として拠出される業界との既得権益が強化されます。永田町と霞が関、そして関連業界の「鉄のトライアングル」が形成されるわけです。 その結果、ますます政府は肥大化し、日本経済には競争力のない産業が温存されることになります。 減税路線=小さな政府への転換を 逆説的ではありますが、現在の日本の肥大化する政府を転換するには減税路線しかありません。 幸福実現党が主張する本格的な減税路線には、不要な税金を排除する「廃税」を含みます。(参照:日本で減税路線は可能か) 複雑で重い税金から、簡素で安い税金へと変えていかない限り、「財務省栄えて国滅ぶ」というシナリオが現実化してしまいます。 その意味で、「財務省からの自由」「重税からの自由」を実現するためにも、増税に反対する議員や経済に強く経営感覚のある議員ならびに候補者が国会に行かなければなりません。 幸福実現党は、その一翼を担うべく、今後も努力精進していく次第です。(文責・中野雄太) 「原発ゼロを目指す日本」vs.「原発超大国を目指す中国」 2012.08.28 政府が急速に「原発ゼロ」に向かっています。(8/24 中国新聞「原発ゼロ目標明記へ 政府検討、工程表も」⇒http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp201208240135.html) 政府は、27日開催した「国民的議論に関する検証会合」で原発に関するパブリックコメント(以下パブコメ)に集まった集計結果を示しました。パブコメは、2030年における原発比率について、7月2日から8月12日の間、国民から意見を集めました。 意見内容を検証会合事務局が2030年の原発割合に沿って分析すると、「0%」が87%、「15%」が1%、「20~25%」が8%、「そのほか」が4%でした。(8/27 朝日) 幸福実現党支援者の皆様からも沢山の正論をパブコメにご投稿頂きましたが、これらは左翼団体らが組織的に「原発ゼロ1000万人投票」運動を進めて来た結果であると言えます。 今回、パブコメの他に注目されたのが「討論型世論調査」です。「討論型世論調査」とは、通常の世論調査とは違い、国民同士の議論や専門家の話を聞き、その前後で意見が変化したかを調べる社会実験であります。 事前の予想では、専門家の話を聞けば「原発ゼロ」支持は減るとの見方でしたが、結果は逆で、最も多かった「0%」支持は、討論前の32%から討論後は46%に大きく増えたのです。 これについても、「討論型世論調査」から電力会社社員は排除する一方、左翼が会場に大量動員するなど、「民意」とは言えない状況にあります。 しかし、左翼マスコミは、このことについて「『原発ゼロ』の選択が一時の感情などではなく、賛否多様な意見を踏まえ熟慮した末の決定を意味するものだろう」と指摘しています。(8/24 東京新聞「原発ゼロ熟慮の民意が表れた」) 世論調査をとりまとめた曽根泰教・慶応大教授も「国民が(電気代値上げや節電等の不利益、不便を)覚悟したうえでの選択」と指摘し、原発への懸念を深める世論は無視すべきでないとしています。(8/24 京都新聞) 政府はこれまで2030年の原発割合を「15%」とする案を軸に考えてきましたが、これらの結果を踏まえて将来の「原発ゼロ」をめざす方向で検討に入りました。(8/28 「政府、原発ゼロ検討へ 検証会合総括『国民が希望』」⇒http://www.asahi.com/politics/update/0828/TKY201208270707.html) しかし、今回の手法は、強い主張・意見を持っているごく一部の国民の声が大きく反映される傾向にあり、またマスコミが先行して醸し出した「脱・原発」の空気の中で、「原発推進」の意見を表明することが憚れる空気が支配していたことも事実です。 「原発ゼロ」は、必ずしも真の民意ではありません。なぜなら、国民に判断材料としての情報が十分に与えられていないからです。 例えば、「原発ゼロ」になれば、電気代は約2.1倍になると共に、エネルギー供給が不安定になり、景気の低迷、失業、産業の国外移転等が発生し、間違いなく日本経済は急降下します。 法則的にも、エネルギーの抑制はGDPの減少、国力の低下に直結します。地球環境産業技術研究機構(RITE)の試算によれば、GDPは自然対比(原発維持した場合との比較)最大45兆円も減少します。 すなわち、原発ゼロになれば、日本の産業規模が約1割減少し、製造業を中心とする雇用も著しく減り、失業率が跳ね上がることを意味します。 また、化石燃料への過度の依存が進めば、ホルムズ海峡有事や中国の南シナ海支配が進めば、輸入がストップし、国家が立ち行かなくなる危険性が高くなります。すなわち、日本は「戦わずして負ける」状況に追い込まれます。 まさに、「原発ゼロ」は「亡国を目指す政策」であるにもかかわらず、日本国民は「原発ゼロ」に洗脳され、「集団自殺」へと向かいつつあります。 一方、中国の2030年前後のエネルギー計画はどのようなものでしょうか。 中国は、2012年3月現在稼働中の原発は15基で、建設中の原発は26基です。これは世界で建設中の原発62基の4割以上を占めています。 これに加え2020年までに、さらに約40基を新規建設することになっています。そして2035年までには、230基まで拡大する構想があります。(岩波ブックレットNO.834「中国原発大国への道」) 中国は日本の福島第一原発事故の後も、原発超大国への道を驀進しています。 中国が原発超大国を目指している事実。この事実は、日本こそが事故を経験した上で、世界一安全な原発技術を確立し、東アジア、世界の原発の安全のためにリーダーとして寄与することを要請しています。 日本は、原発を手放してはなりません。日本に世界から課せられた使命を放棄することは許されません。幸福実現党は、今後とも原発の必要性を訴えてまいります。(文責・加納有輝彦) 犯罪化するいじめ事件――教育再生は教育者の遵法精神守から 2012.08.27 大津市で中学2年生の男子生徒がいじめを苦に自殺した問題で、市が設置した再調査のための第三者委員会が先日25日、初会合を開き、スタートしました。(8/25 NHK「中学生自殺 第三者委が初会合」) この第三者委員会は、これまでの学校や教育委員会による調査が杜撰(ずさん)だとして設置されたもので、学校および教育委員会の自浄作用を実質的にあきらめたことを意味します。 企業においても、不祥事などが発生した場合、告発者と対象者双方の関係のない第三者に調査を依頼するケースがありますが、今回の大津市のケースも、教育界に、民間で求められるレベルの透明性を確保する新たな取り組みとなります。 大津市の問題を受け、鳥取県の平井知事は、県内でいじめによる自殺などの重大事態が発生した場合に備えて、教育委員会とは切り離された知事部局内に、第三者による「いじめ問題調査委員会」設置する考えを示しています。(8/25 日本海新聞「第三者の調査委設置 いじめ問題で平井知事」) 今回、大津市の問題で明らかになった「犯罪化するいじめ事件」の深刻さ、そして学校現場での教育委員会を巻き込んだ「隠ぺい体質」は単に大津市だけの問題ではなく、氷山の一角に過ぎません。 実際、7月以降、わずか一か月余りの間だけでも学校等でのいじめに関する警察への被害届は少なくとも全国で15件提出されています。警察当局も被害届を原則として受理する姿勢を取っており、すでに加害者が逮捕されたケースも3件あります。(8/24 読売「大津いじめ後、被害届15件…警察『原則受理』」) 大津いじめ事件がきっかけとなって、次々といじめ事件が顕在化していますが、「ハインリッヒの法則」によれば、一つの重大な事故の背後には29の軽微な事故、300の事故寸前の潜在的問題が存在すると言われています。 したがって、まだまだ全国の学校現場において、同様のいじめ事件や隠ぺい事件が存在している可能性は大いにあります。 こうした事態は、国家が日本国憲法26条(教育を受ける権利及び義務教育)に基づく、「安全かつ適切な教育」の提供義務を果たしていない違憲状態だと言えます。 また、憲法99条により、憲法の遵守義務を負っている公務員(この場合は特に学校関係者などの教育公務員)がその義務を果たしていない状態にあります。 生徒の立場に立って考えても、犯罪が黙認されている学校に通わなくてはいけないことは、憲法11条の基本的人権、憲法25条の生存権が侵害そのものであり、地獄以外の何物でもありません。 また、公務員には遵法義務が課せられているにも拘わらず、学校内の犯罪を黙認・隠ぺいする行為は、刑事訴訟法で定める「公務員は職務執行にあたり犯罪の事実を知ったときは告発しなければならない」義務にも違反しています。 したがって、誠に残念ながら、日本国内の公立学校の多くで、公務員が法律遵守義務を果たさず、学校内に法と正義が存在していない状況にあります。 犯罪が起こっていても見過ごされ、発見されても隠ぺいされるとしたら、子を持つ親ならば、これほど恐ろしい場所に大切な子供を一日も通わせたくないと思うのが本音です。 幸福実現党は現在、「いじめ防止法」制定を進めており、いじめ加害者のみならず、いじめを隠ぺいした教員や校長などがいた場合は厳罰に処す方針です。 これらは、税金で雇われている国民の下僕たる公務員達が本来、負っている憲法遵守義務、遵法義務を果たさせるための当然の内容です。 生徒達に法や正義を教える立場であるならば、まずは教員自身が法律を守り、正義を実践すべきです。 毅然として正義を実現し、「子供達を守る」という気概は、国防・安全保障・領土問題等においても不可欠な精神です。 幸福実現党は、国防においても、教育においても、「善悪を分ける」「悪の増長を許さず、正義を貫く」「筋道を通す」という毅然たる精神を貫き、日本国民すべてを守り抜いて参ります。(文責・宮城県第4区支部長 村上 善昭) 日米同盟強化のためにも、自主防衛を強化せよ! 2012.08.25 中国人民解放軍が尖閣諸島に侵攻したら、米軍は果たして動くのでしょうか? 訪米中の杉山晋輔外務省アジア大洋州局長は22日、ワシントンで国家安全保障会議(NSC)のラッセル・アジア上級部長、キャンベル国務次官補らと相次ぎ会談し、米側は「尖閣は日米安保条約の適用範囲内」との見解を重ねて表明しました。(8/23 共同「尖閣は『安保条約適用される』米国務次官補が表明」) しかし、「尖閣は日米安保条約の適用範囲内」という言葉を「日本を守るために米国は何でもしてくれる」と手放しで喜ぶことは出来ません。 米政府はこれまでも、尖閣諸島は日本の施政下にあり、同5条が適用されるとの立場を取って来ていますが、「領有権については中立の立場である」と述べています。(8/23 朝日「尖閣諸島『日米安保を適用』米高官、日本の立場に理解」) このことを理解するために、「日米安保条約」を理解する必要があります。 核心となる第5条を見ると「各締約国は、日本国の施政の下にある領域における、いずれか一方に対する武力攻撃が、自国の平和及び安全を危うくするものであることを認め、自国の憲法上の規定及び手続に従って共通の危険に対処するように行動することを宣言する。」と規定しています。 ここで問題となる点は2点、(1)「日本国の施政の下にある領域」と、(2)「自国の憲法上の規定及び手続きに従って」という文言にあります。 まず、(1)に関しては、竹島や北方領土は、すでに他国に実効支配されており、「日本国の施政の下に無い領域」と言うことになるので、日米安保条約が適用されません。 このことからも、尖閣諸島を実効支配し、日本国の施政下に置き続ける努力をしなければ、日米安保条約の適用から外れる可能性があることを踏まえる必要があります。 2005年に日米2+2で署名された「日米同盟 未来のための変革と再編」においては、役割分担を明確にして、「日本は、弾道ミサイル攻撃やゲリラ、特殊部隊による攻撃、島嶼部への侵略といった、新たな脅威や多様な事態への対処を含めて、自らを防衛し、周辺事態に対応する。」と確認しており、島嶼部への侵攻対応は、日本独自ですることが想定されています。 しかし、領域警備法・海上警察権などの整備や海上保安庁巡視艇装備の拡充、尖閣諸島への自衛隊の配備など、早急に十分な体制を整える必要があるにも拘わらず、政府は及び腰です。(8/21 産経「『領域警備法』官邸は“及び腰” 中韓に配慮?藤村官房長官が否定」) そもそも、国会議員の使命は、「国民の生命・安全・財産を守る」ことにあり、その責任を果たす覚悟の無い議員は即刻辞任すべきです。 本来、万全な安全保障体制を構築するためには、「集団的自衛権の行使」や「憲法9条解釈改憲」を判断すべきです。他国の政治家や軍人に、自国民の生命を託すような状況は「独立国家」と言えません。 (2)に関しては、アメリカにおける合衆国憲法や戦争権限法に基づく手続きがあり、議会の承認を得ずして戦争を継続することは出来ません。 財政赤字による軍事費削減や米軍再編を行っている状況の中で、果たして、アメリカ国民や議会が、自主防衛の意志が無く十分な措置を行わない国家を手助けするでしょうか?本当に中国と戦争して犠牲を払ってまで日本を守るでしょうか? 現行の憲法解釈では、公海上で米艦船が他国から攻撃されても自衛隊は防護できなません。「日米安保のこの実態を一般米国人は知らない」(外務省筋)ため助かっていますが、有事の際に「憲法上日本は何もできません」では日米同盟は崩壊しかねません。(5/3 産経「憲法に妨げられる日米同盟深化『集団的自衛権』触れぬ野田首相」) 最悪の事態において、米国世論や議会が日米安保条約の発動を決断する条件は、当たり前のことですが、日本が「自分の国は自分で守る気概」を真摯に実施するか否かにかかっています。 無条件に命を投げ出してくれる国などありません。日米同盟の深化のためにも自主防衛の強化は重要なことです。 このまま独立国家としての気概も無いのであれば、アメリカに依存し寄生する51番目の州となるのか、中国の覇権主義に屈し日本自治区となるのか、どちらかの選択になるでしょう。 今求められていることは、日本の独立国家としての気概であり、自主防衛への万全な対策です。 これによって、日本を守ると共に、アジアと世界の平和と安定のために、自由と繁栄を守る「日米同盟」が実現することになるのです。(文責・小川俊介) 「第3次アーミテージ報告」――今こそ、日米同盟を基軸として、世界の平和と繁栄を築く時! 2012.08.24 アーミテージ元米国務副長官やジョセフ・ナイ元国防次官補ら米国の超党派の外交・安全保障専門家グループが15日、日米同盟に関する新たな報告書を発表しました。 本報告書は、アメリカのシンクタンクである戦略国際問題研究所(CSIS)が発表した「日米同盟:アジアにおける安定の礎」(The U.S.-Japan Alliance:Anchoring Stabilityin Asia)と呼ばれる報告書です。⇒http://csis.org/files/publication/120810_Armitage_USJapanAlliance_Web.pdf 報告書の基本スタンスは、「日米両国は、中国の台頭や核武装した北朝鮮の脅威に直面している」との認識から、「日米同盟の重要性」を提言する内容となっています。 そして、中国の台頭などをふまえ、日本は一流国家であり続けたいのか、二流国家で満足するのか、「重大な転機」にあると指摘しています。(8/16 産経「『第3次アーミテージ報告』日米同盟、新たな役割と任務拡大求める」) 報告書は、日米同盟を(1)エネルギー安全保障、(2)経済及び貿易、(3)近隣諸国との関係、(4)新しい安全保障戦略という、4つのカテゴリーから分析し、提言をまとめています。 冒頭では、日米同盟の重要性を強調しながらも、アジアの安定における主たる努力はアメリカでなされたものであることを強調し、日本が自国の問題を見極めつつも、その国家規模に見合う責務を果たすことを求める内容となっています。 とりわけ日本の安全保障については、「集団的自衛権」行使容認を念頭に、米軍との共同対処を含めた「日本の新たな役割の検討と任務の見直し」を求めています。 また、民主党への政権交代後、日米同盟の空洞化が進み、抑止の実効性が失われ、日米同盟は「危機に瀕している」との厳しい認識を示しています。(8/19 産経「アーミテージ報告 同盟強化へ日本は奮起を」) 本報告書の提言は、(1)日本に対する提言、(2)日米同盟に対する提言、(3)アメリカに対する提言という、3つのカテゴリーから構成され、日米両政府に対して、政策の実行を求める内容になっています。 日本のマスコミは安全保障面に注目していますが、特に重点が置かれているのは、経済に関する提言であると考えられます。 日本に対する提言の1番目の提言において原発の再稼働を促し、2番目の提言では海賊行為に対する国際的な取組みの継続をとペルシャ湾におけるシーレーン防衛に対する支援を要請、3番目の提言では環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の交渉に参加するよう強く促す内容になっています。 ここから読み取れるアメリカのメッセージは、「日本が経済が衰退するような選択肢を取るべきではない」という強い意志です。 今回のアーミテージ・ナイ報告を読み取ると、今後の日米同盟は単なる安全保障に関する同盟と言うよりは、その役割を経済分野にまで拡大させることで、より一層の緊密な「日米同盟」を求めていると考えることができます。 しかし、日本の政府並びに主要な政党はこの報告に応答することは不可能であると見做さざるをえません。 それは野田政権による消費税増税法案の可決、原発依存の見直し、TPP参加に関する優柔不断な態度、尖閣諸島や竹島への不法上陸に対する弱腰外交等の混乱を見ても明らかです。 幸福実現党は日米同盟堅持の主張を一貫して崩しておりません。同時に「自分の国は自分で守る」という自主防衛の旗印を掲げている唯一の保守政党です。 また、幸福実現党は、未来産業の振興、消費税増税の凍結、原発の積極的再稼働、TPPの積極的促進、大胆な金融緩和等、自由経済に基づく積極的な経済成長策によって日本経済を立て直すことができる唯一の責任政党です。 今こそ、日本は、新しい選択をなし、日米同盟を基軸として、世界の平和と繁栄をもたらす「リーダー国家」としての大きな使命を果たすべき時です。(文責・黒川白雲) 竹島問題を解決し、日韓関係の危機を乗り越えよ―中国の脅威を忘れるな! 2012.08.23 韓国は、竹島の領有権を巡って野田首相が李明博大統領宛てに送った親書を受け取らず、送り返す方針を決めました。 内容は、李明博大統領の島根県・竹島への上陸、天皇陛下への謝罪要求などの発言に対する「遺憾の意」を示し、竹島問題に関しては国際司法裁判所への共同提訴を提案したものです。 親書の返送は前代未聞であり、日本政府は「友好国の間では今まで聞いたことがない」(外務省幹部)と反発を強めています。(8/23 産経) これまで民主党政権は、竹島について、韓国の「法的根拠のない支配」としていたのに対し、今回、玄葉外相や森本防相ら閣僚が、韓国による「不法占拠」という表現を使い始めました。 国際司法裁判所への共同提訴は、1954年、62年に続いて拒否されたため、単独提訴に踏み切る方針を示しています。提訴された韓国は裁判に同意しない場合、その理由の詳細な説明義務が生じます。 その説明が論理的でないことより、日本は自国の主張の正当性を国際社会に訴えることができます。 ただし、これらの対応はあまりに遅すぎると言わざるを得ません。 自民党「領土に関する特別委員会」委員長の石破茂氏によると、韓国が一方的に設定した「李承晩ラインを超えた」という理由により、1952年から1965年の日韓基本条約締結までに、日本漁船328隻が拿捕、日本人44人が死傷(うち5人が死亡)、3,929人が抑留されていました。 現在も日本の領土であるにも関わらず、近づくことさえできなくなっています。 李明博大統領による島根県・竹島への不法上陸により、話し合いではもはや解決不可能な問題であることが日本国民も政府も認識するに至りました。 1952年に韓国に不法占拠されて以来、60年間解決することなく曖昧にしてきた竹島問題、そして謝罪によってしか均衡を保てなかった日韓関係を政府は今こそ清算すべきです。 そのために、政府は竹島の領有権の帰属について、一日も早く、国際司法裁判所に提訴すべきです。 一方で、日韓関係が悪化することにより、どの国が得をするのかということも、冷静に考えなければなりません。それは、北朝鮮であり、中国であります。 16日のコリア・タイムズは専門家の分析として「北朝鮮が、東京、ワシントン、ソウルの間に亀裂をつくろうとしている可能性は排除できない」と報道。(8/17 リバティweb「日韓関係悪化の陰に北朝鮮の動きが?」⇒http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=4719) また、ベトナムの元駐広州(中国)総領事のズオン・ザイン・ジ氏は「韓国は日本との争いを過熱させていることで、中国の罠にはまっている」といいます。(8/17 産経) 現在、韓国は中国と、黄海の入り口にある離於島(中国名・蘇岩礁)をめぐり係争しています。 中国は、昨年よりこの海域で引き揚げ作業をしていた韓国船舶に作業中断を要求したり、3000トン級の大型巡察艦「海監50号」を東シナ海に投じ、離於島海域まで巡回すると明らかにしました。(3/12 中央日報) 韓国が海上で輸入する貨物量の90%が離於島南側海上を通過するため、国益を守るためには、韓国はこの場所を手放すことはできません。 前述のズオン氏は「中国は日本との問題が小康状態になれば、矛先を韓国へ向ける。そのことに韓国も早晩、気づき、日本との関係維持に動く」と述べています。 アメリカも、日韓関係の強化を訴えています。 20日、中国共産党機関紙・人民日報傘下の「環球時報」は、米シンクタンクが「(竹島問題で争う)日韓は歴史問題を乗り越え、現実的な角度から両国関係を考える必要がある。両国が重視すべき課題は中国の台頭だ」とし、慰安婦記念碑の設置などでも日本側を刺激する韓国側の姿勢を「争いを招くだけ」と非難したと報じています。(8/21 RecordChina⇒http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=63938) 日本は今、尖閣問題で中国に翻弄されています。この秋、開催予定の共産党大会以降、中国の動きは更に激しいものとなるでしょう。 日韓の政府関係者は中国の海洋進出の動きを注視し、自国の領土と国益を死守しなければなりません。 日本はまず、日韓の間にある竹島問題の解決に動き出すこと、また韓国・中国が主張する間違った歴史認識を正すこと、謝罪外交は今後一切行わないことです。 その上で、ベトナムやフィリピンなど、今まさに中国に脅かされている国を始めとする東アジアの平和と安定のために、アメリカを加えた三国間で行うべきことを真剣に考えるべきです。 寸土を軽んずるものは全土を失います。 竹島問題に真剣に取り組む姿勢が、尖閣諸島防衛、そして中国の海洋進出を阻止する国民世論の喚起につながると確信しています。(文責・HS政経塾1期生、兵庫11区選挙区支部長 湊侑子) 勝栄次郎氏が財務省顧問に就任した意味とは 2012.08.22 消費税増税関連法案が8月10日に成立しました。いよいよ、我が国では復興増税と消費税増税のダブルパンチが現実化します。 増税法案の背後に財務省がいるのは明らかですが、「影の内閣」として君臨したのは勝栄次郎財務事務次官でした。 8月17日付で退任となった後は財務省顧問に就任しています。不思議なことに、勝氏の財務省顧問就任の記事や報道はほとんどありませんでした。これには何か裏があると思わざるを得ません。 容易に想像できるのは、勝氏が財務省顧問として「次なる増税」を目論んでいるということです。実際、政府側も2020年までには消費税を20%かそれ以上に引き上げたいと考えており、今回の増税は第一歩にしかすぎません。 そして、財務省はあらゆる手口を使って増税を正当化する理論武装をしています。 例えば、国民負担率という概念(租税負担率と社会保障負担率が国民所得に占める割合のこと)があります。 日本では40%(財務省のデーより、2012年度版で39.9%)です。これは、OECD(経済協力開発機構)諸国では低い部類に入ります(09年データで、32カ国中27位)。こちらを参照→財務省の「日本の国民負担率が低い」は統計のトリックである。 そもそも、国民負担率は経済学的にあまり意味がなく、増税を正当化したい財務省が好んで使用する統計の一つにすぎません。その他、国の債務水準の高さなどを理由に財政が「火の車」だと言う印象操作も同じです(拙著『日本経済再建宣言』第三章も参照)。 財務省に限らず、霞が関全般が自分たちに不都合なデータは公表しません。公表しても、公式HP上で見つけにく場所にリンクが張られています。実に狡猾なやり方で国民の知る権利を邪魔しています。 千葉商科大学大学院の吉田寛教授は、「税は略奪である」と喝破していますが、同じく略奪者が行う四つの方法を提示しています(『増税亡国論』『吉田きょう授の「公会計と均衡財政」』参照)。 第一:主権者が何者であるかを忘れさせる 第二:主権者に情報を提供しない 第三:主権者に選択肢を提供しない 第四:税制度を複雑にする 第一の論点から見てみましょう。 日本国憲法前文には、主権在民が記述されています。文字通り解釈すれば、主(あるじ)は国民であり、政治家や公務員は国民への奉仕者です。にもかかわらず、政府は国民の承諾なしに増税を決定してしまいました。 確かに、日本国憲法30条には納税の義務が明記されています。また、行政サービスは国民の税金によって運営されており、税金がなければ私たちの生活が不便になるのも事実です。 しかしながら、主権在民というのなら、課税の有無は国民の承諾を経るのが筋でしょう。国民が選挙を通じて承諾すればこそ、政府は課税が許されたことを意味します。 これが「代表なければ課税なし」の意味です。逆に言えば、国民の承諾なしの増税は「合法的略奪」だと言えます。 第二と第三は、上記で紹介した「洗脳の手口」です。 例えば、『日本経済再建宣言』にも明記したものをあげてみましょう。 バランスシートの負債ばかりを強調して資産の部を公表しない。日本が対外純資産250兆円を超える資産大国であることや、国家全体が黒字であることを公表しないことがこれに当たります。 第三は、「増税やむなし」の世論誘導です。これにマスコミが加担しているのは言うまでもありません。 第四は、公認会計士か税理士しか知らない知識です。国税は22種類、地方税は45種類です。実に67種類もの税金が存在するのですが、覚えるのも「酷」で、いちいち数えていたら「痴呆」になりそうな多さだと言えましょう。 こうしてみると、財務省は四つの原理を忠実に実行していることが分かります。また、勝氏が財務省顧問に就任したということは、今後もあらゆる巧妙な手口を使って増税を正当化する策を打ってくることでしょう。 ここでは、自由主義思想の大家の意見を参考に、反論を考えてみましょう。 ノーベル経済学者のハイエクの師でもあったL・ミーゼスは『ヒューマン・アクション』(村田稔雄訳)の中で、「租税が増大すればするほど、市場経済を危うくし、それとともに課税制度自体も危うくする。(中略) ある税率の高さを超えると、あらゆる特定税のみならず、一国の税制全体が自滅するようになるのである」(第28章p.749)とし、重税国家への警鐘を鳴らしています。実に正鵠を得た見解です。 幸福実現党は、主権在民の根本原則に戻って経済成長とスリムで簡素な税制と減税の実現を目指します。 増税しか選択肢が存在しないならば、日本経済の二流国への転落は必至です。税を預かる者にコスト意識がなく、有効な投資や行政サービスの向上を目指すならば、ある程度民間に権限を戻すべきです。 現在は公会計やPPP(公民連携)などの手法が発達しており、減税路線は決して絵空事ではありません。 勝氏の財務省顧問への就任は「増税バトル第二ラウンド」の幕開けです。増税法案可決に落胆している暇はないのです。(文責:中野雄太) マスコミ「中立性」という「価値判断の放棄」が日本の属国化を招く。 2012.08.21 香港の活動家らが不法上陸したばかりの沖縄・尖閣諸島の魚釣島に、19日朝、日本人10人が上陸しました。 そのことを伝えるNHK放送のニュース(8月20日19時~)では「尖閣地方議員ら上陸中国側の反発強まる」というテロップが表示されていました。 また同ニュースでは、中国紙『環球時報』の「日本の右翼の島への上陸は、中国への挑戦だ」という記事が紹介されました。(8/20 NHK「尖閣上陸 中国各紙大きく報道」⇒http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120820/k10014394081000.html) NHKは、中国の反応を中心に報道しており、日本側の反応、とりわけ日本の保守層の「怒り、憤り」等については一切触れられていません。他のマスコミもほぼ横並びで、産経新聞が保守系の抗議活動を報じた程度です。 NHK等日本の報道機関の放送の中立性の定点は「左」に偏っていることは多く指摘されている通りです。つまり、左翼思想がマスコミの基準点・立脚点となっているのです。 ゆえに、日本の保守層の声は、マスコミの基準から大きく右側にぶれているように映るため、捨象されています。 しかし、今回の尖閣、竹島問題は、思想信条に関りなく、多くの国民が憤りを感じています。 それら日本国民の怒りの声は捨象され、もっぱら中国側の声を中心に報道することが「放送の中立性」であるならば、日本のマスコミは「価値判断」を放棄していると言わざるを得ません。 韓国の李明博大統領が島根県・竹島に上陸(不法入国)した8月10日の夕刊各紙の見出しを見てみます。 ・「領有権をめぐり日韓で対立が続く竹島」(読売) ・「日韓両国が領有権を主張する竹島」(朝日) ・「日韓両国が領有権を主張し韓国が実効支配する島根県の竹島」(毎日) ・「日本と韓国の双方が領有権を主張する竹島」(日経) ・「日本固有の領土で韓国が不法占拠している竹島」(産經) 産經新聞のみが、韓国の不法占拠の事実を表現しています。しかし、他紙は皆一様に、まるで竹島の領有権が日韓で同等に存在するかのような表現となっています。 日本固有の領土を韓国が「不法占拠」しているという「歴史的事実」から逃避し、韓国大統領の日本に対する主権侵害、侵略行為に対し、無国籍者が天気予報でもしているような見出しとなっています。マスコミの無脳化、ここに極まれりです。 こうした「価値観の逃避」は、政治家にも見られます。 前原誠司氏が外相当時、2011年3月4日の参院予算委員会で、自民党の山本一太氏の「竹島はいかなる状態か?不法占拠されているのではないか?」という質問に、「竹島は、韓国により法的根拠のない形で支配されている」と繰り返し、「不法占拠」との表現を使いませんでした。 質問者の山本氏が、何度「なぜ不法占拠と認めないのか」と詰問しても、前原氏は最後まで「法的根拠のない形で支配されている」と突っぱねました。当時の枝野幸男官房長官も同様の答弁を繰り返し、菅直人首相も「外相が言った通りだ」と追随しました。 菅直人首相(当時)は韓国併合100年首相談話において「謝罪」を行い、野田首相は韓国通貨安定化のために日韓通貨スワップの枠の大幅拡充を行うなど、民主党政権は一貫して韓国に対して融和政策を展開して来ました。 しかし、そうした韓国に対する「友好」の成果は全く機能していないばかりか、より一層、韓国をつけ上がらせ、日本に対する主権侵害行為を呼び込んでいます。 極めつけは、李明博大統領による天皇への謝罪要求発言です。日本の過去の数々の韓国への配慮のすべてが吹っ飛ぶ許しがたい発言です。天皇陛下に跪かせて、「反日国家・韓国の英雄」にでもなろうという、さもしい根性丸出しです。 李明博大統領が暴露した「心情」は「日本悪しかれ」という思想です。そして、この「日本悪しかれ」これが、日教組や民主党などの日本の底流に流れる左翼思想の核心的部分です。 左翼は戦前から存在しましたが、さすがにスターリンのコミンテルンから「日本の皇室を廃止せよ」という類の命令が来ると、多くの良識ある共産主義者は離れていきました。 しかし、あくまで「日本悪しかれ」という思想で凝り固まった人々は、残りました。彼らは多くがコリア系の左翼だったといいます。彼らは、皇室廃止は万々歳だったのです。その思想が日本政治やマスコミ、日教組の根底に流れ、日本人を洗脳しています。(参考:渡部昇一氏オピニオン⇒http://www.youtube.com/watch?v=YhDtryWrHBw) マスコミの中立性、政治家の弱腰は共に「価値判断の放棄」であり、中韓が流している「日本悪しかれ」という悪魔的思想の前に跪くことを意味します。 すなわち、「日本奴隷化・属国化」への隷従への道であります。 幸福実現党は、「繁栄思考」で責任ある価値判断をし、日本を衰退させ、属国化しようとする悪魔的思想と戦い続けて参ります。 「中立性」という名の下、日本を無国籍化・属国化させることは「亡国への道」であり、断じて許しません。(文責・加納有輝彦) すべてを表示する 1 2 3 Next »