Home/ 経済 経済 中小企業対策 2011.09.20 政府が第3次補正予算をつかって積極的な中小企業対策に乗り出すことを発表しました。 ただ、支援策が低利融資以外には目立った政策がないことが懸念材料です。なぜなら、既に日本ではゼロ金利近傍にあり、これ以上の低利融資には目立った効果は期待できないからです。 また、海外展開する中小企業をどのように支援していくのか。税制上の優遇を取り入れるのかも未定です。 野田首相は、東京都大田区の中小企業を視察した後に支援策を打ち出しました。現場の声を聞いた上での対策なのでしょう。 首相が現場の意見をしっかり聞くということは素晴らしいことです。そして、迅速に政策にまとめていけば問題はありません。しかしながら、問題は中小企業だけに限定しては方向性を誤りかねません。 本質は、マクロ的な問題です。それは、デフレと不況が深刻化していることです。そのため、雇用者の給与は下がり、企業収益も上向く要素が少ないと言えましょう。 また、今年は3月11日の東日本大震災と福島第一原発事故、原発停止問題に見られるように、企業サイドにとっては二重・三重のショックが続きました。消費者の自粛ムードも加わり、中小零細企業の生産ラインは、縮小を余儀なくされたのは事実です。 中小企業にとって、震災以後は円高が続いていることも懸念材料です。首相が視察した東京都大田区は世界の「オオタク」であり、世界経済にとって必須のサプライチェーンでもあります。多くの工場から世界に向けて部品などが輸出されているので、急激な円高は極めて「不都合な真実」であることは事実です。 デフレ、不況、円高が根本的原因であれば、政府がやるべきマクロ政策は財政金融政策です。くれぐれも温暖化対策税や復興増税はご法度です。 今やるべきことは、増税ではなく国債発行による財政出動であり、民間に少しでも資金が回るための金融緩和です。 そして、毎回のごとく主張していますが、即効性のある政策が国債の日銀引受です。デフレギャップの20兆から30兆円程度であれば、インフレになりません。むしろ、急激な円高とデフレを一気に解決することができます。 インフレが怖いならば、消費者物価指数上昇率を3%程度に設定しておけばよいでしょう。いわゆる、インフレ目標値の導入です。 中小企業への低利融資は、ミクロ的な政策としては十分検討に値しますが、対処療法にすぎません。 現在の日本は、デフレ不況という「低温症」なのですから、まずはここからはじめなければなりません。補正予算を小出しにするよりも、国債の日銀引受によって大量の資金を迅速に投入するほうが効果は高くなります。 日本の財政・金融政策の誤りは、政策を小出しにする癖があり、大胆さと迅速さが欠けています。中小企業支援策は大変素晴らしいのですが、やはり根本原因である日本経済への処方箋を出すことが先決です。 政府には、大局的見地から、経済政策を実行して頂きたいと思います。 (文責・中野雄太) 経済成長なくして、財政再建なし 2011.09.05 野田首相は組閣を受けた会見で「私は財政原理主義ではない」と語りましたが、同時に「財政が安定し、政治が信頼され、課題を乗り越えたところで、ようやく外交力の源泉が生まれる」と健全な財政が政策実行の前提であるとの考えを示しました。 しかし、この考えはやはり「財政原理主義」「財政再建至上主義」に近いと言わざるを得ません。 幸福実現党は、財政再建は「経済成長」を実現した結果、達成されるのであり、「財政再建」を目的としたら、経済成長も財政再建も失敗すると指摘しています。 例えば、財政赤字削減に取り組んでいるギリシャでは、付加価値税(VAT、日本の消費税に相当)の増税や歳出減による緊縮策が取られています。 しかし、緊縮策により景気後退が予想以上に悪化。ギリシャ経済は今年、最大5.3%のマイナス成長が予測されています。 その結果、増税による歳入増も予想以下になる見込みで、ギリシャ政府は9月2日、今年の財政赤字の削減目標が達成困難になったと発表しました。 9月2日付WSJ(ウォール・ストリート・ジャーナル日本版)によれば、ギリシャ政府当局者は「多くの国民は納税すべきお金を持っていない。景気を拡大させなければならないが、緊縮政策が全ての足かせとなっている」と述べています。 景気が悪化し、GDPが減少すれば、当然、財政赤字の対GDP比が増大し、財政指標が悪化します。家計に例えれば、借金は変わらないのに、年収が減少すれば借金の負担が重くなるのと同じです。 今後、ギリシャ政府は更なる付加価値税増税に踏み込む方針ですが、悪循環に陥っていると言わざるを得ません。 野田首相が復興増税や消費税増税、公共事業削減などの緊縮政策を取れば、景気は悪化し、日本もギリシャと同じような悪循環に陥ることは避けられません。 幸福実現党は、大胆な財政政策や金融緩和、規制緩和、未来産業の育成等の複合政策による「高度経済成長政策」を打ち出しています。 高度経済成長が実現すれば、GDPが増大しますので、財政赤字や債務残高の対GDP比率が小さくなり、財政指標が大幅に改善されます。家計に例えれば、年収が倍増すれば、借金負担が半分に軽くなるのと同じです。 財務官僚の振り付けによって「財政再建なくして経済成長なし」として増税を唱える野田氏に対し、「経済成長なくして、財政再建なし」との立場から、幸福実現党は増税に絶対反対、高度経済成長の実現を訴えてまいります。 (文責・黒川白雲) 野田首相の増税路線を警戒する市場 2011.08.31 2009年の「政権交代」から早くも三人目の総理大臣として、野田佳彦氏が指名されました。 野田氏は、直前まで財務大臣だったことも強く影響しており、外国為替市場からは「財政再建至上主義者」とも揶揄されております。 同じ金融市場でも、債券市場と外国為替市場では、新総理に対する評価が分かれています。 例えば、債券市場では、野田首相の財政再建路線への安心感が評価されており、今後は国債などへの投資が増えると予測されています。一方、外国為替市場では、増税による景気悪化への懸念から、相場は「先安観」が強いと判断されています。言い換えれば、野田首相の経済政策では、先々株式相場が上昇する可能性は低いと判断されているわけです。 その証拠に、野田首相誕生に併行して、株式市場は8月19日以来、約2週間ぶりに8900円台を記録しても、「ご祝儀相場ではなく、アメリカ株式市場が急伸したため」と見る投資家もいるほどです。 さて、上記の記述から分かる通り、幸福実現党の見方は株式市場に近いと言えましょう。 既に、ついき党首による声明文で触れていますが、わが党は野田氏の増税路線を批判しています。 理由は簡単で、デフレと不況が深刻化している際の増税は、家計の消費と企業の投資を冷え込ませるからです。 その結果、日本経済全体で不況が深刻化する可能性が高く、税収が伸びる見通しは低くなります。経済政策的には、海江田万里氏が主張した金融緩和の方が正しく、日銀の国債直接引受まで含めた対策を打てば、行き過ぎた円高対策にもなります。 大手証券からは、売り上げが増えない中での増税は、円高メリットを受けている業者をはじめとした幅広い銘柄にまで悪影響が出ると予測しています。この見方は実に正しいと思われます。復興増税を行えば、被災地の東北以外にも増税負担が及ぶ論理と同じで、増税による影響は、日本経済全体に及びます。短期的な財源確保としての増税は、復興を遅らせるだけではなく、日本経済まで萎縮させる愚行なのです。 このまま、野田首相が財務省の振り付けどおりの政策を実行すれば、デフレと円高の解決は遠くなることを意味しています。 経済に暗い総理が三代も続くことは、日本経済にとっては極めて深刻です。 国民を豊かにし、増税なき財政再建と経済成長を目指す政治家が求められているなか、現在の日本は真逆の選択をしています。一部を除き、マスコミも増税を支持する論調が強いのも問題です。そのため、国民の皆様が「増税やむなし」という意見に反映されています。このままでは、日本経済は貧しくなることを自ら選択しているようなもので、誠に奇異な行動をとっていると言わざるを得ません。 幸福実現党は、安易な増税路線を批判し、デフレ不況と円高、そして復興を見据えた大胆な財政金融政策を訴え続けて参ります。 そして、「まだまだ日本の繁栄は揺るがない」という信念でもって、政治活動を展開していく所存です。 (文責:中野雄太) 日本国債格下げをどう見るか 2011.08.24 米国の格付け会社のムーディーズ・インベスターズ・サービスは、日本国債を21段階の上から三番目の「Aa2」から「Aa3」へと格下げしました。同社による日本国債格下げは、実に9年3ヶ月ぶりとのことです。 格付け会社による評価には、各社による独自の推計法があるために、客観的な指標とは言えない面はあるでしょう。 しかしながら、米国格付け会社の情報が国際金融市場に与える影響は無視できません。 興味深いことに、同社による格付けの見通しは「安定的」とされています。 多くの方は、格下げをしているのに「なぜ?」と思われるでしょう。 結論は後ほど述べるとして、まずは安定的という言葉から見る必要があります。 まず第一に、日本政府には累積粗債務が1000兆円ほどありますが、その一方で700兆円弱の資産があること、国債購入者の95%が日本人によるものであるため、対外的なリスクからみて「安定的」だといういうことができます。 第二に、今後も日本は国債を消化する能力があるかどうかという視点があります。 拙著『日本経済再建宣言』第三章196ページには、日本国のバランスシートを掲載しています(出所:日本銀行の資金循環統計2010年3月末時点)。 統計を見れば、家計には、資産から負債を引いた純資産は約1010兆円あります。また、国債を購入する金融機関の純資産は約11兆円あります。この二つをあわせた(家計だけを原資とする意見もある)1021兆円が国債購入の原資と考えられます。GDPの2倍強の原資があれば、まだまだ日本には体力があると判断できるわけです。 要するに、わが国は、政府と企業以外は黒字体質で、国家全体では268兆円もの純資産を持っています。政府の財政状態は決してほめられるものではないにせよ、日本国全体としては黒字なので、まだまだ「安定的」に国債を消化することが可能なのです。 客観的に分析すれば、日本国債の格下げは解せない点が多いのですが、格下げをされたということは、上記の指標以外の要因があるのです。同社の発表では、粗債務の累積額とデフレ基調、そして総理が頻繁に変わる政治的不安定さを挙げています。これは予想された見解ですが、もっと大事な論点が隠されています。それは、適切なマクロ経済政策が打たれていないことや、震災復興に向けての具体的なビジョンと方法論が定まっていなことの結果として成長率低下を招いているという事実です。 日本の経済政策とパフォーマンスの貧弱さは、国際機関の見通しも暗くしています。 例えば、IMF(国際通貨基金)は、4月末時点では1.4%の成長率を予測していましたが、6月にはマイナス0.7%へ下方修正しています。一方、OECD(経済協力開発機構)は、4月時点では0.8%の予測に対して5月末にはマイナス0.9%へと、やはり成長率の見通しを大幅に修正しました。両者は、日本の債務に対して増税を主張するなど、一概に納得できない点も多数あるとはいえ、日本経済のトレンドとしては低成長であることを指摘しています。 今後も低成長が続けば、所得と企業収益が伸びないため、税収の伸びも緩慢となります。同時に、子ども手当てなどのバラマキが継続した場合、赤字国債の発行も嵩みますので、ますます日本の財政は逼迫することも予想されます。よって、現時点の経済状況と政策の貧弱さを見る限りは、格下げされても仕方ない面もあることは認めるべきでしょう。 ただ、格付け会社は国際機関が発表している数字や日本政府の経済政策の動向も見守っています。 よって、まずは政府がデフレ脱却と経済成長への決意を表明し、且つ実行に移すことが先決です。 次に、成長率や債務GDP比率の低下など、具体的な数値が付いてくれば、再び日本国債が格上げ要因となります。 まもなくはじまる民主党の代表選。 増税や原発への対応など、さまざまな論点が出ています。 やはり、デフレと円高の是正や経済成長は欠かすことはできません。 米格付け会社によって、わが国の国債が格下げされたなら、「1年以内に格付けを上方修正させます」と言い切る人材が総理でなくてはなりません。現在の代表選候補からは何もコメントは出ていないのは誠に心もとない限りです。 幸福実現党は、既に日本経済再建の道筋を提示しました。 私たちの使命は、先人たちが築き上げてきた繁栄を守り、未来につなげていくことです。 このまま、格下げに意気消沈するわけにはいきません。 今こそ、日本を再建する経済政策を断行する時です。 (文責:中野雄太) 後手にまわる円高対策 2011.08.23 急激に進む円高に対して、日本政府の対応が後手後手にまわっています。 21日にようやく緊急経済対策において、2011年度予算の予備費を使用して輸出企業への資金支援をする方向で調整に入ったところです。 一方、日本銀行(以下日銀と明記)も22日以降、円高が進行した場合は追加金融緩和を政府に平行して行うことを明言しています。 政府が動いたことに対しては一定の評価はできますが、問題は、対応の遅さです。 円高基調は、3月11日以降から続いており、震災から5ヶ月が経過しても史上最高値を記録しています。トレンドとしては円高であることは明確なのですが、政府の「予想」に反して円は強くなっています。 日本政府は、「なぜ円高が進行しているのか」という根本原因を理解できていません。現在、円高が進んでいるのは、日本が他国と比較して通貨供給量を絞っているからです。 もちろん、欧米経済の不調により、資金の行き場がないためい、「少しはマシ」だという理由で円が買われている側面はありますが、国際金融市場の気まぐれさを考慮すれば、円高の根本原因ではありません。 根本原因が通貨供給量の不足にあるならば、通貨供給量を増やすことです。伝統的な金融緩和として、買いオペ(日銀が民間の債券などを購入すること)があります。ゼロ金利となっている今、日銀が出来ることといえば、買いオペか量的緩和です。その中には、国債の日銀直接引受もあります。 要するに、今政府がやるべきは財政金融政策です。予算の組み換えや小手先だけの市場介入では不十分です。 特に、円高と震災復興を克服しようとすれば、幸福実現党が「日本再建宣言」で主張している日銀直接引受です。 政府は、現時点では財源を小出しにして第三次補正予算まで見据えているようですが、早急に財源を確保したければ東日本復興債を発行し、日銀に買わせれば済むのです。規模としてはデフレギャップの20兆円分程度は必要ですが、この範囲ならインフレは心配不要です。 加えて、財政法5条の但書きにも明記されている以上、法律的根拠もあります。日銀が拒否をしていますが、震災のような「特別の事由」にあたる事象がある以上、彼らの反論は説得力を欠いたものと言わざるを得ません。 確保できた財源は、早急に東北の被災地復興のために投入するべきでしょう。 間違っても、デフレと不況が深刻化している今、復興財源を増税で行えばさらにデフレ基調となり、円高は止まりませんし、結果として不況が深刻化して復興が遅れる可能性が高くなります。 民主党の次期代表選が近づいていますが、円高対策や復興対策をきちんと対応できる方がならないと困ります。小手先だけの円高対策ではしのげないということを認識し、円高と震災復興の両方が可能となる、国債の日銀直接引受まで見据えた対応をするべきでしょう。 (文責:中野雄太) すべてを表示する « Previous 1 … 76 77 78