Home/ 釈 量子 釈 量子 執筆者:釈 量子 幸福実現党党首 第2波が来たらどうする――学校はコロナ感染源となりえるのか【後編】 2020.06.03 https://youtu.be/bxLfavj2o_o (5月22日収録) 幸福実現党党首 釈量子 ◆一斉休校の検証 前編では、休校措置の影響やウイルスの特性のからみた休校措置の是非、海外の学校再開の事例を紹介しました。 では、一斉休校の措置は必要だったのかというところを検証してみたいと思います。 2月25日に、安倍首相は全国すべての小中学校、高校、そして特別支援学校を対象に3月2日から春休みまで臨時休校を要請し、2月29日の会見では何よりも子供たちの健康安全を第一に感染リスクに備えなければならないと語っています。 しかし、専門家会議はまだ一斉休校が感染防止にどれだけ効果があるかを検討しておらず、首相のトップダウンだったとされています。 政治の判断として忘れてはならないのは、中国からの渡航制限よりも1週間早く学校への休校措置を行ったことです。 習近平氏の来日延期の検討が報じられたのが3月1日でした。そして中国からの渡航制限が発表されたのが3月5日です。 これは、日本の子供達の教育よりも中国共産党政府との近しい付き合いを優先したことがうかがえます。 仮に中国人が日本に大量に渡航した春節期間に渡航制限をしていれば、そもそも休校措置は必要なかった可能性もあるわけです。 優先順位を間違え、ツケを子供に回したのではないかという疑念が生じます。 さらに言えば、今回の休校措置では既存の指標を無視して安倍首相が政治判断で休校要請を行ったものでした。 もともと今回の緊急事態宣言のもとになったのは、「新型インフルエンザ特措法」を改正したものです。 新型インフルエンザで示された休校の基準は「10%程度の欠席率」です。「学級閉鎖は1週間程度」でした。 ところが安倍首相はそうした基準を無視して一斉休校を要請したので、現場は大混乱になってしまったわけです。 もちろん、当時は今よりも武漢ウイルスがわかっていなかったので、あえてリスクを取られて決断をなされたのだとは思います。 しかし現在、万単位の死者にはなっておりません。数百人です。そして10代未満と10代の死者はゼロです。 新型インフルエンザが64万人の死者を想定して、休校措置の基準を10%としていたことを考えれば、全国の一斉休校はやりすぎだったのではないでしょうか。 ウイルスは、すでに世界中に広がっております。そして第二波第三波が襲ってくる可能性も当然あるわけです。ただ巣ごもりを続けてもウイルスはなくなりません。 感染リスクをゼロにすると学校に通うことができなくなります。インフルエンザに準じた対応で知恵と工夫を凝らして勉強できる環境を整えてあげるべきだと思います。 そして、最後に日本では感染症に対してさまざまな歴史が残っております。神社においては手水舎(てみずや)で手を洗う習慣があります。 東大寺の大仏や伊勢神宮は感染症、疫病に対してできたということも教えてあげることが大事ではないかと思います。 子供たちにとって不安な時ではありますが、日本人はかつて様々な工夫をし、そして信仰心を持ってこのウイルスに打ち勝ってきたということを知ることが大事なことではないでしょうか。 第2波が来たらどうする――学校はコロナ感染源となりえるのか【前編】 2020.06.02 https://youtu.be/bxLfavj2o_o (5月22日収録) 幸福実現党党首 釈量子 ◆休校措置の深刻な影響 コロナに伴う学校の休校措置は、非常に深刻な影響をもたらしました。 「いきなり休校したため、ただ『問題集をすすめて』というアバウトな指示だけで3カ月がたった」(首都圏の学生) 「休校中は、ゲーム漬で子供の生活が昼夜逆転してしまった」(保護者) 「数学や英語のような積み重ね授業は3ヶ月もやらないとほとんど忘れてしまう」(教員) 他にも「学校が休校になり、夕方から通うはずの塾が朝から開いており本末転倒ではないか」という声もありました。 なによりも「友達の頑張りや教員の情熱から受ける刺激がない」という声もあり、学校という環境がどれほど貴重なものであるかが分かりました。 6月1日から学校が再開し、もし第2波の感染が来たらどうするのか。そのあたりをもう一度検証したいと思います。 ◆ウイルスの特性のからみる休校措置の是非 まず確認したいのが「コロナウイルスの特性」です。 新型コロナウイルス感染症の国内発生動向をみると、10代未満、それから10代の感染者が非常に少ないことがわかります。(URLの動画のグラフを参照) この傾向は、感染の多い国でも変わりません。 米国疾病対策予防センター(CDC)が、新型コロナウイルス感染症の18歳未満の約2,500件を調べたところ、多くは軽度・無症状だったことが分かっています。 安倍首相の休校要請は、それを判断する直前に北海道で感染が広がり、子供同士の感染や子供が媒介者として大人にうつすということが心配されたからです。 厚生労働省クラスター対策班の押谷教授は次のように言っています。 「当初、特に北海道で流行が見えた時に『若年層クラスター』という言葉を使ってしまい、あたかも若い人たちだけがこのウイルスを広げていくような印象を与えてしまったのは、実は間違い。」 また、海外の事例ではフランスの9歳男児がコロナに感染して死亡したケースが1件ありました。ただ男児が感染した後に接触した170人にウイルスはうつっていなかったことが判明しています。 この時の調査員であるフランス保健局のコスタス・ダニス氏は次のように発言しています。 「子供たちには感染することが少ない。あるいは症状が軽いので病気を周りにうつす可能性は低くなる。学校が再開しても症例数が増えるとは考えていない。」 そして、フランスは5月11日から学校を再開しています。 新型コロナウイルスの特性としても子供の間はほとんど感染が見られないということがわかってきており、休校が社会的距離といった他の措置に比べて効果が低いのではないかという話もあります。 ◆海外の学校再開の事例 海外の事例ですが、スイスでは5月11日から学校が再開しました。陽性反応があった患者のうち20代未満の割合は約3%で死亡者はいません。 スイス連邦保険庁のダニエル・コッホ氏は、「子供たちはほぼ確実に、この流行の媒介者ではない。ウイルスによる影響を受けていない」と、休校解除に反対する親や教師が署名活動をされていた方々に、繰り返し事実を伝えていたということです。 デンマークは、ヨーロッパで小学校を再開した最初の国で高校や大学は5月中旬に再開しました。 まず登校時に体温をチェックし、学校では約2メートルの距離を保つようにしているということです。クラスも2つか3つに分け、それぞれ先生をつけています。 生徒は屋外で遊ぶことを推奨し、体育館も開放されているようです。そして頻繁な手洗いを推奨するポスターやビデオが政府から支給されています。 次にノルウェーでは、まず保育園と幼稚園から再開して続いて小学校を再開しました。こちらでも到着時に体温をチェックして衛生管理についての指導があります。 そして台湾は、なんと2月25日に学校を再開しています。 校舎に入る前に検温と消毒をしてマスクの着用をし、また各授業前に手洗い、靴の消毒もしているということです。 アメリカではモンタナ州では5月7日に、小さな学校が再開しております。 モンタナ州は自然が非常に豊かな州で10万人当たりの感染者の数は5月18日時点で、全州で最も少なく、地元の調査では学校再開を待ち望む親の声が多くありました。 (つづく) 「コロナ自粛の強要」に「営業の自由」を!【後編】 2020.05.15 https://youtu.be/QV72OmshdrI 幸福実現党党首 釈量子 ◆アベノマスクは何だったのか? 「アベノマスク」も466億円をかけましたが、届いてみたら小学生の給食用マスクの大きさのもので、ポストに2枚入れて終わりです。 配布開始から2週間弱でわずか約3・4%しか配布できず、厚労省によると妊婦向けマスク数万枚に異物が混入して回収しています。 公共事業は、広く業者を募る「競争入札」が基本で、もちろん災害の緊急復旧工事など緊急なものは随意契約を認めていますが、特定の政権との癒着も指摘されています。 そして届いたマスクが、感染源の中国製も含んでいたことに驚きだったのですが、ある調査では、アベノマスクを「使わない」と答えた人は75.9%に上っています。 政府に仕事をやってもらうと、こうしたニーズに合わないことをしてあっという間に時間が過ぎていきます。 気が付いた時には「大恐慌だ」と慌てふためいても、もう遅いのです。 一日も早く、外出自粛および休業要請を終了させていただきたいと思います。 ◆コロナで死ななくても、経済で死ぬ 緊急事態宣言を解除したら「感染が爆発するのではないか」「これまでの努力が水の泡」という声もありますが、「コロナで死ななくても、経済で死ぬ」ことが世界中で問題となっています。 オーストラリア医療協会では7日に声明を出し、「新型コロナウイルスによって、経済的影響を受けた自殺者が最大50%増える恐れがある」と警鐘を鳴らしました。 そして「心の健康と自殺防止に優先的に取り組むことが急務だ」として、政府に対応の拡充を求めています。 オーストラリアでは、新型コロナの死者は現時点で約100人。 一方、毎年約3,000人が自殺しているので、コロナ関連自殺が750~1,500人増える可能性があるとして、コロナによる直接的な死者を大きく上回る公算が大きい」としているわけです。 昨年、日本では約2万人が自殺していたとされます。もっとも、不審死が10万人以上いるので、実態はもっと多いとされますが、もしオーストラリア医療協会のいうように50%増えたら3万人です。 しかし日本では2003年に34,427人に上るので、もとに戻ってしまうか、それ以上になる可能性もあります。 トランプ大統領は、「病気になる人や重症になる人も出てくるだろう。だが、われわれは米国の活動を再開する必要がある。」「死者は増えるだろう。ワクチンの有無にかかわらず、ウイルスは伝染する。われわれは平常に戻る」と言っています。 専門家会議も「この新たなウイルスとともに社会で生きていかなければならないことが見込まれる」と言っています。今のところは「インフルエンザと同じ対処をするしかない、ということになるのではないでしょうか。 ◆強まる「全体主義的傾向」 最後に、気になるのがコロナ禍と共に、政治が「全体主義的傾向」を強めていることです。 そうした政治の発信を受けて、「自粛警察」や「他県ナンバー狩り」などが横行していますが、世相がとても悪くなりました。 市民が積極的に”摘発”する動きはナチスの時代すら彷彿させます。当時、警察やスパイ以上にユダヤ人を密告したのが「住民」です。 「排除の理論」は止めなければなりませんし、そうしたところは、台風や水害で、他県から応援が入ったことを思い出していただきたいなと思います。 知事までエゴイズムをむき出しにするかのような姿は、恥ずかしいことだと思います。 ◆幸福実現党は「働きたい人の味方」となる唯一の政治勢力 この度、専門家会議から「新しい生活様式」が出されましたが、これは憲法の諸権利を制限する可能性があります。 例えば、「集会の自由」への制限、大学にも行けなくなる、小中学校もシャットダウン、働く自由も制限されてしまいます。 特に「人の移動」を制限すると社会インフラの基盤が破壊されます。 人為的な経済破壊が続けば、回復するのが大変です。 戦後の焼け野原から復興に20年かかりました。後戻りできないダメージを与える可能性もあるわけです。 勤労の意欲のある人を罰する空気が蔓延していますが、日本には本来、こうした働きたい人の味方となる政治勢力がありません。 私たちは「働きたい人の味方」として、声を上げていきたいと思います。 「緊急事態宣言」を早期に解除し、外出自粛や休業要請等を一日も早く終わらせて民間企業を救い、智慧と工夫で「感染症の対策」と「経済活動の再開」の両立を進めるべきです。 「コロナ自粛の強要」に「営業の自由」を!【前編】 2020.05.14 https://youtu.be/QV72OmshdrI 幸福実現党党首 釈量子 ◆検討され始めた経済活動再開の重要性 政府が「緊急事態宣言」を5月31日までに延長し13の特定警戒都道府県は措置を継続し、それ以外の34の都道府県では緩和を容認する方針が示されました。 自治体によっては全面解除に踏み出したところもありますが、安倍首相も5月14日に前倒ししての解除を検討するなど(5月8日時点)、手探りで「感染拡大阻止」と「経済活動」との両立を検討し始めています。 幸福実現党は5月8日、内閣府に「緊急事態宣言解除を求める要望書」を安倍晋三総理大臣宛てに提出し、以下の二点の要望を致しました。 (1)緊急事態宣言を早期に解除し、感染症の対策と両立しつつ、経済活動の再開を進めること (2)コロナウイルスに感染しなくても、鬱・借金などで自殺者が増える可能性が高いため、その対策を早急に進めること ◆感染症学者に一国のかじ取りが理解できるのか? 「首相や知事が、専門家に検討してもらう」として責任を振り替えるのは、もう限界ではないかということです。 安倍首相が会見のたびにいつも「専門家会議」の尾身副座長を帯同しておられますが、少し違和感を覚えます。 感染学者はもちろん経済の専門家ではありませんし、哲学的見解があるわけでも、教育の専門家でもないからです。 「緊急事態宣言の延長」も、経緯はそうした感染症の学者を中心とした専門家会議の見解を受けてのことですが、今回のように「営業の自由」「働く自由」を制限されるとなると、民間企業で働く人たちにとっては、文字通り、生きていくための術を奪われるわけです。 まるで感染症学者が「主権者」のようになってしまうわけです。 ◆忍びよる「大不況」の危機 「緊急事態宣言」の1か月で何が起きたのでしょうか。 「大不況」「大量失業」の危機が現実味を帯びてきました。 第一生命経済研究所の熊野英生・首席エコノミストによると、実質GDP(国内総生産)は緊急事態宣言によって、5月6日までの1カ月で21・9兆円押し下げられ、5月末まで延びると、更に23・1兆円、累計45兆円が押し下げられるとしています。 また、ゴールドマン・サックス証券のリポート(5月7日付)によると、日本の4-6月期の実質GDP成長率は前期比年率マイナス25%と試算しており、別の民間予測ではマイナス42%というものまであります。 4月下旬~5月中旬にかけて、各社、第1四半期の決算の速報を発表し始めていますが、いまだかつてない減益や赤字で、各社悲鳴が上がっています。 特に、今後の見通しが全く立たず、業績予測の欄には「合理的な策定が困難なので非開示にする」「分かり次第、開示する」というところもあります。 ◆「大量失業」時代が訪れる 政治の動きとしては4月30日に第一次補正予算が成立して、10万円の現金給付や企業の資金繰り支援などを決めて、一時的には延命はできるとしても、問題はこれからです。 「中小企業の6割が、6月までに経営危機に陥る」との調査もあります。 東京商工リサーチによると、5月1日時点でコロナ関連倒産は114件ですが、負債額が1千万円以上をカウントしているので、「廃業」も含め、店じまいは相当出ていますが、倒産しても、政府は責任を取ってはくれませんし、再建を手伝ってはくれる訳ではありません。 そして、「大量失業」が迫っています。 大和総研によると、感染拡大が6月までに収束した場合であっても、 2020年の雇用者数は前年から99万人減少し、失業率は3.8%に上昇するとしております。 また、感染が年末まで続く場合、雇用は301万人減少し、失業率は6.7%に達するとしています。 既に、患者が激減した都心の店舗では固定費を削るためにスタッフを一度解雇して、失業手当でしのいでもらっているとか、テレワークを機に人員を整理せざるをえない企業など、雇用調整に踏み切る企業も出ています。 ◆自己責任、サバイバルで生き抜こうとする民間企業の智慧と工夫 「民間企業はどうすべきか」といえば、自己責任でサバイバルです。 家族を守り、職業を守り、会社を守るために、「緊急事態宣言」が出されようとも、自己責任で道を開くしかありません。 中小企業だけでなく、莫大な固定費がかかる大手企業も絶体絶命ですが、閉館したままの映画館や百貨店がつぶれても、誰も同情はしてくれないので、「営業を再開し、潰れる前に一生懸命働く」ことです。 そんな中、智慧と工夫で動き出す企業が現れているのは、明るいニュースです。 大手ゼネコンの清水建設は、マスクの着用や検温、消毒態勢の整備などの対策徹底を条件に、13都道府県で止めていた工事を順次、再開するそうです。 先月工事を中断した時点では、協力企業や下請けを含め約2万人が働いていたので、万の単位で雇用確保に動き出しています。 経済活動を続けるために、あの手この手で工夫するところも出てきました。 タクシーの需要が減ったので、宅配サービスを始める会社も現れています。 法律上、タクシーは人以外運べませんでしたが、国交省は道路運送法に基づく特例措置によって規制を緩和、これを受けて工夫したわけです。 また、ヨットの帆を作っていた会社が、医療用ガウンを制作したり、ニーズに応えようとしています。 政治は、規制緩和など自由の領域を広げて、こうした民間の動きを支援することではないでしょうか。 (つづく) 官製コロナ大不況。日本が潰される!早く経済活動再開の決断を【後編】 2020.05.01 https://youtu.be/KEMMls0oHJ8 (4月28日収録) 幸福実現党党首 釈量子 ◆客観的事実から新型コロナウイルスの危険性を考える 世界の感染状況を考えてみると、感染者数に関しては各国の方針によって検査件数自体が異なるため、実態は見えてきません。 【国別】新型コロナ 死亡者数 一方で、死亡者数は国ぐるみの粉飾をしていると考えられる中国以外は、ほぼ実情を示しており、日本は諸外国に比べると、死亡者数は圧倒的に少ないと言えます。(4/30現在:389名) この背景には、海外に比べて「潔癖症」と言えるほど衛生観念が発達していることや、土葬ではなく火葬の習慣があること、あるいは水資源が豊富なので、手を洗ったりお風呂に入ったりするような生活習慣があるからではないかとも言われています。 また、病気別の死亡者数の統計を見ると、日本では、2019年は年間約137万人の方が亡くなられていますが、日本人の主な死亡原因となる三大疾患はガン、心疾患、そして脳卒中です。 主な死因の構成割合(2018年) 2018年の統計によると、日本人の年間死亡者数のうち、約4分の1にあたる約37万人はがんで亡くなり、約20万人が心疾患で亡くなっています。新型コロナウイルスの死亡者数(4/30時点)は389名となっており、三大疾患の年間ペースとは、はるかにかけ離れています。 ちなみに、年間1万人以上がインフルエンザによって亡くなり、約2万人以上が自殺で命を絶っています。 2013年には、「新型インフルエンザ等対策特別措置法」が成立しましたが、この時は全人口の25%、約3200万人が最大罹患者、そして死亡者が約64万人を想定して成立させています。 これと比較しても、現時点では客観的事実として、新型コロナウイルスがインフルエンザ以上に危険なものとは言えません。 ◆新型コロナウイルスよりも危険な「長期の外出自粛・ストレス・免疫力の低下」 厚生労働省によれば、新型コロナウイルスによる致死率は60代で1.7%、70代で5.2%、80代以上で11.1%となっていますが、50代の致死率は0.4%、40代以下の致死率は0.1%に過ぎません。 統計によると、気をつけなければいけないのは70代以上となりますが、なぜ高齢者の致死率が上がるのかはまだ不明です。 翻って考えてみると、新型コロナウイルスは絶対的に人間の命を奪うという危険性があるわけではなく、長引く外出自粛と自宅生活によって、ストレスが蓄積され、免疫力が低下していくことで、日本人が恐れるべきガンや心疾患、あるいはうつなどの精神疾患、自殺の増加などを誘発する方がむしろ心配されます。 日本医療療法士協会によれば、1週間安静にした場合、体力が回復するには2週間かかり、1カ月安静した場合は体力が回復するには2カ月以上もかかると言われています。 外出自粛が全てに優先するという立場は、医学的・経済的見地から考えても、あまりに偏り過ぎた見方ではないでしょうか。 コロナウイルスで亡くなる方も、別の病気で亡くなる方もその命の重さは同じです。 ◆各国の今後の対応から見る日本の遅れ 海外の状況を見てみると、米国ではトランプ大統領が早期の経済活動再開を主張しており、全米各地でも経済活動再開を求めるデモが行われています。 その要因としては、都市封鎖によって、雇用のみならず、ドメスティック・バイオレンス(DV)や離婚、あるいは様々な犯罪など、諸問題が発生し始めているからです。 州ごとに経済活動を再開する見通しも出ており、最も被害が甚大なニューヨーク州でも段階的に経済活動を再開する見込みです。 それから、米国に次いで感染が爆発したイタリアでも、5月4日以降は製造業の再開あるいは人の移動を段階的に進めていく方針です。 また、日本よりも10倍以上感染者・死亡者が出ているドイツにおいても、5月4日以降は都市封鎖を徐々に緩和していく方針で、自動車店・自転車店・書店の再開、宗教の集会などを緩和していく方針です。 スウェーデンは他国とは少し異なり、「集団免疫」を獲得するため、都市封鎖や外出自粛などの措置は取らず、その結果、抗体を持つ人の数が増えており、「集団免疫」獲得の兆しがあるということを保健当局が発表しています。 ◆国内各所で求められる「発想の転換」 国内の「三密対策」ですが、分散させる方向に打ち出すべきではないかと思います。 実際に、小池都知事が公園を封鎖し、遊具をテープで縛るなどをした措置に対して、子供を持つお母さんたちからは悲鳴が上がっています。 それよりも、むしろ公園を開放したり、また日中における人の集中が問題視されるスーパーマーケット等についても、逆に営業時間を延長したり、24時間化を打ち出すなど、人の分散を図りつつ、雇用を守るといったような発想の転換が求められています。 学校についても、インフルエンザと同様、感染者が出た場合に限って、学級閉鎖等で個別的に対応していくべきではないかと思います。 いま地方自治体が独自に移動自粛の要請を出していますが、他県ナンバーの自動車を攻撃するような風潮は最も愚かなことだと言わざるを得ません。 職を失ったような若者が地方への移住を希望するような流れも出てき始めています。 加速的に進む少子高齢化と過疎化に大きな危機感を募らせ、県外からの移住者の確保に苦心していたコロナ以前をしっかりと思い出して、故郷の未来のために受け入れる判断を行うべきではないでしょうか。 特に、国家的な危機として食料危機が言われていますが、農業などの第1次産業をはじめ、しっかりとこうした若者の受け皿を作るべきです。 ◆政治家は不退転の覚悟で、智慧と勇気で未来を拓け! 結局、今後感染リスクを承知で、経済活動をするような人を批判するのではなく、感謝して賞賛するような流れが必要なのではないでしょうか。 恐怖心を一方的に煽るような報道が多い中、「大局観」のない政治と一体化して統制を続けていくと、マスコミ自体も現代社会を根底から破壊するようなことに加担しているということになりかねません。 「これ以上戻ることができない」という意味で「point of no return」という英熟語がありますが、日本や米国などの国々が、これ以上後戻りはしないという決意のもと、経済を再稼働させ、世界を牽引できるような智慧と工夫と勇気を持ったビジョンを描くべきではないかと思います。 日本経済は今どんどん血液が失われていっているような状況です。 そんな中、日本はどのような選択をすべきなのか。政治が腹をくくって、自分の国の経済そして国民の命を守るために智慧と勇気で発信をすべきではないでしょうか。 官製コロナ大不況。日本が潰される!早く経済活動再開の決断を【前編】 2020.04.30 https://youtu.be/KEMMls0oHJ8 (4月28日収録) 幸福実現党党首 釈量子 ◆政治の暴走が日本経済の破壊を引き起こす 4月16日、緊急事態宣言が全国に拡大されましたが、5月6日以降も延長して、外出や事業の自粛を続けるべきだという方針が出される見込みになっています。 人類が経験したことのない危機に対して、安倍首相や小池都知事など、各自治体の首長たちはリーダーシップを発揮し、見せ場という感じですが、何かがおかしいと感じざるを得ません。 それは「大局観」を逸した独裁的な政治の暴走ではいないかということです。 例えば、東京都や大阪府では、休業要請に従わない企業や店舗の名前を公表し、休業指示に従わない場合は、法改正して罰則を設ける可能性にも言及しています。 ある県知事の「来たことを後悔するようになればいい」という発言は、あまりにも驚くべき辛辣な一言でした。 明らかに社会がおかしくなっているような気がします。そうした政治が、人為的に日本経済を破壊してしまっています。 ◆資金繰りに苦労する中小企業、壊滅的な被害を受ける外食産業 まず、悲鳴を上げている民間に目を向けるべきでしょう。 コロナによる自粛で、元々経営体質の弱い中小企業は、資金繰りに非常に苦労しています。 ある生命保険会社の調査によると、5月末までしかもたない企業が45%、6月末までしか持たない企業が60%だと言われています。 経営状況が厳しいのは中小企業に限らず、なかでも壊滅的なのが外食産業です。 売上げの減少が非常に深刻で、パブや居酒屋が43.3%減少、レストランが40.5%減少と大変深刻な状況となっています。 実際に4月27日には、青森市内の飲食店が「(飲食店の)大半が倒産する」と市に支援を申し入れています。 ◆倒産の危機は各業界の大企業にも・・・ 更に、大企業にも危機が迫っています。 JRによると、ゴールデン・ウィーク期間の新幹線は一部の列車で、乗車率が0%という事態が発生しています。 航空業界では、JAL、ANAなど国内企業をはじめ「世界の航空会社は、各国の政府が連携した対応を取らない限り、多くの航空会社が5月末で破綻に追い込まれる(オーストラリアの航空業界コンサルティング会社CAPA航空センター)」のではないかと言われています。 定期航空協会は政府に対して、「2兆円の支援が必要だ」と申請していますが、支援してもこのまま人が乗らないのなら意味はありません。 無借金経営で有名なトヨタでさえ、銀行から1兆円の融資枠を設定したという大変衝撃的なニュースが入っています。 大手ゼネコンの清水建設でも、建設現場で1名死亡者が出た後、全国500カ所の工事現場を閉鎖し、下請けも軒並み営業停止状態となっています。 百貨店に関しては、三越伊勢丹ホールディングスは3月期の連結最終損益で、従来予想の70億円の黒字から、110億円の赤字になる見通しということで、180億円減というありさまです。 銀行も無傷ではなく、メガバンク、地方銀行共に持ちこたえることは厳しいのではないかという声はたくさんあり、倒産企業が続出すると失業者は激増していくでしょう。 ◆「サバイバルの時代」の到来 いま緊急事態宣言が延長されると、日本経済そのものに対する「死刑宣告」にも等しいという緊急性を認識する必要があります。 実際に、感染症専門家からも「感染症対策と経済の両立を考えるべき」という提言が出ており、今までの考え方を変え、短期間では収束しないことを覚悟する必要が出てきています。 まず、医療の限界が挙げられますが、現在世界中が取り組んでいるワクチン開発には少なくとも2年はかかると言われています。 また、インフルエンザでも型が違えば、予防接種は効きませんが、コロナウイルスも数種類の型があるという説もあり、変異の可能性も指摘されています。 また、比較対象として引き合いに出されるスペイン風邪ですが、世界で第3波まで流行したとされていますが、第1波が1918年3月から、第2波が1918年冬頃から、第3波が1919年春から秋にかけて流行しています。 当時もマスクをかけ、熱が出れば氷で冷やすしかないということで、結局、時間の経過を待つしかなかったと言われています。今回もウイルスの拡大に陰りが見えるまでに2から3年かかってもおかしくありません。 政府や各自治体が現金給付、あるいは休業補償を出していますが、何十万人も雇用しているような大企業を年単位で政府が救済しようとすると、それこそ天文学的な金額が必要になります。 もし今後、政府が緊急事態を延長させるということになれば、配給制を受け入れるしかないということにもなりかねません。 そろそろ、日本人すべからく「サバイバルの時代」に入ったという自覚を持つ必要があるのではないかと思います。 智慧と工夫、そして勇気を出して経済活動を再開するしかありません。 (つづく) コロナ禍で迫りくる世界規模の食糧危機?【後編】 2020.04.27 https://youtu.be/v3mP3sfvLNo 幸福実現党党首 釈量子 ◆日本の脆弱な食糧自給体制 このような未曽有の食糧危機に対して、日本はどのように対処すればよいのか、まず、日本の現状を確認してみます。 日本の食糧自給率を見ると、穀物の大半を輸入に頼っていることがわかります。 コメに関しての自給率はほぼ100%ではありますが、家畜の餌にする飼料用穀物の自給率は、28%しかありません。 各国からの輸入が止まった場合、コメ以外の穀物が食べられなくなるだけでなく、家畜用のエサがなくなってしまうので、タンパク源である豚や牛の生産に影響が出るわけです。 ◆食糧確保のため日本が取るべき道:(1)減反の実質的廃止 日本がまず行うべきことの一つは、「減反を実質的に廃止する」ということです。 「減反政策」とは元来、米価が下がり、農家が困窮することを防ぐことを目的に、生産調整を行って米価を維持し、生産調整の達成度に応じて農村に補助金を配る仕組みです。 「頑張らなければお金をもらえる」のはおかしいしと批判が高まり、半世紀近く続いた減反政策は2018年には廃止になっていますが「事実上の減反」はまだ続いています。 その象徴となるのが「転作補助金」で、食用のお米をつくる代わりに、大豆や麦をつくったら10アール(1反)あたり3万5千円、飼料米をつくった場合は、10万5千円もの補助金を出しており、今までの減反補助金よりも高額と言えます。 しかし、食糧危機が来るかもしれないという今、そんな余裕はなく、食用のコメづくりの生産性を高めるか、あるいは「飼料用穀物」の生産に力を入れていくことが必要です。 ◆食糧確保のため日本が取るべき道:(2)飼料用穀物の国産化 飼料用穀物については、補助金をもらうためではなく、国内の畜産農家に売るために、戦略的に作っていくことが大事だと思います。 現時点では、飼料用トウモロコシは、ほとんど米国から輸入していますが、日米貿易交渉において、日本は米国の余ったトウモロコシを買う代わりに、自動車への高い関税を免れたとも言われています。 確かに、非常に政治的でデリケートな分野だとも考えられますので、日本としては食用のコメづくりを守ることを最優先とし、いま国を挙げてトウモロコシ生産を推進する必要はないでしょう。 しかし、先ほどお伝えした通り、中国がヨトウムシによる被害によって、「トウモロコシ」が大打撃を受けている今、世界の19.3%を生産していた中国において、仮に収穫量が半分になったら、世界のトウモロコシの需給バランスが大きく崩れる可能性があります。 また、もし米国が飼料用のトウモロコシの輸出制限を始めた場合、豚や牛などのエサがなくなってしまいます。 北海道などで作られている乳製品の需給にも影響が出てきますし、現代人にとっては「肉なし、乳製品なし」の生活は考えられないでしょう。 ◆飼料用トウモロコシを国産化する有効性 以上のように、日本においても飼料用穀物を生産できる体制を作っておく必要があるということです。 確かに、飼料用のコメもいいのですが、豚や牛のエサは、穀物をバランスよく与えてあげる必要があるため、100%コメで育てることは難しく、やはりトウモロコシも必要です。 それから、農地あたりの生産量とコストについて、飼料用のコメの場合、10アール当たり556kg、コストは10万円以上かかりますが、飼料用のトウモロコシは10アール当たり1000kg収穫でき、コストは3万5千円しかかからず、しかも手間がかかりません。 またトウモロコシは二毛作と二期作が可能で、もしトウモロコシが余ったら、食糧不足に陥った国々へ輸出もしやすいため、日本でも飼料用トウモロコシを育てておくのもいいのではないかと思います。 他にも大豆の自給率は6%しかないので、今後ニーズが高くなる可能性は高いです。 日本国内の「飼料用穀物の備蓄」はメーカー独自の在庫をあわせて100万トンありますが、万が一、輸出が止まったら、すぐにピンチに陥りますので、国内で生産できる体制を作っておく必要があるわけです。 ◆食糧確保のため日本が取るべき道:(3)未来型農業への投資 今回のコロナ禍への対処策として、農林水産省は失業者に対して、農業を受け皿にするための支援を検討しているようです。 仕事を失った人たちが地域の農業で働けるよう、研修や宿泊の費用を支援して転職を促し、農家の人手不足を解消する狙いです。まさにジョブ・クリエーションです。 そうであれば、更に踏み込んで未来型農業への道を開き、「稼げる農業」を目指す若い世代の参入を促すべきではないでしょうか。 「リモートセンシング」や「GPS誘導付き自動運転トラクター」「ドローン」など、最先端の農業技術を組み合わせる「スマート農業」を進め、少人数で大きな農地を管理できる農業によって、生産性も格段に高まります。 「植物工場」も注目で、天候不順にも強く、世界にも輸出できます。 今後、世界的に「農業用水」が不足する時代になると言われており、「水」の節約、そして中国に輸入依存している「肥料」の節約にもつながります。 世界三大投資家の一人と言われるジム・ロジャーズ氏は「日本で今後伸びる産業の一つは農業。ライバルが少ない今、15年後には大儲けできるかもしれない」とも述べています。 ◆食糧確保のため日本が取るべき道:(4)農地法の改正 そのためにも、農地に関する規制は緩和すべきで、農業に新規参入しようとする企業や個人を締め出してきた「農地法」は改正すべきです。 「食糧自給率を上げる」と言う観点からも、また「稼ぐ農業」という視点からも、生産性を高めるための環境づくりをすべきです。 例えば、現在でも株式会社が農業に参入する際には賃貸でしか農地を得ることができず、農業生産法人を設立しても、農地を所有するには、構成員の4分の3以上、役員の過半数以上が農業従事者でなければいけないといったルールもあります。 これでは、大手の食品会社などが自前の農地を持って農産物を育てるようなことは難しいでしょう。 ◆食糧危機に貢献できる世界のリーダー国家を目指せ! 最悪のケースとして、「食料自給力」という考え方もあります。 これは国内のすべての農地、耕作放棄地や、花など、食物にならない農地をフルに活用した場合、どれだけのカロリーを生産できるかという指標で、芋を中心に植えると、国民が必要なカロリーがほぼ満たせるそうです。 しかし、これでは本当に戦時中と同じような食生活になるので、それが嫌なら、今から備えておくべきです。 日本には既に農業分野で高い技術力があります。 こうした安心安全の食をつくる技術を最大限に発揮して、日本の食糧自給率を高める取り組みを今から始めるべきです。 更に歩みを進めて、「世界の人たちをも食べさせる」という気概が必要だと思います。 いま世界はコロナの蔓延で殺気立っており、資源と食糧をめぐって奪い合い、紛争が起きる可能性もあります。 迫りくる「食糧危機」を乗り越え、世界に貢献できるリーダー国家・日本を目指すべく、今後もあらゆる政策を発信していきたいと思います。 コロナ禍で迫りくる世界規模の食糧危機?【前編】 2020.04.26 https://youtu.be/v3mP3sfvLNo 幸福実現党党首 釈量子 ◆コロナ感染拡大で予想される食糧の危機 今回のテーマは、今後予想される食糧危機とその対策をお伝えしたいと思います。 現在、中国発の新型コロナウイルスが世界に広がっており、これ自体、人類にとって大変な脅威ですが、いま別の危機も迫っています。 4月1日、国連食糧農業機関(FAO)と世界保健機関(WHO)、世界貿易機関(WTO)の3機関の事務局長が次のような共同声明を発しました。 「各国の新型コロナウイルス封じ込めのための行動が、食料供給に影響を与えないよう、輸出制限などの措置を取らずに協調する必要がある。」 「食料品入手の可能性への懸念から輸出制限のうねりが起きて国際市場で食料品不足が起きかねない。」 ◆未曾有の食糧危機の要因:(1)コロナで農業に従事する労働者たちが働けなくなる こうした声明が出された背景として考えられるのが、新型コロナウイルスの感染拡大を食い止めるために、国境や都市を封鎖して人の移動を制限したことで、農業分野の人手不足が深刻になっていることです。 米国では、野菜や果物の収穫などはメキシコなどからの外国人労働者に大きく依存しており、この1年間に25万人の外国人に、農業に従事することを認めるビザが発給されていました。 ところが、コロナ騒動で、米国ではビザの発給が停止され、外国人の労働者がアメリカに入国できなくなってしまいました。 欧州でも東欧からの出稼ぎが止まり、農作業に支障が出ています。 日本でも、事実上の働き手になっていた「外国人技能実習生」が、日本に戻って来られないために、収穫が滞っているという悲鳴が上がっています。 ◆未曾有の食糧危機の要因:(2)バッタの襲来(蝗害) 次にバッタの襲来で、蝗害(こうがい)と言われます。 今後の食糧危機を引き起こすものとして、労働者不足だけでなく、東アフリカ、アラビア半島周辺で発生した「サバクトビバッタ」が前例のない規模で大量に発生し、食糧を食い荒らしているという実態があります。 増えた理由ですが、2018年から本年まで、東アフリカでサイクロンが発生し、広範囲で雨が降ったことで緑化、豊富なエサの供給源となったことが直接的な原因とされています。 バッタは草だけではなく、人間の食糧も食べ尽くしながら移動し、成虫となったら卵を産んで、増殖していきます。 東アフリカでは、ケニアやエチオピア、ソマリアで前例のない発生があり、幾つかの群れがウガンダにも移動していると言われており、ソマリアでは「国家非常事態宣言」が出されています。 現在、バッタはパキスタンやインドに到達し、特にパキスタンでは壊滅的な打撃を受けて、食糧価格が高騰、全土に緊急事態宣言を発令し、国際社会に緊急援助を要請しています。 さらに、報道によると、「第1波」の次の「第2波」が繁殖地から飛び立って、既にウガンダなどアフリカ東部で壊滅的な被害をもたらしており、十分な対策をしなければ、第1波の20倍にもなるとの指摘もあります。 対策として各国は農薬を散布しているのですが、神奈川県ぐらいの面積で飛んでいるとされる大群にはとても追いつきません。 そして、このサバクトビバッタがいま中国に迫っています。 ◆未曾有の食糧危機の要因:(3)ヨトウムシの大量発生 更に、中国では「ヨトウムシ(夜盗虫)」という蛾の幼虫で、極めて危険な農業害虫が大量に発生し、深刻な被害が出ています。 昼間は物陰に隠れていて、夜になって活動し、一晩で作物が食べられてしまうと言われており、既に被害面積は九州と四国を足した面積よりも大きい6660平方キロメートルにも達しています。 このヨトウムシはトウモロコシを食べますが、既に農薬に対して抵抗性が付いていて、農薬が効かないという話です。 このヨトウムシ被害の後、もしもサバクトビバッタの大群が中国に入ってきたら、中国で生産している穀物に非常に大きな被害が出ることは明らかです。 ◆未曾有の食糧危機の要因:(4)食料生産国の輸出規制 以上のような労働力不足、害虫等の大量発生の理由から、各国は自国民の食糧を確保するために「輸出規制」を設け始めています。 世界最大の小麦輸出国のロシアは国内供給を優先し、4~6月の穀物輸出量に制限を設けており、ウクライナも小麦の輸出制限を設定しています。 更に、世界最大のコメの輸出国であるインドも、コメや小麦の輸出を制限していますし、世界3位のコメ輸出国であるベトナムも、3月下旬に新たなコメ輸出の契約を停止しました。 冒頭にお伝え通り、FAO(国連食糧農業機関)とWHO(世界保健機関)、WTO(世界貿易機関)は、過度な輸出制限をしないように各国に求める共同声明を出していますが、今後どうなるか分からないのが実態です。 (つづく) コロナ禍、次なる危機はエネルギー問題。世界中で高まる戦争リスク【後編】 2020.04.23 https://youtu.be/0-hhkjXtda8 幸福実現党党首 釈量子 (2)すぐに対応すべきこと:パリ協定からの離脱 いますぐ対応すべきことの2つ目として、パリ協定からの離脱を提言します。 既に原発の廃炉も進んでいるので、既存の原発を全て再稼働してもエネルギー自給率の根本的な解決にはつながらないと言えます。 短期的な方策として、地政学的リスクを少なくする決断をすべきであり、それが「パリ協定」からの離脱です。 「パリ協定」とは、地球温暖化を抑制するために、世界規模でCO2の削減を進める枠組みですが、いかに不公平であり、今まで努力してこなかった中国に非常に有利な協定であるかを知る必要があります。 コロナ・ショックで、グローバリズムが機能しなくなる中、日本が「パリ協定」に残り続ければ、それだけ日本が不利な状況に立たされ続けるわけです。 ◆日本が世界に誇る石炭火力の技術力 特に、現在、最も批判されているものの1つが石炭火力発電ですが、なぜなら石炭が天然ガスと比べると、より多くのCO2を排出するからです。 一方で、石油や天然ガスと比べて、最も南シナ海での有事の影響が少ないのが、石炭です。 石炭の多くは、オーストラリアから南シナ海を通らずに、太平洋を通って日本に輸入されます。また、オーストラリア以外でも、世界各地で豊富に埋蔵しているのも石炭の特徴です。 日本の石炭火力は、高効率で環境に対する負荷が低い世界に誇れる技術ですが、「環境に悪い」というイメージが広がり、石炭火力は危機的状況です。 従って、パリ協定から離脱し、国内のCO2排出規制を撤廃することで、戦略的に石炭火力発電を維持していくべきではないでしょうか。 (3)すぐに対応すべきこと:天然ガスの輸入増加と調達先の多様化 更に3つ目として、ロシアや米国からの天然ガスの輸入量を増やし、調達先を多様化することです。 輸入している液化天然ガス(LNG)の多くが、南シナ海を通過している現状を鑑み、有事の際も、困らないエネルギー体制を築かなければなりません。 その中でも、日米同盟のある米国に加えて、ロシアからの輸入量を増やすことが重要です。 特に、ロシアからの輸入増加は、お互いにWin-Winの関係をもたらし、ロシアの中国接近を防ぐという意味でも有効です。 また、パイプラインも建設することで、エネルギー調達手段を多様化させ、リスクを分散することが出来ます。 一方で、ロシアに日本が接近することには、米国への配慮が必要で、アメリカのシェールガスの購入量を増やすような対策をとるべきです。 ◆メタンハイドレートを一刻も早く実用化するには? 以上のように、短期的には日本のエネルギー安全保障を確立するために、①原発再稼働②パリ協定からの離脱③天然ガスの調達先の多様化という3つの政策が有効だと考えます。 一方、長期的には、日本のエネルギー自給率を高める大胆な投資が必要です。 まずメタンハイドレートの本格的な開発です。メタンハイドレートは「燃える氷」と呼ばれ、日本が使う天然ガスの100年分以上が日本の海底に存在していると言われています。 しかし、国内の石油や天然ガスの地質調査や、メタンハイドレートの研究開発などの事業費の今年の予算は、258億円と期待される事業規模の割に投資額は非常に少なく、実用化のペースを早めるためにも、更に投資を行うべきです。 ◆本格的なエネルギー国産化を目指す政治を! また、次世代型の再生可能エネルギーの大胆な開発と主力電源化も必要です。 例えば、マグマから直接エネルギーを取り出す次世代地熱発電、温かい海水と冷たい海水の温度差で発電する海洋温度差発電などに、大胆に投資すべきで、技術立国としての意地を見せる必要があります。 また、原発も次世代型原発を増設していくべきです。 現在、世界では次世代型原発として、SMRと呼ばれる出力30万kW以下の小型原発が盛んに研究されていますが、その中でも、高温ガス炉と呼ばれる原子炉は非常に有望です。 原子炉は通常、水などで、止まった後も、冷やし続ける必要があります。しかし、高温ガス炉は、自然に止まり、自然に冷える構造になっているので、飛躍的に安全性が高まります。 また、1000℃という高熱を利用して、水素も製造でき、水素の大量製造ができるようになれば、水素ガスタービンでの火力発電や、炭素回収技術と組み合わせて石油やガスの人工合成も可能になります。 幸福実現党としては、今回の新型コロナという危機をバネにして、原発再稼働などエネルギー安全保障の強化を迅速に進めるとともに、エネルギーを国産化する次世代型技術への大胆な投資を提言してまいります。 コロナ禍、次なる危機はエネルギー問題。世界中で高まる戦争リスク【前編】 2020.04.22 https://youtu.be/0-hhkjXtda8 幸福実現党党首 釈量子 ◆極めて低い日本のエネルギー自給率 今回はコロナ・ショックにおけるエネルギー安全保障体制について考えていきたいと思います。 エネルギー安全保障とは、海外でもしもの危機があった時、電気や石油など、生活に必要なエネルギーを安定供給する体制づくりで、特に日本の場合、自給率が低いのが食料とエネルギーと言われております。 世界的に経済活動が自粛されており、日本においても電力需要は間違いなく減少していますが、需要がいくら減っても、電気を途絶えさせるわけには絶対にいきません。 いま重篤な肺炎症状の為に、人工呼吸器など医療機器は不可欠で、電力の有無が生死を分けることになってしまいます。 またテレワークで在宅勤務が主流となっても、電力は必要不可欠ですし、金融や交通産業等、多くの産業でIoTが進んでおり、全て電力が必要となります。 ◆中国共産党の危険な体質 コロナウイルスの感染拡大で誰の目にも明らかになってきたのが、中国共産党の危険な体質です。 全世界に感染拡大させた元凶は紛れもなく中国ですが、その責任を感じることなく、対外的に異様な動きを見せています。 2月17日、中国海軍のミサイル駆逐艦フフホトがハワイ沖300kmまで進出し、訓練を行いました。 中国海軍が単独でハワイ沖に進出したのは初めてですが、この帰路に米海軍の対潜哨戒機に対して、軍用レーザーを照射、米軍が中国に対して厳重抗議を行うという事態が発生しました。 また3月16日には、複数の中国軍機が台湾の空域に初の夜間飛行を実施し、尖閣諸島周辺の海域にも中国の公船は30日以上連続で進出し、覇権への野心を顕わしています。 ◆シーレーンから見る日本のエネルギー安全保障の危うさ 原油等の重要な戦略物資を輸送する海上ルートのことをシーレーンと呼びますが、特に中東ホルムズ海峡からのシーレーンは、中国の南側に面した南シナ海を通過するため、米中対立の影響をダイレクトに受けます。 南シナ海を通らずに迂回するルートもありますが、輸送する時間もコストも大きく上昇してしまいます。 また、日本が化石燃料をどの地域からの輸入に依存しているかを見ると、中東地域から原油を約9割、天然ガスを約2割も輸入していることが分かります。 以上の観点から、日本は次の危機を見据え、世界の地理的な影響による地政学的リスクの軽減とエネルギー源の多様化を、今すぐに進めるべきです。 (1)今すぐに対応すべきこと:原発再稼働 エネルギー安全保障を確立するために、今すぐやるべきことは原子力、石炭、天然ガスといった3つのエネルギー資源をいかに確保し、有効に活用するかという点に集約されます。 まず一つ目は、安全性が確保された原発の再稼働です。 原子力発電を動かすことは、すなわち日本のエネルギー自給率を高めることを意味するため、日本のエネルギー安全保障上、非常に重要だと考えます。 2010年には20.3%だった日本のエネルギー自給率ですが、東日本大震災以降、原発が停止してしまったため、2017年には9.6%まで半減しており、主要国のなかでも、日本がずば抜けて低い水準となっています。 ◆日本の原発は世界一厳しい安全性基準 一方で、原発の安全性については世界で最も厳しい基準が求められています。 東日本大震災における福島第一原発で事故が発生した原因は、津波の海水によって非常用電源が故障し、原子炉の熱を継続的に下げる冷却ポンプが機能しなくなったことにあります。 そうした教訓を生かし、電源を守る取り組みや、原子炉そのものの耐震性を強化する、あるいは冷却できなくても、放射性物質をなるべく外に出さないなど、様々な対策が練られてきました。 リスクとコストのバランスは、考える必要がありますが、東日本大震災以降、日本の原発の安全面は、大幅に増強されてきました。 ◆技術・法律の両面で原発を止める必要はない? こうした経緯から、2020年3月末の時点で、全国で6基が稼働していますが、これら稼働中の原発も再び運転を停止する予定となっており、原発再稼働は、今や風前の灯火です。 原発が停止する理由は、テロ対策に向けた施設、要するに「たとえ旅客機が突っ込んできても安全」なレベル、いわゆる「特重施設(特定重大事故等対処施設)」の工事が間に合わないためです。 しかし、この特重施設の工事は、テロが起きても大丈夫なように、バックアップの施設は作ることになりますが、技術的・法律的にも、審査中に必ずしも原発を止める必要はありません。 法律不遡及の原則からいけば、建築基準法上、耐震基準が強化された場合、今までの建物を無理やり使用中止にはできませんが、原発施設においては、それがまかり通っています。 ◆政治家は腹を括って原発再稼働に舵を切れ 安全確保は大切なことですが、それによって生じた損害は、憲法における財産権の侵害であり、本来、国が賠償すべきものです。 少なくとも、原発が審査で再稼働できないツケを電気料金という形で、国民が払うのは筋が通りません。 原子力規制委員会の在り方にも大きな問題があり、現状では、国家としての大局観を欠いた、技術専門家による「議論のための議論」に陥っている状況です。 また、原発を使える期40年に限定する廃炉規制も即時撤廃すべきです。 現在、廃炉を決めている原発は24基ありますが、これらは安全にもかかわらず、40年規制で経営が成り立たないから、廃炉に追い込まれている現状があります。 もともと日本では60年運転を前提とした検査体系が運用されていたため、原子炉等の主要設備はもっと長寿命で、廃炉の時期は個別の設備の劣化状況に応じて決めるべきであり、廃炉検討中の原発は、今すぐに廃炉ストップをかけるべきです。 日本のなかで再稼働ができない「空気」はあるかと思いますが、日本の政治家は腹をくくって、エネルギー自給率を高める原発再稼働を推し進めるべきではないでしょうか。 (つづく) すべてを表示する « Previous 1 … 21 22 23 24 25 Next »