Home/ こぶな 将人 こぶな 将人 執筆者:こぶな 将人 幸福実現党の一貫した主張と脱原発知事の失速 2016.09.15 幸福実現党・政務調査会チーフ 小鮒将人 ◆「脱原発」のトレンドが変わった 2011年の東日本大震災以来、原子力発電については、左翼マスコミや言論人等の発信の影響もあり、否定的に捉えられ続けてきました。 また民主党菅政権による浜岡原発の停止要請をきっかけとして、一時は全国すべての原子力発電所の稼働が停止しました。 そして、菅政権の下で設置された原子力規制委員会が、2013年7月に世界で最も厳しいとされる安全基準(新規制基準)を策定し、その新規制基準への適合性審査が遅々として進まないこと、一部の地域で「脱原発」を標榜する知事が、原発の再稼働について、規制以上の厳格な対応を国及び電力会社に要求したことから、現在でもほとんどの原発が停止しています。 法的な定めはありませんが、原発が立地する自治体と電力会社は「原子力安全協定」を結び、増設の際の事前協議などを約束してきた関係で、再稼働には事実上地元の同意が必要とされてきました。このため、法令に基づく新規制基準への適合性審査に合格しても、知事が反対した場合には、原発の再稼働が進まないということが起こり得ます。 しかしながら、すでに「原発事故」から5年経過し、新規制基準への適合性審査に合格した一部の原発では再稼働の動きが進められています。そのうち、九州電力の川内原発1、2号機(鹿児島県)と四国電力の伊方原発3号機(愛媛県)が運転を再開し、電力を供給しています。 ◆鹿児島県三反園知事による「脱原発」の活動 7月の参院選と同時に行われた鹿児島県知事選では、元テレビ朝日記者として全国的にも知名度の高い三反園訓(みたぞのさとし)氏が当選しました。 その選挙戦において三反園氏は、川内原発の再稼働を推し進めた伊藤知事(当時)を批判、「脱原発」を推進し、民進党・社民党などの左翼陣営の県組織及び反原発を訴える市民団体、県政に批判的な保守系の県議の支持も受け、初当選を果たしました。 そして当選後、三反園氏はその公約の実現に向け、8月26日に県庁に九州電力の瓜生社長を呼びつけ「川内原発を即時停止し断層調査及び設備点検を行う事」の要請を九州電力に行い、今月にも同様の要請を行いました。 九電による回答は更なる安全性を高める努力を行いながら稼働を継続する、というものであり、即時停止を拒否した形となりました。 また、川内原発の再稼働によって、九州電力の経営基盤が大きく改善されました。 産業の基礎となるエネルギー供給の企業経営が安定することは国益の立場から考えてもよい影響となったのではないでしょうか。 ◆新潟県泉田知事は4選不出馬を表明 また、柏崎刈羽原発が所在する新潟県の泉田知事も、福島原発事故以来、一貫して原発再稼働に反対してきました。 3年前の2013年にも泉田知事が突如、「地元への調整がない」という理由で、東電との話し合いを拒否。関係者を大変困惑させただけでなく、地域経済にも深刻な影響を与えています。 泉田知事は一時、10月に行われる新潟県知事選4選出馬を表明していたものの、最終的に不出馬となったようです。 県が出資する海運会社の子会社が、韓国企業とフェリー購入を巡ってトラブルになり、地元紙が「県が深く関与している」と責任を追及する報道を展開していたことが不出馬に至った直接の原因と言われています。 現在、地元である柏崎市・刈羽村では、新知事の元で原発再稼働の実現に向けて、大きな期待が寄せられているようです。 このように、各地で「脱原発」を標榜していた知事が、原発再稼働の大きな流れに抵抗しているものの、この流れを止めることが出来なくなっているというのが現状です。 ◆脱原発の危険性を訴え続けた幸福実現党 幸福実現党は、安全が確認された原発については、速やかに再稼働することを求め、一貫して原発再稼働の必要性を訴え続けました。 例えば「原発事故」の記憶も生々しい2012年10月の衆院鹿児島3区補選では、党公認の松澤力(まつざわいさお)候補が、選挙区内に所在し当時は稼働を停止中の川内原発について、自民党公認候補等、4人の候補者の中で唯一、再稼働を主張しました。 また、今夏に行われた参議院選挙において、柏崎刈羽原発が所在する新潟でも横井基至(よこいもとゆき)候補が、泉田知事の判断を批判しつつ、ここでも原発再稼働の必要性を訴え、多くの有権者の支持を広げました。 薩摩川内市 まつざわ力(いさお)webサイト http://www.matsuzawaisao.jp/ 新潟県阿賀野市 横井もとゆきwebサイト https://motoyukiyokoi.amebaownd.com/ ◆シーレーン確保が危うい現在、求められるのは国益の立場からの議論 すでに何回も当ニュースファイルでも訴えてきたとおり、日本は石油や液化天然ガス(LNG)等の化石燃料をすべて輸入に依存しており、その海上交通路(シーレーン)の確保が困難となる可能性が高まっています。 特に、フィリピンのドゥテルテ新大統領が、反米色を出し始めており、南シナ海海域でのアメリカの影響力が低下し、中国の覇権拡大が日本の船舶の通行の自由を脅かす可能性があります。 この事態が進むと、我が党が、何度も警告を重ねてきたシーレーンの確保ができなくなるかもしれないのです。 現在、日本は原油については80%以上、LNGについては3分の1程度を、中東からの輸入に依存しています。 これに加えて、LNGの50%程度、石炭の80%程度を、東南アジア・オーストラリアから輸入しています。 したがって、もし南シナ海が封鎖された場合には、化石燃料のほとんどが日本に輸入できなくなり、突如エネルギー危機に陥る可能性があります。 そうした意味で、幸福実現党はエネルギー資源調達の多様化を主張しており、例えばロシアとのエネルギー資源外交を積極的に展開し、一定量の原油・天然ガスをロシアから輸入し、シーレーンにおける不測の事態に備えることを提案しています。 しかし、電力については、原子力発電を有効活用することによって、シーレーンの影響をできるだけ抑え、安定供給を確保することが可能です。 各都道府県知事の判断も、地域の声を代表する立場として重要であることは言うまでもありませんが、幸福実現党は、国の安全保障を左右するエネルギー政策のような国家的課題に対しては、国益の立場からの判断が重要であることを訴えております。 今後とも皆さまのご理解をいただきますよう、お願いいたします。 沖縄県が受け取り続けている国からの補助金(振興予算)について 2016.09.04 幸福実現党・政務調査会チーフ 小鮒将人 ◆来年度の沖縄振興予算は、140億円の減額 内閣府は8月28日、来年度(平成29年度)予算案の概算要求で、沖縄振興予算について今年度の当初予算より140億円少ない3210億円を計上する方針を固めました。 第2次安倍内閣になってから沖縄振興費予算の概算要求が当初予算を下回るのは、初めての事となりました。 しかし、2016年度の沖縄県の一般会計予算が7542億円であることから、国からの振興費が40%以上を占める事となり、少なくとも、国への依存の度合が他の都道府県に比較して圧倒的に高いものであることはご理解いただけるでしょう。 ◆沖縄振興予算とは 大東亜戦争終了後、沖縄は米軍の施政下に有りましたが、1972(昭和47)年、日本政府に施政権が返還されてからは、4年毎の「振興計画」に基づいて国から「沖縄振興予算」が計上され、今まで合計約10兆円の予算が投入されてきました。 特に、橋本・クリントン会談で普天間飛行場移設の合意が行われた1996(平成8)年前後の数年間は、年間3500億円を計上、ピークとなってから徐々に減額が進み、2009年には2300億円にまで下がりました。 ところが2009年に民主党政権が誕生、移設への取り組みが粛々と進んでいたにも関わらず当時の鳩山総理が「最低でも県外移設」と主張、幾つかの候補地の視察を行い、日米関係が一気に危機に陥った局面がありました。 最終的には日米両政府の合意に至ったものの、当然、大混乱を来したのは普天間飛行場が所在している沖縄です。県民の理解を得るためにも「振興費」は再び増額の傾向を示すようになりました。 いずれにしても、「振興費」は基地問題と大きな関わりを持ってきたと言わざるを得ません。 ◆目玉としての「一括交付金」 従来型の沖縄振興予算は、主として国が定める事業を執行するための予算でありましたが、民主党野田政権下の2011年度からは「一括交付金」(年間予算1000億円)が登場しました。「一括交付金」とは沖縄振興費以外にも制度としてはありました。 今までの振興費は、港湾整備や、道路整備など、予算の目的が、明確に決められているものでしたが、この「一括交付金」はその用途の規定が、ある程度緩やかなもので、自治体の要望があれば国から沖縄県を通じて支給されるものです。 この前後の経緯を見る限り、国は普天間基地の移設合意と引き換えに、一括交付金に応じたのか、逆に国が「一括交付金」を説得の材料に使った可能性が高いと思われます。 そして、当時の仲井眞知事もこれを県民に理解を得るための一つの材料としたのかもしれません。 こうして、沖縄では基地問題が再燃すると政府からの振興費の予算が高まるという構図となってしまっており、最近の基地反対の運動も、結局振興費等、国からの補助金狙いで行われたかのような印象も与えます。 ◆振興費「増額」を求める判断は正しいのか 上記述べましたとおり、沖縄振興費は、特に普天間基地の移設に関して地元の理解を得るために増額され、今年度の予算としても支給されていますが、現在の翁長知事は、前仲井眞知事の約束を反故にし、国に対し辺野古移設の工事中止の裁判を起こしています。 これだけの反対運動を展開していながら、もう片方では「振興費の増額」を要望し続けてきたということなのです。 政治家としての信念がどこにあるのか、お金だけを一方的に要求する姿には、あまりにも身勝手な要求であり、来年度の振興費減額はいわば当たり前の判断であるとも思えるのですが、いかがでしょうか。 また、沖縄に関していうと、国防問題がさらに厳しさを増しています。尖閣を巡って、ます厳しい情勢となっています。 米国では、国内経済(雇用統計)の動向に左右されやすくなっており、ここ数か月は堅調な印象を与えるものの、まだまだ将来に不安を持っている米国民が多いもの事実です。 そうした意味で、本当に今のような沖縄県翁長県政が続くのであれば普天間飛行場だけでなく、在沖米軍がなくなる可能性が高まっています。 こうした場合、本当に自衛隊だけの防衛力で中国の脅威を防ぐ事ができるのでしょうか。真剣に国益の立場に立った判断が求められています。 ◆国益の立場から一貫して主張をする幸福実現党沖縄県本部 こうした中、さる8月21日(日)に幸福実現党沖縄県本部では、金城タツロー県本部副代表たちが中心となって沖縄県庁前等で「アジアの平和を守ろう!」デモを開催し、中国による尖閣周辺での威嚇行為の停止や、日本政府に対して台湾を国家として承認すること等を訴えました。 沖縄で「尖閣、台湾、アジアの平和を守ろう!」デモを開催! https://info.hr-party.jp/2016/3584/ そしてその様子は、沖縄県内の新聞に掲載され大きな反響を呼びました。このように、私たち幸福実現党は、国防上の大切な問題についても、立党以来7年間、一貫してその危機を訴え続けています。 ぜひ、今後とも私たち幸福実現党の活動にご理解、ご支援をいただきますようお願いいたします。 安全保障上からの、米国TPP反対論について 2016.08.21 幸福実現党・政務調査会チーフ 小鮒将人 ◆米国次期大統領候補は、いずれも「TPP反対」 去る8月11日、米国民主党のヒラリー・クリントン大統領候補は、ミシガン州で行われた経済演説の中で「もし自分が大統領になっても、TPPに反対する」との意志表示を行いました。 もう一方の共和党大統領候補である、トランプ氏もすでにTPP反対の演説を行っていたため、オバマ政権後、いずれの大統領が当選しても、米国がTPPから離脱する可能性が高まってきました。 ◆TPPの本質は「中国包囲網 」 米国は、元々国是として「自由貿易」「門戸開放」を掲げておりましたが、特に2008年のリーマンショック以降の経済危機の打開策の一つとしてオバマ政権は、TPPの推進に取り組んできました。 一方、日本では、2009年に民主党政権が誕生、当時の鳩山政権は日米同盟の危機を招きかねない幾つかの重大な判断を行いました。 まず、沖縄の普天間基地の返還問題で、決まりかけていた辺野古への移転を白紙に戻そうとしました。さらに、日中韓三国間の「FTA」協議を進め、中国との連携を深めようとしました。 「FTA」とは条約締結国の間での関税などの経済的な障壁をなくすための取り決めであり、米国から見ると日本が中国との関係強化を推進したことが、自国への挑戦として受け止め、経済上及び安全保障上の危機感を強めたのかもしれません。 この間、日米間でどのような話合いがあったのかは不明ですが、結果として日本は民主党菅政権の元で2010年に突如、TPP参加表明を行いました。この判断は、安全保障上、日本にとっては是とされるものであります。 我が幸福実現党の大川隆法総裁はTPPについて、その本質を以下のように述べています。(『ジョーズに勝った尖閣男』より) 『TPPとは、実は、「アメリカとアジアを経済的に結び、中国を外す作戦」です。つまり、TPPの本質は「中国包囲網」なのです。TPPの条項のなかには、中国がどうしてものめないものが入っています。 そこには、知的財産権の保護や人権重視、あるいは、環境保護などの概念が入っているのですよ。したがって、このTPPに、日本と他のアジアの国々が入り、さらにアメリカが入れば、実は、これで中国包囲網をつくれてしまうのです。』 『ジョーズに勝った尖閣男』幸福の科学出版/大川隆法著 https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=838 結果として、一旦は日中間の関係強化に向いつつあった日本は、本来の日米同盟強化へと戻る事になったのです。 ◆なぜ米国はTPP反対に変わったのか オバマ政権は、中国包囲網でもあり、経済成長戦略の柱でもあるTPPを推進してきましたが、来年就任する予定の次期米国大統領は「TPP推進反対」との立場を取る可能性が高まってきました。この大きな変化の原因は、何が考えられるでしょうか。 米国は2013年、オバマ大統領の演説で「世界の警察官としての役割を返上」することを明言し、世界各国に駐留している米軍を撤退させる可能性を示唆しました。 その結果、中東の混乱はさらに拍車がかかる結果となったものの、その方向性が変わるとは思えません。 現在の米国の予算の中で、オバマケア等の社会保障費を充実される代償として、軍事費削減を行う流れが止まらない事と同時に、米国民の中でも、「なぜ自分と関係のない国の為に生命を懸けなければならないのか」、という正義の観点がなくなってしまったのではないでしょうか。 現在行われている米国大統領選挙でも共和党候補のトランプ氏は、経済人としての立場から、まずは米国内の雇用が悪化しないことを優先し、特に不法移民に対して厳しい態度で対応し、TPPだけでなくNAFTA等の自由貿易圏の推進に、反対の立場を取っています。 先ほどお伝えしましたとおり、TPPは単なる自由経済圏ではなく、中国に対抗するための安全保障上の観点からも重要なのですが、トランプ氏はこの点に関連しても在日米軍の引き上げに言及するなど、東アジアの安全保障には日本に対しても自主防衛を求めることが予想されています。 オバマ政権で国務長官を務めた民主党のヒラリー氏の見解も元々は、TPP推進の立場をとるものと見られていましたが、結果として国内の雇用確保を優先し、TPP反対を表明することとなりました。 こうした米国が内向きの方向が出てきた事について、「TPPは、中国包囲網」という視点から見ると、日本にとっては危険な方向であると認識しなければならないと思います。 ◆日本は主導的な立場に立ってTPP推進すべし さて、日中間の動きでは、来週の23日~24日にかけて、習近平政権では初めて中国外相が訪日し、日中韓3国外相会談が都内で開催される見通しになりました。 しかし6月9日に尖閣周辺の接続水域に中国軍艦が初めて航行、8月に入ってからも尖閣周辺の領海に漁船や公船が連日航行するなど、中国側の挑発はエスカレートし、将来には軍事的な衝突の可能性が高まっています。 本来はこうした時こそ日米同盟の強化を進めるべきであるにも関わらず、次期米国大統領のTPP反対という意思表明は、日米同盟が弱体しかねない危険性を持っています。 そうした意味でも日本は米国に代わって主導的な立場に立ってTPPを推進し、また日米同盟の懸案となっている普天間基地の辺野古移設問題についても、政府として速やかにその実現を図り日米同盟を強化することが今後の東アジア情勢の安定には重要であります。 「おもてなしの政治」が日本を変える!――京都府、大八木みつこの挑戦 2016.04.02 文/幸福実現党・政務調査会チーフ 小鮒将人 ◆京都で活動する大八木みつこ、幸福実現党公認決定! 「育休議員」の不倫が報じられ、急遽補選が行われる事になった京都3区。私たち幸福実現党は、この選挙に大八木みつこ氏(現京都府本部副代表)の公認を決定。 京都府庁での記者会見の様子は、NHKや、地元の民放でも報道されました。 大八木みつこ 公式ブログ「おもてなしの政治を」 http://ameblo.jp/el-miko/ 大八木みつこ facebookページ https://www.facebook.com/oyagimitsuko/?ref=br_rs ◆「おもてなしの政治」とは 大八木さんは、今、「おもてなしの政治」の実現を目指しています。 それは、京都で生まれ、育ってきた経験、そしてその後オーストラリアやカナダに移り住んだ経験から、日本の良き伝統や、神仏を敬う心を大切にする事、そしてそうした心を世界に伝えることが今、日本にとって必要であることを強く感じたからです。 そのために、まずは、京都、そして日本を国際観光立国となすために活動を展開しています。 特に京都は、「訪れたい都市ランキング」で2年連続世界1位となっているにも関わらず、観光客数では、ロンドンの1/10ほどです。 観光とは「その国の光を観る」という意味なのですが、観光体制を整備すれば、もっと多くの方に「和」の心を伝えられるのではないか、と大八木さんは、訴えています。 先日、釈量子党首がいわゆる「従軍慰安婦」問題に関して、ジュネーブの国連女子差別撤廃委員会で発言し、その様子は、次のYOUTUBE動画サイトでご覧いただけます。 釈量子党首【慰安婦問題】国連「女子差別撤廃委員会」ジュネーブ報告 https://www.youtube.com/watch?v=dAuujiYTTZ0 昨年末の、いわゆる「従軍慰安婦」の存在を認めるかのような「日韓合意」など、国際的に見ても「日本の誇り」を踏みにじるような動きが依然として続いています。 幸福実現党は、特に昨年は、戦後70年の年でもあり、大東亜戦争の真実について検証を重ねつつ、「日本の誇りを取り戻す」運動を展開して参りました。 そして、その活動は様々な形で成果となっていますが、京都は、そうした日本人の心の美しさを体現した景観を持った街でもあります。 そうした意味でも大八木さんの訴えている「おもてなしの政治」は今こそ、求められているのではないでしょうか。 ◆小料理屋の若女将として消費増税の厳しさを実感 大八木さんは、現在31歳という若さで、すでに小料理屋の若女将の経験も持っています。 祖父が経営する従業員およそ20名程度の小料理屋でありましたが、赤字経営だったところを黒字にまで転換した実績をもつ中小企業経営者の顔も持っています。 当時は、ちょうど消費税が5%から8%に引き上げられた時で、やむをえず料理の値段を引き上げ、価格表示を変更するためにメニューの表やポスターを作り変えるなど、経営者の立場から大きな負担がかかるのを実感しています。 また、この増税の影響で、近隣の伝統のある会社、付き合いのある会社が次々と店仕舞いするのを見て、決して消費増税を認めてはならず、逆に消費減税こそ、今の日本にとって必要であることを実感しています。 ◆さらに国防強化の必要性も訴える そして、幸福実現党の主要政策の一つである国防強化についても、強い思いを持っています。 海外では、政治のテーマとして国防は普通に語られており、「平和」という名前の元で、国防を語ることができない現実に強い危機を感じています。 特に、京都は、大東亜戦争で大規模な空襲に遭う事がなかったと言われていますが、実は、当時の米軍は、原爆投下の候補地として考えていた事が戦後、明らかになっています。 大八木さんは、自分が生まれ育った京都、そして日本を守るために、ただ「平和」と唱えているだけではいけない、と強く感じています。 特に、今年に入ってから北朝鮮、中国による軍事的な拡張は許すことができない段階に来ています。 京都は、左翼の「平和憲法順守」に対する支持基盤が強い地域ですが、一方「おもてなしの心」が理解されているように、本来、日本の良き文化を体現している都市です。 幸福実現党は、大八木みつこを中心に、大川隆法総裁が「幸福実現党宣言」の中で『「共産党宣言」と正反対のものを目指す』と明言しているとおり、唯物論の誤りを明確に指摘しつつ、本来のあるべき政治の姿をここ京都の地で実現してまいる所存です。 「南シナ海ミサイル配備」が日本に与える重大な影響 2016.02.20 文/幸福実現党・政務調査会チーフ 小鮒将人 ◆中国が突如、「地対空ミサイル」を配備 2月16日、米国FOXニュースが、「パラセル(西沙)諸島のウッディー島に中国が、地対空ミサイル配備した」と報じ、同日、米国防当局者及び台湾国防当局者も、報道が事実であると発表しました。 「地対空ミサイル」とは、主として、飛行機やミサイル等を目標として発射されるものです。 今回、中国が配備したのは「HQ9(紅旗9)」型ミサイルと言われていますが、これは、1万メートル以上の高度でも標的にする防空システムをつくることができます。 さらに射程距離が100~200キロであることから、今回の配備により、この空域に中国が主張する「防空識別圏」入る条件が整ったと言われています。 しかし、パラセル(西沙)諸島は、ベトナム、中国、台湾の三国が領有権を主張しており、まだ解決のめどが立ってはいません。 中国が1956年以降、実効支配している領域で、このミサイル配備によって、パラセル(西沙)諸島のみならず、近隣のスプラトリー(南沙)諸島におけるフィリピンとの領有権問題にも深刻な影響を与える事になりました。 ◆米国「深刻な懸念」「次元が違う」と批判 ここ数年、中国による南シナ海の支配権の拡大は、米国オバマ政権でも大きな問題だとして、昨年9月に中国・習近平国家主席との会談の際に「南シナ海を軍事拠点化しない」という約束を取り付けました。 そして、米国側を一旦、安心させたのですが、この約束は反故にされ、米国の威信の低下を示す結果となりました。 今回も米国はカリフォルニアで、オバマ大統領を中心に、ASEAN(東南アジア諸国)首脳会議を開催し、自由主義圏の結束をアピールする事になっていた中で、「ミサイル配備」のニュースが飛び込んできたのです。 ASEAN側としても、米国が自分たちを本当に守れるのか、逆に大きな不安を与える事になりました。 今回の報道を受けて、米国は「深刻な懸念」を表明するとともに、日本の防衛省幹部も「滑走路整備とは次元が違う」と指摘、中国の動きを厳しく批判しています。 ◆ミサイル配備についての日本の影響 今回のミサイル配備について、ASEAN諸国のみならず、我が国にも大きな影響があります。 東アジアの地図を見ると、南シナ海は、「シーレーン」として、中東からの石油を積載したタンカーが通過する海域で、いわば日本の命綱に当たる部分です。 マスコミではほとんど報道されませんが、この「シーレーン防衛」こそ、日本の安全保障政策の要です。 ここを止められると、日本が世界の経済大国でいられなくなり、国家の危機を迎える事になります。 中国側もそれを理解しているために、この地域を我がものすることを戦略的な目標としているのかもしれません。 冒頭に述べたアセアン会議の共同宣言でも「航行の自由」を盛り込んだ共同宣言が採択されていますが、まさに、この海域の航行の自由を確保することが、日本にとって最重要なことです。 今回のような軍事基地化が南シナ海全域で現実化すると、中国は、日本に向かうタンカーの航行を不可能にできるのです。 そうした意味で、今回のミサイル配備は、日本にとっても重大な動きであることは間違いありません。 ◆まずは日米同盟の強化 中国の南シナ海のミサイル配備は、北朝鮮の水爆、ミサイル実験同様に、私たち幸福実現党が立党以来、一貫して危機として訴えてきたことが、現実になってきた事であります。 そして、この事態にどのように対処すべきかについても一貫して訴えてきました。一つは、日米同盟の強化です。 沖縄で「普天間飛行場移設問題」が暗礁に乗り上げ、まだ決着していませんが、こうした米国側の不信感をあおるような判断は速やかにやめて、辺野古への移設を進めるべきです。 ◆そして日本独自の国防強化 そして、「日本独自の国防力の強化」が必要です。 米国にも厳しい財政事情があり、また何といっても今後も東アジアの平和について、自分たちの事として考えてくれるのか、大きな疑問が残ります。 そうした中で、当然のことながら、自分の国は自分で守るという姿勢を進めなくてはいけません。 国防については、多くの国民の方にも理解を頂いていますが、それでも、思ったことを現実のものとするには、かなりの時間と費用が掛かります。 今回の事件は、遠いように見える南シナ海での出来事ですが、実際にわが国に重大な影響をもたらす事件として、本来は、中国に一刻も早くミサイル配備をやめさせなければなりません。 そして、我が国に脅威をあたえることが、中国軍に軍事的な大きなリスクがあることを認識させる事も大切なのではないでしょうか。 そうした意味でも、憲法9条の改正、自主防衛を視野に入れた国防力の強化を進め、東南アジアの平和に貢献していかなければなりません。 必要なのは「軽減税率」ではなく「増税中止」 2015.12.25 文/幸福実現党・政務調査会チーフ 小鮒将人 ◆我が党は、消費減税を進める政党 去る12月16日、与党間で協議されていた「2016年税制改正大綱」の全容が固まりました。 その中で、2017年4月の消費増税時に導入する「軽減税率」について一応の決着が付き、1兆円という財政規模及び、適用される具体的な品目について合意がなされました。 今回の議論では、軽減税率の線引きに、インボイス(税額票)の導入、「みなし特例」制度の新設、今となっては笑い草ですが、低所得者への現金やらプリペイドカードの給付案なども浮上しました。 しかし、こうしたドタバタ劇については、そもそも消費増税がなければ起きようがなかったものです。 我が党は「国民の負担を軽減し、自由の領域を拡大することで、経済成長とその果実である税収増を目指す」のが、経済政策の基本方針です。 そして、軽減税率については、党声明で表明したとおり「消費増税の負担減が必要というのなら、本来は、軽減税率の導入で対処するのではなく、増税自体を取りやめるべき」という立場です。 ◆「税率据え置き」となる個別品目をどう見るか そうしたことも踏まえた上で、今回の軽減税率の対象となる具体的な品目について見てみましょう。 まず、生鮮食料品や加工食品などは「生活必需品」として、これらの増税を避けることができたという意味では、8%の税率据え置きが望ましいことは言うまでもありません。 さらに、新聞・書籍関係について、新聞は「税率8%に据え置き」、書籍も「同様の方向で検討中」となりました。 新聞に対する軽減税率の適用は、財務省とマスコミと裏取引の懸念はあるものの、書籍・出版の自由が自由主義を保障する大きな根幹をなすものであることは間違いありません。 少なくとも、今回の協議の結果、この分野での増税が止まったことには賛成の立場です。 といっても、現在のマスコミのあり方そのものを是としている訳ではなく、つねに国家・国民にとっての利益をもたらすものであるか、今後も注視を怠ってはなりません。 ◆GDP1,500兆円を実現するために さて、現時点の日本経済の現状について、8日に内閣府より発表された7月~9月のGDP改定値は「年率換算プラス1.0%」でした。 昨年4月以来、GDPの値は、プラスとマイナスを行き来しており、現在の日本経済は、アクセルを踏みながらも「消費増税」というブレーキをしている状態です。 このままでは、少なくとも日銀黒田総裁がことあるごとに表明してきた「物価上昇率2%」の目標達成は、極めて困難な状況です。 しかし、それでも、プラスの結果を残したという意味では「ブレーキを踏みながらも、前進し続けている」、日本経済の底力を感じるところです。 幸福実現党は、さらなる日本経済のさらなる発展を通じて、世界のリーダーたるべき役割があると訴えています。 先般、総合雑誌「ザ・リバティ」の綾織次郎編集長による著書「GDPを1500兆円にする方法」が出版されました。 アマゾンwebサイトより http://www.amazon.co.jp/o/ASIN/4863957408/liberty0b-22 このタイトルを見ると、キャッチフレーズとして「極端な数字」を掲げたのではないか、と思う方も多いでしょう。 現在の日本は、「失われた20年」での中で、およそGDP500兆円のレベルを行き来している状態が続いてきました。この書籍では、3倍の1,500兆円のGDP達成が可能、という夢のようなビジョンが掲げられています。 実は、1990年代以降、日本が米国と同程度の経済成長を続けていたら、すでに1,500兆円のGDPが達成可能だった、という話が掲載されています。 「なぜ、米国並みの経済成長ができなかったのか」、逆に「何がその成長を止めていたのか」が、分かりやすく解説されています。これを読むと、いかに政治または官僚の経済政策が国民の財産を奪い取り続けてきたのか、ということが実によくわかります。 そして、1500兆円という数字は、本来、達成していなければおかしい数字であったことを感じます。 例えば、消費増税の中での「年率換算プラス1.0%」というGDP値について述べましたが、仮に、増税ではなく、減税を行うことによってこのプラスがさら2%、3%とさらに大きな数字になり、米国並みの成長を取り戻せたということは間違いありません。 さらに、リニアなどのインフラ整備、未来産業の立上げなどを国家が主導することで、この成長率を高め得ることが可能となるのです。 このように、まず「ブレーキ」となって成長を妨げている部分を取り除き、更には、アクセルとなる部分を強化することが必要なのです。 そのためにも、今回の軽減税率について、一部の重要な品目について、増税を回避できたという意味では賛成ですが、本当に必要なものは、消費減税であり、世界経済のリーダーとしての日本のさらなる経済大国としての国家ビジョンであるのです。 習近平は、毛沢東が「親日」だったことを知っているか【後編】 2015.12.09 文/幸福実現党・政務調査会チーフ 小鮒将人 ◆毛沢東が持っていた「歴史認識」 今回は、書籍「毛沢東」(遠藤誉著/新潮新書)より、毛沢東の「歴史認識」が現在の中国や韓国の指導者と全く異なることを幾つかの事例を通じて、お伝えいたします。 (1) 1956年9月、元日本陸軍の遠藤三郎元陸軍中将が、北京で毛沢東と会談した際に、以下のような言葉を述べたことが書籍「廖承志と日本」に記録されています。 「日本の軍閥がわれわれ(中国に)進攻してきたことに感謝する。さもなかったらわれわれは今まだ、北京に到達していませんよ。」 (2) 1961年1月、社会党の国会議員との対談でも、以下のような言葉を語っています。(「毛沢東外交文選」より) 南郷三郎氏と会ったとき、(南郷氏が)「日本は中国を侵略しました。お詫びのしようもない」と言いました。 私(毛沢東)は「あなたたちは、そういう見方をすべきではない。日本の軍閥が中国のほとんどを占領したからこそ、中国人民を教育できたのです。さもなかったら、中国人民は覚悟を抱き団結することができなかった。」 「そうなれば私は今もまだ山の上にいて、北京で京劇を観ることなどできなかったでしょう。(中略)もし、感謝という言葉を使うなら、私はむしろ日本の軍閥にこそ感謝したのです。」 さらに、1964年、社会党の訪中時にも、ひたすら謝罪の言葉を重ねる社会党議員に対して、毛沢東は同様に、日本軍への「感謝」を表明しているのです。 ◆「南京大虐殺」について一度も触れた事がない さて、「毛沢東」(遠藤誉著/新潮新書)では、毛沢東と「南京大虐殺」についての関連についても触れています。実は、毛沢東は、一度も「大虐殺」に触れたことがないのです。 「少なくとも毛沢東は新中国が誕生した後、そして彼が生きていた間、ほぼひとことも『南京大虐殺』に関して触れたことがない。教科書でもほとんど教えたことがないし、何か人民に向けたスピーチなどで取り上げたこともない。」 「毛沢東」を尊敬し、見習っている習近平氏は、ぜひこの部分に注目していただきたい。 プロパガンダのプロでもあった毛沢東が全く触れなかったというのは、実際に起こっていなかったからです。 その説を裏付けるデータがここに掲載されていました。 中国共産党の機関紙「人民日報」に「南京大虐殺」という言葉が何回でてきたのか、実際に調査した方が香港に居たそうです。その結果、 1946年~1960年 21回 1961年~1982年 0回 1982年~2105年 835回 1946年の第1期に掲載されたのは、東京裁判のテーマになったからであろうと推測されます。 しかし1982年以降の数字は常軌を逸しており、やはり何らかの政治的な意図があったものと推測せざるを得ません。 その「南京大虐殺」を大々的に宣伝したのが江沢民です。 ◆江沢民の父は親日政権の元宣伝部長 江沢民はなぜ、これほどまでに反日の姿勢をつくろうとしたのでしょうか。 一つの説得力のある話として、彼の父親が大東亜戦争当時の汪兆銘政権で宣伝部長を行っていたということが大きいと言われています。 汪兆銘政権は毛沢東、蒋介石とは異なり、親日政権として東條英機首相が主導した大東亜会議にも中国代表として参加しました。 江沢民氏はそうした親日のレッテルが自らの政治生命を危うくするものだと感じたのかもしれません。いずれにしても、結果として、江沢民の時代から異常な反日教育が始まっているのです。 ◆習近平は、ユネスコ遺産登録を速やかに取り消すべし 毛沢東は、明確に「南京大虐殺」に触れたことは一度もありませんでした。 彼は、表向きだけでも日本軍と戦った当事者で、本来、彼こそが民族の悲劇に対して主張すべき立場にいた人間であります。 現在、「毛沢東主義」を掲げ、国家の近代化を遅らせようとしている習近平国家主席には、以上のような事実をしっかり認識し、南京大虐殺について述べたことがない毛沢東を見習って、ユネスコ世界記憶遺産の登録取り消しを速やかに行うことを勧める次第です。 参考図書:「毛沢東」遠藤誉著/新潮新書 習近平は、毛沢東が「親日」だったことを知っているか【前編】 2015.12.05 文/幸福実現党・政務調査会チーフ 小鮒将人 ◆書籍「毛沢東」出版の衝撃 2015年11月、遠藤誉著「毛沢東」(新潮新書)が出版されました。 著者は、1941年(昭和16年)中国吉林省長春(元満州国新京市)生まれ、国共内戦を経験し、1953年日本に帰国、現在は、東京で大学の教鞭をとっており、自らの経験を数冊の書籍にまとめています。 この書籍の中では、中華人民共和国建国の父である毛沢東について、我々日本人があまり知る事のない事実が記載されています。 一部は、著者の推測があるものの、筋を立てて確認すると、非常に説得力があり、日中双方にとって衝撃的な内容です。 今回は、その書籍で日本との関わりについて重要な部分についてお伝えいたします。 ◆明治維新へのあこがれが強かった 毛沢東は、清朝西太后の時代、1893(明治26)年、富裕な農家に生まれました。 当時、清は、欧米の帝国主義によって、その広大な領土が蚕食されつつあり、国家の危機の時代でした。 毛沢東は、幼少時から強い学問への情熱を持ち、様々な書籍を読み漁るうちに、この危機を乗り越えるためには、日本の明治維新の「富国強兵」を手本にすべし、と強く感じました。 たとえば、故郷を離れる際に父親に送った漢詩は西郷隆盛の逸話に関するものでありました。 また、宮崎滔天が湖南省に演説に来たときにも、その演説に感激、さらに日本への尊敬の念を強めたと言われています。 ◆中国共産党の立党から大東亜戦争まで さて、この書籍では、毛沢東及び中国共産党の党史が分かりやすく記載されています。 実は、ソ連(コミンテルン)は、マルクス理論に基づき、「労働者による革命」を欧州で実現しようと画策しますが失敗に終わり、その矛先を中国に集中的に絞りました。 中国共産党は1921年に立党しますが、これはコミンテルンのおぜん立てによるもので、実際のところ、ソ連の傀儡でした。 当時、清朝を倒した孫文の国民党とは天地ほどの差があり、政治勢力として対抗できる力は全くありませんでした。 そこで、ソ連(コミンテルン)は「やどかり理論」と称して「国民党との共同歩調(国共合作)」を指示しました。 孫文の考えは共産革命の理論とは正反対で、共産党は当初、全く相手にされませんでしたが、ソ連が国民党に協力することを伝えることで、最終的に合意しました。 しかし、共産党がその勢力を拡大し、力を付けてくると、国民党から分離し、独自の「国家(中華ソビエト共和国)」を建設し、国共内戦が始まります。 当時は国民党が圧倒的に有利であったために、毛沢東はただ逃げるしか方法がありませんでしたが、ここで「救い」がやってきます。日本軍との戦いが始まったのです。 「盧溝橋事件」がきっかけとなり、日中間の戦争が始まりますが、実際はコミンテルンの謀略だったという説も根強くありますが、いずれにしても、「中国」は日本との戦争がはじまり、再び「国共合作」によって、毛沢東と蒋介石は手を組むことになります。 しかし、毛沢東は原則、日本軍との戦いを厳禁します。それは、国民党と日本とを戦わせることで、国民党軍を消耗させるためであったのです。 やがて米国も対日参戦し、大東亜戦争の開始という状況になりましたが、こと中国国内に焦点を当てると、実態は「日本軍と国民党軍」との戦いでした。 共産党側は高みの見物という図式で、終戦まで共産党は、徹底して日本軍との戦いを避けました。 ◆日本陸軍の将官を北京に招く 大東亜戦争終了後、再び国共内戦が始まります。その中で、毛沢東、蒋介石双方が、日本陸軍の力を活用したいとの思惑がありました。 書籍「毛沢東」では、元支那派遣軍総司令官の岡村寧次大将を特に毛沢東が、熱烈に待ち望んでいる様子が描かれています。 岡村大将は、大東亜戦争の「大陸打通作戦」で、中国(国民党)軍を徹底的に破った名将でした。 彼は、終戦後、蒋介石の演説に感動して、記憶後「白団」を組織し、台湾の大陸奪還の助力をします。 毛沢東には、彼の力が無視しがたいほど大きなことを認め、突如数回にわたり、「旧日本陸軍の軍人」を北京に招きます。 実は、本音として招きたかったのは、岡村大将でした。しかし彼は、蒋介石に強い恩義を感じていたため、北京政府に詣でるようなことは決してしませんでした。 しかし、こうしてみる限り、毛沢東率いる「中華人民共和国」は、一貫してそのターゲットを「中華民国」に定めており、おそらく日本軍との大規模な会戦を戦ったことはほとんどなかったことが伺えます。 現在の「中華人民共和国」の習近平主席にはこうした歴史認識を持っていただきたいものです。 幸福実現党の「経済政策集」発売――これで「GDP600兆円」は達成可能! 2015.11.07 文/幸福実現党・政務調査会チーフ 小鮒将人 ◆生きた経済が学べる「テーマ別政策集」発売! 幸福実現党は、多くの国民の支持を頂きながら、立党6年を迎えていますが、その折々に必要な議論を重ねていく中で、幅広い政策を積み重ねて参りました。 その中で、現時点の政策を分かりやすくまとめたものが「テーマ別政策集」です。この度、その第3、第4弾として「金融政策」「未来産業投資/規制緩和」(大川裕太著)を発表しました。 幸福実現党テーマ別政策集 3 「金融政策」(大川裕太著) https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=1570 幸福実現党テーマ別政策集 4 「未来産業投資/規制緩和」(大川裕太著) https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=1571 この書籍は、わかりやすく「金融政策をワシづかみ」し、「大学生から主婦まで幅広く生きた経済学が学べる」ものです。 ◆先行きが見えない時代に さて、2015年は日本のみならず、世界規模で経済の先行きが見えない時代になりました。 GDP第1位の米国は、中央銀行FRBのジャネット・イエレン議長はじめ、複数の理事がドルの利上げについて「12月の実施」に言及し、現実味を帯びてきました。 またここ数年、世界経済をけん引してきた中国は上海株式の大幅な下落によって、バブル経済の様相を呈しています。 中東やロシアを中心とする産油国には、原油価格が大幅に下落したことで、経済危機の可能性が出ています。 さらには、欧州経済の勝ち組と見られていたドイツがフォルクスワーゲンのガス排出に関わる不正操作によって、大きな打撃を受けると見られています。 このように、今までの世界経済で好調を維持してきた各国が、ひとつ踊り場に差し掛かってきたという状況で、日本以外の国の状況も決して見通しがよいわけではないのです。 ◆「GDP600兆円」と「賃上げによる消費増」60兆円? 安倍政権はアベノミクスの着地の一つとして「2020年度のGDP600兆円」を打ち出そうとしています。 また、政府から驚きの発表が行われました。「賃金アップによる景気効果」60兆円というものです。 確かに安倍政権は、一貫して企業に対して「賃金アップ」の要請を続けてきました。本来、こうした主張は、社会主義思想に基づき労働組合が訴えてきたことです。 自民党も自由主義的な考えからの変化が起きたのか、あるいは元々、安倍総理がそうした考えをもっていたのかは定かではありませんが、いずれにしても「三本の矢」の目玉の一つとなっています。 国の判断によって賃金が決まるという世界は社会主義そのものなので、「マイナンバー制度」の動きと合わせて、危険な流れが出ていると言わざるを得ません。 ◆「希望」がぎっしり詰まっている政策集 このように、政府も本音では社会主義的な傾向を帯びながら、何をしたらよいのかが分からないという中、今回発売された「テーマ別政策集」には、日本が繁栄を実現するための政策がぎっしり詰まっていることが分かります。 一例として挙げるとすれば、 ・リニア新幹線の早期着工 ・航空産業の可能性について ・宇宙産業 ・防衛産業 ・都市開発 ・防災対策 ・生涯現役を支える産業 ・ロボット産業 ・農林水産業の技術革新 ・繁栄のための具体的な規制緩和 個別の政策については、すでに当ニュースファイルでもたびたび掲載してきましたが、このような取り組みを政府が本気になって行えば、600兆円は、簡単にやってのけることが可能です。 例えば、リニア新幹線について、東京~大阪間の総工費はおよそ9兆円、しかもJR東海独自の資金で着工と言われていますが、安倍政権は2012年度の補正予算だけで10兆円超を地方へのバラマキに使っています。 これも国家レベルで本気になってとりくめば、実現が可能なのです。こうした明るい未来をイメージできる政策が盛りだくさんの内容となっています。 しかも、この政策集には、お一人お一人が疑問に思うことにも、分かりやすく答えていますので、知人に幸福実現党の政策を広げたいという方にも最適の内容となっています。 ◆世界の繁栄を牽引する日本の経済力 今回、安倍政権は達成の期限を2020年としていますが、幸福実現党は、そうした目標をはるかに超え、まずは「GDP世界第2位の奪還」、さらには「GDP世界1位」を目指していくことを訴えています。 日本など先進国は少子高齢化社会という課題に苦しんでいますが、一方、発展途上国は、今後も人口増加が問題で、世界はやがて人口100億人時代がやってきます。 この時代に人類がエネルギー・食料の心配なく日々の活動を展開するためには、世界全体で更なる経済成長が必要となってきます。しかし一方、世界経済は当面は混とんとした状態が続くと思われます。 日本も先行きが明るいとは決して言えない状態であるものの、少なくとも消費増税を中止し、上記のとおりに訴えてきた未来産業を国家として取り組むことで、世界の繁栄を担うことができるのです。 いや、それ以上に日本にそうなってほしい、と期待している国家も多いのです。 今年、戦後70年を迎える日本はまだ自虐史観に苦しんでいるかのように見えますが、この誤った考えを払拭し、世界のリーダーとしての自覚と責任を持ってこの繁栄を担っていくことが必要です。 ぜひ、皆さまには、私たちの掲げる方向にご理解をいただきますよう、お願いいたします。 1985年、トルコ政府がイラン駐在の日本人を救った理由 2015.10.24 文/幸福実現党・政務調査会チーフ 小鮒将人 ◆イラク・フセイン大統領が突然、「48時間後に撃墜宣言」! 前回は1890年、紀伊半島沖で発生したトルコ船の海難事故、そしてその救助に当たった日本人の対応に、多くのトルコ国民が感動をしたエピソードをお伝えしました。 今回は、映画「海難1890」に関して、事故からおよそ100年後、1985年(昭和60年)に中東テヘランで実際に起きた出来事についてお伝えいたします。 1985年当時、中東ではイラン・イラク間の戦争が長期化していました。当時、石油ビジネス関連の商社マンを中心に約二百数十名人がイランの首都テヘランに居住していたと言われています。 さて、イラクのフセイン大統領は、戦争の膠着状態を打破する事を意図したのか、1985年(昭和60年)3月17日、突然、以下のような宣言を公表しました。「今から48時間を過ぎれば、イラン上空を通過する全ての航空機を無差別に攻撃する。」 日本人を含め、テヘラン駐在の外国人にとって、この「宣言」は寝耳に水でした。諸国の駐在員は、制限の期日までに帰国の途に就こうとします。 しかし、当時、日本・イラン間の航空便が就航していない日本人には、帰国の手段がありません。駐イラン大使は日本政府に対して緊急に、飛行機の手配を依頼しました。 ◆日本政府が日本人を救出できなかった理由 依頼を受けた日本政府(当時は中曽根首相・安倍外務大臣)は、まず自衛隊機の派遣を検討しましたが、自衛隊法の制約で海外に飛ぶことが不可能ということが分かりました。 [その後、自衛隊法は改正され、現在では同様の事態が発生した時には、自衛隊機による救助は可能] そこで、直ちに日本航空に臨時便を要望しました。 イラン行きを志願するパイロットも出て、順調に出発する準備が進められたのですが、なんと、当時の労働組合が「乗務員の安全が確保されない状態では出発できない」という理由で、出発を拒否したのです。 戦争の中、しかも48時間後には撃墜される可能性がある危険な空域を飛ぶことには、大きなリスクがあります。 組合としての判断は「安全第一」というものでしたが、これも戦後一貫して「平和憲法」を奉じてきたために、リスクを冒すという発想がなかったのかもしれません。同じ日本人として、実に残念な判断でした。 ◆頼みの綱、トルコの判断は? イランに駐在する日本人達が脱出する手段は、他の国の力を借りるしか手段が残されませんでした。 それも極めて望みの薄いもので、時間がどんどん経過していく中、日本人たちの絶望がいかに大きなものであったのかが推測されます。 まず、欧米諸国の航空機会社に依頼して、一人でも多くのチケットの確保を目指しますが、相手は欧州人優先の判断で、ごくわずかに入手できたにすぎませんでした。 そこで、当時の野村豊駐イラン大使は、最後の頼みとして、トルコのビルレル大使を訪れ、トルコ政府に緊急便の依頼をしました。当時イランには、600人あまりのトルコ人がおり、とても日本の支援ができる状態ではなかったので、もともと諦めていたのです。 一方、トルコ政府に対しても、「商社」のルートを通じて、当時のオザル首相にも同様の依頼を行いました。日本人にとっては、ほとんど可能性のない希望でした。 しかし、トルコ側は、日本人が直面した事態の深刻さを理解し、直ちに臨時便の手配を承諾したのです。 その時にトルコのビルセル大使が日本を助ける理由として語った事が、「これは、エルトゥールル号の恩返しなのです」というものでした。 トルコでは「エルトゥールル号の海難事故」については、教科書にも掲載されるなど、100年前に日本人が心を尽くしてトルコ人を救助した逸話を忘れていなかったのです。 そして、先人たちが日本から受けた恩を返す機会だと、快く救助の手を差し伸べてくれたのです。 このように、トルコ政府の決断によって、「緊急の」旅客機1機が出発しましたが、1機だけでは、すべての日本人を救助することができないことが分かりました。 そこで、トルコ側は、もう一機の「定期便」も、日本人のために使ってもらう事を提案しました。 当時、イランに駐在していたトルコ人は、自らが乗り込む予定だった飛行機を諦め、自動車に分乗して、母国トルコに向かったのです。 かれらもこの決定について、「100年前の恩を返そう!」と一致し、ほとんど異論は出なかったと言われています。 このトルコによる救助によって、制限時間以内に、帰国を希望する全ての日本人が無事に日本に帰ることができました。 国際政治の判断には、国益と国益とのぶつかり合いの中で、冷徹な判断が求められるものですが、今回のエピソードのように魂と魂がふれ合う温かみがあることも分かりました。 そうした意味で、日本人として、先人たちの偉業を再認識し、日本人としての誇りを取り戻す一方、日本人を誇りに思っている国もあることを忘れない事も大切だと感じました。 すべてを表示する « Previous 1 2 3 4 … 9 Next »