Home/ 川辺 賢一 川辺 賢一 執筆者:川辺 賢一 幸福実現党茨城県本部代表(兼)政務調査会経済部会長 近づく解散総選挙――今、求められる「新しい保守の受け皿」 2017.09.14 近づく解散総選挙――今、求められる「新しい保守の受け皿」 幸福実現党茨城県本部代表(兼)幸福実現党政務調査会経済部会長 川辺 賢一 ◆北朝鮮脅威により強まる早期解散説 加計学園問題で支持率を落としていた安倍政権も、内閣改造により6P程度、支持率を回復させました。 さらに8月29日の北朝鮮によるミサイル発射や続く核実験等、高まる北朝鮮脅威により、安倍政権の支持率が若干押し上げられ、同時にトリプル補選に合わせた早期解散を求める与党議員の声も強くなっております。 一見、安倍首相の解散権は金正恩に握られているかのような状況ですが、「トランプも先制攻撃をできないだろう」と高を括って挑発行為を繰り返す金正恩に対し、「かといって金正恩も先制攻撃はできず、緊張の長期化は避けられない」として、安倍首相が9月25日以降に解散する可能性は十分あります。 対する野党民進党は、共産党との選挙協力に否定的な前原氏が新しく代表に就任したものの、比例代表で復活当選したゾンビ議員の離党まで相次ぎ、「ニュー前原」への期待は尻すぼみ。 しかし国民は今の自民党政治の延長を望むのでしょうか。 「権力は必ず腐敗する。絶対権力は絶対に腐敗する」とは英国の思想家、アクトン卿の言葉ですが、すでに7月の都議選で自民党の大敗が示したように、権力の驕りに対する審判は下っているのです。 今、必要なのは、旧・社会党路線を引きずった野党でもなければ、一強多弱の政治情勢の中で驕りを深める与党でもなく、自民党に対して是々非々で議論・批判し、腐敗を正すことができる「新しい保守の受け皿」です。 ◆アベノミクスは成功か、失敗か 選挙の争点については、今月5日、自民党の石破元幹事長が2019年10月予定の消費税引き上げ判断が次の衆院選の最大のテーマになると発言しています。 経済を最優先課題とする安倍政権のスタンスを踏まえれば、アベノミクスの成否、そして消費税を最大のテーマに解散をする可能性は高いでしょう。 石破元幹事長の発言では「単なる嫌なことの先送りでは、国家は滅びる」として、まるで夏休みの宿題を先延ばしにする子供を母親が諫めるような顔をして釘を刺しておりますが、増税はアベノミクスが当初目指していた「デフレ脱却」や「経済成長」と矛盾するというのは経済学の基本中の基本です。 安倍政権は、当初目指していたとおり「デフレ脱却」や「経済成長」を優先するのか、それとも「増税」「財再建至上主義」を優先するのか、それとも中途半端に同時に進めるのか、一体何を目指しているのか、明確な言葉で説明して欲しい。 当初、2年でデフレ脱却・インフレ2%達成と言っておきながら、いまだ達成できず、アベノミクス失敗の理由は、途中で消費税5%から8%に引き上げたからです。 安倍政権は失敗を認め、総辞職をし、幸福実現党が訴え続けてきたように、まずは消費「減税」をして、経済全体の6割を占める消費の活性化を目指すべきです。 そのための財源は国債発行で事足りるのであって、安倍政権が進めたように法人税の減税分を他の増税で埋めようとすれば、結局、経済全体でみれば、減税による景気効果が相殺されてしまうのです。 ◆改憲勢力の一翼を担う「新しい保守の受け皿」として また、北朝鮮の脅威が高まっている今、次の衆院選では、安全保障や憲法の議論から逃れることはできません。 安倍政権は憲法九条の1項・2項に加えて3項に自衛隊を明記した草案を作成しようとしています。 確かに、これならハードルも低く、自衛隊の違憲状態を解消できて、また、これまで通り、具体的な危機に対しては、解釈を広げて当面、対応できるかもしれませんし、「専守防衛」も拡大解釈が可能な概念です。 しかし字句通り読めば自衛戦争も認められず、さらに「戦力不保持」「交戦権の否認」を謳った2項を残したまま、自衛隊の存在を憲法九条に埋め込んでも、「自衛隊は一体何なのか」という根本問題は解消されません。 これでは軍隊ではない自衛隊が軍隊であるかのように振る舞い続けることに変わりはなく、法治国家の優等生のような顔をしながら、国家自ら法を欺き、遵守もできない法を建前として、コソコソ生きる、国民・政府がそろって腐敗を奨励しているようなものです。 私たちはこうした自民党に代わって、改憲勢力の一翼を担い、新しい保守の受け皿となるべく、しっかりと国民の皆様の声を受け止めていきたいと思っております。 水素社会に向けて――課題と展望、そして光合成 2017.07.22 水素社会に向けて――課題と展望、そして光合成 幸福実現党茨城県本部代表・茨城第一選挙区支部長・政務調査会経済部会長 川辺賢一 ◆水素の魅力 水素は、“究極のクリーン・エネルギー”として90年代から注目を集め、2014年に政府のエネルギー基本計画で方針が示され、同年12月にはトヨタが水素で作った電気で走る燃料電池車としてMIRAI(ミライ)の販売を開始し、水素社会への期待は日に日に高まっております。 最近では、ホンダの燃料電池車クラリティをタクシーとして導入するとして帝都自動車交通が発表(7/4)。 またトヨタや東芝、岩谷産業、神奈川県等が水素社会に向けた環境省委託の実証実験に参加すると発表(7/12)。 内容は、風力で発電した電力で水素を作り、それを貯蔵・圧縮してトラックで運び、近隣の倉庫や工場で稼働する燃料電池フォークリフトに供給するというプロジェクトです。 では水素の魅力と何でしょうか。 例えば、水素と酸素の結合により発電する燃料電池では、発電の際に熱と水しか排出されず、有害ガスや温室効果のあるCO2を放出しないため、クリーンなのです。 クリーンな車として先行する電気自動車は充電に時間がかかる上、満充電でも航続距離が限られるところ、燃料電池車は数分で水素を補給でき、航続距離も比較的長いのです。 また発電の際に同時に放出される熱も利用して給湯を行うエネファーム(家庭用燃料電池)の利用も進んでおります。 しかし何より水素の魅力は、例えば水が地球上に無尽蔵に存在するように、宇宙一多く存在すると言われる水素原子(H)からなる物質である点です。 水素を自由に利用できる社会の実現は、日本にとってエネルギー安全保障上も悲願なのです。 ◆課題 ただし現状、水素社会に向けては多くの課題もあります。 まずは輸送や貯蔵の問題です。 水素はかさばるため、ガソリンならタンクローリーで20〜25t運べるのに、水素は20気圧に圧縮しても0.06t程度しか運べません。 また液化して運ぶ場合、蒸発損が多く、天然ガス・タンカーで蒸発損が1日0.6%のところ、液体水素はその5倍の3%以上だとされます。 貯蔵に関しても同様の困難が伴い、水素社会実現のためには、より高度な断熱材の開発等、周辺技術の開発も同時に進めなければなりません。 しかし最も重要な問題は、水素の製造です。 現状、最も経済的な水素製造方法は、天然ガスの改質ですが、水素を作るのに天然ガスを使うなら、天然ガスをそのまま使った方が良いでしょう。 また、水の電気分解という方法もありますが、これも水から水素を取り出すのに、電気エネルギーを要するので非効率です。 他には、石炭を加熱し、その際、発生するガスに含まれる水素を利用する方法もあり、今まで需要が少なかった低品位炭を利用する点で優れていますが、化石燃料由来のエネルギーを投入しなければならないことには変わりありません。 こうした点から米テスラ・モーターズのイーロン・マスク氏は「燃料電池車は馬鹿げている」とし、太陽光で発電し、電気自動車を走らせるのが理想だと語ります。 ◆水素を自由に取り出す技術の開発を それでも私たちは水素の夢を諦めるべきではありません。 水素技術の革新は、エネルギーにとどまらず、私たちの生活に欠かせない化学工業においても革命的技術となるからです。 例えば水素と一酸化炭素の混合ガスである合成ガスを反応させれば、ガソリンを始め、オレフィンやメタノール、またそれらの誘導により、化学製品や建材、あるいは窒素との結合で化学肥料も作れるのです。 私たちが水素を自由に取り出す技術を手にした時、いわば水素はあらゆる物質・エネルギーに変換可能な通貨となるのです。 そこで注目すべきは、植物の光合成であり、それを人工的に行う人口光合成の技術です。 植物は太陽光と水から水素と酸素を作り、その水素と大気中の二酸化炭素から炭水化物を作ります。 この光合成を人工的に行う技術こそ、水から自由に水素を取り出し、水素をエネルギーに、または、あらゆる物資に変換する究極の循環型エネルギー社会=水素社会を創る鍵なのです。 そのためには、燃料電池車の普及や水素ステーションの整備のみならず、人口光合成を始め、水素の製造方法に関して、基礎研究の助成を推進すべきです。 こうした未来産業の種を官民で育て、予算の代わりに報告義務で研究者を縛るのではなく、自由に研究できる環境を整えるべきなのです。 オートパイロットで未来へGO! 2017.04.06 オートパイロットで未来へGO! 幸福実現党茨城県代表・茨城第1選挙区支部長 川辺賢一 ◆2020年代の実現に向け、動き出す各社 今月4日、独ダイムラーと独ボッシュが、運転手のいらない完全自動運転車の開発で提携し、2020年代始めに市街地を走行できる自動運転タクシーなどを市場に投入できるようにすると発表しました。 また昨年末には、本田技術研究所と米グーグル(の親会社アルファベットから独立したベンチャー企業ウェイモ)が完全自動運転技術の開発に向けて共同研究を検討すると発表し、業界に電撃が走りました。 ちょうど同じ頃、米アップル社が国家道路交通安全局に宛てた自動運転に関する書簡の内容が公開され、これまで極秘計画とされていた「プロジェクト・タイタン」と呼ばれるアップルの自動運転と電気自動車の開発計画の一部が表舞台に初めて現れました。 さらに2016年1月には、トヨタが人工知能の研究開発を進めるため、トヨタ・リサーチ・インスティチュート(TRI)を米シリコンバレーに設立し、CEOにはDARPA(国防高等研究計画局)出身で、ロボティクスの世界で最先端のプロジェクトを担当していたギル・プラット氏を起用しております。 このように、ここ数年、旧来の自動車メーカーやIT大手が自動運転の研究開発・実用化に向け、本格的に動き出しております。 こうした時代潮流のなかで、日本政府も内閣府主導「戦略的イノベーション創造プログラム」の一環で、自動運転・自律走行の早期実現に向け、国交省・経産省・総務省・警視庁が日系自動車メーカーを巻き込んでの総力体制で取り組もうとしております。 政府や自動車メーカーが自動運転に取組む理由としては、(1)交通事故の削減、(2)環境負荷の軽減、(3)渋滞緩和による経済活動の緩和であり、とりわけ高齢化が進み、高齢者ドライバーの事故率が高まる日本においては、交通事故の削減が最重要の課題となります。 ◆国の支援と法整備の必要性 自動運転の歴史は古く、1939年のニューヨークで開催された万博で21年後の未来としてゼネラルモーターズ(GM)が未来交通の姿として部分自動運転車が展示され、さらに1956年には完全自動運転車のコンセプトがGMによって映像で発表されております。 しかし、1939年に20年後の未来交通として提案された部分自動運転の量産化は、メルセデス・ベンツ始め、2010年代になってようやく一部の大手メーカーによって実現したに過ぎません。 実際、自動運転に対する自動車メーカーの熱気は1950年代をピークに下がり、再び盛り上がったのは2000年代に入ってからだったと言われます。 この50年のブランクを一気に破るきっかけとなったのが、2004年、米国防総省の高等研究計画局DARPAで企画された優勝金2億円の無人カーレースです。 ロボット工学エリートたちが競技に臨んだものの、第1回大会で完走したチームはゼロ、第2回目から完走車が続出し、2007年の3回目で大会は終了しましたが、大会にチャレンジした多くの研究者たちがロボティクス・人工知能の研究開発に取り組むIT大手やベンチャー、自動車メーカーに就職し、こうしたDARPAの取組みが直接、現在世界各地で活発化している自動運転の実用化に結び付いているのです。 このように、国はいつも未来を創る意志を明確に持ち、資金を適切に投入するのみならず、研究者たちの意欲に火をつけるチャレンジングな競技等、面白い企画を常に考え続けるべきです。 また自動運転の早期実現に向けて、国は法整備を急がなければなりません。 特に運転手がハンドルに手を触れる必要もない、完全自動運転車が事故を起こした場合に、誰がどのように賠償するのか、保険はどうするか、あるいは自動運転車がハッキングされて、ブレーキ・アクセル・ハンドリングを外部からコントロールされた場合にどうなるか、といった問題です。 また、現在実用化されている部分的な自動運転においては、ミリ波レーダーや赤外線レーザー、光学カメラ等を組合わせてセンシングを行い、アクセル・ブレーキ・ハンドリングを制御しますが、完全自動運転のためには、物や人を一方的に車がセンサで認識するだけでなく、車と車、あるいは車と道路が双方向に情報を交流させる通信インフラ、企業間を超えた規格を作っていく必要もあります。 ◆オートパイロットで未来へGO! 自動運転、オートパイロット・システムが実現すると、どんな未来になるでしょうか。 例えば、スマートフォンで現在地を入力すると、自動運転車がやって来ます。 行きたい場所を伝えると、衛星測位システムだけでなく、付近を走る自動車からも情報を取り合って、最も渋滞の少ない経路を探索します。 隣を走る車の情報から最適な車線まで選び取り、最良の燃費効率を実現する適切なアクセルワークと安心安全なクルージングで目的地まで連れて行ってもらいます。 そしてその時々の需給を反映した料金を支払いますが、自動運転タクシーは供給過剰のため、人が運転するタクシーより4割程度、安くなります。 自動運転車の所有者は、自動車を使わない時間帯、ライドシェアリング仲介業者に車を貸出し、自動の白タクシーとしてお金を稼いでもらいます。 また、思い切り運転を楽しみたい時は、オートパイロット・システムを停止させますが、急なカーブに差し掛かる前に最適な速度が画面に表示され、危険を察知すると、自動ブレーキ、自動ステアリングが作動します。 ほとんどの車は環境に優しいクリーンな燃料電池車や電気自動車、ハイブリット車に代わり、喘息で苦しむ人も少なくなります。 こうした安全で環境に優しく、楽しいカーライフを始め、幸福実現党は豊かな未来社会を実現すべく全力で取り組みます。 21世紀、日本の宇宙計画【3】――月と火星に植民都市を 2017.02.18 幸福実現党・茨城県本部代表/茨城第1選挙区支部長/経済部会 川辺賢一 ◆新しい宇宙輸送手段の確立を 前回はフロンティアが消失した地球において、人類は生き残りを図るためにも、多惑星間をまたいで活躍できるようにならなければならないこと、また、そのためには現状のロケットには限界があり、プラズマ推進を始め、次世代ロケットの開発を進めていく必要があることを述べました。(参照: http://hrp-newsfile.jp/2017/3069/) しかし、果たして今の延長線上に、人類の宇宙進出のための橋頭堡として、今世紀中に月や火星に植民都市建設を進め、100万人規模の移住や自立的な文明を建設することは可能なのでしょうか。 現在、私たちが宇宙に行く手段はロケット打ち上げに限られておりますが、ロケットに頼り続ける限り、人や物資の大量輸送は困難で、高コストで、例えば小惑星に希少物質や鉱物資源があっても採って返って来るだけの費用が経済性に見合いません。 「常識は疑うためにある」と過去の哲人が語ったように、私たちはロケットを使わずに、宇宙に行く方法も考えなければなりません。 ロケット以外に宇宙に行く方法としては反重力推進装置や地上からのビーミング推進等、様々なアイディアがあり、どれも研究は進めるべきですが、現在の技術の延長線上に実現可能なアイデアは、宇宙エレベーターです。 ◆日本で始まった宇宙エレベーターの宇宙実験 宇宙エレベーターとは、地表(海面)と宇宙をケーブルでつなぎ、そのケーブルに沿ってクライマーといわれる乗り物を上下させ、地上から宇宙空間に人や物資の大量輸送を、しかもロケットに対して95%以上も割安の費用で、可能にするシステムです。 なおクライマーを昇降させる際に要するエネルギーについては、パワービーム、つまり電波やレーザーによって電力を送ります。 大手建設の大林組の計画では、宇宙エレベーターのケーブルは全長10万km。 ケーブルに対しては、高度3万6千kmの静止軌道を基点として、それより地球側は地球の引力で内側に引っ張られ、それより宇宙側は遠心力で外側に引っ張られる力が働きます。 この潮汐力に耐えられる強くて軽い素材が今までなかったために、宇宙エレベーターは長い間SFの域を出ない壮大なフィクションでしたが、1990年代に入り、次世代炭素素材としてカーボンナノチューブが日本人の手で発見されると、俄かに宇宙エレベーターの可能性がNASAを始め、先進国で議論されるようになりました。 日本においても、昨年12月9日に打ち上げられたH2-Bロケットに積載された輸送機のなかには、宇宙エレベーター実験用の人工衛星が積まれ、宇宙空間で初となる本格的な実験が始まろうとしており、実は水面下で先進各国は開発を進めています。 ロケットに対する宇宙エレベーターの最大の利点は徹底的なコスト低減と宇宙空間に運搬可能な積載トン数の大幅な増加です。 ロケットの場合、宇宙に運ぶための積載物は全重量のたった1割しかなく、多くの場合、一度使ったロケットは使い捨てです。 もしも一度乗ったら使い捨て、そんな飛行機があったら、あまりにも不経済だと感じると思いますが、そうした前近代的な状況に宇宙ロケットの現状は置かれております。 また現在、ロケットによる宇宙探査に必要な費用の大部分は地球から脱出することに費やされておりますが、宇宙エレベーターが実現されれば、例えば月面探査費用は今より98%も削減できます。 宇宙エレベーターのケーブルは地球の自転に同期して回転しており、ケーブルの先端に行けば行くほど、高速で移動しております。 そのため地表から物体を打ち上げた場合、地球の引力の影響を受けないところまで脱出するためには、秒速11kmの速度が必要ですが、宇宙エレベーターを使って高度4万7000km地点まで行った場合、ただそこで宇宙船を切り離すだけで地球の引力から脱出できてしまいますし、同じ要領でもう1万km程先に行けば、火星の公転軌道まで到達できます。 宇宙エレベーター経由で月面基地を行き来することで、大量輸送も可能となり、ほどなくして大規模なコロニー建設や月資源の輸送、観光客の来訪が始められます。 つまり宇宙エレベーターを軌道カタパルトとして使い、宇宙空間で軌道変更用に一部ロケットの噴射を利用することで、私たちは太陽系中の惑星を周遊できるようになり、さらなる遠宇宙に向けた航行が僅かなエネルギーで可能になるのです。 ◆未来を創る挑戦を そして日本や世界では今、宇宙エレベーター技術を競う大会が開催され、様々な大学の研究室や企業がチームを作り、数百から千m上空からケーブルを降ろし、そこを各々のチームが独自に開発したクライマーを昇降させ、速度や安定性を競っております。 筆者自身、後援会活動の一環として、クライマーを開発し、宇宙エレベーター競技への参加を通じて、人類の宇宙進出に向けて国民を鼓舞する啓蒙運動を展開する段取りを組んでいます。 未来を創る挑戦者として、筆者と共にチームを組んでクライマーを開発し、大会に参加する熱い仲間を随時、募集しておりますので、技術面、資金面に限らず、ご協力可能な方のご連絡をお待ちしております。 確かに、実際、宇宙エレベーターを実現するためには、技術的な問題のみならず、政治的問題、安全保障上の問題も多々あります。 しかし、宇宙エレベーターの建設をマイルストーンに、技術開発を進めていくなかで、未来の自動車や航空機、その他様々な構造物の素材となりうる軽くて強い新素材の開発が進みますし、クライマーに電力を送るパワービームの技術は今後、バッテリーを搭載せずとも飛行可能な無人輸送機が飛び交う未来社会においては必須の技術となるでしょう。 だから日本は宇宙エレベーターの開発を始め、宇宙開発への大型投資を進めるべきなのです。 このように幸福実現党は人類の未来を創るべく、飽くなき挑戦を続けていきますので、その一員として、一人でも多くの方に党員になって頂きたく思います。 21世紀、日本の宇宙計画【2】――月と火星に植民都市を 2017.02.11 幸福実現党・茨城県本部代表/茨城第1選挙区支部長/経済部会 川辺賢一 ◆人類のフロンティアとマルチプラネット化 前回のニュースファイルでは、宇宙産業の成長性(年率9%超)や宇宙技術のスピオンオフが身近な暮らしを大幅に改善してきたこと等を記載いたしました。(参照:http://hrp-newsfile.jp/2016/2992/) 本稿では、より具体的に日本が持つべき宇宙開発の目標について提示したいと思います。 さて昨年末、幸福実現党・大川隆法総裁の講演「繁栄への決断」でもあったように、昭和の末には50億人程度だった地球人口はいまや70億人を超え、世界では急速な人口増が進み、地球上のフロンティアは消失しつつあります。 「繁栄への決断」「トランプ革命」と日本の「新しい選択」 大川隆法 著/幸福の科学出版 https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=1785 果たして、この先、地球人口が100億を超えようとするなかで、何が起こるでしょうか。 戦争の危機や食料エネルギー問題、地球環境の汚染、感染症の流行など、現実的な危機は高まりつつあります。 また人類の歴史を振り返れば、ときに命がけで、川を上り、海を渡り、他人種との交流交易を進め、常に自らの世界を広げることで生存の条件を確保してきたように、フロンティアを求め続けること自体が、人間本性に深く根ざした根源的な欲求だと考えられます。 ゆえに、人類にとって、フロンティアが消失した地球にしがみついて生きていくのは、何らかの惨事をきっかけに人類が滅亡する現実的なリスクを抱えるというだけでなく、人間本性に対する反逆だと言えるのです。 私たちは、21世紀中に宇宙に窓を開き、多惑星間を活動できる人類のマルチプラネット化を果たさなければなりません。 マルチプラネット化するということは、他惑星に自立的な文明を築いたり、火星生まれの地球人が誕生したり、人類が惑星間をまたいで活躍できるようになるということです。 そのための橋頭保として、日本は21世紀の国家目標として月と火星に植民都市を建設し、まずは早期に独自技術による月や惑星の有人探査を可能にしなければなりません。 特に人類未踏の地とされる火星への有人探査を2020年代には達成し、100万人規模の人類の火星移住計画を強く推し進めていくべきです。 ◆化学燃料を使ったロケットの限界 さて1960年代に人類が初めて宇宙に飛び立って以来、半世紀以上が経過しております。 その間、宇宙開発は様々に日進月歩を続けて参りましたが、人類の宇宙進出にとって決定的に重要でありながら、ほとんど進歩の見られなかった分野があります。 それがロケット技術、すなわち宇宙への物資打ち上げと宇宙空間を推進する技術です。 実際、現在も主なロケットの推進原理は、半世紀前と大きく変わらず、化学燃料を酸素で燃やしてノズルから噴射させるしくみのままで、現在最良のロケットでも、宇宙空間で出しえる最高速度は、1962年にアメリカの宇宙飛行士が地球軌道を周回した時のアトラスロケットとほとんど変わらないのです。 現在、このような化学燃料を使ったロケットで火星に行く場合、1番近いルートでも片道数ヶ月はかかり、しかもこの場合、宇宙船は火星近くで飛行士を降ろすだけで、火星から帰還するためには別の宇宙船の到着を待たなければなりません。 地球と火星の公転のタイミングから最もメジャーなルートで考えると、地球と火星の行き来でそれぞれ8ヶ月、火星滞在期間が1年3ヶ月と、全行程は約2年半となります。 こうした現状を考えれば、化学ロケットを使った地球-火星間の移動は早晩、限界に達するだろうし、人類の本格的な宇宙進出やマルチプラネット化に至っては夢のまた夢と言わざるをえません。 ◆次世代ロケットの開発を ゆえに日本は新しい宇宙推進技術の開発に、もっと資本を投下しなければなりません。 実際、NASAでは化学ロケットに代わる推進原理として、本格的なプラズマ推進ロケットであるヴァシミールを開発中です。 プラズマ推進ロケットを化学ロケットと比較した場合、化学ロケットに対して10倍以上の比推力を持つという利点があります。 比推力とはロケットの性能を示す指標の一つで、一度、宇宙に出てから、どれだけ高速で宇宙空間を飛行できるかを示します。 そしてヴァシミールを使って火星に向かった場合、なんと片道39日で、火星に到達できるとされます。 他方、プラズマ推進ロケットの特徴として、ロケットの別の指標である推力、つまり地上から重い物体を宇宙に押し上げる力は、化学ロケットに比べて極めて低い点が挙げられるため、何らかのハイブリットを考えなければなりません。 いずれにせよ、お隣の惑星と言えど、最短で約5500万kmもある地球から火星間の距離を行き来するためには、日本においてもヴァシミール型のプラズマ推進ロケットを始め、新たな推進原理や動力の開発が不可欠です。 (つづく) 21世紀、日本の宇宙計画【1】――月と火星に植民都市を! 2016.12.08 HS政経塾第2期卒塾生 川辺賢一 ◆人類の宇宙開発は進んでいるか? 今月9日、国際宇宙ステーション(ISS)に物資を届ける国産・宇宙輸送機「こうのとり」を積んだ国産のH2Bロケットが打ち上げられます。 今回打ち上げられる「こうのとり」には、ISSにある日本の実験棟「きぼう」から放出される超小型衛星7機やISSの運用に不可欠な国産新型バッテリー等が積み込まれ、まさに日本の夢と希望を乗せて高度400kmの宇宙に飛び立ちます。 日本を始め、こうした宇宙開発のニュースに触れ、胸躍る思いをされる方も多いのではないでしょうか。筆者もその一人です。 一方で、世界中で宇宙開発に関するニュースが日常茶飯事のように流れるなか、果たして私たちが子供の頃に映画や漫画で夢を見た「21世紀には誰もが宇宙旅行に行け、月や惑星に保養や探検に出かけられる」そんな未来が近づいている感じはするでしょうか。筆者にはいまいち感じられません。 これまで宇宙に行ったことがある人は一体、何人でしょうか。 頭数でたったの550人程度(高度100kmの弾道飛行も含む)です。 また月に行ったことがある人は何人でしょうか。 たったの12人です。私たちが一般に知ることができる情報によれば、アポロ計画以来、人類の月面着陸は1度も果たされていないからです。 その点、アポロが月に行き、ボイジャーが太陽系外惑星に旅立った米ソ冷戦期の方が、良くも悪くも、人類にとって宇宙が近づいている感じがしたのではないでしょうか。 かつて世界の理系エリートたちは、宇宙開発を始め、産業科学分野の研究に従事して国家産業の屋台骨を形成しました。 しかし2000年代になると、産業科学分野から離れ、金融マネーゲームの世界に従事する理系エリートたちが多くなりました。 むろん経済の心臓血管である金融業の発展は、今後も経済社会の発展に不可欠でしょう。 しかし、世界の理系エリートたちが過度に金融マネーゲームに偏重した結果が、2008年の金融危機であり、今の金利がゼロに貼り付いた瀕死状態の資本主義経済ではないでしょうか。 今こそ、新しい実業・企業群の勃興に通じる産業科学の発展と、そのための人材供給、資本の投下が必要です。 そこで幸福実現党は、未来産業分野やインフラ分野に今後10年間で200兆円の投資をすべきだと政策提言しているのです。 ◆宇宙開発の意義と可能性 なかでも宇宙産業に関しては、市場規模が2005年から2014年までの10年間で、年平均9.6%も成長し(1,767億㌦から3,300億㌦)、新興国経済をも超える成長率を示します。 また、これまでの宇宙開発の結果、私たちの暮らしは格段に便利になりました。 身近な例では衛星測位システムによりカーナビ始め、船舶や航空機、ドローン、建設重機用ロボット等のナビゲーションや自立制御が可能になり、その他様々な人工衛星により、BS等の衛星放送や気象予報、地球観測データの蓄積が可能となりました。 人工衛星以外でも、例えば、宇宙船用に開発された耐熱性材料は、厨房用器具や腕時計、野球スパイク等にも応用され、宇宙観測カメラの駆動技術は医療用・顕微鏡のスタンド技術にも応用され、宇宙技術が民生品にスピンオフした事例は、あらゆる分野に数え切れないほどあるのです。 筆者自身、人工衛星から地球を観測するための特殊な画像取得システムを、医療や製造業、建設業、食品管理、美容、その他に応用可能な計測機器としてスピンオフさせたベンチャーに勤務していた経験があります。 また高度400kmにある国際宇宙ステーションにおいては、無浮遊・無沈降・無対流の微小重力環境を利用して、物理化学や生命科学分野の様々な実験が行われており、材料や医薬分野等で新しい製品開発につながる研究が進められております。 つまり日本が世界を率いて宇宙開発を進めていくことで、瀕死状態の資本主義経済を救い、日本と地球すべての平和と発展・繁栄を導いていくことができるのです。 ◆21世紀、宇宙開発の目標――月と火星に植民都市を では私たち日本人は、どのような目標を持ち、21世紀の宇宙計画を構想すべきなのでしょうか。 幸福実現党の大川隆法総裁は、1995年の講演「愛、悟り、そして地球」のなかで「私は、『21世紀中に、つまり今から百年以内に、月と火星に植民都市を建設する』ということを、日本は国家目標として持つべきだと思います」と述べております。 また、米宇宙開発ベンチャー・スペースX社のイーロン・マスク氏は、早ければ2022年に火星移住を開始し、40~100年かけて火星に100万人が住む自立した文明都市を築く構想を発表しております。 そして人類の未来について、「多惑星に生きる種になり、宇宙を飛び回る文明人になるか」、「1つの惑星にしがみついたまま、何らかの惨事を経て絶滅に至るか」の2つに1つだと訴えております。 火星は人類未踏の地であり、地球に最も近い惑星です。 そして火星には窒素や水素など、月にはほとんどない地球型生命の活動に必要な軽い元素が多く存在すると言われます。 すでにうっすらとした二酸化炭素も大気としてあり、植物が育つ可能性もあります。 その他の惑星や衛星等、人類の宇宙進出の夢は無限に広がっていきますが、まずは人類の他惑星進出のための橋頭保として、人類の火星移住、そのための宇宙輸送手段システムの確立、火星の地球化・都市建設に向けて、日本が主体的に取り組み、21世紀中に成し遂げていくことが必要です。 そのための具体的な課題を一つ一つクリアしていくなかで、宇宙開発に限らず、その他あらゆる産業で応用可能な新しい製品やエネルギー源、そして新しい企業群がいくつも派生してくる可能性があるからです。 次回HRPニュースファイルでは、人類の火星文明建設に必要な課題と現状について報告させて頂きます。 日銀、マイナス金利の誤算――初の国債保有額400兆円超え 2016.10.13 HS政経塾第2期卒塾生 川辺 賢一 ◆日銀の国債保有額、400兆円超え 今月12日、日銀の国債保有額が初めて400兆円を超えたことが発表され、約1100兆円の国債発行残高のうち、3分の1程度を日銀が保有していることが明らかになりました。 2013年4月に始まった異次元緩和により、日銀が市場に大量のお金を放出し、大量の国債買い入れを進めてきたからです。 国内民間銀行が保有する国債は今年8月時点で87.5兆円とされ、異次元緩和前と比較して半減。あと1~2年すると年間80兆円ペースで国債を買い入れる政策に限界が訪れると言われます。 また異次元緩和以前には1.5兆円程度であった日銀による上場投資信託(ETF)の購入額は今年10兆円に達しようとしております。 ◆「金利」政策への回帰 そうしたなか日銀は昨年末にマイナス金利の導入を発表し、民間金融機関が新たに日銀に預け入れるお金に-0.1%の金利がかかるようになりました。 マイナス金利を導入した日銀の狙いは何だったのでしょうか。 もともと日銀の金融政策の中心は「金利」の上げ下げを通じて、景気・不景気に対応することでした。 金利が下がれば、お金を借りる人が増え、景気が過熱し、金利が上がればその逆に過熱した景気にブレーキがかかると考えられるからです。 ところがバブル崩壊後の失われた20年のなかで、日銀の「金利」政策はゼロの下限に達したため、新たにお金の「量」の拡大を指標とする量的緩和政策が実行されるようになりました。 お金の「量」拡大を通じて、人々に将来の物価が上がる(お金の価値が下がる)と予想させ、現在の消費や投資を喚起させようとしたのです。 これまで「量」拡大を目指した政策に限界はないと言われてきたなかで、昨今、国債発行額の3分の1程度まで日銀の買い入れが進み、その限界が意識されるようになったのです。 そこで日銀は「マイナス金利」を導入し、再び「金利」に着目した金融政策に回帰したという経緯があります。 さてマイナス金利の結果はどうだったのでしょうか。確かに日銀の狙い通り、民間金融機関が保有する日銀の預金の一部にマイナス金利が適用されることで、住宅ローンや貸出金利等、様々な金利に下落圧力がかかりました。 ところが安い金利でお金を借り、高い金利でお金を貸すことを生業とする銀行業にとってマイナス金利は収益の圧迫を呼び、さらに量的緩和政策の限界を意識させる結果となり、これまで金融緩和を主張してきた幸福実現党としても資本主義の精神を傷つけるとして厳しく批判をして参りました。 ◆日銀の混乱した政策、その解決策は そのようななか先月21日発表されたのが、新発10年物国債の金利を0%程度にコントロールする政策でした。 この政策からは、マイナス金利導入による金利の下落圧力を是正しようとする日銀の意図が見られます。 しかしながらマイナス金利撤回以外の方法で金利の下落圧力を是正するには、現状、日銀の国債購入量を減らす以外にありません。 実際、日銀の国債買い入れ額は減っており、異次元緩和以降の金融政策を評価してきた中原伸之氏や嶋中雄二氏らリフレ派エコノミストたちも現在の日銀の政策に批判的です。 このように日銀の金融政策は現在、マイナス金利の導入に端を発して混乱していると言わざるを得ません。 では何が解決策なのでしょうか。 まず政府は消費税率を5%に戻すことで、政府も日銀に協力して、徹底的にデフレ脱却に取り組む姿勢を改めて明確にすることです。 また銀行紙幣の発行等、日銀による国債購入やETF購入に頼らない手段でお金を創造する新たな金融政策が求められます。 幸福実現党は民間の知恵と資本が生きる自由な経済の創造を目指します。 日本は「Japan is No.1」に向けた国家目標を 2016.08.18 HS政経塾第2期卒塾 川辺賢一 ◆世界を舞台に活躍する日本勢 8月5日に開幕したリオデジャネイロ五輪では、日本選手団の活躍により、連日連夜の如く、日本中が感動の渦に包まれております。 先日の競泳女子200m平泳ぎでは金藤選手が日本勢7つ目となる金を獲得、また卓球女子団体の銅獲得によりメダル総数29枚となり、史上最多のメダルを獲得した2012年ロンドン五輪(38枚)に迫る勢いを見せております。 こうしたなか今月16日、技術・知財分野での世界ランキングのように、世界知的所有権機構(WIPO)がイノベーションを生み出す環境が最も整っている国はスイスで、日本は16位だとする調査結果を発表しました。 1位から順にスイス、スウェーデン、イギリス、アメリカ、フィンランドと続き、アジア勢では韓国が11位、香港が14位、日本が16位、そして中国が25位とされ、WIPOの担当者は「(日本は)研究開発の質が高く、特許の数も多いが、その割りに新たな商品やサービスにつながっているものが少ない」と指摘します。 一方で各国の国際収支における技術貿易(外国との特許やノウハウ提供、技術指導等、技術の提供又は受入れ)を比較すると、日本の技術競争力の高さが伺えます。 技術輸出額から輸入額を差し引いた技術貿易収支では、日本は1993年以降、毎年黒字を計上し、さらに1996年以降、日本の技術貿易は全ての国に対して一貫して黒字なのです。 同義反復にはなりますが、技術貿易が全ての国に対して黒字なのは日本の他にありません。 また各国技術の国際競争力を示す技術貿易収支率(技術輸出額/技術輸入額)でも、日本は6倍近くで、2位以下を大きく引き離して世界一です。 ◆世界一の国家目標と市場創造の戦略を 「人口や規模ではなくて、『技術力で、世界ナンバーワンになり、五十年ぐらい差を付けるところまで突き進む』というあたりを国家目標にしたら、あとのものは付いてくる」 「技術そのものを売る時代だ。〈中略〉経済全体が変わってくる時代が来るんだな。一兆円で〈モノを〉売るのではなくて、「毎年、一千億円ずつ、技術使用料を払い続ける」という契約を国家間でする。こういう貿易に変わってくる時代が、君、これから来る」 このように幸福実現党・大川総裁の著書『民主党亡国論』(大久保利通の霊言)のなかで述べられるように、日本は高い技術競争力をさらに伸ばし、名実共に世界一にしていくことを国家目標として目指していくべきです。 『民主党亡国論』――大久保利通の霊言 https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=92 17日の日経朝刊では一面で「東レ、宇宙船に炭素素材」が取り上げられ、東レがイーロン・マスク氏率いる宇宙開発ベンチャーのスペースXにロケットや宇宙船の機体に使う炭素繊維(カーボンファイバー)を長期供給することで基本合意されたことが報道されました。 「鉄の10倍の強度で、4分の1の軽さ」とされ、幅広い分野で実用され始めた炭素繊維は東レを始め、日系3社が世界市場の過半を占めており、全ての産業の土台となる素材分野における日本の高い技術力が伺えます。 また、さらに次世代の炭素素材として注目され、やはり日本人によって発明されたカーボンナノチューブは、理論上、鉄の400倍の強度を持つとされ、炭素繊維同様、あらゆる産業分野への応用が期待されております。 しかしながら、カーボンナノチューブにおいては実用化、大量生産化まで研究の課題もあり、また素材分野で高い優位性を持つ日本勢への嫉妬もあってか、欧州を中心に炭素から直接製造されるカーボンナノチューブの健康被害を懸念する動きもあります。 こうした状況に関しては政治が官需でひっぱりつつ、また外国の研究機関との共同研究や研究者と企業をつなげるコンソーシアムの設立なども積極的に推進し、戦略的にオープンイノベーションの環境を整えていくことが重要です。 かつて日本は「Japan As No.1」と言われましたが、新しい国家目標として「Japan is N0.1」を目指し、戦略的に新技術の市場化を推進していくべきです。 ◆カーボンナノチューブで宇宙エレベーターが可能に そしてカーボンナノチューブの技術革新により、ロケットに替わる宇宙輸送手段として注目を集める宇宙エレベーターの建造が可能になると言われております。 宇宙空間に出るまでに大量の燃料を必要とするロケットの場合、より大きな積荷を宇宙空間に運ぼうとすると、その重みに耐えるため、さらなる燃料を積み込まねばならず、その燃料を運ぶためにも燃料が必要となり・・・、ロケット発射費用の98%程度が燃料に費やされると言われます。 それに対して宇宙エレベーターは外部からマイクロ波やミリ波レーダー、レーザー等の電磁波で電力を供給するため、ロケットのように燃料を積み込む必要がなく、より巨大な積荷を安く運ぶことが可能になります。費用はロケットに対して95%引下ると言われます。 政府はこのような新しい産業科学分野を正しく助成し、新規産業の創造を積極支援していくべきです。 日本国憲法、施行69年――新しい時代には新しい憲法を 2016.05.04 文/HS政経塾第2期卒塾生 川辺賢一 ◆69回目の憲法記念日 先日、5月3日、69回目の憲法記念日を迎えるにあたり、幸福実現党も声明文を発表いたしました。 「憲法記念日にあたって」 http://info.hr-party.jp/press-release/2016/5496/ この日、幸福実現党は全国各地にて「憲法と日本、どっちが大事?」を訴え、筆者も品川駅、浦和駅、大宮駅にて、幸福実現党・釈量子党首や加藤文康幹事長、小島一郎幹事長代理、そして幸福実現党の後援会の皆様と共に、街頭宣伝活動を執り行いました。 幸福実現党ホームペジより 「憲法記念日にあたって、街頭演説を行いました」 http://info.hr-party.jp/2016/5501/ ◆時代に応じて変化する諸外国の憲法 日本の戦後憲法は施行から69年が経ちました。 世界には200カ国近く憲法を有する国があるなかで、実は日本の憲法は古い方から数えて14番目。すごく古いのです。 しかも日本よりも古い憲法を持つ国で、憲法改正を一度も経験していない国は一つもありません。 日本よりも古い憲法を持つ国のほとんどは20~30回程度、憲法を改正し、ドイツにいたっては60回近く、スイスになると140回以上も改正しております。日本人の感覚からすれば、改正しすぎかもしれません。 しかし「時代が変われば憲法を変える」が当たり前の世界のなかで、日本人だけが、この69年間、現行憲法を不磨の大典の如く守り続けているのです。 ◆そんなに憲法が大事なら・・・ さて、これだけ大事にされて来た日本国憲法ですが、皆様はその条文を読んだことがありますでしょうか。 筆者も今回、憲法記念日に読んでみましたが、ほとんど何が言いたいのかわからない。多くの方がそんな感想を持つのではないでしょうか。 それは私たちの頭が悪いからでしょうか。筆者はそうは思いません。 実は今の日本国憲法は、アメリカ人によって、英語で作られ、それを無理やり日本語に翻訳された文章です。だから大変、わかりにくいのです。 自分たちの国の憲法を自分たちの手で、自分たちの言葉で作っていない国家を皆様はご存知でしょうか。筆者は日本以外に知りません。 5月3日の憲法記念日には、テレビや新聞で「憲法がいかに大事か」、そして「憲法は民主主義の根幹だ」と語られます。 しかし、そんなに憲法が大事で、民主主義の根幹であるならば、私たち日本人は、自分たちの言葉で、自分たちの手により、自分たちの憲法を作り直すべきではないでしょうか。 ◆憲法前文の大事さ 現行憲法の問題点について、幸福実現党は立党以来、憲法9条始め、様々に指摘して参りましたが、その最大の問題の一つが憲法前文にあると筆者は考えます。 現行憲法の前文には「日本国民は、(中略)平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した」と書かれております。 国の政治のなかで一番大事なことは、国家、国民の安全と生存です。しかし、現行憲法はその前文で、一番大事な安全と生存、主権に関わる問題を、他の諸国民に委ねるかのような宣言をしてしまっています。 自分たちの国の運命は、自分たちの責任で決断する。これが一人前の主権国家のあり方です。 人間だって、子供のうちは親の言うことをしっかり聞くことが大事ですが、大人になれば、自分の人生の決断は自分の責任で行わなければなりません。 自分の国のことは自分たちで決断する。今の日本はそうした一人前の大人の国だと言えるでしょうか。 かつて日本には武士道があり、私たち現代の日本人にもその血が流れております。「武士道とは死ぬ事と見付けたり」(『葉隠』)と言われたように、自分の死に場所さえ自分で決してきたのが、世界に誇る武士道精神であったはずです。 「自分の死に場所さえ自分で決める」そうした武士道精神があったからこそ、日本は明治の近代化に成功し、日清戦争や日露戦争、二度の世界大戦と、大変な変革の時代に対応し、世界からも尊敬される国家になったはずです。 しかし今の日本は何をするにも、アメリカの顔色を見、中国の顔を伺い、国際機関の動向ばかり気にして、後出しジャンケンで勝つことが智慧であるかのように勘違いし、国際社会に対して、堂々と自分たちの国のスタンスを訴えることができない、そんな恥ずかしい国になっていないでしょうか。 その象徴が憲法前文を始め、今の日本国憲法のあり方にあわらされていると考えます。 私たち幸福実現党は69回目の憲法記念日を迎えた今、改めて自分たちの国の憲法を自分たちの手により、自分たちの大和言葉で作っていこうと皆様に呼びかけて参ります。 参考『新・日本国憲法試案』(2009、大川隆法) 岐路に立つ世界経済――必要なのは減税、減税、そして減税! 2016.03.30 文/HS政経塾2期卒塾生 川辺 賢一 ◆「増税延期」解散の是非 3月28日(月)産経新聞は一面で「消費税10%再延期」の記事を掲載しました。 その後、首相は改めて「リーマン・ショック、大震災級の出来事が起こらない限り予定通り引き上げる」と繰り返し、火消しに走っています。 しかし昨今の首相の言動から、5月26・27日の伊勢志摩サミットにて「世界経済の安定」を掲げ、「増税再延期」を国際公約として正式決定し、6月1日の国会会期末にて衆院解散・衆参同日選に踏み切るシナリオが濃厚です。 実際、首相の経済ブレーンである本田悦郎氏や浜田宏一氏らは「増税延期」を提言し、政府主催の勉強会でもノーベル経済学賞の世界的大学者らが増税に否定的な見解を述べています。 もとより幸福実現党は消費税率の引上げに反対し、もとの5%への税率引下げをお訴えしてます。 納税者である国民や日本企業が儲かるようにならなければ、政府の税収だって増えないからです。税率だけ上げて景気が悪化すれば、税収だって減るのです。 そして幸福実現党創立者である大川隆法総裁は今月27日の富山での講演で「誤った経済政策の責任回避のために衆院解散するのはおかしい」とし、安倍政権の不誠実なやり方に疑問を呈しております。 今こそ増税凍結を求める国民の受け皿となり、国民の皆様と声を合わせて5%への税率引下げを訴える国民政党が必要なのです。 ◆日本もトランプの経済学に習え 日本と対照的なのはアメリカ共和党大統領候補のトランプ氏です。 トランプ氏は35%の法人税率を15%にし、所得税も40%近い最高税率を25%に下げるとしています。 一見、大風呂敷のように聞こえる戦略も、共和党寄りのシンクタンク、タックス・ファウンデーションによれば、トランプ減税が実現すればGDP成長率を年1.15%押し上げ、今後10年で平均500万人の雇用を創出するとみています。 こうした減税で「国家破綻しないのか」という声もありますが、日本の場合は世界最大の債権国で、360兆円を超える対外純資産を保有しています。 つまり日本は世界で一番、海外に対して融資や投資をしている国であり、日本がお金を出しているから世界は回っているのです。 お金を貸している側の国が破綻するはずがありません。対照的にアメリカは世界最大の純債務国です。 借金大国アメリカ大統領候補が大減税を唱えていて、お金を貸している側の日本が貧乏しなきゃいけないのはおかしいのです。今こそ日本が減税、減税、そして減税!大減税こそ、日本経済復活の起爆剤となるのです。 ◆政府が未来産業への助成を! 伊勢志摩サミットでも弱い世界の需要を牽引する財政出動が日本に求められており、弱い世界経済のためにも、日本の未来創造のためにも、日本はインフラ整備、宇宙・航空分野、基礎研究、医療などの未来産業分野に資金を投入すべきなのです。 JR東海が品川-大阪リニアを2045年までゆっくりとやるならば、日本の技術がもったいない。むしろ品川から埼玉(大宮)を経由して、長野・新潟をつなぐ上越リニア、そして東北までつなぐ東北リニアも早期実現を目指すべきなのです。 インフラ整備への予算投下により、山を発破し、トンネルを掘りぬく作業等、危険な仕事を代替するための次世代ロボット産業の勃興も期待できます。世界のインフラ需要に対応して、日本の建設重機が輸出されるのです。 例えば政府は宇宙産業への梃入れを表明しておりますが、はやぶさ打ち上げによる話題づくりで満足しているのが現状です。 私自身、研究用機器の営業でJAXAを訪れたことがありますが、だだっぴろい敷地に古い建物が並び、いかに予算がないかを実感しました。実際、JAXAの予算は削られており、こうした状況を変えなければなりません。 幸福実現党は国民の皆様と声を合わせて大減税を実施し、そして未来産業投資により、日本と地球全ての発展繁栄を目指します。 すべてを表示する 1 2 3 … 5 Next »