Home/ 石橋昇 石橋昇 執筆者:石橋昇 幸福実現党山口県本部 政務調査部長 戦後70年の2015年、日本の誇りを取り戻す「新談話」を! 2014.10.17 文/幸福実現党山口県本部 政務調査部長 石橋昇 ◆慰安婦問題に適正な対応を求める意見書が続々可決 10月7日の産経新聞電子版によると、10月3日、鹿児島県議会は、慰安婦募集の強制性を認めた「河野談話」の見直しや、高校教科書の慰安婦に関する不適正な記述の是正を政府に求める意見書を賛成多数で可決。北九州、大阪両市議会も同様の意見書を可決したと報じています。 このほかにも、埼玉県議会、山口県議会、高知県議会、宝塚市議会、町田市議会、常総市議会、千葉市議会(以上、合計10議会)が、河野談話の見直しを求めたり、慰安婦問題について事実関係を国会で検証することなど、慰安婦問題に関して国に対し適切な対応を求める旨の意見書あるいは陳情を可決しております。 特に、宝塚市議会においては、いわゆる従軍慰安婦に関して、被害者とされた女性の尊厳回復に努めることなど国に求める意見書を6年前に可決しましたが、今回の議決は、自ら可決した6年前の決議書の決定的な根拠を失ったとし、国に対し慰安婦問題の真相究明と正しい理解を外国に促す努力を求める内容であり(参考:10月8日読売新聞電子版)、その意義は大きいと思われます。 今、このような議決が矢継ぎ早に行われている理由として、朝日新聞社が慰安婦に関する記事の一部誤りを認めて謝罪したことや、日本政府が河野談話作成経緯の再調査結果を公表したことなどの影響が大きいと思われます。この一年間で、慰安婦問題に関する状況は大きく変化しました。 来年は戦後70周年にあたる節目の年であり、新しい談話が発表されるという話もあります。国に対して慰安婦問題に適正な対応を求める意見書が数多くの議会で可決されることは、正しい歴史認識を啓蒙するための大きな後押しとなります。 今後もさらに多くの議会で同様な旨の決議書が可決されることが望まれます。 ◆南京事件に対する正しい歴史認識も不可欠 慰安婦問題のほかに、わが国の名誉を貶めているもうひとつの問題が、南京事件(いわゆる南京大虐殺)です。中国政府は、南京大虐殺や従軍慰安婦に関する資料をユネスコの記憶遺産に登録申請しました。その申請の可否は、来年の夏頃に決定するとみられています。 南京事件の被害者数や真相については諸説ありますが、HRPニュースファイルでは、いわゆる南京大虐殺について多くの疑義があることを述べてきました。 中国が主張する南京大虐殺とは、昭和12年の南京戦において日本軍が30万人を虐殺したというものですが、そもそも当時の南京の人口は20万人程度であり日本軍が南京に入城した際、住民は「安全区」に避難しており、30万人の虐殺などできるはずがありません。 また近年の研究で大虐殺の証拠とされる当時の写真が捏造であったことも明らかになっております。 また、慰安婦の強制連行についても日本政府の調査では、これを裏付ける資料は見つかっていません。 幸福実現党は、『中国による「南京大虐殺」「従軍慰安婦」のユネスコ記憶遺産への申請に抗議し 日本政府に万全の措置を求める署名』を行っております。 ※最終締切:12月4日、署名の詳細はこちら→ http://info.hr-party.jp/2014/3159/ 戦後70周年の来年に発表されるかもしれない新談話には、慰安婦問題だけでなく、南京事件に対する正しい歴史認識も織り込まれることが望ましく、本署名が必ずしや大きな後押しになると信じております。 どうか、多くの皆様のご協力をお願いいたします。 STAP論文撤回は、果たして妥当なのか? 2014.05.04 文/幸福実現党山口県本部 政務調査部長 石橋昇 過熱したSTAP報道も最近になって沈静化しつつあります。STAP論文を撤回すべきかという話もありますが、果たしてそれが妥当なのかを考えてみたいと思います。 ◆引用が、即捏造・盗作とは限らない 理系の大学で学ばれて、科学の論文等を読まれた方なら分かると思いますが、おおよそすべての論文で他者の文献や論文からの引用があります。 特に論文の序論の部分では、過去の研究事例や知見が多く引用されております。論文では、その内容が他者に引用されてこそ、価値があるものだとみなされることもあります。 引用を自分の見解や発見と偽れば捏造や盗作です。引用部分が自分の書いた文章の多くを占めない限り(私も法律家ではないので、どれだけの分量まで占めてもいいかは分かりませんが)、引用と比較しながら自分自身のオリジナルな見解や発見を述べているのであれば、正当な主張になると思われます。(もちろん、引用にあたっては著作権等の法令順守や社会ルールを守った正当な引用であることは言うまでもありません) 論文に限らず、文筆一般で引用は許されています。不正な引用はいけませんが、細かな引用の不手際をもって、その内容や結論全体を捏造と即断定することに、違和感がありました。 STAPの投稿論文には不適切な引用があったかも知れませんが、STAPの研究成果は彼女らの研究グループのオリジナルで発表したものです。小保方博士も、引用不備が発端で起こった騒動については、謝罪しております。 ◆多くの科学の理論や発見には、その検証に多く時間がかかっている いま正しいと受け入れられている科学の理論や発見の多くは、発表当初は仮説だったものが多くあります。実験で検証され、理論と現象が整合して初めて受け入れられます。 逆に、得られたデータや現象を突き詰めていくと、このような仮説を設けることによって上手に説明できるということもあります。このようにして見つかった発見や発明も数多くあります。 STAPの共著者である理化学研究所副センター長の笹井先生の記者会見では、下記のように述べています。 「この現象を存在しないと思っていたらならば、共著者に加わっていなかったかもしれない。STAPとして僕らが呼んでいる細胞は、今まで知られていない細胞であることは確か。有望であるかも知れないが、論文を撤回し検証すべきである」 ただ、投稿した論文を撤回することは、国際的にはその結論が間違いであったとみなされます。STAPの検証にはさらなる時間が必要であり、より高いレベルの検証を目指して、撤回はしないで、不適切箇所の修正や、追検証の論文や投稿を出してもいい話かとも感じました。 ◆研究者たちが静かに研究に没頭できる環境を STAPを巡る騒動について関係者の会見も済みました。騒動を収束させ、小保方博士や共同研究者の先生方に、落ち着いてしっかりと研究に没頭できる時間を戻してあげたいのです。 STAPは、生物学の常識を根底から打ち破る画期的な発見であるかもしれず、そのもたらす恩恵は計り知れません。この素晴らしい卵を育み、世界に誇る科学技術が、我が国から発信されることを強く祈念いたします。 オスプレイ配備をめぐるテレビ報道の公平性について(2) 2014.02.19 文/幸福実現党山口県本部 政務調査部長 石橋昇 前回のHRPニュースファイルでは、2012年の岩国におけるオスプレイ一時駐機の賛成と反対について、NHKは反対集会だけを放送し、賛成集会を放送しなかったことを紹介しました。 さらに一連の放送姿勢を調べていくと、いくつかの問題点や疑問が明らかとなりました。 ◆支局の記者が失念するという重大なミス 「9.16 尖閣・沖縄を守れ!オスプレイ駐機配備賛成集会」に取材に来られなかった理由について、既出の岩国市議がNHK支局の記者に問い合わせた結果、「すみません、気がつきませんでした」と、失念していた旨の回答がありました。 幹事会社を通じて加盟各社に伝えるという記者クラブ制度の信頼も揺るがしかねない由々しき大失態です。 ◆偏向報道や心象操作の疑義 オスプレイが岩国から沖縄に移動する2012年10月1日の朝10時とお昼のニュースにおいても、反対派市民団体の代表のコメントを取り上げるとともに、市民の反対意見だけを報じていました。試験飛行が行われた9月21日にも、反対派の代表が泣きながら訴える場面が放送されました。 現実には条件付きで駐機の賛成の声も多いと推定されるなかで、反対意見だけを取り上げて、感傷的な映像を流す事に、偏向報道や心象操作が疑われました。反対と賛成にはそれぞれの立場や意見もあり、それを尊重するためにも、公平な報道がなされるべきであったでしょう。 10月1日の「情報維新やまぐち」のコーナーでも20分以上をさいて、「オスプレイ配備までの2ヶ月」という特集が組まれていましたが、残念ながら、何故オスプレイが必要か、その重要性が報じられることは全くありませんでした。 ほかにも、9月30日の反対集会の様子は、当日夕方と夜のNHK山口放送局のニュースで流れ、主催者発表1,200人と報じられました。 主催者発表という言葉は、多くの視聴者には馴染みがなく誤解を与えかねません。「報道は、事実を客観的かつ正確、公平に伝え、真実に迫るために最善の努力を傾けなければならない。」と述べている放送法第4条やNHK放送倫理基本綱領に則り、裏付けとなる取材をすべきであったと思います。 以上の一連の報道をみた限り、国民からの受信料から成り立ち、予算の執行にあたって国会承認を必要とする公共放送でありながら、反対の声や活動だけを繰り返し放送し、賛成の声や活動の取材を失念する姿勢に対して、「偏向報道」と言われても弁解の余地はなく、国民や視聴者の知る権利に対する冒涜でもあると断じざるを得ませんでした。 ◆NHKへの質問と要請 以上について、幸福実現党山口県本部と9月16日の集会の主催者で、NHK山口放送局へ書面での質問状と面会を通じてNHKの見解を質しました。詳細は割愛しますが、その回答は玉虫色な内容であり、決して満足できるものではありませんでした。 昨年2013年にもオスプレイ追加12機の岩国基地陸揚げが行われました。約一年が経ち、当時の私たちからの質問や要請を受け止めてくれたのか、最近のオスプレイ報道の姿勢は多少なりとも公平に近づいたものと感じております。 このたび新会長が就任されました。これを機に放送法の順守を徹底した政治的に公平な放送を推し進めると同時に、日本の国益や国民の生命や財産を守ることを第一とした国民に愛される公共放送に変わっていくことを切望いたします。 ◆偏向報道に抗議の声を NHKに限らず、放送の許認可を受けているすべてのテレビ放送には、放送法第4条に基づく政治的に公平な報道が義務づけられています。 普通選挙を行う民主主義において、国民の知る権利の保証や公正な報道、メディアリテラシーはとても重要なことです。 ゆえに、偏向と感じる報道を見かけたら、面倒ではありますが、私たち視聴者からも直ちに放送局へ意見を寄せることが重要です。 オスプレイ配備をめぐるテレビ報道の公平性について(1) 2014.02.16 文/幸福実現党山口県本部 政務調査部長 石橋 昇 NHKの籾井勝人会長の就任記者会見での発言が一部メディアの批判を浴び、「政府の立場に寄り添う発言」を繰り返し、公平性を定めた放送法に反するという批判が展開されています。 やや古い話にはなりますが、1年半ほど前に行われた山口でのオスプレイの報道について改めて振り返ることで、放送事業者による報道の公平性を考えてみたいと思います。 ◆放送法第4条 放送法第4条では、NHKを始めとする放送事業者は、国内放送及び内外放送の放送番組の編集に当たっては、以下に定めるところによらなければならないと定めております。 1.公安及び善良な風俗を害しないこと。 2.政治的に公平であること。 3.報道は事実をまげないですること。 4.意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること。 テレビ放送は開局が規制されている許認可事業であるため、放送法によって「政治的公平」が義務づけられています。 とりわけ、放送受信料の徴収根拠として放送法第64条を挙げているNHKは、ほかの放送事業者よりも厳しく放送法第4条の順守が求められると言ってよいでしょう。 NHKは自局の放送倫理基本綱領でも、「放送は、意見の分かれている問題については、できる限り多くの角度から論点を明らかにし、公正を保持しなければならない。」としています。 ◆2012年9月の岩国におけるオスプレイ駐機配備賛成集会 日本でのオスプレイの初配備が検討された2012年。同年9月16日に岩国市で「9.16 尖閣・沖縄を守れ!オスプレイ駐機配備賛成集会(主催者:尖閣・沖縄を守れ!9.16実行委員会)」が開催されました。 岩国史上最大となる約600人(ほぼ実数)が岩国市役所前に集い、うち約500人が岩国市街をデモ行進し、尖閣諸島や沖縄を含めた東シナ海の安全保障のため、オスプレイの配備が必要であることを訴えました。 私たち幸福実現党・山口県本部は、オスプレイ岩国基地一時駐機が報じられた同年6月より、岩国市においてオスプレイ配備の重要性を訴えてまいりました。 反対の意見ももちろんありましたが、配布物の受取率は極めて高く、オスプレイへの関心の高さを感じるとともに、当時のオスプレイへの否定的なマスコミ報道とはかい離した「オスプレイは必要」とする意見が予想以上に多いことを肌で感じました。 実際、読売新聞地方版の報道でも岩国市を含む山口2区の住民の半数近くが、「条件付き容認」と報道しており、8月6日の産経新聞でも、岩国市は反対一色ではないと報じておりました。 オスプレイの安全性を危惧する声もありましたが、丁寧に配備の必要性を報じれば容認されるサイレント・マジョリティー(声なき多数派)が多いことを確信しました。 8月に入り、地元岩国市議のもとに、「賛成派の声をマスコミが取り上げないなら、行動をおこそう!」「日本を守ろう!」という声が集まり、保守の皆様とともに前述の岩国史上最大となる集会とデモを開催しました。 ◆反対集会は採り上げ、賛成集会は採り上げなかったNHK 本集会とデモについて、既出の岩国市議が岩国市役所の記者クラブを2度訪れ、趣旨説明をして取材の要請をいたしました。通常記者クラブでは幹事会社を通じて、加盟の報道各社に伝わります。 本集会の直後、読売、毎日、山口新聞は、地方版にカラーの写真入りで、中国新聞もベタで、地元TV局のKRYは看板番組のバンキシャの後のニュースにおいて、中国の脅威と絡めて本集会の模様を報道しました。 本集会の2日後、9月18日の読売新聞全国版の夕刊では、賛成の活動も取り上げた上で、オスプレイ安全宣言を報じました。 以上の通り多くのメディアが採り上げ、国の安全保障を左右し、国民の生命・財産の安全安心を左右しかねない重大な関心事にもあるにも関わらず、NHKは報道するどころか、当日の取材にすら来ませんでした。 ところが、本集会の後の9月30日に開催された反対集会の様子は、当日夕方と夜のNHK山口放送局のニュースで放送されました。 放送法第64条に基づく受信料によって運営され、ほかの放送事業者よりも厳しく放送法第4条の順守が求められる公共放送の報道の公平性に疑問を感じました。 さらに今回や一連の放送姿勢を調べていくと、いくつかの問題点や疑問も明らかとなりました。 (続く) 最新鋭輸送機MV-22オスプレイの配備の重要性を問う(2) 2014.01.04 文/幸福実現党山口県本部 政務調査部長 石橋 昇 前回に続き、オスプレイの性能やオスプレイが安全保障に果たす重要な役割について述べてまいります。 ◆懸念に過ぎないオスプレイ配備の不安 昨年、オスプレイ配備について左派マスコミは、様々な憶測を報じましたが、結局は「最初からオスプレイ反対ありき」の報道で騒音や事故率など不安を煽るだけのものでした。 まず騒音については、水平飛行ができるオスプレイはヘリコプター特有のブレードスラップ音が少なく原理的に従来のヘリコプターよりも静かです。 昨年8月に普天間基地に配備するためオスプレイ12機が岩国に一時駐機いたしましたが、そのとき岩国市に寄せられた苦情10件のうち9件はオスプレイではなく報道のヘリコプターへの苦情でした。 安全性についても、10万飛行時間あたりの事故件数を示す事故率についてMV-22オスプレイは1.93にとどまり、海兵隊所属のヘリを含む航空機の平均事故率2.54より低いと報じられています。 昨年8月には、オスプレイによる大統領補佐官、シークレット・サービスおよび記者の輸送が行われました。安全性には格段の配慮が要求されるホワイトハウスのスタッフの移動で運用されたのは初めてのことです。 オスプレイの配備にあたっては、地元沖縄の反対により普天間基地への直接配備が難しかったため、岩国基地に一時駐機させた後に普天間基地に移動させるという配慮が取られました。 配備の経緯は、当時の防衛大臣であった森本 敏氏が著書「オスプレイの謎。その真実」(海竜社刊)のなかで詳しく述べられております。 岩国市の福田市長も「オスプレイの一時駐機は基地機能強化に当たらない」と述べ、駐機を事実上認めておりますし、岩国市議会も先般議会に上程された「オスプレイの低空飛行訓練に反対する議案」を21対10の大差で否決しております。 いま岩国には、普天間基地にある空中給油機能をもった輸送機KC-130を岩国基地に移設すべく交渉が進められております。 既述の通り空中給油により、オスプレイの展開半径が朝鮮半島まで及ぶ性能を考えた場合、岩国市に企案された本計画は安全保障上きわめて妥当です。 ◆認められつつあるオスプレイの重要性 オスプレイの初の配備から一年ほど経過しましたが、沖縄の基地負担の軽減のため、オスプレイの訓練の一部が本土でも行われるようになり、昨年10月には滋賀県高島市の饗庭野演習場での訓練が行われました。訓練にあたって高島市長も特に大きな異議を唱えませんでした。 また台風のため中止にこそなりましたが、高知県での日米共同の防災訓練でも、南海トラフ巨大地震による津波被害を想定し、オスプレイが山口県の岩国基地と高知県内の自衛隊施設との間で物資輸送などをする予定でした。 オスプレイ配備の話が出た当初は配備に疑問を呈する報道も多かったものの、結局一年ほどが経過し、最新鋭輸送機MV-22オスプレイの重要性が着実に認識されつつあると感じております。 先般起きたフィリピンでの未曾有の台風被害の救援活動にあたっても、オスプレイが救援活動のため派遣されました。 ◆日米同盟のいっそうの深化を 2011年の東日本大震災の被災地では、大規模な救援活動が展開されました。自衛隊は10万人を動員し、人命救助や物資の輸送、炊き出しなど幅広い支援活動にあたりました。 米軍も支援活動を「トモダチ作戦」と名づけ、1万8千人を派遣。日米同盟の真価が発揮されました。先般のフィリピンでの台風被害の救援活動にあたっても、米軍や自衛隊が活躍しております。 当時の民主党政権下で普天間基地移設問題が暗礁に乗り上げたことにより、日米同盟は冷え込みましたが、もしオスプレイの配備までも頓挫するようなことがあったとしたら、日米同盟に致命的な亀裂を与えるところでした。 中国による不法侵入がエスカレートしている今、また朝鮮半島情勢の緊張が高まるなか、子どもたちの未来を守るため、我が国の領海や主権を守るため、東アジアの平和を守るためにも日米同盟の深化が不可欠です。 集団的自衛権の行使容認など自衛隊関連法案の見直しも含めて、いっそうの日米同盟の深化を図るべきです。 最新鋭輸送機MV-22オスプレイの配備の重要性を問う(1) 2014.01.03 文/幸福実現党山口県本部 政務調査部長 石橋 昇 年末、沖縄県の仲井真知事は、名護市辺野古沿岸の埋め立て申請を承認しましたが、その中で知事は、オスプレイについて24機のうち、12機程度を県外に移転することを求めていたことが報道されました。 昨年11月8日のHRPニュースファイルで、山口県本部・副代表のかわい美和子より、東アジアの安定と国防上の要である沖縄県と山口県の重要性についてオスプレイが果たす役割を述べましたが、今回、あらためて最新鋭輸送機「MV-22オスプレイ」配備の重要性について考えてみたいと思います。 ◆既存ヘリの代替として普天間基地に配備されたオスプレイ 核ミサイル保有を急ぐ北朝鮮、特に中国は尖閣諸島を「核心的利益」と再三にわたり表明してきましたが、去年6月に行われた米中首脳会談でもオバマ大統領に主張しました。 中国の言う核心的利益とは「利益を守るためなら、武力行使も辞さない」という意味です。 12月22日にも尖閣諸島沖で、中国海警局所属の公船「海警」4隻が領海に侵入しましたが、こうした日本の領海に対する度重なる侵犯行為は、侵略を企図していると言わざるを得ず、私たちや子どもたちの安全と未来を確実に脅かそうとしています。 こうした中でMV-22オスプレイが、従来のヘリコプターCH-46の後見機として普天間基地に一昨年12機、昨年12機の計24機が配備されました。 オスプレイの配備を「基地機能強化」や「負担増加」だとするの報道も一部ありましたが、配備に併せてCH-46も退役になったため正しくありません。 CH-46は輸送機として我が国でも長年災害救助にも活躍しましたが、配備から実に半世紀も経った老朽したヘリでもあったためオスプレイと替える必要がありました。 ◆中国から沖縄・尖閣諸島を守るためオスプレイは不可欠 尖閣諸島はじめ島々の多い沖縄では、海兵隊を迅速に広い範囲に派遣できることが重要です。 オスプレイは、CH-46ヘリコプターと比較して最大速度が約2倍、搭載量が約3倍と優れ、有事の際の米軍の海兵隊の迅速な行動範囲も、沖縄本島から410km離れた尖閣諸島はもちろん600km離れた台湾にまで広がります。 しかも一回の空中給油を行うことによって1,100kmまで広がり、フィリピンも含めた東シナ海全域の安全保障にも寄与します。 ちなみにCH-46の展開範囲はたった140kmです。空中給油機能もないため航続距離が足りず、行動範囲を広げるには船で運搬しなければならず、時間を要します。したがって万一の尖閣諸島の有事に迅速な対応ができません。 沖縄の基地負担軽減のため訓練の一部を本土に移そうという動きもあります。 負担軽減は歓迎すべき話ですが、中国の驚異から沖縄や日本の領土を守るため沖縄米軍基地の「地理的な位置関係が国際関係に与える影響」、つまり「地政学的な重要性」は変わるものではありません。 私たちが住んでおります山口県にも岩国基地があり、普天間基地と同様に海兵隊の基地がありますが、岩国基地を中心としたオスプレイの展開範囲である半径1,100kmの円を描くと朝鮮半島が入ります。 以上のことから朝鮮半島有事の際に対応できる岩国基地の「地政学的な役割」は、沖縄と同様に重要であることが理解できるでしょう。 (つづく) すべてを表示する