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【地方議員は語る(後編)】再エネ推進の「幻想」を打ち砕いた一撃とは?

https://youtu.be/48LTUlmsg5o

埼玉県東松山市議会議員 佐藤恵一

◆第2ラウンド。委員会審査で不採択となった「請願」が本会議で審議される

ある市民団体から提出された再エネ推進の「請願」。前編では、委員会採決で不採択となったことをお伝えしました。後編では、その後の本会議での攻防をお伝えいたします。

3月定例会の最終日、本会議での委員長報告において、当該委員長が委員会内での討論内容と「不採択」という審査結果を告げると、請願の紹介議員が、請願内容に賛成の立場で討論を行いました。

本議員は、討論の冒頭で「請願の内容は前提がずれていると指摘があったが、ずれているのはその発言をした委員の認識である」と述べました。

さらに、「石炭火力全廃の時期を明確にしない日本の政策は、世界の流れに逆行していると請願は述べている」と請願の正当性を訴えました。

しかし、前編で紹介した「原子力の活用が世界の流れと逆行しているという認識は誤っている」と私が指摘した部分には触れられなかったのです。仮に意図的に論点をすり替えたのであれば、誠実性に欠ける討論であると言わざるを得ません。

少なくとも、委員長が述べた内容と紹介議員の討論はかみ合っていませんでした。他の議員の方々も、その点を疑問に思ったのか、本会議での採決の結果は、不採択となりました。

◆第3ラウンドは議員提出の「意見書」。再エネ推進の幻想を指摘する

続いて第3ラウンドへと移ります。「請願」の紹介議員とは別の革新系の議員と他1名の議員が提出した「意見書」の審議です。

「意見書」の趣旨は、先程の「請願」とほぼ同じでしたが、私が指摘した「原発の活用は世界の流れと逆行している」という文言は盛り込まれていません。

この意見書に反対討論を行ったのは保守系の議員と私の2名。保守系の議員の反対討論は、委員会での反対討論を盛り込んだ内容で、COP28に触れ、「原発の活用は世界の流れに逆行していない」という指摘も含まれていました。

続いて私の反対討論ですが、主に「再エネの高コスト」を中心とした論点で挑みました。再エネが主力電力となりえない現実を伝える重要な論点だからです。

具体的には、本会議の数日前に経済産業省が発表した「2024年の再エネ賦課金が標準家庭で年間1万6千752円となる」という内容を盛り込み、再エネ推進は重い国民負担を強いること、更なる物価高の要因になること、経済への大きなダメージになることを訴えました。

また、自然由来のエネルギーでは安定した電力供給ができないなど再エネを主力電力とすることの限界も指摘しました。

さらに再エネの環境破壊の論点です。同じ会派の先輩議員からのアドバイスで「山肌を削る太陽光パネルの設置により、森林破壊と土砂崩れが起きていること」を訴えました。

既に日本の太陽光発電は、国土面積当たりで言えば、導入量は世界第1位です。こうした状況で、さらに太陽光などの再エネを推進すれば、より深刻な問題が発生してしまいます。

そして、そこまで懸命に「脱炭素」に取り組んだとしても、日本ができることは限られています。日本で化石燃料を一切使わなかったとしても、世界のCO2排出量の5%しか削減できないのです。

これによって、下がる気温はわずか0.00002~0.00004℃という指摘も紹介し、討論を終えました。

◆なぜか「再エネより原発のコストが高い」と主張し、応戦する革新系議員

その後、予想通り革新系の議員が手を挙げ反論のため登壇しました。
まず、本議員は「発電コストについて重要な事実誤認がある」とした上で意見書への賛成討論を始めました。

私たち2人の反対討論の中では原発のコストには一切、触れていませんが、「原発の発電コストよりも再エネの発電コストの方が低くなるという試算がある」と述べられ、「再エネのコストが高いのは、火力発電を行う電力会社の利益確保と福島第一原発被害の補償が電気料金に上乗せされているため」と説明されました。

まず「再エネコストは原発より低い」と主張がありましたが、私が指摘したのは建設費も含めたコストです。

資源エネルギー庁のホームページにおいて、建設費・工事費を含めると再エネは原発に比べ約2倍のコストがかかると記載されています。

また、再エネは発電量が天候に左右され、火力発電などのバックアップ電源も必要とします。そうした部分のコストも加味すると、再エネは導入すればするほど、高コストになることも指摘されています。

また、私も指摘しましたが、そもそも日本では税金のように電気料金に「再エネ賦課金」が加算されています。「再エネ賦課金」は、国が再エネ推進のため、再エネの高い電気代を、国民が負担する制度です。

再エネが本当に低コストなら、再エネ賦課金の制度は必要ありません。残念ながら、革新系議員の賛成討論では、こうした論点に対する言及はありませんでした。

◆議会を通じて、幸福実現党の哲学や考え方をお伝えさせていただく

本会議での採決の結果、本意見書は不採択となりました。

その後、同僚議員の方々からは、「説得力のある討論内容で感心した」という趣旨のお言葉をいただきました。まだ1年目で経験不足の私に、こうした温かい言葉をかけてくださるのは、感謝が尽きません。

今回は「再エネ推進」がテーマでしたが、このように地方議会においても、国政レベルの論戦が繰り広げられます。

公の場である議場での発言は、その場にいる議員や自治体職員、傍聴者だけでなく、議会中継を観る方々に大きく影響を与えるものであり、責任重大です。

一方、こうした場で幸福実現党の政策や考え方をお伝えさせていただけるのは、大変ありがたい機会であるとも感じております。

今後も積極的に議場での発言を行い、地域の皆様の幸福の実現に取り組んでまいります。

佐藤恵一

執筆者:佐藤恵一

埼玉県東松山市議会議員

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