中国が宿敵イランとサウジアラビアを仲介。世界大戦の構図が鮮明に。【後編】
◆バイデン外交で「世界大戦の構図」に
イランの核開発は秒読み段階に入っています。イランは「核兵器を作る意思はなく、核の平和利用だ」と主張してきました。
たとえば原子力発電所に必要な濃縮度は3~5%です。イランが米英仏独中ロと2015年の合意した濃縮度は3・67%でした。
それが今年2月、国際原子力機関は濃縮度84%の高濃縮ウランが発見されたと報告しました。平和利用どころか、核兵器製造に必要な濃縮度90%まであと僅かです。
イスラエルは、イランの核開発成功を黙って見過ごすことはありません。これまでも、イランで核科学者らが暗殺されるたび、イスラエルの関与が報じられてきました。
核施設への破壊工作も行っています。核開発完了前にイランを攻撃する可能性は濃厚です。そうなれば、中東を発火点として世界大戦が勃発する可能性も出てきます。
バイデン米大統領は外交方針として「民主主義VS権威主義」の対立軸を打ち出しましたが、完全に裏目に出ています。
危機が迫る中、幸福実現党の大川隆法総裁は、世界の趨勢を決めるのは「インド」だと指摘してきました。
現在、インドは中立の立場を堅持していますが、中国寄りも人口は多く、仏教も生んだ宗教大国です。歴史的に日本のつながりは深いので、インドを味方に引き入れる役割を、積極的に果たすべきです。
◆共産主義と戦うことは正義
米国共和党を中心にウクライナ戦争を終わらせようとする動きが出てきたことは注目されます。近い将来、バイデン外交が修正される可能性もあります。
トランプ前大統領は「大統領に返り咲いたら真っ先にウクライナ支援を停止する。私は第3次世界大戦を簡単に阻止できる唯一の候補だ」と語っています。
また次期米大統領選の有力候補とされるフロリダ州のデサンティス知事も「ウクライナ戦争は領土紛争であり、重大な国益ではない」と述べています。
さらに、米国下院では超党派で「中国特別委員会」を設置し、米国にとっての真の脅威を明らかにしようとしています。
中国問題に取り組んできたマクマスター元大統領補佐官などが、習近平主席の主張を根拠に、「マルクス主義を思想的根拠として西側と戦おうとしている」ことを説得する熱の入った映像を議会で上映しました。(※)
(※)「中国問題委員会で使用された映像」
https://www.c-span.org/video/?526319-1/national-security-adviser-mcmaster-testifies-select-committee-china
19世紀のマルクスの共産主義が世界中に多大な犠牲を出したのは歴史的事実です。ソ連で2000万人、中国で6500万人、北朝鮮で200万人など、想像を絶する犠牲者が生まれました。
このマルクスを信奉し、共産主義を国是とする中国共産党の脅威を知らせることは、国防を論じるうえでも大事なことです。
◆日本の使命
日本は、唯物論国家による文明実験で人類は150年以上、苦しみ続けてきた現実を直視しなくてはなりません。
唯物論を基本思想とする中国は、ウイグルやチベットに対する弾圧も行っています。中国国内でも苛烈な信教の自由への弾圧を行っています。
日本はアジアの大国として、「信教の自由」を守る砦とならねばなりません。「自由・民主・信仰」の普遍的価値観で中国を封じ込め、世界大戦を阻止するために力を尽くすべきです。