終わらないウクライナ戦争 世界大戦勃発の予兆【後編】
幸福実現党党首 釈量子
◆戦争が世界に飛び火、核攻撃も
前編では、(1)ロシアとNATOの全面戦争の可能性を指摘しました。
(2)北朝鮮の戦術核による攻撃
戦争がアジアに飛び火する可能性も濃厚です。すでに、ロシアと北朝鮮の動きは連動しています。
北朝鮮は3月24日、長距離弾道ミサイルICBMの発射実験を行い、4月16日に新型誘導兵器の発射実験を行っています。
4月25日には、朝鮮人民革命軍創建90周年の軍事パレードを行い、(核兵器について)「戦争防止という一つの使命だけに縛られない」と発言しています。
その意味するところは、基地を攻撃するなど限定的な「戦術核」を使用するということです。
この発言によって、北朝鮮による核攻撃のハードルが一気に下がりました。
大川隆法総裁は4月26日に、「宇宙存在であるヤイドロンのメッセージ」を公開しています。
「(北朝鮮の」韓国への軍事侵攻が、もう近い。大統領替わる頃に何かやりたいと思っているだろうと思います」と。
5月10日に韓国ユン大統領の就任の代わり目にミサイルを撃つ可能性もあると警告しています。
米国や韓国はこうした北朝鮮の新しい動き、戦術核に対策ができるでしょうか。
(3)ロシアによる北海道侵攻
岸田首相は、ロシアへの経済制裁のみならず、自衛隊機を派遣するなどかなり深入りし、あっという間にロシアを敵対国にしてしまいました。
このままいけば、日本は尖閣防衛に加えて、ロシアによる北海道侵攻に備えなくてはなりません。
オホーツク海の海底には原子力潜水艦があり、もし米国がロシア本土に核攻撃した場合、核ミサイルで報復できます。
ロシアにとっても西からNATOが迫ってきたように、東から日米同盟が迫り、日本がロシアの敵対国になるならばどうなるでしょう。
プーチン氏は、オホーツク海に面した北海道の北側や東側をロシアの安全圏として確保しなくてはならないと考えるはずです。
北方領土の軍事基地からミサイルを撃ち、札幌の空が赤く染まったり、旭川で市街戦が行われるといった未来もありえます。
日露平和条約交渉の際にも、プーチン大統領は、北方四島を返還した場合に、米軍は駐留しないと確約するよう、安倍首相に強く求めました。
しかし、安倍首相は、日本は日米同盟があるので、米軍が駐留しないとはハッキリ言い切ることができなかったために、平和交渉が進みませんでした。
主権国家なら判断できるはずですが、「アメリカにお伺いを立てなければいけない」ということです。
今年の秋には、北海道で日米共同訓練が行われます。これらが全て、ロシアへの敵対行為として捉えられます。
最近、ロシア下院副議長が「北海道は元々ロシア領だった」と発言するなど、ロシアの口先介入はすでに始まっています。
しかし、ロシアが北海道に攻めてきても、米国は本当に日本を守ってくれるかは分かりません。
武器だけ支援し、最低限の関与しかない可能性もあり、ウクライナのように、日本を戦場として、ロシアと日本を戦わせるかもしれません。
それは、朝鮮半島も同様です。
今、バイデン大統領の描いた「民主主義国家VS権威主義国家」の構図によって、世界が分断されています。
北朝鮮やイラン、パキスタン、シリアなど、アメリカ嫌いの国が横に繋がっていっていく動きを、バイデン政権はまったく見えていないと言わざるをえません。
◆日本が世界に示すべき平和への道
ここで日本は、冷静に国益を考えて行動しなくてはなりません。
日本は、中国やロシア、北朝鮮の三正面作戦には対応できません。国防強化は待ったなしです。
今できることとして、「日本はロシアを敵に回すな」「ウクライナの中立化で、ロシアと停戦を求める方向で努力すべきだ」「ロシアとの友好の道を残せ」、そして「中露離間外交に力を尽くせ」と強く訴えたいと思います。
それが、平和への道であると考えます。