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ウクライナのネオナチ「アゾフ大隊」とは。ロシアの軍事作戦の正当性はあるのか? 【後編】

https://youtu.be/pAj1tFBXNr4

幸福実現党党首 釈量子

◆アゾフ大隊の残虐さ

ネオナチ「アゾフ大隊」の残虐さは、国連も調査しています。

国連人権高等弁務官事務所は、2015年の11月から2016年2月にかけて、紛争が起きていたウクライナ東部の現地調査を行いました。

現地住民へのヒアリングから、アゾフ大隊によって、民間人の殺害、拷問、虐待、略奪があったことを報告しています。

例えば、2015年1月28日、マリウポリの男性が「ドネツク共和国を支援している」との理由でアゾフ大隊によって拘束され、2月6日まで、電気ショックや水責めの拷問を受けた事例が載っています。

これは国際法違反であり、ミンスク合意違反です。

ヒューマン・ライツ・ウォッチが発表した2016年のレポートでは、ハリコフやマリウポリなどに秘密の監禁施設があり、親ロ派の住民を恣意的に拘束し、虐待していると指摘しています。

また、2014年5月に起きた「オデッサの虐殺」では、アゾフ大隊が大勢のロシア人を建物の中に追い込み、放火し火炎瓶で焼き殺しました。

これらの報告を見ると、プーチン大統領の指摘通り、親ロ派住民の安全は全く確保されていなかったことが明らかです。

◆アゾフ大隊の称賛が可能に

フェイスブックは2016年、アゾフ大隊を白人至上主義者のKKKやイスラム過激派のISISと同じレベルの危険組織と認定しました。

アゾフ大隊は、フェイスブックを通じて世界中から隊員をリクルートしており、2019年には、その利用が禁止されています。

同時期、米国下院議員40名がアゾフ大隊を海外テロ組織として認定するよう国務省に働きかけを行っています。

ところが、今年2月、なぜかロシアの特別軍事作戦後、アゾフ大隊のフェイスブックの利用禁止が解除され、アゾフ大隊を称賛することも可能になっています。

◆米欧が隠すアゾフ大隊の「不都合な真実」

3月8日の国際女性デーにNATOの公式ツイッターに、ウクライナの女性兵士の写真が4点アップされました。

その中の1点に、迷彩服の胸にナチスのシンボルである「黒い太陽」の紀章をつけた民兵が写っていたため、NATOは慌てて、削除しています。

「黒い太陽」は、聖書の黙示録の解釈として、中世から提唱されてきた理想の国家「第三帝国」の紋章で、ナチス親衛隊SSが神聖視していたものです。

また、ゼレンスキー大統領が、ギリシャ議会でネット演説した際に、ギリシャ人が数多く住むマリウポリを守る2人のウクライナ民兵を紹介しました。

しかし、そのうちの一人がアゾフ大隊の隊員であることを話してしまい、ギリシャの議員から反発の声が上がりました。

このように、ウクライナを支援する米欧にとって、アゾフ大隊は表に出したくない「不都合な真実」なのです。

◆ゼレンスキー大統領の責任

2014年以降、ウクライナ東部ではウクライナ政府と、親ロ派住民との内戦で1万4000人以上の死者が出ています。

少なくとも、ウクライナ政府には東部まで統治が行き届かず、大きな責任があります。

この紛争を止めるために、2014年9月にロシアとウクライナの間で結んだ「ミンスク合意」(ウクライナ、ロシア、ドネツク人民共和国、ルガンスク人民共和国が調印)があります。

さらに、2015年には「ミンスク2」がフランスとドイツの仲介で結ばれ、ウクライナ東部の2つの共和国に幅広い自治権を認めるという約束がありました。

しかし、ゼレンスキー大統領は、親ロ派の自治権を認めるどころか、更なる攻撃を加え、低迷していた支持率を回復するために利用しました。

プーチン大統領の演説の通り、ウクライナ東部の2つの共和国を守ることを目的とした、「特別軍事作戦」だったことも一定の合理性があります。

◆バイデン大統領の罪

一方、バイデン大統領は、選挙を控えて、人気取りのために、ロシアをたたき、しかも息子ハンター・バイデン氏がウクライナや中国からお金を得ていたという疑惑を隠蔽しています。

バイデン大統領のロシアたたきは、中国が仕掛けているコロナウイルス戦争の悪事から、世界の目を背けさせています。

世界が非難すべきは、ウイグルやチベット、香港の人権弾圧を行っている中国共産党であることを忘れてはなりません。

◆日本は独自の外交努力を

日本政府は、ゼレンスキー大統領が「世界戦争の火付け役」だと見抜かなくてはいけません。

幸福実現党としては、岸田政権によるロシアへの追加制裁にも反対です。日本政府は世界大戦を防ぐためにも、ウクライナの中立化に向けて外交努力すべきです。

そして、日本は日露関係をいち早く修復し、中露の離間を図り、ロシアを含めた信仰ある国々で、対中包囲網を築くべきだと考えます。

さもなければ、日本は、中国・北朝鮮・ロシアの共同軍事行動に対処しなくてはならなくなります。

日本の国益を考えた時に、ウクライナよりロシアのほうが日本の将来には大切です。同情だけで人気と票を取ろうとするなら、日本の国を危うくします。

釈 量子

執筆者:釈 量子

幸福実現党党首

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