ウクライナ侵攻で迫る第3次世界大戦、日本も戦場に【第3回】
幸福実現党党首 釈量子
◆米国の二つ目の敗戦
今回のウクライナの情勢に関して、大川隆法党総裁の最新刊『ウクライナ侵攻とプーチン大統領の本心』の「あとがき」で、「バイデン氏は、対コロナ戦に続いて、二つ目の敗戦だ。残念だが頭が悪すぎた」と述べています。
『ウクライナ侵攻とプーチン大統領の本心』大川隆法党総裁著
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バイデン政権は、中国がばら撒いたコロナウイルスによって、世界で4億人以上、死亡者数600万人以上を出していますが、中国の責任を全く追及できません。
これが一つ目のコロナ敗戦です。
二つ目の敗戦ですが、現在、ウクライナのゼレンスキー大統領は米国では戦争を仲裁できないと考えて、中国にロシアとの仲裁をお願いしようとしています。
中国も乗り気になっているようですが、これでは米国の面子は丸潰れです。
ロシアと米欧は、バイデン大統領の失策により、戦争を防ぐどころか核戦争の危機にあります。
東アジアでは、中露接近により日本が戦場になる可能性が高まり、北朝鮮の核開発を勢いづかせ、台湾防衛に不安を与えています。中国は高笑いという状況です。
国連はもう機能せず、冷戦後に築かれてきた米国主導の国際秩序が揺らぎ始めているのは明らかです。
このように、米国のリーダーシップが弱まる中で、ロシアと中国、イラン、北朝鮮などの国がつながり、米欧日と対立するという第3次世界大戦の構図が出来上がりつつあります。
これが、ロシアをウクライナ侵攻に追い込んでしまった、バイデンの二つ目の敗戦です。
◆プーチン大統領がNATOの東方拡大を認めない理由
ロシアにとってのウクライナはヨーロッパからの侵攻を防ぐために死活的に重要な地域です。この緩衝地帯があるおかげで、ナポレオンやヒトラーの侵略からロシアを守ることができました。
プーチン大統領にとっては、NATOの東方拡大は認めることはできず、ロシアにとってのウクライナは、米国にとってのキューバだということです。
キューバ危機では、ソ連がキューバに核兵器を配備しようとしたとき、「核戦争も辞さず」との覚悟で、ケネディ大統領は核兵器を持ち込ませないように海上封鎖しました。
アメリカでも国防省の元上級顧問ダグラス・マクレガー氏が「ロシアのウクライナ問題をアメリカのキューバ危機と一緒だ。ロシアの狙いは欧米との戦争ではない」ということを言っています。
プーチン氏をヒトラーとみる向きが大勢ではありますが、これは防衛なのかというところが決定的な見方の違いになっています。
プーチン大統領2月24日、改選前の演説を見ると、これまでのアメリカの非道ぶりを非難しており、一定の筋は通っていると思います。
◆第三次世界大戦を防ぐには
「第三次世界大戦」を引き起こすような事態を防ぐためには、どのようにすべきでしょうか。
幸福実現党は、プーチン大統領の論理とウクライナの主張とを比較考量した時に、ウクライナがEUやNATOに加盟することを認めるべきではないと考えています。
また、日本は中露北の三正面を回避するための外交努力はすべきだと考えます。
ちなみに、絶妙な動きをしているのがインドです。インドは、ロシアとの関係も強く、肩入れしないよう、中立の立場を保っています。
インド政府は、制裁後もロシアとの貿易が継続できるよう検討しているようです。
イラン制裁の時も、インドルピーで、決算を続けました。米国追従ではなく、ロシアを見捨てることはしないと思われます。
日本も、国家存続の危機という認識で、政治的・外交的な落としどころを探るべきではないかと思います。
そして、「自由・民主・信仰」という価値観のもと、新しい地球的秩序の構築に向けて努力していくべきと考えます。