ウクライナ紛争が日本に飛び火?大炎上「憲法9条で国は守れるのか?」論議【前編】
幸福実現党党首 釈量子
◆ウクライナ紛争で「憲法9条」が炎上
2月24日、ロシアがウクライナを侵攻し、世界は騒然としています。
特に「米軍はウクライナでの紛争に関与しない。ウクライナでは戦わない」という「バイデン発言」が軍事侵攻を招いてしまったことに批判も集まっています。
ウクライナがそうなら、台湾危機が起きた場合、アメリカは台湾を守ってくれないのではないかという懸念も生まれています。
日本では、このウクライナ情勢がいわゆる「Wake up call」となり、安全保障に関する踏み込んだ議論が高まっています。
たとえば、安倍元首相が「核シェアリング」に言及したり、非核三原則の「核を持ち込ませず」を変えるべきだというような議論がなされています。
一方、共産党の志位委員長はツイッターで、「仮にプーチン氏のようなリーダーが選ばれても、他国に侵略させないための条項が憲法9条なのです」と主張し、これが炎上して、保守系の識者や政治家から反論があがっています。
日本維新の会の松井代表は「志位さん、共産党はこれまで9条で他国から侵略されないと仰っていたのでは?」とツイッターでつぶやきました。
また、自民党の細野豪志氏は「志位委員長のロジックでは他国のための憲法9条になってしまう」と指摘しています。
志位さんは「日本にプーチンのような独裁者が出ても大丈夫だ!」というわけで、「日本が一番危険なんだ。日本さえ牙を抜けば世界は平和だ」という考えが骨の髄まで染み込んでいるからです。
しかし「日本の伝統的な戦後の価値観を引きずった自虐史観に基づいて、日本さえ爪を切っておれば、牙を抜いておけば、世界平和になる」という思想は、戦後の日本の政治そのものに根深くあります。
北朝鮮にいくらミサイルを発射されても「遺憾です」しか言えない政治の根源はどこかを直視しなければ、この問題は解決がつきません。
◆こんな日本にだれがした
では、こんな日本にだれがしたのか。その現代政治の元凶は、はっきりと言ってしまえば、吉田茂首相なのです。
吉田首相は、「吉田学校」と呼ばれるように、池田勇人や佐藤栄作などの人材が輩出され、自民党の保守本流をつくり上げたと言われています。
現在の岸田首相が所属する「宏池会系」も吉田首相からの流れです。しかし、歴史を見てみると、本当に保守と言えるのかその流れを見て参ります。
1945年、先の大戦に負けた日本に、進駐したGHQ(連合国軍最高司令官総司令部)は、日本の非軍事化と武装解除を進めます。
同時に、日本を弱体化するために、日本の強みの根源である「宗教」を取り上げました。
憲法においても「政教分離」が定められると、「政治と教育から宗教を遠ざけたら日本を弱くできる」と考えました。
そして、「宗教は政治に関わってはいけない」「公立校で宗教教育をしてはいけない」という考え方が、私たちの「常識」として深く根付いてしまいました。
結果、背骨が抜かれた日本は、クラゲのような軟体動物になり、自分で立つこともできず、漂流していきました。
それによって、自分の国を自分で守るということができなくなってしまったのです。
(後編につづく)