米大統領選2024 トランプ復活の兆し【前編】
幸福実現党党首 釈量子
◆米国でトランプの存在感高まる
アメリカのバイデン政権が誕生してから1年経ちましたが、支持率が急落しています。
世論調査のギャラップが米国の民主党と共和党の政党支持率の調査によると、1年前にバイデン政権が誕生した頃は、民主党の支持率49%、共和党の支持率40%でした。
しかし、昨年下半期に共和党が民主党の支持率を上回り、2021年末の段階で、共和党47%、民主党42%になりました。
バイデン政権就任からわずか1年余りで、共和党が民主党を5ポイントリードしています。
その共和党の中で、誰が2024年の大統領選に出てくるでしょうか。圧倒的に可能性が高いのが、トランプ前大統領です。
先月、米国の著名な政治サイト「The Hill」で紹介された共和党内の支持率調査によると、1位はトランプ57%で断トツです。2位はデサンティス12%、3位はペンス11%でした。
2位のデサンティス氏はフロリダ州知事で、トランプ氏の熱心な支持者でもあります。
昨年、サンティス知事は「個人の自由を制限する」という理由で、「ワクチンパスポート」の導入を禁止する行政命令を出し、トランプ氏と非常に近い政治思想を持っています。
3位のペンス氏はトランプ政権の副大統領です。
この調査では、もう一歩踏み込んで、「トランプがいなかったら、誰を支持するか」という共和党内の支持率調査をしています。
これを見ると、1位デサンティス30%、2位ペンス24%、3位クルーズです。
3位のテッド・クルーズ氏は、共和党上院議員で、対中強硬派の代表格です。トランプ氏とも考え方が近いとされます。
このような顔ぶれが出ているわけですが、やはり、何といっても圧倒的な存在感を持つのはトランプ氏です。
今年1月に入り、15日にアリゾナ州で、29日にテキサス州で支持者集会を開き、熱狂的な支持を集めました。
その中で、トランプ氏はバイデン政権の外交や内政について、実に率直に批判しています。
トランプ氏の政治的な考え方は、実に幸福実現党の見方、考え方に近いものです。
◆トランプのバイデン批判
(1)アフガニスタン撤退の大失敗
一点目は、バイデン政権のアフガニスタン撤退の大失敗です。
トランプは、アフガニスタンからの撤退をめぐる大混乱は米国のイメージを変えてしまうくらいの致命的な失敗だったと強調します。
https://youtu.be/K3fnikz6Vio
(※3:35~トランプ氏の演説)
「米国民は無能な大統領を持った。私が大統領なら、プーチンは決して軍隊を送るようなことはなかっただろう。私と習氏の間で、台湾占領なんて一度も話に上らなかった」
「アフガン撤退失敗は米国の歴史上最も恥ずかしい瞬間だった。米国人の人質を残したまま、軍隊が立ち去ってしまった。彼らは死の恐怖に直面した」
このように、トランプは、アフガンの失敗が強いアメリカというイメージを変えてしまい、弱いアメリカのイメージを与えてしまった。
アメリカは、世界から一目置かれる国ではなくなり、中国やロシア、それから北朝鮮の挑発を受けるようになってしまったと指摘しているわけです。
また、アフガン撤退について重要な点を、次のように指摘しています。
「アフガンには850億ドルに及ぶ装備品を残してきてしまった。7万台のトラック、70万丁のマシンガンやライフル、ナイトマスク、ヘリコプター。アフガニスタンが必要なのはこれらの20分の1程度で、後は売りさばく。中国が最新鋭の戦闘機や武器を入手し、再設計し、利用するだろう」
さらに、「米国は25年前に巨額のお金を使って、バグラム空軍基地を作ったのには理由があった。それは、アフガニスタンだからではなく、中国が核兵器を製造している工場から僅か1時間の距離にあったからだ。それが今や、中国がバグラム空軍基地を支配してしまった。これが、バイデン政権が無能な政権だと言うことだ」
その結果、「バイデンの弱さと無能さによって、第三次世界大戦のリスクを増大させてしまった」と批判しました。
(後編につづく)