北朝鮮の極超音速ミサイルが日本に落ちたらどうなる?日本の国防は大丈夫?【前編】
幸福実現党党首 釈量子
◆2022年、頻発する北朝鮮ミサイル発射実験
今年に入って、北朝鮮は既に6回のミサイル発射実験を行っています。
1月5日、1発の極超音速ミサイル発射を皮切りに、14日には鉄道発射型イスカンデル、17日には北朝鮮版のエイタクムスを2発ずつ発射しています。
エイタクムスはもともと米国のミサイルで、今回のミサイルは大変酷似しており、韓国からの横流しではないかと囁かれています。
また今後、追加の核実験に踏み切る恐れも指摘されております。
◆東京23区壊滅!? 衝撃の被害想定
ミサイルはあくまで運搬手段でありますが、ここに核を搭載したらどうなるのか。
こうした核攻撃の防衛に失敗するという最悪の事態をシミュレートしたNUKEMAP(ニュークマップ)というものがあり、これは中国の大陸間弾道弾「東風5号」が千代田区三番町に着弾した場合の被害を想定しています。
※NUKEMAP(ニュークマップ)は、下記動画の映像よりご覧ください。
https://youtu.be/k5tUpg_euLc
風向き等、自然条件で変わるものですが、着弾する中心エリアは核爆発で生じた火球で蒸発してしまいます。
その外縁部は「爆風半径」と呼ばれ、大半の住宅が崩壊し、木造家屋の場合は圧死の可能性があると言われます。
さらに北はさいたま市、南は川崎市に至る範囲は「熱放射半径」と言い、皮膚や髪などを含めて木造の建築物が瞬時に燃え上がる恐れがある地域となります。
たった一発の核ミサイルで東京23区は壊滅し、死者は最大で約220万人、負傷者は437万人に上ると考えられています。
◆極超音速ミサイルが日本の防衛体制を無力する?
そのため、こうした核ミサイルが決して日本に落ちないように、これまでPAC-3やイージス艦を中心とするミサイル防衛のシステムを政府は構築してきたわけです。
しかし今、これを真っ向から揺るがす新しい兵器が登場しました。
それが、前述した「極超音速ミサイル」です。
今年に入ってからの北朝鮮のミサイル発射でも、6回中2回、1月5日、11日のものが極超音速ミサイルだったと言われています。
こうした極超音速ミサイルは、2兆円かけて作り上げた今までのミサイル防衛体制では迎撃できないと言われています。
◆極超音速ミサイルは初代ウルトラマンより速く飛ぶ
まず、極超音速ですが、「音の速さより極めて速い」ということで、具体的には音速の5倍以上になると極超音速と呼ばれるようになります。
このときに、「マッハ」という言葉がよく使われます。これは音速と比べて「どれくらいの速さなのか」を表したもので、マッハ1は音速と同じ速さで、マッハ5が音速の5倍の速さということになります。
ちなみに、初代ウルトラマンの飛行速度はマッハ5ですので、ウルトラマンより速く飛んでくるのがこの極超音速ミサイルになります。
野球の剛速球のように速度が上がれば上がるほど、迎撃は難しくなりますが、問題は、速さだけではありません。
◆迎撃が極めて難しい極超音速ミサイル
通常のミサイルの軌道は放物線を描いて落下しますが、極超音速ミサイルは全く違った動きをとり、低い高度で、ものすごい速度で迫ってくるところに特徴があります。
通常のミサイルの場合、放物線を描くので落下地点を演算で出すことも比較的容易なのですが、極超音速ミサイルは軌道がくねくねと変動するので、動きが予想できず、迎撃が難しいのです。
例えば、発射段階では日本本土に落ちるのか、排他的経済水域(EEZ)に落ちるのか、それ以外に落ちるのかをミサイルの軌道だけで判断するのは難しいわけです。
さらに、1月11日に打ち上げたミサイルはもっと曲者で、縦方向の高度で動きを変えただけでなく、横の水平方向に200キロ以上方向を変えたと言われています。
例えば富士山より西側に向けて発射したように見せながら、最終的には東京を狙える、というようなことを意味します。
◆イージス艦では撃ち落とせない!?
加えて、極超音速ミサイルは、発見と探知が格段に難しくなります。
地球は丸いのですが、ミサイルを探索するためのレーダーの電波はまっすぐにしか進まず、もっと言えば、こうした低空軌道のミサイルをイージス艦で迎撃することはできません。
なぜなら、イージス艦はミサイルが宇宙空間まで上がるタイミングで迎撃を行いますが、これは高い高度を飛んでいるミサイルにしか対応していません。
ですので、もし極超音速ミサイルが日本に飛んできた場合、早期の発見が難しく、イージス艦でも十分に迎撃できない可能性が濃厚となります。
PAC-3が限られた時間の中で、高速のミサイルを撃ち落とせるかどうか、非常に心許ない状況と言えるでしょう。
一昨年は陸上型のイージスシステムを配備するかどうかで大変揉めていましたが、わずか数年でその根本を揺るがす事態が起きているわけです。
◆極超音速ミサイルを既に配備する中国
なお、脅威という意味では、北朝鮮以上に中国が深刻です。
北朝鮮は、極超音速ミサイルは実験の段階ですが、中国は既に、兵器として配備しています。
これについて、幸福実現党の大川隆法総裁は、1月9日に行われた「『秘密の法』講義」の中で、「中国と北朝鮮が、同時にマッハ5以上の超音速のミサイルができるわけがないので、そこが通じているということでしょう」と指摘されました。
中国と北朝鮮が裏でつながって、中国からの技術供与がなされ、北朝鮮が極超音速ミサイルの技術を着実に蓄積しているということについて、警戒感を高めるべきであると考えます。
なお、大川総裁は「中国はいざという時は北朝鮮を戦場にして」「北に撃たせまくるつもりで多分やっているのだろうと思います」という読みもされています。
(後編につづく)