北京五輪前に、やっぱり看過できないウイグル問題。中東イスラム諸国はなぜ沈黙するのか?【後編】
幸福実現党党首 釈量子
◆中東はなぜ沈黙するのか?そして同通するポイントとは?
【中編】で示したように、米国の同盟国を含めて、中東のイスラム教国がことごとく中国の軍門に下ったかのようになっていますが、共通するポイントは「チャイナマネー」です。
米トランプ前大統領のような強いリーダーが不在になり、米国の足元を見て、中国と付き合った方が明らかに得だと、値踏みをされているのは間違いないでしょう。
もう一つの共通する点は「人権思想」が欠けていることです。
イスラム教を土台にした強権的な社会体制は、元来「自由」「民主」といった欧米的な人権思想には反発心が強く、同じ人権問題で内政干渉されたくない中国と、見事に同通してしまいます。
更に言いにくいところではありますが、イスラムの商習慣の中には「嘘をついて騙してなんぼ」という日本人には理解しがたいメンタリティーがあると言われます。
ムスリム全てがそうではないのはもちろんですが、平気で嘘をつけるというのは、中国との隠れたもう一つの共通点かもしれません。
中国は、経済的に苦しい国々を「債務の罠」にかけていますが、「はなから中国からの巨額の債務を踏み倒すつもりで支援させている。中東イスラム諸国の方が一枚上手だ」という見方もあるかもしれません。
◆ウイグル問題でどっちつかずの日本。どうすべきか?
中東と中国がつながることで世界の闇はますます深まりますが、こんな状況において日本はどうすべきでしょうか?
まず中国と欧米諸国、どっちつかずのスタンスを捨て、明確な姿勢で欧米側に立つという「判断」をし、真正面からウイグル弾圧を非難すべきです。
幸福実現党創立者である大川隆法総裁は、昨年12月エル・カンターレ祭における御法話『地球を包む愛』で「お金で魂を売ってはいけない」と指摘、「なぜイスラム教の多いウイグルで、あれだけの強制収容所の苦しんでいる人たちがいるにもかかわらず、助けようとしないのか。」と激しく訴えました。
イランでは強硬派の大統領が誕生し、米国を舐め切って核開発を加速させている一方、イスラエルも更に強硬路線に立って、イランとの最終戦争に踏み切る可能性は否めません。
この点についても、大川総裁は「(中国への依存は)食べていくためには仕方ないと思うところもあります」としつつ、「核兵器をつくるのを、急ぐのをやめてください。つくったら、イクラと同じ運命が待っています。イスラエルとイランが核兵器もったら、生き残るのはイスラエルです。イランは無くなります。だから私の言葉を聴いて、踏みとどまってください、西洋化してください、民主化を入れてください、それが生き延びる道です。」と述べられました。
◆中東イスラム諸国から中国を切り離し、欧米圏とつなぐことが日本の使命
そして、中国と中東イスラム教国の良からぬ関係を「分断」するのは、日本の役割でしょう。
「イスラム圏」の国々は大変親日的で、日本人の真面目さ、勤勉さ、誠実さ、その日本人が作り出す自動車や精密機器など、質の高い製品への信頼感は驚くほどです。
そして何より、日本の「武士道精神」によって、欧米の植民地支配を終わらせたことに深い敬意を抱いています。
信仰の同胞を虐殺しながら、お金で懐柔する中国に代わって、日本がイスラム圏の末永い発展を支えるような役割を果たすべきです。
そして、欧米キリスト教圏と中東イスラム教圏の懸け橋となって「つなぐ」ことこそ、世界宗教と渡り合えるような、宗教的・精神的文化を有する日本のみが果たしうる世界的な使命だと言えるでしょう。
幸福実現党は本年こそ、日本が「武士道の国」として蘇り、地球的正義を取り戻すために、世界に向けて大きな役割を果たすべき年として参りたいと思います。