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台湾有事は日本有事――中国の台湾上陸作戦シナリオとは?【後編】

https://youtu.be/N-y1KOVtTnA

幸福実現党党首 釈量子

◆高まる台湾上陸作戦能力

前編に続き、台湾上陸作戦についてです。

報告書によると、中国人民解放軍は、台湾上陸の戦力を増強しており、先制攻撃後の初期段階の上陸作戦に「海上輸送2万人、空中輸送5千人、ヘリコプター3千人、合計2万8千人以上」を投入できると分析しています。

上陸作戦に使用する上陸用舟艇や、ドック型輸送揚陸艦、戦車揚陸艦などを大幅に増強しています。

これらの部隊が担う最初の攻撃では、台湾全体を占領する必要はなく、まず海岸や港湾の確保が目的となります。

次の段階で、日頃から訓練を受けた民間のRO-RO船(ロールオン・ロールオフ船)、船の前後の出入口からトラック等が乗降できる船が加わって、地上戦を展開する部隊をどんどん運ぶわけです。

港湾がなくても、水陸両用戦車を配置できることも分かっており、中国の台湾上陸作戦能力は日増しに高まりつつあります。

◆異例となる台湾東部での不穏な動き

産経新聞(11/25)で、11月中旬、中国の揚陸艦2隻が、沖縄県与那国島と台湾の間の海域を通過し、台湾東部の花蓮沖で上陸作戦の演習を行っていたと報道されました。

南西諸島周辺で、揚陸艦の行動が確認されるのは極めて異例としています。

中国軍の台湾上陸作戦は、台湾本島西側が主戦場になるといわれ、台湾東部の沿岸部は断崖絶壁が多いのですが、花蓮には長さ10キロの砂利浜があり、軍民両用の「花蓮空軍基地」があります。

また、台湾侵攻時にミサイル攻撃から航空機を避難させる「佳山空軍基地」もあり、台湾防衛の重要拠点というわけです。

記事の中で、台湾当局関係者が「日本の南西諸島を、攻撃目標の選択肢に加えた」とハッキリ指摘したことは注目に値します。

台湾から沖縄の与那国島はわずか111キロ、また尖閣諸島は170キロの距離にあり、陽動作戦として、台湾侵攻と同時に、尖閣奪取に動く可能性もあります。

◆台湾侵攻が世界経済に与える影響

報告書によれば、「台湾侵攻」が世界経済に与える影響も甚大だと、言及しています。

台湾は世界の半導体サプライチェーンの中心で、短期的に、台湾に取って代わる国はありません。

報告書は「台湾の混乱が起きれば、世界経済に約59兆円(約4900億ドル)の損害をもたらす」と試算しています。

日本でも、トヨタが半導体不足により5つの工場で稼働を止めて、減産せざるを得ない状況だと報道されましたが、日本経済に与える影響も計り知れません。

このように「台湾有事は、まさに日本有事」だということです。

◆今日の香港、明日の台湾、明後日の沖縄

最後に、「日本はどうするべきか」ということです。

報告書の公表後、沖縄の共産党議員は議会で「沖縄が捨て石になる」「計り知れない惨劇になる」など言及し、玉城デニー沖縄県知事は「台湾有事で沖縄が標的になるようなことがあってはならない」と発言しています。

沖縄から米軍を追い出したい算段でしょうが、それこそ中国共産党の「思うつぼ」だということです。

日本が自国のことだけで「一国平和主義」となり、台湾を見捨てたとしても、何の解決にもなりません。

大事なのは日米同盟を強化し、抑止力を高めるということです。

「今日の香港、明日の台湾、明後日の沖縄」、そして「しあさっての九州」かもしれません。

大川隆法党総裁は書籍『メシアの法』の中で、「全体主義国家というのは、常に敵をつくり続けるのです。

どんどんどんどん新しい敵をつくって侵略したり、粉砕したりしていくようになっていきます。これが怖いところなのです。」と指摘しています。

よって日本政府は「台湾有事は日本有事」と明確な姿勢を示すべきです。

これにより、中国に対する抑止力を高めると同時に、「あいまい戦略」を採る米国に対して、台湾防衛の意思を明確にするよう促すこともできます。

◆「台湾有事」に対する備えを万全に

日本政府は「台湾有事は存立危機事態に該当するか?」という質問に対し、「一概に述べることは困難である」と曖昧な官僚答弁を行っています。

しかし、日本は「台湾有事は日本有事」であるため、「原則、存立危機事態に該当する」と閣議決定をして、自衛隊が防衛出動できるように備えるべきだと思います。

台湾有事の際に「自衛隊がどう動くのか」、曖昧なままにしておくことは、中国に対する抑止力を弱めることになります。

「存立危機事態」と位置づけることで、日米台の共同訓練を実施し、備えを万全にすべきかと思います。

また現在、日本と台湾の間には、正式な国交がないという理由で、議員交流に止まっていますが、これも政府間の交流や、台湾軍と自衛隊の交流をしっかりと行う必要もあります。

これらと並行し、南西諸島などのミサイル防衛を大幅に強化すべきですし、当然、防衛費の増額は欠かせません。

◆台湾を二度と見捨てない

こうしたなか、幸福実現党は12月7日、「幸福実現党 日台友好議員連盟」を設立し、既に台湾へも訪問し、台北市の与野党の議員たちと交流活動もしております。

日本と台湾の親善友好を促進し、日台の国交を回復させ、同盟関係を結ぶことや台湾の国連への加盟を目指していきたいと思っています。

また「台湾を二度と見捨てない。いまこそ、日台同盟を。」というポスターも制作、「中国共産党の人権弾圧行為をやめさせ、台湾と沖縄の防衛強化を求める署名」も全国で開始しております。

■「中国共産党の人権弾圧行為をやめさせ、台湾と沖縄の防衛強化を求める署名」のお願い

https://info.hr-party.jp/2021/12200/

2022年は、日本と台湾が断交して半世紀の節目になりますが、元来、台湾は日本の良き友人であり、兄弟でもあります。

私たちの激烈な台湾に対する熱い思いを、台湾に、そして国際社会にしっかりと届けることで「自由・民主・信仰」という共通の普遍的な価値観を持つ国家と連携する動きを強めて参りたいと思います。

中国共産党の一党支配を世界に輸出し、世界を一元管理しようとする中国に対して、世界の国々は徹底抗戦すべきです。

釈 量子

執筆者:釈 量子

幸福実現党党首

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