米英豪の新軍事同盟AUKUSオーカスで対中包囲網強化へ【後編】
https://youtu.be/XT3U-tpm-WM
(9月24日収録)
幸福実現党党首 釈量子
◆中国が「包囲網牽制」に動く
この動きに対して、中国は激しく反発しています。
9月16日の中国は国営メディア、環球時報の英語版Global Timesの社説に、ホンネを次のように掲載しました。
「オーストラリアは原子力潜水艦に核兵器を搭載するつもりはないと言っているが、信用できない。元々、原子力潜水艦は攻撃用に造られているからだ。」
あるいは、「オーストラリアは原潜保有により中国に対抗できると思わない方がよい。過ちを犯せば、中国は無慈悲にオーストラリアを処罰する。」
「オーストラリア軍が南シナ海や台湾海峡で中国軍と戦うことになれば、必ず、オーストラリア軍は中国のミサイルの標的となるだろう。」
「オーストラリアが反中の先鋒になるなら、最悪の事態に備えるべきだ。」
しかし、これらの反応から、中国はオーストラリアの原潜保有に相当な危機感を持ち、かなり焦っているのがわかります。
また、中国包囲網牽制のために、王毅外相は10日~15日、東南アジア3カ国と韓国を訪問しました。
韓国では、文在寅大統領と会談し、2022年2月の北京オリンピックへの協力を取り付けた。欧米で北京オリンピックの「ボイコット論」が拡大していますが、中国は文大統領を懐柔し、開幕式に招待するつもりです。
また、中国は16日、TPPへの参加を正式に申請しました。米国がTPPから脱退したままなので、その隙を突いて揺さぶりをかけるつもりです。
しかし、台湾が即座にTPPへの参加を正式に申請しています。
議長国の日本は、英国の加盟をいち早く実現し、一緒に台湾の早期加盟を後押しすべきだと考えます。
習近平国家主席は21日、国連総会の演説で、米国の民主主義の押し付けを批判しつつ、「小グループとゼロサムゲームを放棄すべきだ」と述べました。
クアッドやAUKUSなど、インド太平洋で、中国の海洋進出を阻止する動きが強まり、着実に追い込まれています。
◆日本も原潜を保有し、中国包囲網強化を目指せ!
東南アジア各国は、AUKUS創設にどう反応しているのでしょうか?
マレーシアのイスマイルサブリ首相は17日、オーストラリアのモリソン首相と電話で会談し、「新たな枠組みはインド太平洋地域に核兵器の軍拡競争を招く恐れがある」と伝えました。
インドネシア外務省は17日、「この地域で軍拡競争と軍事力の誇示が続くことを非常に懸念している」と声明を出しました。
フィリピンは17日、ロレンザーナ国防相がオーストラリアのダットン国防相と電話で会談し、AUKUSとは距離を置き、中立的な立場を取ることを強調しました。
このように、東南アジアの国々は経済的に中国に依存しており、出来れば、中国との間に波風を立てたくないと考えている国が多いのです。
しかし、日本はインドとともにAUKUSへの加盟を急ぐべきです。東南アジアの国々は日本がどう動くかを見ているからです。
日本が米英豪と価値観を共有する国として、中国に対して、正義を貫く姿勢を示せば、東南アジアの国々にも良い影響を与えることができます。
今回、オーストラリアが原潜を持てば、日米豪印の中で、日本だけが原潜を持たない国になります。
中国の海洋進出を抑えるために、中国包囲網を構築しなくてはなりません。日本も原潜保有を検討すべきです。
バイデン政権は米国一国の国力、軍事力では無理なので、多国間で中国を包囲する戦略を採用しており、日本に対する期待も高いので、日本も防衛のための原潜保有を望めば、実現可能ではないでしょうか。
むしろ、米国は日本国内の原子力アレルギーに配慮している可能性もあります。やはり、日本の政治のリーダーシップが必要です。
日本は、自分の国は自分で守る、そして日米同盟を基軸としつつ、中国包囲網を構築する役割を果たさなくてはなりません。
さらに、AUKUSにインドも加盟すれば、台湾や尖閣、南シナ海を守る抑止力は格段に高まります。
日本が変われば、アジアの未来も変わるのです。