ワクチン接種証明書(ワクチンパスポート)の活用の問題点【1】
HRPニュースファイル読者の皆様へ
おはようございます。
本日より3回に分けて、「幸福実現党政務調査会ニューズレター No.25」をお送り致します。
■ワクチン接種証明書(ワクチンパスポート)の活用の問題点【1】
https://info.hr-party.jp/2021/12014/
政府は、新型コロナウィルスのワクチン接種証明書の活用に向けて、9月9日に方針を示しました。
活用には、飲食店やイベント等での証明書の提示を事例として挙げており、今後、非接種者への人権侵害が助長されかねません。
また、政府が感染症対策の名目の下、自由を制限し、国民を監視していくことは全体主義への道です。政府も、ワクチンの効果の限界を認めており、ワクチン接種証明書の活用が感染対策と経済再開の両立となるかは疑問が大きいです。
こうした不確実な制度で、国民の自由を大きく抑圧してはなりません。
幸福実現党政務調査会としては、このようなワクチン接種証明書の活用には、断固反対であり、即時見直しを政府に強く求めます。
1. ワクチン接種証明書(ワクチンパスポート)とは、政府の経済再開の切り札
ワクチン接種証明書は、ワクチンを接種したことを示す証明書になります。
これによって、政府は、経済再開の起爆剤となることを期待しています。緊急事態宣言等によって、経済を止めたことによって、不況が深刻化しています。ワクチン接種によって、自由な行動を許可すれば、経済を再開できるとバラ色の未来を描いているわけです。
2. 問題点(1) ワクチン接種証明書の感染症対策の効果は疑わしい
◆ワクチン接種しても、感染は防げない(ブレークスルー感染)
しかし、そもそもワクチン接種証明書は、感染症対策として機能するか疑問が残ります。
ワクチン接種を二回しても、感染することはあります。これをブレークスルー感染と呼びます。
◆デルタ株は、ブレークスルー感染を増やしている
日本におけるコロナの陽性者のうち、インド発祥のデルタ株が8月末時点で、9割以上となっておりますが(※1)、イスラエルの報告では、デルタ株によって、ワクチンの有効性(感染予防)が9割近くから、63%まで減少したと言われています(※2)。つまり、デルタ株には、ワクチンが効きづらいことを示唆しています。
◆ワクチン接種をしても人に感染させることがある
もちろん、ワクチン接種をすれば、重症化を防ぐとよく言われます。しかし、たとえ重症化せず、無症状感染であったとしても、人に感染させるリスクは残り続けます。
特に、ワクチン接種者も、鼻の中まで免疫を維持し続けるのは難しいと指摘されています(※3)。ある実験では、ワクチン接種者もそうでない人と同じように、デルタ株を増殖させ、人に感染させる能力があると報告されています(※4)。つまり、無症状の接種者が飛沫感染を引き起こす可能性が示されたわけです。
実際、アメリカでも、ワクチン接種者が、自主的な感染対策をほとんど講じなかったことが原因で、ワクチン接種をした人がデルタ株を拡大させていると報じられています(※5)。つまり、ワクチン接種証明書によって、お上からの「免罪符」を国民に贈れば、かえって感染拡大も起こりかねません。
◆ワクチンの有効期間は短いという説もある
ちなみに、厚生労働省は、先述のイスラエルのブレークスルー感染の理由として、ワクチン接種から長い時間(半年)が経過していることを挙げ、イスラエルが3回目の接種を進めていることを紹介しています(※6)。つまり、ワクチン接種証明書が発行されたとしても、本当に体内の中で、免疫が残っているのかが不明なわけです。
なお、ワクチン接種を2回ではなく、効果が切れる度に接種すればいいという考えもあります。しかし、その場合、ワクチンの効果が切れたら、その度にワクチンを接種しないといけなくなります。それは半永久的にワクチン接種を続けることを意味するかもしれません。
◆ワクチンが効かない変異株が生じうる
また、これからワクチンが効かない変異株が生じる可能性もあります。WHOによれば、注目すべき変異株(VOI)として、インド発のカッパ株(※7)やコロンビア発のミュー株(※8)などを挙げており、これらはワクチンの効果を弱める可能性が指摘されています。
加えて、東京五輪のせいか、日本でもデルタ株のさらなる変異株も発見されています(※9)。つまり、日本型変異が発生したのではないかということが示唆されたわけです。こうした新たな変異がワクチンの有効性を更に下げることもあり得ます。
ちなみに、こうした変異株の発生を防ぐためにも感染の数を減らすべく、ワクチン接種を進めるべきだという意見があります。これには一定の合理性はあるでしょうが、ワクチン接種を希望しない人に、事実上接種を強制するワクチン接種証明書を導入することなど断じてあってはありません。
なお、コロナが生物兵器である可能性を幸福実現党は指摘していますが(※10)、その場合、新たな変異株に偽装した生物兵器による攻撃も想定されます。つまり、変異株の発生を防ぐという戦略は水泡に帰すということです。
(※1)厚生労働省(2021.9.1)「第50 回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード 国立感染症研究所 感染症疫学センター サ
ーベイランスグループ作成資料(資料3-2 鈴木先生提出資料)」
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000826599.pdf
(※2)Israel Ministry of Health (2021, June 7) Explanation About the Effectiveness of the Vaccine for Coronavirus in Israel
https://www.gov.il/en/departments/news/06072021-04
なお、重症や入院を防ぐ有効性は93%としている。
(※3)日本経済新聞(2021.9.8)「デルタ株、ワクチン接種しても鼻腔で増殖 米で確認」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUD252Q60V20C21A8000000/
(※4)medRxiv (2021. Aug, 11) Shedding of Infectious SARS-CoV-2 Despite Vaccination when the Delta Variant is Prevalent –Wisconsin, July 2021
https://www.medrxiv.org/content/10.1101/2021.07.31.21261387v3
査読前の論文であるため、注意が必要である。
(※5)Business Insider Japan (2021.7.12)「米専門家、ワクチン接種済みの人がデルタ株の拡大を助けていることは『疑いようがない』」
https://www.businessinsider.jp/post-238324
(※6)厚生労働省(2021.8.27)「「ワクチン接種後のブレークスルー感染」 なぜワクチンと感染予防対策の両方が必要なのか(森内浩幸 著)」
https://www.cov19-vaccine.mhlw.go.jp/qa/column/0006.html
(※7)厚生労働省(2021.9.1)「第50 回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード 資料4 新型コロナウイルス感染症(変異
株)への対応等 (新型コロナウイルス感染症対策推進本部)」
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000826604.pdf
(※8)WHO (2021. Aug, 31) Weekly epidemiological update on COVID-19
https://www.who.int/publications/m/item/weekly-epidemiological-update-on-covid-19—31-august-2021
(※9)東京医科歯科大学(2021.8.30)「N501S 変異を有する新たなデルタ株(B.1.617.2 系統)の市中感染事例(国内第1例目)を確認」
https://www.tmd.ac.jp/press-release/20210830-1/
(※10)幸福実現党(2021.5.26)「米国で再燃「武漢研究所コロナ起源説」!人民解放軍の関与を示唆する「爆弾文書」とは?【後編】」
http://hrp-newsfile.jp/2021/4083/
執筆者:webstaff