中国が史上最大規模の核ミサイル増強――核恫喝に日本はどう備える?台湾侵攻への布石か?【後編】
幸福実現党党首 釈量子
◆北京五輪ボイコットを検討せよ
日本にとって大事なことは、中国のアジア覇権拡張主義は、共産主義革命というよりは、愛国主義ナチズムの登場だと見抜くことです。
ヒトラーの覇権拡張に対して、イギリスのチェンバレン首相が融和政策を採って、話し合いで解決しようとしました。しかし、これが、第二次大戦の勃発を招きました。同じような過ちを繰り返してはなりません。
日本はまず、人類普遍の価値観である「自由・民主・信仰」の観点から善悪を分け、正義を実現しようとしなくてはならないでしょう。
欧米諸国では今、世界の正義を実現するために、2022年の「北京五輪ボイコット」を主張する人が増えています。
イギリスや欧州の議会は、アスリートは参加できるが、政府の要職にあたる人は参加しないという「外交的ボイコット」を決議し、政府に要求しています。
アメリカ上院は、政府当局者の北京五輪参加のために連邦予算の支出を禁じる法案を可決しました。
各国政府の最終判断はこれからだですが、日本の議会でも、「中国共産党がウイグルや香港の人権弾圧をやめない限り、北京五輪の外交的ボイコットを行うべき」という決議を進めるべきではないでしょうか。
価値判断を何ら加えることなく、北京五輪開催を容認することは、中国をコロナ戦勝国に祭り上げることと同じです。
◆日本を核攻撃するという国に対する万全の備えを
国防についても、世界の正義を推し進める方向で考えなくてはいけません。台湾・尖閣防衛のために、日本の国防強化は待ったなしです。
これまでタブー視されてきた「自衛のための核装備」を検討すべき時が来たのではないでしょうか。これは、現行の憲法9条のもとでも可能な国防政策です。
日本では「核アレルギー」が強いですが、第二次大戦後、核の抑止力により核保有国同士で戦争を行ったことがないのは、厳然たる事実です。
第二次大戦後、毛沢東の中国が核兵器を持った時、当時の首相だった岸信介氏、佐藤栄作氏は「防衛上、核武装の必要に迫られれば日本は核武装する」と考えていました。
当時のアメリカは、日本の核保有を警戒し、アメリカの核の傘のもとで、非核三原則「持たず、作らず、持ち込ませず」を採用しました。
最近まで、核保有について「議論もさせず」という非核四原則を採用しているかのような雰囲気があります。
しかし、現在行われている中国のアジア覇権拡張主義を見れば、「自衛のための核装備」「正当防衛の範囲内での核装備」の準備を始めるべきなのです。
もちろん、日米同盟が強固であれば、ある程度、アメリカが日本を守ってくれる可能性もありますが、例えば、尖閣諸島などの島嶼防衛のために米軍が本当に動くのか、保障の限りではありません。
まずは、その前段階として、「持ち込ませず」を変更し、アメリカの核を借りることを検討してはどうでしょうか。
これは、「核シェアリング」、いわゆる「レンタル核」ですが、ドイツ、イタリア、オランダ、ベルギーといったNATOの国々は、核保有国ではないのに核抑止力を持っています。
大川隆法総裁の書籍『コロナ不況にどう立ち向かうか』のあとがきには、「日本を核攻撃するという国に対しては、万全の備えをせよ。国防をおろそかにする国に、国民は納税の義務はない」と書かれています。
今こそ、日本とアジアの平和を守るために、国防強化を真剣に考えるべきではないでしょうか。