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ウイグル人権弾圧、岐路に立つ日本外交と企業【前編】

https://youtu.be/bbWJoSzrZus

幸福実現党党首 釈量子

◆二股外交の元凶、親中派と公明党

4月16日、菅首相とバイデン大統領が会談し、共同声明を発表しました。

共同声明では約半世紀ぶりに「台湾」を明記しました。「香港」や「ウイグル」の人権も問題視し、中国を牽制しました。

欧米は中国の人権問題について制裁に動いており、「人権中国包囲網」が出来つつあります。

まず、今年1月、トランプ政権のポンぺオ国務長官がウイグルの人権弾圧を「ジェノサイド(民族大量虐殺)」に認定しました。同月、ウイグル産の綿やトマトの輸入を停止しました。

国連の「ジェノサイド条約」では、殺人のほか、集団構成員に重大な肉体的または精神的な危害を与えることや、意図的に出生を妨げることなどが含まれています。

最近、ウイグルから逃げ出した女性たちの勇気ある証言が出てきていますが、レイプや拷問に加え、不妊手術があったと証言しています。

日本はそもそも「ジェノサイド条約」を批准していません。加藤官房長官は、米国のジェノサイド認定を受けて、「懸念を持って注視している」という懸念表明を行いました。会見の中で「ジェノサイド」という言葉も使用しませんでした。

3月には、EUがウイグルの人権弾圧に関わった当局者に対する制裁を発動しました。天安門以来初の制裁です。

その後、米国、英国、カナダはEUに足並みを揃えて、制裁を課しました。

これで、G7(アメリカ、イギリス、ドイツ、日本、フランス、イタリア、カナダ)の中で、制裁に参加していないのは、日本だけになりました。

公明党の山口代表は、「欧米に足並みを揃えるべきか」と質問を受け、「人権侵害の根拠がないのに、制裁を課せば、外交問題を引き起こす」と答えました。

こうした状況なので、日本の国会はウイグル人権侵害を非難する「国会決議」も行っていません。

そんな中、4月6日には「人権外交を超党派で考える議員連盟」が発足しました。自民党の中谷元・元防衛相と国民民主党の山尾志桜里・衆議院議員が発起人代表です。

発起人の一覧を見ると、共産党議員も参加し、まさに超党派です。しかし、なぜか公明党議員の名前が見当たりません。

共産党の志位委員長は、「毛沢東を一番礼賛したのは公明党」と皮肉を述べましたが、言い得て妙です。

このように日本の二股外交の元凶は自民党の親中派や公明党にあると言わざる得ないわけですが、これが欧米の不信感を生んでいます。

米国はウイグルの人権弾圧に加担した企業をブラックリストに載せ、米国企業の輸出先を失いました。米国は身を切って、中国の人権弾圧に対峙しようとしています。

しかし、米国は今、同様の覚悟が、日本政府にあるのかを問うています。

◆世界に広がりつつある北京冬季五輪ボイコット

日本政府が躊躇っている間に、2022年2月に開催予定の北京冬季五輪をボイコットすべきかどうか、米国で議論が始まっています。そして、世界に広がりつつあります。

ボイコットの支持者は、ウイグルやチベット、香港の民主活動家弾圧、台湾への軍事的威圧を許してはいけない。北京五輪をボイコットし、中国を罰する必要があると考えています。

中国にとっては、北京五輪は国内支持を固め、世界中にプラスのイメージを広めるまたとないチャンスです。各国政府が難しい対応を迫られるのは間違いありません。

イアン・ブレマー氏が創業した米国のコンサルタント会社「ユーラシアグループ」は、ボイコットの方法を3つに分類し、どれほどの可能性があるか、算出しました。

(後編につづく)
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釈 量子

執筆者:釈 量子

幸福実現党党首

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