第2波が来たらどうする――学校はコロナ感染源となりえるのか【後編】
https://youtu.be/bxLfavj2o_o
(5月22日収録)
幸福実現党党首 釈量子
◆一斉休校の検証
前編では、休校措置の影響やウイルスの特性のからみた休校措置の是非、海外の学校再開の事例を紹介しました。
では、一斉休校の措置は必要だったのかというところを検証してみたいと思います。
2月25日に、安倍首相は全国すべての小中学校、高校、そして特別支援学校を対象に3月2日から春休みまで臨時休校を要請し、2月29日の会見では何よりも子供たちの健康安全を第一に感染リスクに備えなければならないと語っています。
しかし、専門家会議はまだ一斉休校が感染防止にどれだけ効果があるかを検討しておらず、首相のトップダウンだったとされています。
政治の判断として忘れてはならないのは、中国からの渡航制限よりも1週間早く学校への休校措置を行ったことです。
習近平氏の来日延期の検討が報じられたのが3月1日でした。そして中国からの渡航制限が発表されたのが3月5日です。
これは、日本の子供達の教育よりも中国共産党政府との近しい付き合いを優先したことがうかがえます。
仮に中国人が日本に大量に渡航した春節期間に渡航制限をしていれば、そもそも休校措置は必要なかった可能性もあるわけです。
優先順位を間違え、ツケを子供に回したのではないかという疑念が生じます。
さらに言えば、今回の休校措置では既存の指標を無視して安倍首相が政治判断で休校要請を行ったものでした。
もともと今回の緊急事態宣言のもとになったのは、「新型インフルエンザ特措法」を改正したものです。
新型インフルエンザで示された休校の基準は「10%程度の欠席率」です。「学級閉鎖は1週間程度」でした。
ところが安倍首相はそうした基準を無視して一斉休校を要請したので、現場は大混乱になってしまったわけです。
もちろん、当時は今よりも武漢ウイルスがわかっていなかったので、あえてリスクを取られて決断をなされたのだとは思います。
しかし現在、万単位の死者にはなっておりません。数百人です。そして10代未満と10代の死者はゼロです。
新型インフルエンザが64万人の死者を想定して、休校措置の基準を10%としていたことを考えれば、全国の一斉休校はやりすぎだったのではないでしょうか。
ウイルスは、すでに世界中に広がっております。そして第二波第三波が襲ってくる可能性も当然あるわけです。ただ巣ごもりを続けてもウイルスはなくなりません。
感染リスクをゼロにすると学校に通うことができなくなります。インフルエンザに準じた対応で知恵と工夫を凝らして勉強できる環境を整えてあげるべきだと思います。
そして、最後に日本では感染症に対してさまざまな歴史が残っております。神社においては手水舎(てみずや)で手を洗う習慣があります。
東大寺の大仏や伊勢神宮は感染症、疫病に対してできたということも教えてあげることが大事ではないかと思います。
子供たちにとって不安な時ではありますが、日本人はかつて様々な工夫をし、そして信仰心を持ってこのウイルスに打ち勝ってきたということを知ることが大事なことではないでしょうか。