緊急提言:経済対策は新発想で中小企業を守れ【前編】
https://www.youtube.com/watch?v=0xv6VgviiSM&t=16s
(3月28日収録)
幸福実現党外務局長 及川幸久
※下記は要約したものです。詳しくは上記の映像をご覧下さい。
◆コロナショックによって最優先で救済すべきは誰か?
各国政府はコロナウイルスの感染拡大に対して、医療的な対策を打ちながら、経済的な対策を進めていますが、今回は緊急提言として「経済対策は新発想で中小企業を守れ」というテーマで4点から述べて参りたいと思います。
第一に「救済すべき最優先は中小企業である」という事です。
大きな経済危機になると大企業が政府に援助を求めるのが通常で、政界と大企業とのつながりが中小企業よりもはるかに近いため、政府も大企業を優先しがちです。
しかし、日本の約358万社ある全企業のうち、99.7%にあたる357万社が中小企業にあたります。
また被雇用者数も4678万人のうち、約7割にあたる3200万人以上が中小企業に所属しており、日本の経済界は中小企業によって支えられているといって過言ではありません。
そして、今回のコロナウイルス危機の特徴として挙げられるのが、全産業がストップしてしまうという点です。
それによって、売上げは激減、経済全体がほぼストップしてしまいます。
一方、売上げが激減しても、人件費や家賃等、毎月の固定費は無くなるわけではなく、売掛金の回収が困難になれば、キャッシュ不足に陥り、黒字倒産、また得意先と共に連鎖倒産という事態が想定できます。
これが今回のコロナウイルスの恐ろしい特徴だといえます。
◆中小企業の援助に全力を投じている米国
緊急支援について全世界で最も力が入っているのが米国です。
米国政府、そして連邦議会は緊急援助法案を制定し、220兆円にも上る超大型の予算を用意しています。
そしてこの220兆円の用途は、主に中小企業の雇用を守るために使われることになっています。
また大きな特徴として、大企業を支援するにあたって条件が設定されており、それは「自社株買いの禁止」という項目です。
こうした恐慌下においては、株主や株を保有している経営陣の利益を守るために、大企業は内部留保の資金を使って、自社株を買い支えようとしますが、それと同時に公的援助を求めるのは筋が違うのではないかというのがトランプ大統領の考え方なのです。
これは日本の大企業にも全く同じことを当てはめることが出来ます。
要するに、自社株を買い支える余剰資金があるなら、そのお金で自社の雇用を守ってくれというのがトランプ大統領、そして議会のメッセージです。
◆日本政府が打ち出す2つの資金繰り対策
2点目は、資金繰り対策として日本政府が既に打ち出してくれている点も、なかなかマスコミに出てこないので、ここでご紹介したいと思います。
まず一つが信用保証協会の「セーフティネット」で、通常は担保等がないと民間銀行は融資してくれませんが、突発的自然災害時には、無利子・無担保で最大2億8千万円まで融資してくれるものです。
条件としては、コロナウイルスの感染拡大によって、売り上げが前年同月比でマイナス20%以上、落ち込んだ場合に限ります。
そして、もう一つが日本政策金融公庫の「新型コロナウイルス感染症特別貸付」というもので、新たに新設されたものです。
こちらも無担保・実質無金利で、前年対比で売上マイナス5%以上と少しハードルは低くなっている反面、最大6000万円までの融資と、信用保証協会よりは融資規模は小さくなっています。
(つづく)
執筆者:及川幸久