ロシアで導入、アメリカも検討している税金革命「フラットタックス」【後編】
本日は、「ロシアで導入、アメリカも検討している税金革命「フラットタックス」【後編】」をお送りいたします。
ロシアで導入、アメリカも検討している税金革命「フラットタックス」
https://www.youtube.com/watch?v=g4VxwpW9BRg
幸福実現党 外務局長 及川幸久
※下記は要約したものです。詳しくは上記の映像をご覧下さい。
◆フラットタックス導入で好転したロシアの事例
フラットタックスの導入によって、政府の税収が伸び、経済が良くなった実例がロシアです。
プーチンがロシア大統領になった頃、資本主義経済の導入に失敗し、ロシア経済は破綻状態にありました。
プーチン大統領はアメリカから経済の専門家を呼びましたが、この中にフラットタックスの専門家がいて、ロシアに一律20%のフラットタックスを提案したのです。
それを聞いたプーチン大統領が決断したのは、20%を大幅に下回る所得税13%のフラットタックスの導入でした。
その結果、どん底だったロシア経済がV字回復し、ロシアのGDPはわずか数年で数倍に膨れ上がりました。
そして、「税制の基本は公平である」とよく言われますが、フラットタックスこそ、極めて公平な税金です。
◆公平な税制の導入が「税の抜け穴」をなくす
反対意見には、「フラットタックスは金持ち優遇だ」ということもあり、例えば一律15%のフラットタックスを導入すると、確かに低所得者にとっては高く感じます。
しかし、このライン以下には課税しないという「最低課税所得」を、例えば一世帯当たりの収入が300万円以下というように、高めに設定すれば、低所得者にとっても決して不公平にはなりません。
また、「金持ち優遇なのか」を考えるのに、恰好の実例がアメリカのレーガン税制です。
1986年にレーガン減税といわれる大減税を行いましたが、当時7~8段階あった累進性の強い所得税を止め、15%と28%の2段階に変えました。
完全なフラットタックスでありませんでしたが、この大減税によって、政府の税収の構造が大きく変わりました。
大減税前の1981年では、所得額トップのわずか1%が全所得税の18%を払っており、それ以外の99%が全所得税の82%をカバーしていました。
大減税を行った結果、所得額トップ1%が所得税の28%払うようになったのです。
その要因は、「税の抜け穴」をなくし、公平な税制を作ったからです。
とにかく控除など、税制を複雑にするものをなくしていくのが、このフラットタックスの特徴ですが、お金持ちにとっては実際のところ、減税になるかというとそうでもありません。
なぜなら、お金持ちは「税の抜け穴」をいくらでも使えるので、税率通りにはもともと払う必要がないからです。
その「税の抜け穴」をふさいでしまう代わりに、「税率を低く、一律に」というのがフラットタックスの考え方です。
フラットタックスを導入している中で、一番大きな国はロシアです。
それ以外にもエストニア、ラトビア、リトアニアといった旧ソ連、東欧諸国や中央アジアの国々等、既に世界40か国に上り、導入しているところでは経済成長が起きています。
◆「失われた30年」を取り戻す決め手はフラットタックスにあり!
トランプ大統領の経済政策について書かれた「トランポノミクス」という書籍がありますが、スティーブン・ムーア、アーサー・ラッファーという著者はもともとアメリカでフラットタックスを提唱していた経済評論家でした。
トランプ大統領が大統領選挙に出馬した際、自分の税に関する考え方を実現するためにブレーンとして選んだのがこのふたりでした。
ですから、トランプ大統領が、元来持っていた税制に対する考え方も、実はこのフラットタックスでした。
アメリカの政界には、フラットタックスを提唱している政治家は、共和党を中心に結構たくさんいて、導入を検討していましたが、未だに実現はしていません。
おそらくアメリカではじめてフラットタックスを実現するのはトランプ政権でしょう。
そして、フラットタックスを日本で提唱しているのが、わたしたち幸福実現党です。
もし日米でフラットタックスを導入することになれば、日米の経済は全く新しい繁栄のステージに入っていくことは間違いありません。
フラットタックスを日本で導入するのは夢物語だと思われる皆さんもいらっしゃるかもしれませんが、今の日本経済がスランプに陥って30年経ちました。
この失われた30年を脱し、真に日本経済を繁栄させるための決め手がフラットタックスの導入であり、私たち幸福実現党の経済政策です。
執筆者:及川幸久