なぜ増税しても財源が足りないのか?【後編】
本日は、「なぜ増税しても財源が足りないのか?【後編】」をお送りいたします。
(広報本部)
なぜ増税しても財源が足りないのか?【後編】
幸福実現党 外務局長 及川幸久
※下記は要約したものです。詳しくは上記の映像をご覧下さい。
◆どんな国でも所得税は15%以下でいい
前回、経済を強くするためには政府はできるだけ規制や干渉をすべきではないことを申し上げましたが、規制や干渉の一番象徴的なものが「税金」です。
政府は税金によって民間をいくらでも規制できる。その税金こそ制限すべきであるとハイエクはこう言っています。
「どんな国でも所得税は15%以下でいいはず」だと。
ハイエクがかつて来日した際、当時の大蔵省の官僚に、「所得税は15%以下でいいはず、いや10%でいいはず」だと話したことがあります。
それに対しての大蔵省の官僚は、「国民の皆さんから取らせていただいたら、所得税10%は入りません。7%で結構です」と即座に答えたそうです。
今の日本のGDPが約500兆円で、GDPを日本の所得の合計の数値と考えたら500兆円に10%の税率だったら50兆円の税収があるはずです。
実際に所得税の税収は20兆円もありません。法人税を加えても35兆円くらいです。
ハイエクはこの時、「抜け道なしに税金を10%にすると、日本人がのびのびする」とも言っています。
抜け道とは、「控除」のことです。「控除」を止め、どんなお金持ちであっても10%しか取られない。
10億円稼いでいる人は、1億円の税金を払ったら、後は税務署がやってこない。もうお互いすっきりしているので、税務署が追ってくることもない。
そうすると、日本人が「のびのび」する。これが一番重要なことです。
◆減税で「社会のムード」を変える
ハイエクはなぜ、「小さな政府」にすべきだと言い続けたのか。その答えが「社会のムードを変える」ことです。
考えてみると30年前のバブルの時代は積極的で明るい社会のムードでした。
しかし、バブルがはじけてこの30年間、未来に対して希望を持てなくなってしまったというのが、今の「社会のムード」ではないでしょうか。
「社会の空気」と言ってもいい。この空気というものは目に見えませんが、しかし人々の心を支配し、人々の心を動かす最も強い力を持っています。
この「社会のムード」を変えて、日本人の心を自由にする、のびのびすることによって、日本の経済は真に復活するはずです。
◆西郷南洲の遺訓――税金を少なくして国民生活を豊かに
明治時代の元勲西郷南洲の『西郷南洲遺訓』の中の13訓にこういう言葉があります。
「税金を少なくして国民生活を豊かにすることこそ国力を養うことになる。だから国にいろいろな事柄が多く、財政の不足に苦しむことがあっても、税金の定まった制度を守り、上層階級の人々をいためつけたり、下層階級の人たちをしいたげたりしてはならない」
この言葉は光り輝く真理だと思います。
金持ちや大企業を優遇すべきじゃないと言って、上層階級の人たちを痛めつけても社会は良くなりません。
ましてや消費税という庶民を痛めつける税金をどんどん上げ、下層階級の人たちをしいたげてもいいことは何もありません。
それでは、「社会のムード」は、ますます悪くなるだけです。
西郷南洲が言われた通り、税金の定まった制度を守って、どんなに財政が不足して苦しんでいるとしても、それは政府が努力して頑張るべきことです。
それを、ましてや国民にツケを回すというのはもってのほかです。
今こそ、この明治維新の精神に立ち返って、日本を「小さな政府」にすべきではないでしょうか。
執筆者:及川幸久