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米国が警戒する中国共産党のデジタル・レーニズムとは?【前編】

本日は、9月末に収録された釈量子党首と渡瀬裕哉氏(パシフィックアライアンス総研所長)の対談「米国が警戒する中国共産党のデジタル・レーニズムとは?」をご紹介します。

※下記は上記映像を要約したものです。詳しくは映像をご覧下さい。

(広報本部)

■米国が警戒する中国共産党のデジタル・レーニズムとは?【前編】

https://www.youtube.com/watch?time_continue=5&v=j8HueuQd0UY

【対談】釈量子党首×渡瀬裕哉氏(パシフィックアライアンス総研所長)

◆香港を巡るアメリカと中国の価値観のぶつかり合い

釈:今、アメリカで「香港人権・民主主義法案」の動きがありますが、このあたりを教えていただけますか。(※9月26日、米上下両院の外交委員会において「香港人権・民主主義法案」を全会一致で可決)

渡瀬:アメリカが、香港をどうとらえているかが、最大のポイントになると思います。

つい最近までアメリカは、中国が経済成長していくと最終的には民主化すると思っていました。香港が民主主義のモデルのようになって、これが広がっていくというイメージだったのです。

今起きていることは香港の民主主義がやられていることと、もう一つはHUAWEI(ファーウェイ)の問題です。

アメリカがHUAWEIを制裁している理由は、国民を監視するシステムが、海外に輸出されていくと、その国が中国共産党と同じ政治体制になるということを問題視しているからです。

釈:これは踏み込んだ見方ですね。ファーウェイは、それで儲けているだけでなく、いわゆる「14億人完全監視社会」をつくる仕組み自体を輸出している。

渡瀬:それを「デジタル・レーニズム」と言います。言わばアメリカは「自由・民主主義」を輸出している国なので、その「価値観」がアメリカと競合するのです。

アメリカにとって中国は、かつてのソビエトと同じ不倶戴天の敵だという認識に切り替わってきている。その変化が現れているということです。

釈:その変化というのは、まさに今回、香港でかなり象徴的に出てきたということですね。

この価値観の戦い、国の体制としての戦いの中に、やはり日本がどのような形で加わっていけるのか。どちら側を支援するのか。これははっきりさせなければいけないと思います。

渡瀬:日本は基本的にアメリカの同盟国ですから、アメリカと一緒にやっていく形をとることになると思います。

釈:なんですけれども、来年の春、習近平主席を国賓待遇することになっていますので、ある意味で戦略的沈黙を……。

渡瀬:日本はちょっとぬるいですね。この香港の話にしても、何を言うにしても。

釈:アメリカの政治判断の根源にあるのが、まさに「建国の理念」。「アメリカ合衆国憲法」などをもとに考えています。

渡瀬:「政治理念」が大事ということですね。

釈:LibertyとFreedomという言葉、必ず、そこから考える。もう一つはトランプ大統領が言う「アメリカ・ファースト」。「国益」で国の舵取りを考えているところが強いですね。日本はそういうところがまったくありません。

渡瀬:日本はその都度、場を見ながら、あっちへ行ったりこっちへ行ったりという感じで、海外からは信用されないです。

釈:幸福実現党は、どちらかというとトランプ政権と考え方が近く、ある意味、はっきりと、どちらへ行くべきかを考えているところがあります。

こういう動きに関して、私たちも注目しているのが、アメリカのペンス副大統領の動きです。

◆ペンス副大統領の影響力

渡瀬:昨年10月のペンス副大統領の演説は、国防総省や保守系の方々が集まっている「ハドソン研究所」で行われ、いわば身内向けに、中国に対しての考え方について演説したものです。

今年6月に予定されていた演説は、中国共産党が政治体制として悪く、それが輸出されているという内容で、しかも「ウィルソン・センター」という外交や安全保障を超党派で考える場所でやるという話で、これは身内の会というよりは、国論になる可能性があります。

まだ中国との貿易交渉をやっているので、その交渉結果が10月半ばぐらいにははっきりするわけで、それまでペンス副大統領の演説を延期している感じだと思います。

釈:ペンス副大統領とトランプ大統領の関係は、どのような関係ですか?

渡瀬:私の理解では、トランプ政権は「ペンス政権」なのです。ペンス副大統領が主導権を持っていて、最初の組閣も全部、ペンス副大統領主導のはずです。

なぜかというと、閣僚を見ると、ペンス副大統領は共和党の保守派という派閥に属しているのですが、保守派がずらっと並んでいました。

トランプ大統領というのは人をクビにする時、Titterとかですごくののしるのですが、自分を脅かす可能性がある人は、一度も批判したことがないのです。

ペンス副大統領のことも、トランプ大統領は一度も批判したことがありません。

アメリカの仕組みでは、副大統領が本気を出して閣僚をまとめ上げると、大統領をクビにすることもできるので、ペンス副大統領の実質的な政権における影響力は、かなり大きいと思います。

この人は、政権の中で宗教関係の代表者です。共和党は宗教関係の力が非常に強いので、演説を読むとわかりますが、ペンス副大統領が言うことは基本的にすべて計算されています。

ペンス副大統領が言ったことは、基本的にやる。トランプ大統領が言ったことは、あとで覆ることもある。そんな感じです。

ですから、ペンス副大統領に注目することは、トランプ政権を理解する上で重要です。

(つづく)

※後編では、今後、次期米大統領選の行方を中心にお送りします。

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執筆者:webstaff

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