年金の事実確認をしたら、ネズミ講より酷かった!?【前編】
本日は、外務局長、及川幸久の「年金」について第二弾の動画を収録致しましたのでご紹介します。
ぜひご覧ください。
(広報本部)
■年金の事実確認をしたら、ネズミ講より酷かった!?【前編】
https://www.youtube.com/watch?v=3dm6hRqtdMw&t=8s
幸福実現党 外務局長 及川幸久
※下記は上記映像を要約したものです。詳しくは映像をご覧下さい。
◆年金と税金どっちが高い?
年金の問題というのは、あまりにも複雑で、教えてくれるところがありません。
知らないうちに年金の保険料は取られていますが、まずこの年金についての事実関係を把握してみたいと思います。
最初のテーマは、年金と税金どっちが高いかです。
社会人になって働き始めると給与明細には、年金と税金がいくら取られているかが書かれています。
ある30代前半の方の例ですが、給料は約35万円、手取りは27万円です。
まず所得税と住民税、この2つの税金が、自動的に引き落とされます。
住民税と所得税を合わせて2万円ちょっとくらいです。
一方、いわゆる社会保障といわれる保険は3つあります。「健康保険」「厚生年金」「雇用保険(失業した時のための保険)」です。
また40歳以上になると4つ目に「介護保険」が入ってきます。
この方は30代なので介護保険はありませんが、この「健康保険」「厚生年金」「雇用保険」を合わせて、なんと5万円以上が取られています。
この中で一番高いのが厚生年金で3万5000円くらいです。
つまり年金の保険料だけでも税金より高いのです。しかも年金保険料は毎年ずっと上がり続けています。
◆年金は社会福祉?
年金は、「社会保障」といわれるだけあって多くの人は「福祉」だと思うわけです。
私は、かつて国際金融マンでしたので実感としてよくわかりますが、年金は金融商品に過ぎないのです。福祉でもなんでもありません。
しかし、なぜか日本では、福祉という位置づけにされています。それはなぜかというと、そうした方が都合のいい人たちがいるからです。
「年金のために税金を取りましょう」というストーリーをつくっているのは財務省です。
国民は財務省からこう言われます。「年金のお金が大変なので、年金のお金を安定化させるためにも消費税が必要です」と。
◆年金とネズミ講
それから「年金とはネズミ講ではないか」と時々言われます。
ネズミ講というのは、先に入った人のお金は、後で入った人が払います。
日本の公的年金も先に入った人のお金は、後で入った人が払います。
ただネズミ講と年金は一点だけ違うところあります。
ネズミ講は入るかどうかは本人が決めますが、公的年金は強制です。
大きな問題は、どちらも入る人が少なくなったら破綻するということです。
前回、年金の財政検証ついてお話ししました(注1)が、公的年金の財政的な面で2030年頃にはキャッシュが回らなくなると言われています。
つまり、実質的には破綻することになります。
では年金のお金はどこから出ているのかを見てみます。
◆足りない分を税金で穴埋め
厚生労働省のホームページに出てくる「社会保障の給付と負担の現状」という表があります。
「社会保障の給付と負担の現状」
https://www.mhlw.go.jp/content/000523240.pdf
この表を見ると、この年金を含めた社会保障給付費は1年間で合計123兆円です。
これが多いか少ないかというと、日本の1年間の国家予算(一般会計)よりも多いのです。
そして、社会保障給付費123兆円のうちの半分弱の約46%(約57兆円)は年金です。
ここで問題は、123兆円のうち、国民全体から集めた社会保障の保険料が71兆円で、残り50兆円くらい足りません。
この足りない分を税金で穴埋めしています。
これを聞いて、多くの国民は、「消費税で年金を安定化させると聞いている」と思ってしまいます。
普通の国の社会保障は独立採算で政府の一般会計とは別です。当然保険料の中で年金の全部を賄っているわけです。
しかし日本はそうではなく、保険料の足りない分を税金でなんと50兆円ぐらいも使っているのです。
その税金を細かく見ると、政府が出しているのが34兆円。地方が出しているのが14兆円です。つまり50兆円のうち、7割ぐらいを政府が出しています。
これを日本の国家予算の約100兆円から出しているのです。
国家予算の約100兆円は、まるまる自由に使えるわけではありません。なぜなら日本は国債をたくさん発行して利息を払っていますから、国債の費用などが4割ぐらいあります。
ということは残り6割の60兆円しか自由に使えるお金はないのです。
その60兆円のうち34兆円が社会保障の穴埋めに使われています。
残り20数兆円がやっと国防費だとかに使えるお金です。
これが日本の年金の実情で、こんないびつな形が長く続くはずはありません。
この構造的な問題があるがゆえに消費税を払わされ、その消費税があるがゆえに景気はよくならず、中小企業がつぶれていく現状が延々と続いているわけです。
では、この年金制度をどうしたらいいのか、次回、後編で触れてみたいと思います。
(注1)
破綻か?再建か?日本の年金問題を斬る!!
https://www.youtube.com/watch?time_continue=9&v=GvkDoaM_4Jo
執筆者:及川幸久