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破綻か?再建か?日本の年金問題を斬る!! 【後編】

※昨日の続きを、下記の映像からお送りいたします。 (広報本部)

破綻か?再建か?日本の年金問題を斬る!!~5年に1度の年金財政検証~(及川幸久)

幸福実現党 外務局長 及川幸久
◆税金を入れて破綻を免れている現行の年金制度

政府が皆さんから保険料として預かってきた公的年金は、事実上「破綻」寸前であり、政府は正直に言うべきだと、前編で述べてきました。

まだ日本の年金は「破綻」していないので、「破綻」と言うのは適切ではありませんが、「破綻」を免れているのはただ税金が投入されているからというのが真相です。

公的年金も「公的」とはいっても、私たちが生命保険や損害保険を買うのと同じように、本質的には保険商品です。

民間の保険会社が生命保険を売っていて、その保険を払う額がなくなってきたので、政府から税金を出してくれというのは、あり得ませんね。

では、なぜ政府の公的年金はお金がなくなったからといって、税金が投入されるのか。これが根本的な問題です。

税金で何とか延命措置をするというのは、一見いいように見えますが、長い目で見るとどんどん悪くなります。

思い切って清算して一からやり直す。そのときには経営の力、マネジメントの力が必要です。JAL再建と同じように、日本の公的年金が一つの企業だと思ったら、これはいったん整理すべきではないでしょうか。

◆もともと積立方式だった日本の年金制度

振り返れば、日本の年金はもともと積立方式で始まりましたが、日本人が一生懸命働いて、得た収入をまじめに政府に保険料として払っていったら、いつしかとんでもなく大きな額になったわけです。

当時すぐに使う用途もなかったので、政府はあたかも税金のようにさまざまな政策に使い始めた結果、膨大に積立てた保険料はいつしかなくなってしまいます。

そこで政府は、積立方式をやめて賦課方式に変えました。一言で言えば、今の現役世代が保険料を払い、今の年金世代に支払われるという仕組みです。これで何とか年金を維持してきたわけです。

現状はGPIFという年金運用機関がわずか百数十兆円を運用するのみです。本来だったら数千兆円ものの保険料があったはずなのに。

いま1年間にだいたい50兆円ぐらいの年金の給付額が支払われていますが、この半分強は現役世代が毎月払っている年金の保険料です。しかし、これだけでは足りません。

残りをどうしているかというと、税金で埋め合わせているわけです。それでも足りないので、わずかに残っている年金の積立金をちょっとずつ取り崩して使っていますが、もうすぐなくなると言われています。

◆年金国債を活用した新たな積立方式を日本に!

幸福実現党は新しい発想で、日本を変えようとしている政党ですが、積立方式の健全な公的年金に改めて変えていくべきではないかと提言させて頂いております。

1億以上の人口がおり、個人所得も国際的にはまだまだ高い日本において、本当に自助努力の精神で働いて、年金にお金を預けて、しっかり運用したら、公的年金はかなりの規模になり、うまくいくはずなのです。

年金で進んでいるのは北欧と言われますが、スウェーデンでは、もう賦課方式は限界だから、積立方式に移行しています。

積立方式に変われば、自分は今どれだけ積み立てているのかという金額も、自分でチェックできるし、それが老後に足りなければもっと積み立て額を増やすこともできます。

つまり、年金というのは実質上、未来のための貯蓄制度で、国民が健全な老後生活を送れるように、サービスとして提供するのがこの公的年金のあるべき姿なのです。

また、今の公的年金を、いったん整理する良い方法があります。それは年金国債というものを政府が発行して、国債という形で今までの積立金を年金加入者に返していくという方法です。

国債は事実上の有価証券、お金ですので、特に日本の国債は国債の取引市場で売ることができますし、お子さんやお孫さんに相続するということもできます。

また、それを未来事業のために投資として使うこともできると思います。

例えばいち早くリニア新幹線を日本中に通したり、または数時間でいくような超音速の飛行機を開発するための未来事業に投資するとか、国民の皆さんが、今よりも豊かになっていくような社会の仕組みをつくることは可能だと思うのです。

今の政府がやっている社会の仕組みは、だんだん貧乏になっていく仕組みです。

この流れを断ち切り、幸福実現党はみんなが未来に向けて豊かになっていく仕組みをつくるべく、声を上げ続けて参ります。

及川幸久

執筆者:及川幸久

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