消費税増税は犯罪をも助長する
http://hrp-newsfile.jp/2019/3486/
幸福実現党 山形県本部統括支部長 城取良太
◆消費増税は即、マイナス成長を招く
日本政府は20日、3月の月例経済報告の中で、世界経済の減速を要因に、国内の景気判断について3年ぶりに下方修正しました。
これにより、本年10月に予定されている消費税率10%への引き上げが日本の経済を予想以上に悪化させるのではないか、という現実的な懸念が一気に広がりつつあります。
1月に発表された景気動向指数を見ても、前回増税の先送りを決めた3年前よりも0.5ポイント低く(97.9)、2018年度のGDPは548兆円、経済成長率は0.6%(内閣府・共に名目)と日本経済は前年から約3兆円しか成長していません。
一方、10%への引き上げで政府が見込んでいる税収増は約5.6兆円(GDPの約1%)で、単純に税収として差し引けば、誰が見ても一気にマイナス成長となるのは瞭然です。
軽減税率の導入で何とか軟着陸させたいのでしょうが、複雑化を招き、可視化できないものを含め、軽減税率のコストは未知数で、軽いようには思いません。
何より、増税のインパクトはGDPの約6割を占める個人消費を中心に悪循環を招き、予測以上のマイナス成長で日本経済は立ち行かなくなる危険性が大だと言えます。
◆新聞メディアは社会の公器としての使命を果たせ
その大きすぎる衝撃は個人のみならず、日本経済のエンジンである企業に重く圧し掛かってくるはずです。
企業としては「増税分を転嫁して価格上げを強いられるか」、「価格据え置きで増税分の利益を圧縮するか」の苦渋の選択を強いられることになり、業績悪化を招く要因となるのは必至で、それは従業員の安定にも暗い影を落とすはずです。
そんな消費増税による日本経済への深刻な打撃を前に、高所から「日本の低賃金」を槍玉に、従業員に還元しない企業悪玉論を展開して、官製ベアを継続したい政府の片棒を担いでいる新聞メディアもいます。
一方で、不思議なことに消費税に関しては「社会保障の財源確保のため増税やむなし」の一点張りで、ほとんどの新聞メディアが口を閉ざしてしまいます。
それは飲料食品と並び、新聞も軽減税率の対象となるためで、軽減税率なしでは立ち行かなくなる新聞業界の苦しい経営事情が見て取れます。
しかし、マスコミが自社の経営に縛られて、「社会の公器」としての機能を果たさずにおきながら、他業種の経営に口を挟むというのは言語同断です。
日本経済に責任の一端を担う存在として、消費税増税の是非を多角的・客観的に検証し、健全な世論を形成する役割を果たして頂きたいと思います。
◆消費増税で得をする人々
国内の家計や企業をすべからく苦境に陥れる消費税増税ですが、一方で増税の恩恵を受ける存在も一部でおります。
それは海外の金密輸業者です。
香港等の非課税国で金を仕入れ、税関を通さずに国内に持ち込み、国内の買取り業者に消費税込みの金額で売却することで、増税分がまるまる彼らの「儲け」になるという仕組みです。
財務省は昨年の摘発件数が大幅減し、取り締まりの強化が功を奏したと喧伝していますが、8%に税率が引き上げられた5年間で件数は約91倍に増えており、10%への引き上げが密輸のモチベーションを更に高める結果となると言えます。
また、摘発件数の減少が意味するものは、密輸手法が高度化し、摘発できない件数が増えているだけとも言え、結局、取り締まりを強化し、そこに労力とコストをかけても、終わることのないイタチごっこになる懸念もあります。
とにかく、日本人が更なる増税で喘ごうとする中、密輸業者にその増税を悪用させてしまっている事実自体、許すことは出来ません。
◆一貫して消費減税を訴えてきた幸福実現党の10年間
個人消費を冷やし、企業経営を苦しめ、全体の国家税収の減少を招く上、犯罪まで助長してしまう消費税増税はまさに愚の骨頂、全方位的に害悪しかもたらさない最悪の経済政策です。
財務省としては、消費税は非常に徴税コストが安く、脱税の牽制効果があるという点をフル活用したいようですが、密輸業者による脱税が横行し、コストを高めている結果はまさに皮肉です。
そんなに効率的に徴税したいなら、高すぎる税体系や累進課税を改め、公平性の高い一律課税型(フラットタックス)の安い税体系を導入し、納税意識を高めるべきではないでしょうか。
また安倍政権においても、増税の延期は未来の不安を先延ばしするだけで、景気への悪影響は断続的に続いている点を認識し、はっきりと消費税増税を廃止する決断を行うべきです。
幸福実現党は立党より10年間、消費税の増税に反対し、消費減税の必要性を訴え続けて参りました。
(「消費税10%への増税はまだ止められる!」https://info.hr-party.jp/2019/8184/)
国家財政の基は活力溢れた個人と企業が前提にあると確信し、「唯一」の減税路線政党としての使命を今後も果たして参ります。