「日露国交回復60周年フォーラム」 モスクワ現地レポート
幸福実現党・神武桜子副党首 兼 広報本部長レポート
「大転換時代の日本」をテーマとした「日露国交回復60周年フォーラム」で話し合われた内容など詳しい状況をレポートいたします。
◆「日露国交60周年フォーラム」に出席
昨年12月、安倍首相がプーチン氏と会談し、北方領土に関して外交的失敗を喫した1週間後、私はモスクワでの「日露国交60周年フォーラム」に出席いたしました。
その場で、私は「日露関係を大切にすべき」という主旨で、「伊勢志摩サミットで、日本はロシアをG8へ復帰させるきっかけを作るべきだった」「極東近隣国の軍事拡大に備えて、安全保障・経済両面での関係強化と平和条約締結を実現するべき」「「幸福実現党はシベリア鉄道を日本の北海道にまで伸ばし、物流革命を起こして、日露を豊かな経済圏にしたい」と、述べました。
スピーチ後、ロシアの方から、「日本では珍しい意見で面白い。もっと知りたい」「幸福実現党は初日終了後話題になった。日本人で若い人が政治に興味を持って活動しているのを知って驚いた。日本では政治に興味があるのは50代あたりからだと思っていた。日本人らしくない」という話をお聞きしました。
また、注目すべきはロシア側の発表です。日露関係に関して、元駐日ロシア大使のパノフ氏の発言が興味深かったので、少し長いのですが重要な点をお伝えさせていただきます。
◆モスクワ国際関係大学教授、元駐日ロシア大使 パノフ氏の主張
「日本が北方領土を買いたいと思っていることは知っている。しかし、プーチンは売らない。2島返還したら、3島目、4島目と領土を取られてしまうことを懸念しているからだ。私見だが、戦略的な解決策や最後の道筋が見えるまで、交渉において日露のどちらかが一方的に上の立場になることはない。日本にとって、ロシアは極東における経済的に理想的なパートナーではないだろうか。」
「ロシアには、『孤立からの脱却』というテーマがある。日本がロシアと平和条約締結を目指しているのは、増大する中国の脅威に対抗するためだと理解している。日本は中国市場に依存するのをやめて、ロシアにも新しい市場の可能性があると知るべきだ。日本のエネルギーは限られており、農業は伸び悩んでいる。」
「追い込まれた状況の中、日本の最良のパートナーとなるのが、ロシアだ。極東地域では日露が農業分野で協力するという計画も始まっている。ロシアが中国と組んでいるのは、あくまでも経済的な利益のためである。日本の新市場開拓は極東での日露共同開発が端緒になるだろう。」
「安倍政権下での平和条約締結は難しいと思っている。安倍首相は北方領土の共同管理・開発を提案して、今の膠着状態を改善すると言っているが、共同管理についてロシアの国内世論は反対だ。」
「平和条約が締結できないのは、根本的には信頼がないから。信頼があれば、ロシアは北朝鮮の水爆実験の問題解決にも貢献できる。ロシアは日本に対して軍事的脅威を感じていない。長期的に見れば、日露間に壁(前線)を作るべきではない。ロシアの日本研究家はネガティブな情報を強調する傾向があるが、積極的な方向を見出すことが大事だと思う。」
参考:The Liberty Web URL:http://the-liberty.com/article.php?item_id=12388
また、そのほかにも、ロシア側の方々の発言として、「北方領土を最終的に日本に取られるのではないかというのが、ロシア国民の意見」「露中で軍事演習をしていて、日本ではすごいニュースになるが、中国と信頼関係があってやっている訳ではない。信頼関係醸成の途中段階として軍事演習をしている」「北朝鮮の核について、露日は一緒に仕事できる」という話がありました。
ロシア側は極めて率直にリアリスティックな観点から、「中国、北朝鮮問題を考えたとき、日露関係は重要だ」と考えています。
日本側にロシアに対する理解がないために、日露関係は進展せず、北方領土問題も座礁していますが、ロシア側の本音を理解すれば、友好な日露関係を構築することは可能なのです。
特に、今のロシア人は、驚くほど宗教を大切にしています。「信仰の大切さを知っている幸福実現党は、ロシアへの理解を深め、ロシアと共に世界の平和・安定に貢献していきたい」──そう決意を新たにしました。
【参考】12月30日放送「THE FACT」
里村英一専務理事 × 神武桜子副党首
「幸福実現党 神武桜子副党首がロシアでスピーチ」
https://info.hr-party.jp/2017/4082/
執筆者:webstaff