中国が沖縄で仕掛ける日米分断工作
幸福実現党・政務調査会 佐々木勝浩
◆「沖縄県民は、機動隊にいじめられている!?」
先日、沖縄にお住いの70歳くらいのご婦人から政党に電話がありました。
「沖縄は機動隊にいじめられ苦しんでいます。これをどう思いますか。」
ご婦人が言っているのは、下記のニュースのことです。
沖縄の高江村のヘリポート反対に、高江ヘリパッドへ機動隊100人超投入
http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/54490
続けて、御婦人は言いました。
「戦争のようなことになれば、米軍基地のある沖縄が真っ先に狙われる。だから米軍は沖縄から出て行ってほしい。」
◆「それでも米軍が沖縄にあったほうが良い」
かつて沖縄戦で米軍に家族を殺された思いを知れば、米軍に出て行ってほしいという感情は理解できます。しかし「それでも米軍が沖縄にあったほうが良い」と私は申し上げました。
なぜなら米軍が撤退して、沖縄が平和になるかと言えば決してそうではないからです。
沖縄の新聞を読んでいると、米軍の悪いところを過大に報道し米軍撤退の世論を煽っています。米軍の悪口は報じても、中国が不利になる報道は全くしません。
中国のウイグルやチベットへの侵略は、「ウイグルやチベットは中国のものだ」という宣言から始まりました。
すでに中国は、尖閣・沖縄は昔から中国のものだと言っています。2010年、中国で起きた反日デモの際には、「回収琉球、解放沖縄」という横断幕が登場しました。
中国は、将来、沖縄を自治区にしようとしています。そうなったらウイグルやチベットで起こった虐殺の悲劇が沖縄でも起こり得るということです。
しかし米軍があることで中国は沖縄に手を出すことができません。これが抑止力です。
◆中国が沖縄で仕掛ける日米分断工作
そこで、まともに戦えば勝てない米軍を沖縄から撤退させるために、中国は沖縄県民に米軍に反感を抱かせる工作を行なっています。
また、沖縄独立を支援することで日本と沖縄を分断すれば、中国にとっては沖縄を手に入れやすい環境が整います。
それを裏付けるように、「米中経済安保調査委員会」が、「アジア太平洋での米軍の前方展開を抑える中国の試み」と題する報告書をまとめました。(7/13産経)。
「中国が沖縄で日米を離反させるための工作活動」として、中国の動きを次のように指摘しています(抜粋)。
(1) 中国人民解放軍幹部が軍科学院の刊行物などに論文を発表し、中国がアジア、西太平洋で「歴史上の正当な傑出した立場」を取り戻すためには、有事の際に米国がアジアの同盟諸国と共に中国の軍事能力を抑えこむ態勢を崩す必要がある。
(2) 中国軍は、特に沖縄駐留の米軍が有する「遠隔地への兵力投入能力」に懸念を抱き、多角的な方法でその弱体化を図っている。例えばその1つの方法として、中国の政府機関が沖縄の米軍基地の近くに不動産を購入し、沖縄の反米闘争の支援に利用している。
(3) 中国はこうした目的のために経済的圧力を頻繁に行使する。フィリピンに対してはフルーツ類の輸入を大幅に制限し、かなりの効果を得た。日本に対してはレアアース(希土類)の輸出を規制したが、効果をあげられず、他の方法を試みている。
(4) 中国は沖縄に、米軍の軍事情報を集める中国軍の諜報工作員と、日本の米軍基地反対運動をあおるための政治工作員を送りこみ、日本と米国を離反させようとしている。また、中国は沖縄の親中勢力をあおって沖縄の独立運動も支援している。
(5) 沖縄にいる中国の諜報工作員たちは、米軍基地を常にひそかに監視して、米軍の軍事活動を詳細にモニターしている。また、米軍と自衛隊の協力体制も調べている。さらに中国の政治工作員は、沖縄住民の米軍基地に対する不満や怒りを扇動しようとしている。
(6) 中国の官営報道機関は、「琉球で2006年に行われた住民投票で、住民の75%が日本からの独立を望むという結果が出た」と報道した。だが、実際にはそのような住民投票は実施されておらず、沖縄住民のほとんどが日本に留まることを欲している。
(引用終わり)
このような反米運動や沖縄独立運動等を操る中国という存在を忘れてはなりません。
ぜひ、こうした中国の工作活動があることを、特に沖縄の方には知っていただきたいと思います。それが中国から沖縄を守るための第一歩となるのです。