沖縄県が受け取り続けている国からの補助金(振興予算)について
幸福実現党・政務調査会チーフ 小鮒将人
◆来年度の沖縄振興予算は、140億円の減額
内閣府は8月28日、来年度(平成29年度)予算案の概算要求で、沖縄振興予算について今年度の当初予算より140億円少ない3210億円を計上する方針を固めました。
第2次安倍内閣になってから沖縄振興費予算の概算要求が当初予算を下回るのは、初めての事となりました。
しかし、2016年度の沖縄県の一般会計予算が7542億円であることから、国からの振興費が40%以上を占める事となり、少なくとも、国への依存の度合が他の都道府県に比較して圧倒的に高いものであることはご理解いただけるでしょう。
◆沖縄振興予算とは
大東亜戦争終了後、沖縄は米軍の施政下に有りましたが、1972(昭和47)年、日本政府に施政権が返還されてからは、4年毎の「振興計画」に基づいて国から「沖縄振興予算」が計上され、今まで合計約10兆円の予算が投入されてきました。
特に、橋本・クリントン会談で普天間飛行場移設の合意が行われた1996(平成8)年前後の数年間は、年間3500億円を計上、ピークとなってから徐々に減額が進み、2009年には2300億円にまで下がりました。
ところが2009年に民主党政権が誕生、移設への取り組みが粛々と進んでいたにも関わらず当時の鳩山総理が「最低でも県外移設」と主張、幾つかの候補地の視察を行い、日米関係が一気に危機に陥った局面がありました。
最終的には日米両政府の合意に至ったものの、当然、大混乱を来したのは普天間飛行場が所在している沖縄です。県民の理解を得るためにも「振興費」は再び増額の傾向を示すようになりました。
いずれにしても、「振興費」は基地問題と大きな関わりを持ってきたと言わざるを得ません。
◆目玉としての「一括交付金」
従来型の沖縄振興予算は、主として国が定める事業を執行するための予算でありましたが、民主党野田政権下の2011年度からは「一括交付金」(年間予算1000億円)が登場しました。「一括交付金」とは沖縄振興費以外にも制度としてはありました。
今までの振興費は、港湾整備や、道路整備など、予算の目的が、明確に決められているものでしたが、この「一括交付金」はその用途の規定が、ある程度緩やかなもので、自治体の要望があれば国から沖縄県を通じて支給されるものです。
この前後の経緯を見る限り、国は普天間基地の移設合意と引き換えに、一括交付金に応じたのか、逆に国が「一括交付金」を説得の材料に使った可能性が高いと思われます。
そして、当時の仲井眞知事もこれを県民に理解を得るための一つの材料としたのかもしれません。
こうして、沖縄では基地問題が再燃すると政府からの振興費の予算が高まるという構図となってしまっており、最近の基地反対の運動も、結局振興費等、国からの補助金狙いで行われたかのような印象も与えます。
◆振興費「増額」を求める判断は正しいのか
上記述べましたとおり、沖縄振興費は、特に普天間基地の移設に関して地元の理解を得るために増額され、今年度の予算としても支給されていますが、現在の翁長知事は、前仲井眞知事の約束を反故にし、国に対し辺野古移設の工事中止の裁判を起こしています。
これだけの反対運動を展開していながら、もう片方では「振興費の増額」を要望し続けてきたということなのです。
政治家としての信念がどこにあるのか、お金だけを一方的に要求する姿には、あまりにも身勝手な要求であり、来年度の振興費減額はいわば当たり前の判断であるとも思えるのですが、いかがでしょうか。
また、沖縄に関していうと、国防問題がさらに厳しさを増しています。尖閣を巡って、ます厳しい情勢となっています。
米国では、国内経済(雇用統計)の動向に左右されやすくなっており、ここ数か月は堅調な印象を与えるものの、まだまだ将来に不安を持っている米国民が多いもの事実です。
そうした意味で、本当に今のような沖縄県翁長県政が続くのであれば普天間飛行場だけでなく、在沖米軍がなくなる可能性が高まっています。
こうした場合、本当に自衛隊だけの防衛力で中国の脅威を防ぐ事ができるのでしょうか。真剣に国益の立場に立った判断が求められています。
◆国益の立場から一貫して主張をする幸福実現党沖縄県本部
こうした中、さる8月21日(日)に幸福実現党沖縄県本部では、金城タツロー県本部副代表たちが中心となって沖縄県庁前等で「アジアの平和を守ろう!」デモを開催し、中国による尖閣周辺での威嚇行為の停止や、日本政府に対して台湾を国家として承認すること等を訴えました。
沖縄で「尖閣、台湾、アジアの平和を守ろう!」デモを開催!
https://info.hr-party.jp/2016/3584/
そしてその様子は、沖縄県内の新聞に掲載され大きな反響を呼びました。このように、私たち幸福実現党は、国防上の大切な問題についても、立党以来7年間、一貫してその危機を訴え続けています。
ぜひ、今後とも私たち幸福実現党の活動にご理解、ご支援をいただきますようお願いいたします。
執筆者:こぶな 将人