中国の宗教事情から未来を考える
文/幸福実現党・兵庫県本部副代表 みなと侑子
◆中国が世界最大のキリスト教国になる?
中国のキリスト教徒数が2030年に世界最大になる、との推測があります。
現在、中国には少なくとも6000万人、多ければ1億人のキリスト教徒が存在すると言われています。
大半はプロテスタントであり、カトリックは1000万人ほどです。
政府が認める公認教会の発表では、プロテスタントも1000~2000万人であるため、非公認の地下教会プロテスタント信徒が3000~6000万人も存在することになります。
これが2025年までに1億6000万人に、2030年までに2億4700万人になるとの予測があるのです。
アメリカのキリスト教徒数は2億人以上で世界最大ですが、信仰人口は減少しています。
一方、横暴と腐敗に満ちた自己中心的な共産党に嫌気がさし、精神的主柱を求める中国人は年々増えており、名門大学生らが次々と信仰者になっています。彼らは宗教に答えを求めています。
中国のキリスト教徒数が世界最大となり、信仰者たちが政治・経済の中心を担う人物となる可能性は大いにあります。
◆中国共産党の最大の敵 宗教とその信仰者たち
そのため、中国共産党はキリスト教徒の扱いに頭を悩ませています。
現在中国では、8700万人の共産党員と並ぶかそれを超えるキリスト教信者が存在しています。天命を受けた人々によって現政権打倒が行われる歴史を持つ中国にとって、宗教や信仰者は恐ろしい存在です。過去には法輪功・チベット仏教・ウイグル回教の大弾圧を行いました。
そして現在、キリスト教や人権派弁護士への弾圧が行われています。
浙江省だけでこの1年半、邪教扱いされた非公認の教会から合計1500本以上の信仰の象徴である十字架が破壊され、撤去されました。
信者は1000人以上逮捕、また人権派弁護士や活動家の300人以上が一斉に連行され、30人以上は今も拘束されたままとなっています。
昨年8月から拘束されている人権派弁護士の張氏が「社会秩序を混乱させ、国家の安全に危害を与えた」と懺悔する映像も公開されています。
報道によれば、張氏はキリスト教徒で十字架撤去に抗議する100以上の教会の委託を受けて法律顧問に就き、30人からなる弁護団を結成していたとのことです。
共産党に歯向かうとどうなるのかの見せしめでしょうが、反発をさらに強めることになっています。
中国共産党対キリスト教の戦いは、唯物論対宗教の戦いであり世界の縮図です。歴史を見る限り、一部の人間が人々を抑圧し続けることは不可能です。共産党の限界はいずれおとずれます。
◆未来を創る宗教の力
宗教に垣根はありません。国を超えてつながり、同じ価値観を共有するため、宗教は国家を超えた世界最大の共同体となり得ます。
国境を越えた運動が自国に入った結果、国が崩壊することが中国共産党の恐怖の根源です。
私たちは宗教政党として、中国共産党による宗教の弾圧と人権侵害に強く抗議します。
「宗教はアヘン」という考えを捨て、神の下の人間の平等性と尊さ、信教の自由、寛容の価値に基づいて国家運営されるよう求めます。
香港の雨傘革命は、力で圧倒的に劣る香港の若者が自由を守るために戦いました。
中心リーダーの一人、また若い人たちの精神的主柱である独立派の中心人物も敬虔なキリスト教徒でありました。宗教が自分に与える力を自然体に語る姿が衝撃でした。
信仰者が地上にて自由に語りあえる国になるためには、日本からの強い圧力が必要です。思想弾圧と人権侵害に抗議すべきです。
ただ日本国内において宗教の尊さが語れる国にならなければ、他国に伝えるものもないでしょう。宗教や信仰というものが、日本古来の位置に戻らなくてはなりません。
宗教に対する正しい認識が、日本と中国を変え、さらに世界を変えてゆくはずです。