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大人のための教科書にさよならを!

文/幸福実現党 兵庫県本部副代表 みなと侑子

◆三省堂の謝礼金問題

三省堂が検定申請中の教科書を教員に見せる名目で「編集会議」を開き、参加した校長らに謝礼金5万円を支払っていたことが明らかになりました。

同社は2009~2014年の間で計7回開催。新たに参入する小学校の国語、中学の国語と英語の教科書を見せていました。

参加したのは、東京や大阪をはじめとする26都府県の公立小中の校長や教頭ら53人でした。この会議では、懇親会・二次会が行われており、参加者は都内のホテルに宿泊していました。

謝礼金に加え、交通費や懇親会費・宿泊費などすべてを三省堂側が負担していたようです。
  
2014年の教科書検定の際、この会議に参加した小中学校の校長ら11人中5人が地元での採択に関わりました。教科書委員会が教科書を選ぶ際に助言する「調査員」になっていたのです。

文科省や業界団体の規則で、検定中の教科書の外部閲覧や過度な営業活動は禁じられています。

今後、教科書採択に関わった教員の地域で三省堂の教科書が使われているかの調査が行われます。教員の利己的な都合によって選ばれた教科書を使うのは生徒たちです。

モラルの低い教員と、利益第一主義の教科書作成会社が作り出す罪は大きいのだと知ってもらいたいと思います。

◆育鵬社の教科書採択への嫌がらせ

一方で教科書採択の際に、偏った思想を持つ人たちによる妨害活動を経験しているのが育鵬社の教科書です。

神奈川県横浜市において、歴史・公民が育鵬社に決定した瞬間、傍聴席からは「えー」という声が上がり騒然とした雰囲気に。納得出来ない人たちが早速街宣活動をしていました。

4年前にはじめて育鵬社が採用された時は、反対派は扉を蹴飛ばしたりして暴れたり、傍聴席を求めて集まった約400人はほとんどがグループで、教職員団体などが多かったのです。

また大阪府東大阪市では、育鵬社に決定した瞬間、傍聴席から反対の声が上がり、止まらないヤジに委員長が退席を促しました。

翌月の委員会でも抗議のプラカードが複数掲げられ、警察が出動する事態となったのです。

育鵬社の教科書を選択肢に入れると妨害活動や採択を邪魔される可能性があるため選択肢から外した自治体がある可能性も高いと「Are You Happy?」は指摘しています。

参考:Are You Happy?1月号『THE REPORT』
「日本がもっと好きになる」育鵬社の教科書のシェアがアップ !

https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=1596

確かに聞いた話では、兵庫県のある市の教科書展示会ではそもそも育鵬社の教科書自体を展示していなかったそうです。

左翼勢力が強い地域であったためか、トラブルを避けるためか真相は分かりませんが、一部の考えで勝手に教科書を選別してよい訳がないのです。 

◆生徒に夢と希望を与える教科書を

このような事件を聞くと、教科書は一体誰のためのものなのか?という素朴な疑問が湧いてきます。

もちろん、教科書は生徒たちのためのものです。

教科書には、今まで知らなかった世界、宇宙の秘密、あったことのない人たちの歴史など、空間や時間を超えて様々な情報が詰まっています。

これらが生徒の認識を広げ、新しい世界を教えてくれます。その延長に夢や希望を見つける生徒も出てくるでしょう。

教科書は彼らが社会に繋がっていくため、未来を創っていくための重要なツールであり原動力なのです。その教科書が大人の利益の対象になったり、偏った思想を持つ人の道具にされることは絶対に許されることではありません。

また、過去に出された自虐談話は、河野・村山談話だけではありません。

日本が、「中国・韓国に過去に重大な損害を与えたことの責任を痛感し、深く反省している」という趣旨を歴史教科書の内容に十分反映するように配慮すべしとした宮澤談話も存在しています。

この歴史認識は大きく間違っている上に、自国の教科書に自虐史観を入れた場合、国民は自信を失い、国力が衰退することはすでに歴史によって証明されています。

未来を拓くためにはどのような教科書が必要なのか、私たちは本気で考えていかなければなりません。大人に利用され続けてきた教科書には、さよならを言いたいと思います。

みなと 侑子

執筆者:みなと 侑子

HS政経塾1期卒塾生

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