長崎市平和公園から真の世界平和を考える
文/幸福実現党・長崎県本部副代表 山田 聖人(やまだ・きよと)
◆戦後70年目の原爆の日を迎えて
今から70年前の昭和20年8月9日11時2分、原子爆弾が長崎市上空にて炸裂し、7万人ともいわれる人たちがその犠牲となりました。
そして日本はポツダム宣言を受諾して、8月15日に戦争が終結しました。
多くの国民が天皇陛下の玉音放送に涙し、長く苦しい戦いは終わったのです。その戦争の犠牲になった数多くの方に追悼の意を表します。
それから70年。日本は戦後、目覚ましい高度経済成長を遂げ、被爆地長崎も、当時ささやかれていた、「今後は二度と草木も生えないのではないか」という予想を覆し、当時の人たちからは信じられないような復興と繁栄を実現しました。
そして70年後の今年8月9日(日)、70回目の原爆の日を迎えた長崎市平和祈念公園において、長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典が執り行われました。
安倍晋三首相も犠牲になった方々に追悼の意を表し、さらに非核三原則を堅持し「核兵器のない世界」を訴えるスピーチを行いました。
また田上富久市長も「悲惨な戦争の記憶を語り継いでいくことが必要だ。」と世界に呼び掛けましたが、同時に安全保障関連法案についても語り、政府と国会に対し、慎重な審議を求めました。
戦後70年間、長崎は、最後の被爆地として世界平和のメッセージを世界に発信する貴重な役割を果たしてきたと言えるでしょう。
◆間違った歴史観の横行
しかし近年では、世界平和の名のもとに、左翼的な思想が蔓延し、真の世界平和とは何かをもう一度、考え直さざるを得ない状況にあると言えます。
中国からは南京大虐殺が取り上げられ、韓国からは従軍慰安婦問題が追及されました。世界中に従軍慰安婦像の建立がすすめられ、あたかも日本悪玉論が正義のごとくマスコミでも論じられてきたのです。
◆歴史の捏造への反対運動が巻き起こる
ところが最近になって朝日新聞が従軍慰安婦の証言を撤回したように、様々な調査によって、これらが捏造であった事実も判明しています。
そうした最中に昨年、長崎市平和祈念公園に韓国人原爆慰霊碑の建立計画が持ち上がりました。
この慰霊碑の碑文には、「強制連行」や「虐待」など、日本政府の公式見解と違った内容の文章が盛り込まれ、修学旅行の学生たちが数多く立ち寄る、平和公園の正面の入り口に建立される予定でした。
これに対して幸福実現党は南京大虐殺や従軍慰安婦問題と同じように、捏造された歴史をあたかも真実の様に伝える碑文は、教育上ふさわしくないと問題視し、幸福実現党長崎県本部が中心となり韓国人原爆慰霊碑反対陳情書を市長と市議会に提出しました。
また有志一同が立ち上がり、長崎市内で毎週の如く反対陳情の署名活動を展開したのです。
従軍慰安婦像と同質のものが長崎市にも建設されようとしている事実に、市民も驚きながら多くの方が反対署名に協力して下さったのです。
そして昨年の夏、幸福実現党の釈党首を代表に、田上市長あてに約7000筆の署名が提出されたのです。
このような反対運動が展開された結果、予定では昨年の8月9日に除幕されるはずの慰霊碑は、現在もまだ建設されていません。
時を同じくして全世界に広がりつつあった従軍慰安婦像も物議を醸しだし、反対運動が起きてきました。最近ではオーストラリアの最大都市シドニー近郊にあるストラスフィールド市にも従軍慰安婦像の建設が持ち上がりました。
しかし8月11日に、旧日本軍の従軍慰安婦問題を象徴する少女像は、不適切として設置を認めないという決議が下されました。
その背景には、やはり正義を貫き、捏造された歴史を認めたくない「勇気ある人々」が存在したのです。
◆新しい未来へ
8月14日に安倍首相は、いわゆる安倍談話を発表しました。冗長なその内容は、かつて日本を護るために戦った英霊たちを冒涜するような残念な内容でした。
幸福実現党は、安倍談話の撤回を要求する声明文を発表しましたが、大東亜戦争は欧米列強の植民地支配に苦しんでいたアジアの同胞たちを解放するために日本人が立ち上がった聖戦であったという真実は、まだまだ浸透していないのです。
しかしながら、歴史の捏造や英霊たちの冒涜を許せない「勇気ある人々」の出現により、真実の未来は必ず切り開かれてゆくはずです。