10%への再増税を中止し、経済活性化へ
文/HS政経塾3期卒塾生 瀬戸優一
◆2017年4月の再増税
2015年度税制改正関連法が3月31日、参院本会議で可決され、消費税の10%への引き上げが2017年4月となることが決定しました。
今回の増税決定については、「景気条項」が削除されたことにより、景気情勢次第で延期することができなくなってしまいました。
つまり、どんなに景気が悪化しても増税を行うという意思の表れでもあると言えます。
◆2014年4月増税後の状況
しかし、これに対し昨年4月の消費税増税以降、景気の悪化が止まらない状態にあります。
日銀が4月2日発表した3月の「生活意識に関するアンケート調査」(第61回)によると、昨年4月の消費税率引き上げ後に6割の家計が支出を控え、そのうち75%が現在も支出抑制を続けていることがわかりました。(4/2 ロイター)
つまり、消費税が上がったことにより、消費が抑制されているといえます。景況感は改善されているということですが、実際には消費は心理であり、心理的に消費に対する支出の抑制がなされているということは、今後その影響が現実に出てくるといえるのです。
ちなみにこの調査では、消費増税後の支出の変化に対する問いについて「支出を控えた」「支出をやや控えた」という回答が合計で59.8%と全体の6割に達しています。
また、このうち影響の長さでは75.3%が「現在(冬)でもなお支出を控えている」と回答しており、多くの家計で増税後の支出抑制が続いている実態が浮かび上がっています。
さらに増税後に支出を控えた理由(複数回答可)では「物やサービスの値段が上がったから」が82.1%に達していて、次いで「収入が減ったから」が36.4%、「消費税率引き上げ前に前倒しで支出したから」との回答は13.4%ということで、深刻な影響が出てきているともいえると思います。(4/2 ロイター)
◆アベノミクスの効果も薄く
これに対して、本来安倍政権では消費税を増税することで景気が悪化しないように、むしろ経済を活性化させて財政再建と景気回復の両者を同時に達成することを目指し、アベノミクスを打ち出し、効果があったとPRしています。
しかし残念ながらその効果はかなり限定的なものであったと言わざるをえないと思います。
消費が回復しかけてきた時点での消費税増税は、一気に消費に向かう心理を冷え込ませてしまったといえるのです。そしてそれが先に挙げたアンケート調査から如実に読み取れるということです。
この状態で2年後に再増税をしたらどうなるでしょうか?消費のさらなる冷え込みについては、想像に難くないと思います。
現時点でも政府は有効な手立てを打つことが出来ていない以上、極めて厳しい状況が予想されるのです。
◆景気回復のために
これに対し、幸福実現党は一貫して、景気回復には“減税”が必要であると訴え続けています。
確かに可決された税制改正関連法では法人実効税率を2年間で3.29%引き下げることで、企業収益が上がり、税収も上がることが期待されています。
しかし、消費税が上がる以上、最終消費者の消費が冷え込むことで、結局収益は悪化する可能性が高いといえるのです。
例えBtoBのビジネスであっても、その相手先がBtoCビジネスを展開していたとすれば、結果的に費用削減などにより、収益が悪化する可能性があります。
最終的に景気を回復させるためには、消費を活性化させなければならないのです。それによって、GDPも回復し、日本経済が活性化していくということを、立党以来訴え続けてきました。
消費が回復することで、企業の収入も増え、それによって働く人の収入も上がっていく、そうしたプラスのスパイラルに日本は入っていかなければならないといえるのです。
幸福実現党は、今後も減税路線を一貫して貫き、それが経済を活性化し、増税をしなくても結果的に増収にもつながっていくのだということを主張して参ります。
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著者 大川裕太
定価 1,404 円(税込)
発刊元 幸福実現党
幸福実現党の政策は
本当に実現可能なのか!?
同党に寄せられる疑問・反論を、検証に基づき一挙解決!
▽消費増税の中止
▽所得税・法人税の引き下げ
▽相続税・贈与税の廃止
▽経済成長による財政再建
目次
序 章 幸福実現党の経済政策について
第一章 消費減税
第二章 相続税・贈与税の廃止
第三章 法人税・所得税の減税
第四章 財政再建