2007年、世界であがった「対日非難決議」の教訓
文/幸福実現党・政務調査会 佐々木勝浩
◆米国で中国の「抗日連合会」が仕掛けた反日工作
現在、米国では複数の「慰安婦像」が建てられ、反日感情の象徴になってしまいました。こうした土壌は、2007年、つまり第一次安倍政権の時につくられました。
もしこの時に、「慰安婦」に対する誤解を日本が世界に発信していれば、「慰安婦像」も建っていなかったのではないかと考えます。
2007年4月にアメリカ政府の「ナチス戦争犯罪と日本帝国政府の記録の各省庁作業班(IWG)」は、8年の歳月と30億円のお金をかけてナチスの戦争犯罪について大規模な調査結果をまとめました。
この調査は、もともとはナチスの戦争犯罪を検証するプロジェクトだったのですが、実はこのとき中国系の反日団体である「抗日連合会」が米国政府に働きかけをし、日本の戦争犯罪も一緒に検証してほしいと要望したのです。
◆米政府――日本の慰安婦問題調査で「奴隷化」の証拠発見されず
その結果をIWG委員長代行のスティーブン・ガーフィンケル氏が議会向けに、最終報告書として提出しました。
調査対象となった未公開や秘密の公式文書は計850万ページで、そのうち14万2千ページが日本の戦争犯罪にかかわる文書でした。
「いわゆる慰安婦プログラム=日本軍統治地域女性の性的目的のための組織的奴隷化」にかかわる文書には、「日本の官憲による捕虜虐待や民間人殺傷の代表例が数十件列記」の報告がありましたが、しかし慰安婦関連は皆無だったのです。
【参考】米政府の慰安婦問題調査で「奴隷化」の証拠発見されず…日本側の主張の強力な後押しに
(2014/11/27産経)
http://www.sankei.com/world/news/141127/wor1411270003-n1.html
スティーブン・ガーフィンケル氏は、中国系の「抗日連合会」に対しても日本の慰安婦にかかわる戦争犯罪や「女性の組織的な奴隷化」の主張を裏づける米側の政府・軍の資料は一点も発見されなかったことを謝罪し、以下のように報告しました。
「アメリカの資料の中から日本の戦争犯罪に関する大量の資料が出てくることを期待していた方々(「抗日連合会」)は、失望するでしょう。私は2001年に抗日連合会の人々と面談し、この件に対する(日本の戦争犯罪に関する資料を探してほしいという)思い入れの深さを知りました。」
「抗日連合会の目的は、戦時において大日本帝国の統治下にあったアジア地域における戦争犯罪を世に伝えることです。私は彼らに対して、IWGがアジアにおける戦争犯罪に関する資料を探すために努力し、入念な調査をしたことに疑いの余地がないことを言っておきたい。」
「IWGがアジア戦域における日本の戦争犯罪に関する資料を見つけることができなかった理由は、そのような機密文書が存在しなかったからです」と。
結局、米国は中国系の抗日連合会の要請を受けて、8年間、クリントン政権、ブッシュ政権、民主党・共和党政権を挙げて、日本の戦争犯罪の証拠を調べたわけですが、日本の慰安婦問題に関する戦争犯罪を示す資料はまったくなかったのです。
◆慰安婦問題を覆せなかった日本政府
本来であれば、この2007年4月に出された報告をアメリカ政府もマスコミも大きく取り上げて然るべきでした。そして日本政府も日本のマスコミもしっかりとこの結果を内外に知らせるべきでした。
なぜならば、この3カ月後に中国系や韓国系から献金を受けていた日系人議員のマイク・ホンダ氏が議会攻勢をかけた結果、アメリカ下院が日本の慰安婦問題を取り上げ、対日非難決議を上げてしまったからです。
しかし、朝日新聞の誤報に端を発する国際的な誤解が広がってしまったこともあり、その後アメリカのみならず、様々な国が対日非難決議をあげました。
アメリカが2007年7月の下院決議で対日非難決議を上げると、オーストラリアが2007年9月、カナダが2007年11月、オランダが同じく11月、欧州連合EUが12月、フィリピンが2008年3月、台湾が2008年11月と、次々に世界で対日非難決議を上げたのです。
こうして「慰安婦問題」は、日本がきちんと反論して来なかったために、国際的な誤解は取り返しのつかないところまで来てしまったのです。
◆今年「南京大虐殺」で日本を国際的失墜に追い込もうとしている中国
戦後70年の今年、中国は「南京大虐殺」をネタに、「南京大虐殺」をユネスコの記憶遺産へ登録申請しています。登録されるかはユネスコが7月頃に決定します。
実は2月10日(現地時間)、パリのユネスコ本部を「幸福の科学」の武川一広・国際広報局長が訪問、中国の南京大虐殺のユネスコ記憶遺産事務局に登録の中止を求める申し入れを行いました。
幸福の科学がユネスコに「南京」「慰安婦」の記憶遺産登録の中止を申し入れ
http://the-liberty.com/article.php?item_id=9199
いまのところ日本政府は、ユネスコに対して明確な抗議の声を申し入れていません。
このまま中国が申請した「南京大虐殺のユネスコ記憶遺産登録」が認められてしまった場合は、「慰安婦問題」と同じように、今度は「南京大虐殺」の濡れ衣を着せられ日本は国際社会で信用を失ってしまいます。
こうしたことを避けるためにも、是非、下記署名のご協力をよろしくお願いいたします。
●「南京大虐殺」「従軍慰安婦」のユネスコ記憶遺産への申請に抗議し 日本政府に万全の措置を求める署名
(3月24必着)
http://info.hr-party.jp/2014/3159/
執筆者:webstaff