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先の大戦で情報戦に敗北した日本

文/幸福実現党・政務調査会 佐々木勝浩

◆日本とアメリカを戦わせようとした中国の工作

今年で戦後70年を迎え、日本は二度と戦争をしないために、戦争に巻き込まれたいために昭和という時代を総括する必要があるのではないでしょうか。

戦争というものは、銃弾が飛んでくる前に、各国の様々な思惑があり水面下ではそれぞれの国が諜報活動や工作活動が行われています。

それが目に見える形で外交交渉としてニュースで報道されるわけです。しかしその外交交渉が決裂すればそれが戦争になる場合もあります。

先の大戦も、日本の突然の真珠湾攻撃から戦争が始まったわけではありません。

戦争が始まる前に、日本はABCD包囲網を築かれ、つまりアメリカを中心に、イギリス、オランダ、中国が日本への石油を止めたという背景があったことを知る必要があります。

日本はアメリカとの戦争を避けるため外交交渉を行いましたが、それが決裂して日本は戦争をせざるを得ない状況に追い込まれたのです。これは近年多くの識者が指摘してきたことです。

実は、そのアメリカとの外交交渉が決裂する前に、水面下では中国が日本とアメリカを戦わせようとする工作活動が行われていました。

◆中国の日本叩きを指摘した若杉要ニューヨーク総領事

先の大戦で日本とアメリカとの戦争が始まる前、日本と中国国民党政府の衝突の渦中にあった昭和13年7月20日、若杉要ニューヨーク総領事が外務大臣宛に『当地方ニ於ケル支那側宣伝ニ関スル件』という報告書を出しています。

その報告では、中国擁護の反日宣伝の核になっている組織は「中国国民党系」、それから「米国共産党」だと指摘し適し、その後、アメリカは、若杉ニューヨーク総領事が懸念したように日米通商条約の破棄を通告してきました。

そして、その「反日工作はあなどりがたいほど成功を収めている」と結論づけています。

若杉ニューヨーク総領事は、個人的にアメリカで行われている中国の工作活動をつかみ、当時の日本政府に報告書を出して警告したのです。

中国の蒋介石政権の軍事援助を表明しました。さらに昭和15年1月25日にも若杉ニューヨーク総領事は、第2次近衛内閣の松岡外務大臣に対して、米国内の反日運動について報告をしています。しかし日本政府は適切な対応を取ることはありませんでした。

この時に当時のルーズベルト大統領へ中国の「日本と米国の関係を分断する工作」を明らかにしそれに踊らされて日米の関係を悪化させないよう適切な対応をしておけば、戦争にはならなかった可能性もあります。

結局、こうした反日工作が、日本をアメリカとの戦争に巻き込んでいったのです。これは日本の「情報戦の敗北」と言えます。

◆戦争を避けるために必要な「情報組織」

日本とアメリカを戦争に巻き込む工作は当時、ソ連やイギリスも行っていましたが、若杉ニューヨーク総領事が、反日運動は「アメリカ共産党」がもたらしたものであるという指摘は、昭和の歴史を総括する上で大変重要なことです。

実は、このアメリカにおける反日運動は今でも続いているのです。「慰安婦像」が次々とアメリカにできていますが、韓国系だけではなく、これも裏では中国の反日団体が裏で糸を引いています。

ですから、この戦後70年たった今でも、日本は国際的な反日運動にどう対処するのか正念場を迎えているという認識を持つ必要があります。

そういた意味でも「情報組織」を持つことは、戦争をするのではなく、戦争を避けるために必要なことなのです。

佐々木 勝浩

執筆者:佐々木 勝浩

幸福実現党 広報本部スタッフ

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